「いや〜ミカちゃん、今日こそはワシと一緒に焼肉食べに行こうな!
おいしいお肉を食べて一緒に精力つけようじゃないか、わっはっはっは!」
…はぁ〜、ウザイ親父。しかも息子と同じ事言ってんじゃんか。
なんでかなえ先輩、あんなの選んだんだろ?
先輩ならもっと上のレベル落とせると思うんだけどなぁ。
「ええ〜?ど〜しよっかなぁ?いけぴょん目が恐いしぃ、アタシが食べられちゃいそう!」
「わっはっはっは!よ〜しミカちゃんを食べちゃうぞぉ〜!パクッ!」
「やん!いけぴょん、ミカを優しくた・べ・て・ネ」
アタシの胸にしゃぶりついてきた親父の頭を抱きながら
(早く帰って寝たいな〜)
なんて考えてたら団体客が騒ぎだした。なによ、うるさいわねぇ。
「お前等、たかが風俗嬢のくせに生意気なんだよ!何が指入れ禁止じゃ!
お前等の腐った穴をオレらが使ってやろうしてるだけだろうが!」
カッチコ〜ン!なんなのコイツ等!ふざけてんじゃないわよ!いづみさんご立腹よ!
「ちょっとアンタ達!ふざけた事言ってんじゃないわよ!
風俗店でしか女に相手にされないクズ人間共が!
そう言うお前等の股間のポッキーも賞味期限切れてんだよ!」
胸にしゃぶりついてるいけぴょんを振り払い文句を言うアタシ。おっさん邪魔よ!
「なんだと?このクソアマ!てめえマワスぞ!」
騒いでる客達を見ると明らかに元ヤンの服装してる。
なに?その紫のトレーナーに丸坊主の頭。
うわ!白いジャージの奴もいるじゃん!恥ずかしいねぇ、モテなさそうだねぇ。
「はん!モテない男共は悲しいねぇ〜。
アタシ達しか相手にしてくれないから淋しいんでちゅか〜?
さっさとポッキー生産工場に帰れ!この粗チンどもか!」
アタシの啖呵に店の女の子の大喝采が!…まぁ他の一般客達は凹んだみたいだけどね。
「このクソアマが!ブチ殺す!…ビュン!」
アタシ目がけて飛んでくるビール缶。中身入ってんじゃない!反則よ、それ!
思わず目を瞑り腕で顔をガードして衝撃に備えるアタシ。…あれ?外れたのかな?
「わっはっはっは!君達、ビールありがとう!ビール代もバカにならんから助かったぞ!」
あっ!いけぴょんがビールを受けとめてくれたんだ!
やるじゃん親父!さすがは空手道場の館長さんだね。
今までただのスケベで何の役にも立たず、ただ呼吸をして酸素を無駄に消費する歩く廃棄物
だと思ってたわ!
「テメェぶっ殺す!」
怒鳴りながらこっちに向かってくるポッキー野郎共。うわっ!アイツ等5人もいるじゃん!
5対1なんて反則よ、それ!
「わっはっはっは!ワシを殺すか?おお、殺し合いか!」
うれしそうに笑いながら、いけぴょんビール缶に人差し指を突き刺した。なにしてんの?
そこには穴が開いてその穴からビールをゴクゴク飲みだしたの。
スゴいいけぴょん!まるでマギー慎二みたい!その手品、あとで教えてね?
…あれ?ポッキー達、青い顔して立ちすくんでる?
はっは〜ん、さては突然の手品に驚いたんだね?
「さぁやるか!久しぶりの殺し合いを!」
そういってアタシ達のテーブルに置かれていたボトルの上の方を手で横から『ヒュンッ!』って
叩くようにしたの。
あれって手刀ってやつよね?おお!上の方が取れた!
スゴいスゴい!いけぴょんスゴい!まるでミスターマリックだよ!
ハンドパワーってやつだよね?お金取れるよ、いけぴょんの手品!
それを見たポッキー達は慌てて店を出ていった。
…なんか知んないけど、助かったのかな?
「いけぴょんスゴい!どこでその手品覚えたの?アタシにも教えてよ!」
いづみさん大興奮!デビット・カッパーフィールドもビックリのイリュージョンね!
…ちょっと違うかな?
「うん?おお、いいぞ!ミカちゃんに教えてあげよう!
