あれから三日が過ぎた。かなえは表面上はいつもと変わらない。
しかし時折見せる暗い顔…俺の好きなかなえには似合わない表情だ。
何だ?一体かなえは何を悩んでいるんだ?力になれない自分に腹が立つ。
俺は何の為にかなえの傍にいるんだ?
俺はこの溜まったうっぷんを晴らすために仕事帰りに実家の空手道場に行くことにした。
クソ親父、今日こそボコボコにしてやるからな!

「あれ?もしかしてなおっち?なんでここに来たの?今日はシズマックス一緒じゃないの?」
道場に入ると女が話し掛けてきた。
「あれ〜?もしかしてミカちゃん?こんなとこで会えるなんて、俺達赤い糸で結ばれてるかも?」
まさかこんなむさ苦しい場所で俺のお気に入りのセクキャバ嬢のミカちゃんに会えるなんて!
一気にテンションが上がった!今日はついてるな!
「お久しぶりです、直樹先輩!」
そう言って頭を下げる青年。こいつの名は綾崎湧一。かなえの後輩のますみちゃんの彼氏だ。
うんうん、礼儀正しい青年だ。こんな汚い道場には勿体ないな。
でも今は邪魔。せっかくのミカちゃんとの憩いのひと時を邪魔すんな!殺すぞクソガキ!
「直樹先輩、ダメですよ。今かなえさんが…うごほっ!」
余計な事を言う奴は殴っていいと法律で決められてるような気がしないでもない。
だから腹を殴ってやった。倒れる綾崎にとりあえず止めを刺しておく。
これでしばらくは復活しないだろ?
今のうちにミカちゃんと楽しい会話をして静馬を出し抜いてやる!
「だめだぞぉ綾崎君。武道家は隙を見せてはダメなんだぞぉ?」
こいつはゾンビみたいに復活するから、念のためにもう一撃入れておくことにした。
「厳しいんだねぇ、なおっちは」
「はっはっは、これも後輩の為だよ。
ところでミカちゃん、こんなむさいところ出て一緒に焼肉でもどう?
今日は奢っちゃうよ?」
「えぇ〜?ど〜しよっかなぁ?」
おお!脈ありか?店外デートゲットか?
「一緒においしいお肉を食べて精力をつけようよぉ〜」
「ええ〜?なおっちそんなに精力つけてどうするの〜?」
「決まってるだろぉ〜?つけた精力は…」
「もちろんあたしが搾り取るわ。いづみ、直樹がウザイこと言ってたみたいでゴメンね」
…なんだ?これは幻聴か?
「慣れてますから気にしてませんよ、かなえ先輩!」
……それとも夢か?
「ホントにゴメンね、きっちり教育しとくから。
それにしてもあなたって仕事熱心なのね、感心するわ。
お義父さまをわざわざ迎えに来るなんてね。まぁ頑張りなさいよ」
………はっは〜ん、これはドッキリカメラだな?
どこだぁ?どこにカメラ隠してんだ?たのむ、隠しててくれぇ!
「じゃ、帰りましょうか、直樹」
「………ハイ」
そうか!道場を出たらドッキリと書かれた看板持った芸人が立ってるんだな?
神様お願い!立っててくれぇ!

かなえに手を引かれて道場を出た。……神様なんて信じない、もう信じないぞ!