ただあまり世間には広めたくないからのう。…今夜ワシの道場でどうかな?」
「うん、行く行く!仕事終わったら行くね。すっごく楽しみ!」
いづみさん、ぬかったわ。
テンションが上がった為にこんなに簡単にお持ち帰りされてしまうなんてね。
…ま、気持ちいいからいっか。久しぶりだしね!
俺がかなえにプロポーズをした日の夜、それを知ったかなえの後輩達がお祝いのパーティをし
てくれた。
かなえの顔に笑顔が戻った。それだけでもプロポーズをしてよかったよ。
ただ綾崎とますみちゃんが刺す様な視線で俺を睨んでいた。
ははは、羨ましいんだろ、お前等。
そういえば綾崎、顔にあざが出来てたな。浮気でもしてますみちゃんに殴られたか?
浮気はよくないぞ、綾崎よ。俺にみたいに風俗だけで我慢しとけ。
風俗は浮気に入らないからな。…多分ね。
(それにしてもとうとう俺も結婚かぁ。
家の事情なんて考えず、もっと早くにプロポーズしときゃよかったよ。
……あれ?なんか俺、騙されてないか?そもそも俺、プロポーズしたっけ?
なんかはめられた気がするなぁ)
しかしそんな気持ちも俺の腕を枕代わりにして眠っているかなえを見ると、どうでもよくなる。
はぁ〜あ、俺って完全にかなえに夢中だな。かなえ、好きだぞ。
そっとかなえの頬にキスをする。ふふ、よく寝てるな。
最近は不安であまり寝れなかったんだろうな。
安心しろ、かなえ。俺が終わらしてやるから。クズ共を終わらせてやるからな。
左腕にかなえの温もりを感じながらどうやってクズ共を見つけ出すかを思案する。
(どうやってクズ共を探すかだな…
クズ共がかなえ目当てでこっちに来ているのは間違いないはずだ。
しかし俺一人で探すのは厳しい…町は広いからな。
かといって静馬や綾崎に頼むわけにもいかない。
あいつ等を巻き込むなんてできない。…仕方ない、クソ親父に頼むか)
俺の出した結論、親父に協力してもらう。蛇の道はヘビってやつだ。
俺の親父…池田清正。
今でこそ親父は子供たちに空手を教えたり、地域の防犯活動に協力したりしてる。
はた目にはよく笑う愛想のいい親父だ。
しかし本性は違う。親父は暴力が好きだ。殴り合い、潰し合うのが好きだ。
相手がどうなろうと関係ない。殺しあうのが好きなんだ。
親父はどこか狂ってる。そしてその親父に育てられた俺も…狂っていた。
親父は俺が物心ついた頃はヤクザなどアウトローな奴らばかりに人の壊し方を教えていた。
その頃の門下生には組の上の方まで上り詰めた人もいる。
そんな人達とは知らずによく可愛がってもらったもんだ。
親父がそんな奴等に教えるのを止めた理由は…俺だ。
俺が小学5年生の時、同級生の前歯を殴ってヘシ折った。
理由は…ヘシ折ってみたかったから、ただそれだけだった。
そんな俺を見て親父は泣いた。俺の前で初めて泣いた。
後にも先にも泣いたのを見たのはこの時だけだ。それからだ、今の親父になったのは。
今でもその頃の門下生の人達からは年賀状が来る。まだ付き合いはあるみたいだ。
本当ならそんな人達と係わりたくないがかなえの為だ。
クソ親父に頼んでその人達に探してもらおう。
レイプなんてしてるクズ共は必ず裏の世界にもかかわり合いがあるはずだからな。
ヤクザになった人達は今でもクソ親父には頭が上がらないし、協力してくれるはずだ。
隣でかわいい寝息をたてているかなえを見つめて誓う。
どんな事をしてでもお前を守る。お前を泣かす奴は俺の敵だ!
……そして敵は潰す。それが池田道場の本来の教えだ。
『たとえどんな手を使ってでも敵は潰せ』ってな。
たとえ俺の手が血で汚れようともな……
次の日、朝一で親父に会いに行く。都合よく会社は休みだ。
かなえは文句を言っていたが一緒に行く事は出来ない。知られたくないしな。
「クソ親父帰ったぞ、息子様のお帰りだ!どこにいる!」
家の玄関を開けて親父を呼ぶ。…ん?なんで女物の靴が?
はっは〜ん、さてはクソ親父、デリヘル嬢呼びやがったな?
ということは寝室か?息子としては乗り込んでやるのが基本だろ。
「お父様〜!孝行息子が帰って来ましたよ〜!」
ガラッ!寝室の襖を勢いよく開ける。
さすがのクソ親父もSEXしてるとこ見られたら恥ずかしいだろ。
襖を開けたそこには…布団の上でやつれた顔で死んだ魚の目の親父と、
その上で腰を振っているミカちゃんが!
「な、なおき…助けて…止めてくれぇ。こ、殺される…」
俺を見た親父が手を伸ばし助けを求めている。…こんな親父、始めてみたぞ!
「ん、あん!…もっとよ…もっと腰ふりなさいよいけぴょん!」
そう言って親父が伸ばした手を自分の胸に持っていくミカちゃん。
「も、もう出ない…出来ない…死、死ぬ…」
「………失礼しました」
そう言って襖に手を掛ける俺。
「な、直樹!…見捨てないで…うっくぅ!」
「あん!…またイッタの?でもまだまだこれからよ?
久しぶりだからアタシ、溜まってんのよねぇ〜。
だ・か・ら、死ぬならアタシを満足させてからにしてよね?…えい、ツプッ!」
「うっひぇぃ!い、いづみちゃん、ゆ、許して……」
うう、見てしまった。親父がケツに指を入れられてるところを…
襖を閉めて道場へと行く俺。かなえを連れて来なくてよかった…本当によかった!
それから一時間後、ミカちゃんが着替えて出てきた。
「はぁ〜スッキリしたぁ。あっ、なおっち来てたんだ。メール見たよ?
先輩と結婚するんだってね!
おめでとうなおっち!先輩と結婚できるなんて奇跡だね!今世紀最大のミステリーだね!」
「あ、ありがとうミカちゃん。…ところで親父、息してるの?」
ミカちゃん、血色のいい顔してるな。親父の精を吸い取ったのか?
「あはは!半分生きてるよ。しぶといねぇあのおっさん!
…あっ、それとアタシの名前『佐藤いづみ』だから。
ミカは源氏名よ。だから今度からいづみって呼んでね」
あどけない笑顔のいづみちゃん。…親父、半殺しの目にあったんだ。
「う、うん。分かった。…ところでなんで親父とSEXしてたの?」
「へ?やだなぁ〜、あんなおっさんとするわけないじゃん!
素股よ、す・ま・た!入れてないわよ」
可哀想に…素股で半殺しか。
「アタシに入れていいのはピュア君…綾崎君だけよ。彼とは自称SEXフレンドだからね!」
……なぜだろう、綾崎が羨ましくない。俺も年なのか?
「は、ははは…じゃあ俺、親父に用事があるから、またね」
そう言って道場を出て行く。怖い…いづみちゃんが怖い!
ここにいたら俺の精まで吸い取られるような気がして、慌てて親父に会いに行く。
親父は寝室にいた。素っ裸の三角座りでなにかブツブツ言ってる。
「犯された…ワシ、犯されてしまった。汚されてしまった…ううう…」
二度目だ…親父が泣いてるのを見たのは。
ああ、俺の幼い時の思い出が、汚されたしまった…
「しっかりしろよ、親父。いいかげん立ち直れよ」
あれから一時間。まだ凹んでる。
「直樹…直樹よぉ。ワシな…生まれて初めて、敗北という物を知ってしまった…」
マジで?親父が負けを認めたのか?あのヤクザ相手にも喜んでケンカをするクソ親父が?
「はぁ…初めて負けてしまった。…初めて相手に許しを請うてしもうた。
はぁ、いづみちゃん…好きだ。なぁ直樹。お前、お母さんほしくないか?」
…帰りたくなってきた。こいつ頭イッてるんじゃないか?
「どうでもいいよ、そんな事。それより親父に頼みたい事があるんだ」
やっと本題を切り出す俺。しかし今の親父に頼んで大丈夫か?
「親父、探してほしい連中がいる。…俺の敵だ」
俺の言葉に真剣な表情になる親父。
「直樹。常日頃、軽々しく敵などと言うなと教えていたはずだが?それをふまえての敵か?」
「…ああ、そうだ。俺の敵だ。俺が潰さなきゃならないんだ」
「ふむ…なぜ急に敵ができたんだ?最近のお前にそんな相手いなかったろう?」
…どうする、親父に話すか?