「なんで浮気しようとするのかな?ねぇ直樹、どうしてなのかしら?」
ウィィィィ〜ン……機械の動くモーター音が部屋に響く。
「ハグァ!ヒィグゥ!」
直樹は手足を縛られて身動きがとれずもがいている。
真っ青な顔であたしの手に握られている物を見つめている。
「はぁ、どうしても訳を話さないつもりね?強情なのね、直樹は。仕方ないわね…」
話さないんじゃない、話せないのよね。だって口にはセシュターがはめてあるしね。
「じゃ、これ入れちゃいましょうか?」
不気味にうごめく機械を舐めるあたし。
これは直樹があたしに使うために買ってきたバイブレーター。
アナル用だから男でも使える。前に一度、風俗に行った罰で使ったしね。
「最後のチャンスよ?なぜいづみを口説こうとしたか話しなさい!」
「はがげぇ!ふがぐがぐげぇ〜!」
「そう、話す気ないのね?…そんな強情な直樹も好きよ?」
ローションをバイブと直樹のお尻に塗る。
「さぁ直樹、カワイイ顔見せて?…好きよ、直樹」
ズ…ズズズ…ズボッ!
「はがぁ!…うがぁ…んはがぁ……」
直樹のお尻で無機質な動きを見せるバイブ。はぁぁ、凄い、感じちゃうわ…
「直樹、反省してなさいね?あたしは夕御飯のおかず、買ってくるから」
そう言って服に着替えて部屋を出るあたし。そのまま待っててね、直樹。
バイブを入れたままの直樹を部屋に残しての外出。
これって前に直樹にしてもらって凄く気持ちよかったの!
いつ帰ってくるんだろ?もしかしてこのまま帰ってこないかも?
そんな事考えてたらすっごく気持ちいいの!
直樹も気持ちよくなってほしいしね。でも男が気持ちいいは知らないけどね。
反省しなさいよ、直樹。あたしの事守ってくれるんでしょ?他の女なんて見ないでよ……

スーパーで直樹が好きな惣菜を買うあたし。
(う〜ん、あたしもちゃんとした料理を覚えたほうがいいわね。彩に習おうかしら?)
そんな事を考えながら部屋に帰るあたしの目に、見覚えのある男達の顔が入ってきた。
…いや、見覚えのあるなんてものじゃない。忘れたくても忘れられない忌まわしい顔。
あいつ等だ…あいつ等、あたしを追ってここまで来たんだ。
膝が震える。何も考えられない。頭の中にはあの光景が浮かぶ。
…イヤ…助けて…助けて直樹…お願い、助けて直樹!
頭を抱えてうずくまるあたし。
そんなあたしの肩に手が置かれた。


(はぁはぁはぁ…俺はホモじゃないっての。ケ、ケツの穴が痛い…)
痛さのあまり縛られていた包帯を引き千切りバイブをそっと抜く。
うわ、少し血がついてる。このままじゃ切れ痔になっちまうぞ?
かなえのやつ…お返ししないとな。今日はハメまくってやる!うん、それで許してもらおう。
コンドームを用意する俺。あっ、この間使い切ったんだった!しまったなぁ、どうしよう?
帰ってきたかなえを襲ってやろうと考えてたけどゴム無しじゃなぁ。
仕方ない、買いに行くか。かなえに見つからないようにすればいいだけだしな。
ついでに軟膏を買って尻に塗りたいしな。ズキズキしてイテェよ。

近くの薬局でコンドームと軟膏を買う。
「またですか?消費するの早いですね」
顔見知りになった店の女性店員に皮肉られる。
「ははは、たまには君で使わせてよ?俺って結構いい仕事するぜ?」
「もう、いいかげんにしないとかなえちゃんに怒られますよ?」
残念、断られた。…え?なんでかなえを知ってるの?
「な、なんでかなえを知ってるんだ?」
「え?だってあたしスパイ其19ですから」
クスリと笑いながら話す店員。薬局だけに笑い方もクスリか……凝ってるね!
って違うだろ?なんだよスパイって?なんなんだよ其19って!
「そ、そのスパイってなんなのかな?」
嫌な予感がする、動揺が隠せない。多分俺が考えてる通りだと思う。
「スパイはスパイですよ。私達、池田さんが浮気しないように見張ってるんです。
何人いるかは知りませんけどね」
……ハイ正解、思った通りだ。かなえ、どこでそんな組織を作ったんだよ!
俺は疑心暗鬼に包まれながら店を出る。周りが全てスパイに見える。
(くそぅ、まさかスパイを雇ってたとはな。かなえのやつ折檻してやる!
…んん、あれはかなえ?様子が変だぞ?)
スーパーの袋を片手に持ったかなえが一点を見つめて立ちすくんでる。
なんだ?何があるんだ?
かなえの視線の先を見るとガラの悪い連中がいた。
(1、2、3…全部で5人か。あいつ等がなにかあるのか?)
そいつらの顔を覚えてかなえを見ると……頭を抱え、うずくまってる!
一体どうしたんだ、かなえ!
駆け寄ってかなえの肩にそっと手を添える。
かなえの体がビクッっと反応した。
「かなえ?どうした、なにがあった?」
「直…樹?ひっ、うっく、なおきぃ〜!」
俺の顔を見て安心したのか抱きついてきて泣き出すかなえ。
……あいつ等か?最近かなえの様子がおかしかったのは、あいつ等のせいか!
かなえを強く抱きしめる。…震えている。俺のかなえが…震えている!
…てめぇら、かなえになにしやがった!
今すぐにでもあいつ等を殺してやりたいところだが、まずはかなえを部屋に連れて行く。

かなえ、何があったか話してもらうぞ。俺がお前を守る!だからもう、震えて泣かないでくれ…


「ゴメンね直樹、変なトコ見せちゃったね。…心配してくれたんだ、ありがとう」
直樹…ホントにありがとう。
直樹が来てくれなかったらきっとあいつ等に捕まって、また……イヤ、イヤァァ!
「か、かなえ?どうした落ち着け!俺がいる!俺がいるから!」
取り乱したあたしを直樹は強く抱きしめてくれた。
「ひっ、ひっく…ご、ごめんね直樹。取り乱しちゃったね」
「……聞いていいか分からないが、何があったか話してほしい。お前の力になりたいんだ!」
そう…よね。ここまで取り乱しちゃったんだから話さないとね。
やだな…直樹に知られるの、やだな。……直樹に嫌われるの…やだな。
「…たしね、前に……つ等に……されたの…」
怖い。直樹に知られるのが怖い。直樹に嫌われるのが…怖い。
「かなえ?悪いがよく聞こえ…」
「レイプされたのよ!そうよ!何回も…何回も中で出されて…
あたしは…あたしはあいつ等に…レイプされたのよ!」


(かなえを…俺のかなえをレイプだと?…どこだ?あいつ等どこいったぁ!)
殺す!かなえを泣かす奴は俺が殺す!
部屋を飛び出そうとした俺にかなえの顔が目に入った。…泣いている。震えて泣いている。
バカか俺は!今はかなえを抱きしめるのが先だろうが!あいつ等を殺すのは…後でいい。
「ゴメンかなえ!つらい事、話させてしまったな。…俺がいる。俺がいるから大丈夫だ!
…俺が守る。何があっても俺がお前を守るから!一生守るから!」
かなえを強く抱きしめる。
こんな細い体にあんなつらい事、今まで1人で抱え込んでたんだな。
「…もう一度言って、直樹。お願い、もう一度…」
ああ、何度でも言ってやる!
「俺が守る。何があっても俺がお前を守るから!一生守るから!
安心しろかなえ、お前は俺が守る!」
俺の言葉にかなえ、キスしてきた。
「ん…んん…ちゅ…直樹…好き、愛してる直樹!」
押し倒される俺。かなえ、俺も好きだ、愛してるぞ!

かなえのやわらかい舌が俺の首筋を、耳を舐めていく。
「なおきぃ…なおき好き、直樹大好き!」
上着を脱がされ乳首を舐められる。くぅ、気持ちいい。
「ん、ちゅ、れろ、ちゅば!…どう?気持ちいい?直樹気持ちいい?」
右乳首を咥えて甘噛みをしてくれる。かなえのあたたかい舌の感触が最高だ。
空いてる左手で俺のアソコをさすりながら右手は左乳首を爪でカリカリと軽く削るように愛撫し
てくれている。
あぁ、凄い。凄くいいよ、かなえ。
「最高だ、かなえ最高だよ!」
乳首を舐めてくれているかなえの頭を軽く抱きしめる。
「ねぇ、もう一度さっきの言葉、言ってくれる?」
「ああ、何度でも言うよ。俺が守る。何があっても俺がお前を守る!一生守る!
愛してるよ、かなえ…」
「うれしい…うれしいよぉ、なおきぃ…なおきぃ…」
かなえは俺の名前を呟きながらベルトを外しズボンを脱がせる。
「ん、ちゅ、なおきぃ…ちゅちゅ、じゅる…はおひぃ…ジュッポジュッポ…」
く、くぅぅ…何度されても気持ちよくて最高だ!かなえのフェラチオは!
俺の亀頭を咥え顔を回すようにしながら唇をすぼめてくる。
口の中で舌は尿道をなぞる様に舐めている。
右手は竿の部分をしごきながら空いてる左手は睾丸を優しく揉んでくれている。
あ、ダメだ。もう限界だ!
「か、かなえ、ゴメンもう出る。出ちまう!」
俺の言葉にかなえは頭を前後にスライドさせながら吸い出そうとするように激しく攻めてきた。
「うっくぁ…出、出る。出るぞかなえ!…っくぅぅぅ!」
…どぴゅ!びゅびゅ!びゅぴゅ!ぴゅく……
腰から下が麻痺したかのような感覚。全てを持っていかれたような射精感。
凄い、最高だよ、かなえ。