「かなえ君か?かなえ君絡みなんじゃな?」
うっ、相変わらず鋭い勘してやがんな。おもわず頷いてしまう俺。
「そうか、かなえ君のためなら喜んで協力しよう。
かなえ君はお前にはもったいないいい娘じゃからな。
昨日もここへ来て仏壇を拝んで行きおった。
母さんの写真を見て綺麗な人だったんですねとほめとっだぞ」
「……若い頃の加賀まり子だったっけ?今の写真は」
「いや、それはもう飽きたから吉永さゆりだ」
なにが母さんの写真だ、結婚した事ないくせに。
……俺がかなえとの結婚を渋っていた原因がこれだ。
俺は親父の血を引いていない。俺自身、誰の血を引いているのか知らないんだ。
…俺は道場の前に捨てられていた、捨て子だったんだ。それを親父が拾って育ててくれた。
最初は本当の親が現れるのを待つ間だけ預かるつもりだったらしいが、結局現れなかった。
この事は静馬にしか話していない。ていうか親父がばらしやがった。
クソ親父、人の気持ちも考えろ!
「で、どんな奴なんだ、そのワシ等の敵は?」
おいおい、俺の獲物に手を出すつもりか?この親父のケンカ好きにもあきれるな。
「これは俺1人でやる。いいか親父、手を出すなよ?
相手は5人。1人は紫のトレーナーに坊主頭。
いかにも元不良って感じの頭の悪そうな奴だ」
「んん?5人組で紫のトレーナー?白いジャージも仲間にいるのか?」
「おお、いるぞ。…って親父、何でそいつ等知ってるんだ?まさか…知り合いなのか?」
「おお、そいつら昨日いづみちゃんの店で暴れおった連中だ。
今夜もあの近辺に現れると思うぞ?」
マジか?愛してるぞ親父!
「急いで始末したほうがいいぞ。なんせ山之内組の連中が狙ってるからの。
あいつ等もあほじゃな。ヤクザがケツ持ちしてる店で暴れるなんて、ほんとあほじゃの。
わっはっはっは!」
マジか!そりゃ急がないとな。
「ありがとな、親父!助かったぜ!」
礼を言って家を出る俺。今夜中にケリをつけてやる!
プルルルル……プルルルル……ピッ!
「金田君か?昨日話しとった連中の件じゃがな、こっちでやるから手は出さんでくれ。
……ははは、それは安心せい!逃がしはせんよ。
……わっはっは!そんなに高く売れるのか!
……なぁに気にするな、君の若頭への就任祝いじゃよ。
……そうじゃな、運搬用に若いの何人かよこしてくれ。
まぁ君のほうが慣れとるだろうしそこら辺はまかせた。
それと売るのはいいが、足が着かないようにしっかり頼むぞ。
……そうかそうか、いらん心配じゃったか!わっはっはっは!ではの…ピッ!」
「ヒック!あ〜飲んだ飲んだ。ちょっとションベンたれてくるわ。お前等ちょっと待っててくれ」
路地裏に入りションベンをする。
フヒヒッ、あいつの職場も割れた事だし明日にでも早速乗り込んでやるか。
あいつのせいで俺達の貴重な時間をムショの中で過ごしたんだからな…
1回5万ぐらいでヤラせるか?
いや、地元に持って帰ったらもっと高く売れそうだな。まぁしっかり稼いでくださいよ?
…その前に俺達が楽しませてもらうけどな。かなえの穴は今までの中で最高だったからな!
さぁて稼いだ金で何買うとするかなぁ?
まずはデカイ車を買って次の女をラチれるようにしなくちゃな。
あぁ〜夢が広がるな!……おぉぉ、なんでションベンした後ってこう震えがくるのかねぇ〜?
「よ〜う、待たせたな。さぁて、前祝で一発しに行こう……ぜ?」
な、なんだ?どうしたんだ?なんで皆倒れてる?
「お、おい!どうした?何があった!おい!」
……だめだ、4人共気を失って痙攣してやがる。
…え?うわ!の、喉が潰されてる…全員潰されてる!
うう!コイツ膝を砕かれて…うわ!こっちは目が潰されてる!
コイツは……み、耳が千切られてる!
畜生!だれだ!誰がやりやがった!
俺が路地裏にいたとはいえ俺が気づく事なく短時間でここまでやるとは…
かなりの手練…だよな?こ、ここにいたら俺もヤバイ!に、逃げないと……
「お前だけだ…残ってるのはお前だけ。もう仲間もいない、誰も助けてくれない」
だ、誰だ?お、お前か?こんな酷い事をしたのは!
「ずっと待っていた…お前達を襲える時を、お前達を潰せる時を…」
……グシャ!
「くひゃ!…か、かかは、か……」
の、喉…潰れ…こ、声がでな……
……グチャ!
目!目が!俺の目がぁぁ〜
……グチュ!
き、金た…ま……
…グチャ!…グチャ!…グシャ!……ボキッ…
「もう二度とこの町に来るな。次は必ず殺す…って聞こえないか」
「アニキ、直樹さんもう行きましたぜ。…しかし凄いですね、5人を一瞬で潰すなんて」
「う〜ん、勿体ないな。館長、俺に預けてくれませんかね?いい極道にしますよ?」
「わっはっは!まだまだヒヨコじゃよ。トドメを差さんようじゃ、まだまだじゃよ」
「まぁそのおかげで俺らが商売できるんですけどね。…おい、車に詰め込め!
一応手当てしとけよ?大事な商品だ」
「忙しいからワシはもう行くぞ。セクキャバに行って愛しの彼女を口説かないといかんのでな。
わっはっは!」
「オス!お疲れ様でした!」
(すまんのう、直樹。アイツ等が何をしたか調べさせてもらったんじゃよ。
…ああいうクズ共は消すに限る!
まぁ金田君がパーツのリサイクル先を見つけてくれたから、無駄にはならんよ)
お前の親父として出来る事はほとんどないが、お前達の邪魔になる物はワシが排除してやる。
だからお前は真っ当な道を歩いて行け、直樹よ……
「お帰り直樹、遅かったのね。…さぁこんな遅くまでどこに行っていたのか話してくれる?」
なによ、なんであたしを置いてこんな遅くまで帰ってこないのよ!
「なんで黙ってるの直樹!…まさかまた風俗じゃないでしょうね?」
昨日だよ?プロポーズしてくれたの昨日なんだよ?
「せっかくの休みだったのに、2人でいたかったのに…」
なんで黙ってるの?ホントに風俗行ってたの?…それともあたしの他に女がいるの?
「なにか言いなさい!なお…え?」
直樹の服に血が付いてる!え?どこか怪我してるの?
「ちょっと直樹、血が付いてるじゃない!どこ怪我したの?手当てしなくちゃ!」
慌てるあたしの両肩を掴み、真っ直ぐ見つめてきた直樹。え?なによ直樹。
「かなえ…落ち着いて聞いてほしい。
ホントは話したくなかったんだけど、そうもいかないだろうしな」
なに?ホントは話したくないって…まさかホントに他に女がいるんじゃ?
「今日一緒にいれなかったのは…お前を狙っていた奴等を潰してきたからだ。
この血は返り血だ」
……え?な、なにを言ってるの直樹。あいつ等を潰した?どういう事なの?
「あいつ等昨日、いづみちゃんの店で暴れたらしい。
そこに偶然親父がいて、あいつ等のことを教えてくれたんだ。
それであいつ等の居場所か分かったから今日潰しに行って来た。
…もうあいつ等はここには来ない」
…ホントなの?ホントにアイツ等あたしの所に来ないの?
「かなえ…もう大丈夫だ安心しろ。あいつ等は俺が潰した。
万が一また来るようであれば…今度は殺してやる」
「……な…おき…」
「お前の為ならなんだってする。お前を守るためならどんな事でもする。だから…もう泣くなよ?
泣き顔も色っぽいけどな、俺はお前の笑顔が…好きなんだ」
はにかむような笑顔で言う直樹。あ…涙、出てたんだ。
でもこんな嬉しい事されたら誰だって泣くわよ!
だって好きな人が自分の為に戦ってくれたんだよ?
…そっか、ますみもこんな気持ちだったんだ。
「…アリガト。あたし直樹を好きになってよかった…貴方でよかった!」
抱きしめてキスをする。好き…大好き直樹!