「んっんっ、んくっ…ゴクン。ぷはぁ!はぁはぁはぁ…直樹、いっぱい出しすぎ。
なんでこんなに出るのかなぁ?」
…かなえ、飲んでくれたんだ。うれしいよかなえ。
「はは、それはお前が最高の女だからだよ」
「……ありがとう、直樹。でもいいの?あたし、あいつ等に…」
「お前以外の女なんて眼中にねえよ!
お前が俺の事嫌いになってもストーカーになってやるからな、覚悟しとけよ?」
そう囁きかなえを抱きしめてキスをする。
「ちょっ、直樹ダメ!あたし今飲んだとこ…んん!」
ちゅっ…ちゅば…じゅる…ちゅちゅ…くちゅ…
かなえの言葉を無視して舌を割り込ませて口の中を蹂躙する。
う、確かに生臭いが関係ない!
最初は抵抗していたかなえもしだいに舌を絡ませてきた。
「ん、んん…ちゅる…ちゅば…じゅる…んあ、はぁはぁはぁ…直樹激しすぎるよ…」
お互いキスに満足したので唇を離す。なんか名残惜しいな。
「ははっ、かなえに激しいなんて言われたくないな。いつも俺のにはもっと激しくして来るくせに」
「もう!恥かしいから言わないでよ!」
よかった、かなえに笑顔が戻った。
「…でも、ありがとう。こんなあたしに…あんな情熱的なプロポーズ!」
…へ?
「『俺が守る。何があっても俺がお前を守るから!一生守るから!』
うふふ、待ってたかいがあるってものね〜」
……へ?
「うっふっふ、携帯のメモリーにも録音したしこれを着信にしよっかな?」
………へ?
「さっそくあの子達に聞かせてあげなきゃね。
という訳で直樹、ここに後輩達呼ぶから早くシャワー浴びてね。
あ、一緒に浴びようか?そうよね、もう夫婦になるんだからね!」
…………へ?
「メール送信OKっと。あとは部長にも送信してっと…はい、OKね。
ねぇ直樹、仲人は部長にお願いしていいかな?」
……………へ?
「ねぇ直樹。あたしは早くが子供欲しいんだけど、もう少し経済的に余裕が出来てから作る事に
しようね?
しばらくは共働きね。うふふ、あたしも池田さんって呼ばれちゃうのね。…うれしいな」
………………そうか、そうきたか。
何回も同じセリフを言わせたのは携帯に録音をさせるためか。
なんてクレバーなんだ、かなえ。
自分が置かれた状況を100%利用するなんて…愛してるぜコノヤロウ!
…してやるよ。ああ、結婚してやるよ!嬉しいぞコノヤロウ!
「うふふ、直樹もうれしいんだ。涙流して喜んでくれるなんて…好きよ、あ・な・た。チュッ」
「バカヤロウ!俺のほうが何倍もお前が好きなんだよ!…だから幸せにしてください」
かなえを抱きしめてむさぼる様にキスをする。愛してる、好きだ、かなえ!

俺はお前が好きで好きでたまらない。だから許せない事がある。お前を苦しめている奴等だ。

お前の笑顔を曇らせる奴等を排除してやるよ。

クズ共覚悟しとけよ?俺は容赦しないからな。





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