「ちょ…かなえ、明日仕事が…んっく…」
そんなの無視よ!
だってこの燃え上がった気持ちが抑えられないんだから…だから責任取ってよ!
「ん…ちゅ…ちゅる…ちゅば…ちゅる…」
少し荒れている唇…おいしい唾液…柔らかい舌…綺麗な歯…好き。
全部好き。全部あたしの物!
お互いの舌がお互いを求め合う。口の中で交わるあたし達、交わる唾液。…交わる気持ち。
(気持ちいい…直樹とのキスって気持ちいい。直樹も気持ちいいのかな?
気持ちよかったら…いいな)
「んっ…ちゅちゅ…ちゅぱ…んあ…じゅる…んん!…はぁはぁはぁ、なおきぃ…あたし、もう…」
直樹の手が胸を揉み解している。あたしも負けじとアソコをさする。
直樹ったらもう準備OKなのね。
「はぁはぁ…かなえ、玄関じゃなんだからベットへ行こう。俺、もうたまらないよ」
息が荒い直樹。直樹もあたしを求めている。…うれしいな。
「うん、いいよぉ。早く行こうよぉ」
あたしを抱きかかえてベットへと運ぶ直樹。うふふ、お姫様抱っこだ。嬉しいな。
「かなえ、もういいだろ?我慢できないよ、俺」
「…ダメ。あたしをこんな気持ちにさせたんだから今日はあたしがするの。
直樹は寝てるだけね?」
優しくベットへ降ろしてくれた直樹、今日はあたしがするね…あたしにさせてね?
「直樹…好きよ。愛してる直樹…んん…ちゅ…レロッ…チュパッ…」
耳元で囁きながら、耳を舐めて甘噛みしながら囁く。
上着を脱がせ、手で直樹の乳首を軽く触れる程度に触る。
「あ、くぅ…うわ…気持ちいいよ。あっ…かなえ、いいよ…」
うふふ…直樹の感じるところ全部知ってるもんね。…気持ちよくなってね。
「どこが気持ちいいの?どこ触ってほしいの?」
耳の穴に舌を入れながら指先が軽く触れる程度の愛撫で直樹の胸を触る。
「うっ、あっ…胸です、乳首がいいです…」
うふふ、直樹もノッてきたわね。
「このカワイイ乳首が気持ちいいの?…素直な子は好きよ?これは、ご・ほ・う・び」
ちゅっ…あむ…ちゅちゅ…レロレロ…カリッ!
乳首を口に含み軽く歯で挟む。甘噛みしながら舌で優しく愛撫する。
その度に直樹は女の子みたいな声で喘ぐ。
反対の乳首は爪で軽く剥がすように擦る。時折優しく胸全体を指先でなぞる。
「ん…くぅ…あ!すご…いいぞ、かなえ。気持ちいいぞ…」
ズボンの中に手を入れて直樹を触る。あっ、すごく濡れてる…うふふ、我慢してるんだ。
「直樹?なんでこんなになってるの?」
直樹ので濡れた指を見せ付ける。直樹、顔真っ赤ね…カワイイ!
「こんなにしてちゃダメでしょ?あたしが綺麗にしてあげるね?」
濡れた指を見せ付けるように舐めてから直樹のズボンと下着を脱がす。
「直樹、立ってみて。…あっ、手は後ろで組んでね。足は少し開いて…うん、それでいいよ」
直樹をベットの横に立たせて後ろで手を組ませ足を少し開かせる。
直樹の足元にしゃがみ込み、大きくなってるアソコを持ったまま直樹を見上げる。
「こんなに濡らしてダメじゃない。仕方ないなぁ…綺麗にするね?」
ちゅ…ちゅちゅ…ペロッ…レロレロレロ…ジュジュ…ジュルルル…ジュッポジュッポジュッポ!
見上げながら直樹を口に含む。スゴイ、カウパー液どんどん溢れてくる。
あたしは直樹を攻めながら自分でクリトリスを愛撫する。あぁ、なおきぃ…気持ちいいよぉ。
うふふ…直樹、目を瞑って我慢してる。
ん、あん…もっと感じて…もっと気持ちよくなってぇ、なおきぃ!
ジュルルッ…ジュッポジュッポジュッポ!ジュルル!ジュポジュポジュポジュポ!ジュルルル!
直樹のを咥えながら顔を前後に動かす。口の中では亀頭を舌で舐め回す。
直樹が出しているカウパー液を飲み込む。
「か、かなえ…もう俺、たまんないよ…」
涙目であたしを見つめる直樹。
「うん、あたしも。…今日はあたしが口でゴム着けてあげるね?」
コンドームの袋を破り口に咥える。早く入れてほしい…直樹とつながりたいの!
「かなえ…今日からはゴム無しだ。もう夫婦になるんだからな」
え?…今までどんなにあたしが迫っても、安全日でも、
ピル飲んでても絶対にゴムは着けてたのに……
「なおきぃ…ひっ、なお…ひっく、うれし…ひっく…うれしい直樹!」
直樹の首に抱きつくあたし。愛してる直樹!
直樹をベットに押し倒して馬乗りになり、我慢できずに入れようとしたら止められた。
え?なんでなの?
「かなえ…する前に言っておく事ある。それを聞いて俺が嫌になったら言ってくれ」
やっぱり言わなきゃな。…俺が親父の血を引いてない、捨て子だって事を。
どこの誰だか分からない、赤ん坊を捨てるようなクズの血を引いているってな。
俺には子供を捨てるようなクズの血が流れている。
それを知られるのが怖くて、今までかなえに話せなかった。
けどもう話さなきゃ…かなえは俺に話してくれた、自分のつらい過去を。
今度は俺の番だ。
「かなえ…俺な、実はな…親父の…池田清正の血を引いてないんだ。捨て子だったんだ」
…言った。ついに言ってしまった。くそ、もう後戻りは出来ない…
「ふ〜ん……それより直樹、早くしよ?」
………へ?ちょっ、なんだそのリアクションは?
「か、かなえ?なんで『ふ〜ん』なんだ?俺、捨て子なんだぞ?」
「だってあたしが好きなの直樹だもん。お義父さまじゃないしね」
俺の好きな笑顔でほほ笑むかなえ。な、なんだよそれ、そんなのでいいのかよ!
「……は…はっははははは!なんだよそれ!俺ずっと悩んでたんだぞ?
俺、バカみたいじゃないか!」
ホントバカだ。かなえは今の俺を見て好きだって言ってくれてるんだ。
ははは、悩んで損したな。
「直樹…そんな事で悩んでたの?」
「そんなことって…俺には大事だったんだよ!」
ちょっと傷ついた。少し拗ねてやる。
「あ、ゴメンね?…そんな怒らないでよ。お詫びに…ほらっ」
ズ…ズズズ…ズズ!
「あっ…入った…初めて…直樹と初めて何も着けずに…一つになれた」
う、ううう…スゴイ。これがゴム無しのSEXか。うっくぅ、気を抜いたらイキそうだ。
「気持ちいい…気持ちいいよぉなおきぃ…気持ちいい?なおきぃ…あたしの中気持ちいい?」
「さ、最高だ…こんなの初めてだ…」
「うれしい…ん、動くね…あっ!」
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ……
かなえが俺の上で動くたび胸が揺れる。動くたびに俺を締め付ける。
「あ、いい!…あっはぁ、スゴ…ひゃ!ダメ、なお…クリトリ…ダメ、んん!」
攻められたままは性に合わないのでクリトリスを弄りながら乳首をつねる。
もちろん下から突き上げてやる。
パンパンパンパンパン!…グッチョグッチョグッチョ…パンパンパンパン!
緩急をつけて腰を突き上げる。かなえはもう自分で動けずに俺に倒れこんできている。
「な、なお…ひい!も…っくぅ…なおきイク、ダメなおき!もうあた……あ、あああぁあぁぁ〜!」
か、かなえのこんな顔始めてみるぞ。そうか、イキそうなんだな!
よし、ここが男の見せ所だ!俺も限界が近いが根性を見せてやる!
俺は最後の力で下からかなえに腰を打ち付ける!
パンパンパンパンパンパンパンパン……
「ひっ!やぁ、なお、怖い…い、いい!イクッあ、だめ、もダメ!
あ、あぁぁぁダメこわい!なおきダメ!」
俺の上でかなえは頭を振り乱し、涎を流し涙も流している。
イクのが怖いのか、怖いと連呼しながら上り詰めている。
「イ、イケよ、かなえ…うっ、イケかなえ!」
かなえを抱きしめキスで口を塞ぐ。
「ふぐぅ!ング、ングングング!…んっんぐふぅぅぅ〜〜!」
パンパンパンパンパンパンパン!…ドピュピュ!ドピュビピュ!ピュピュ!…ビュ!ピュ!
うっ…ううっ!……かなえぇ!…あぁ、スゴイぞ。最高だよかなえ…
思い切り抱きしめながら、最後の一滴までかなえに送り込むように腰を打ち付ける。
かなえに全てを吐き出した後、唇を離してかなえを開放する。
かなえは呼吸は荒く、目は虚ろだ。焦点が合っていない。…攻めすぎたか?
「かなえ?大丈夫か、かなえ?」
つながったまま俺に倒れこんでいるかなえを揺する。
…ん?なんだ?なにか暖かいものが俺の下半身を…
「あはぁ…止らない…ゴメンなおきぃ…とめれないよぉ…」
か、かなえ?お、お前まさかこの年で…漏らしたのか?
「なおきぃ…なおきぃ〜!」
抱きついてきてキスするかなえ。俺は優しく頭をなでる。
「すごかったぁなおきぃ…こんなのはじめて……あ、あぁ止めれない…あぁぁ〜」
そっか、こんなにイったのは初めてなんだな。
だからって漏らすなよ、かなえ…
「ゴメンね直樹。…途中から気持ちよすぎて訳が分からなくて…気がついたら、その…」
「お漏らしして止めれなかったんだな。
…ははは!いいよ、そんなに気にするなよ、かなえ。
俺でそこまで感じてくれてうれしいよ。
しかしお前をそこまでイカせたんだから俺もたいしたものだな」
真っ赤な顔で布団に包まり恥ずかしがっているかなえ。
そりゃ漏らしたんだから恥ずかしいよな。
「でもうれしかったぁ…あたしの中で直樹が広がっていくの感じることできたから。
…グスッ、アリガト、直樹」
かなえ…中で出した事が泣くほど嬉しかったのか。
「実はな、かなえ…今まで俺、子供が出来るのが怖くて生でした事なかったんだよ。
さっき言ったろう?俺、親に捨てられた捨て子だって。
俺さぁ、怖かったんだよ、子供ができるの。
俺、子供が出来たら自分を捨てた親みたいになるんじゃないかって、思ってたんだよ…」
俺の話を嬉しそうに聞くかなえ。何で嬉しそうなんだ?
「おいかなえ、なんでそんなに嬉しそうに聞いてるんだ?」
「だって直樹、あたしとだったら子供作ってもいいってことでしょ?そんなのうれしいじゃない!」
あ…そういうことか。
なんで急に生でしたいと思ったのか自分でも分からなかったけど、そうだったんだ。
かなえとの子供が欲しかったんだ。
「…?どうしたの直樹?」
不思議そうな顔で俺を覗くかなえ。
「ん?なんでもないよ。…それより早く風呂入ろうか。それに洗濯しないと臭ってきたからな」
俺の言葉に真っ赤な顔で、枕を投げつけてきたかなえ。
「もう!なんでそんな事言うのよ!普通黙ってるものよ、この……あっ…」
なんだ?かなえ急に黙ってどうしたんだ?
「どうしたかなえ?なにかあったか?」
「…もったいないわ。せっかくの直樹のが、溢れてきちゃった…」
そう言って俺の前で足を開き、アソコから溢れてきた俺の精液を見せるかなえ。
こ、これは……ゴクッ!
「うふふ…なんか変な気分になっちゃった。ねぇ、な・お・き?」
少し頬を赤く染めたかなえは、そう言って溢れた精液を指ですくって口元に持っていった。
「また出してほしいなぁ?…ちゅぱっ」
指に付いた精液を見せ付けるように舐めるかなえ。
……う、うおおお〜〜!
「か、かなえぇぇぇぇ〜〜!!」
「きゃあ〜なおきぃ〜!いっぱい出してぇ〜!あたしに出してぇ〜!」
今、俺の目の前にいる女性、辻原かなえは俺の会社の同僚であり、最愛の妻となる人である。
そして彼女は性欲が強い…そう、『彼女は性豪』なんだ。
次の日俺達は仲良く会社を遅刻した。かなえ…抜かずに4発は拷問に近いぞ…
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