「おや?彩ちゃんこんなところでどうしたんだい?……またケンカしたのかい?
はぁ〜、いい加減にしないと嫌われちゃうよ?
……さ、一緒に来なさい。また仲直りのチューするんだろ?」

仕事から帰ってきたら玄関先に座り込んでいた彩ちゃん。またケンカをしたらしい。

「ただいま〜、かなえ帰ったぞ〜」

「お帰りなさいあなた。あら?後ろのかわいい子は誰かしら?」

「ははは、またケンカしたんだとさ。竜平はどこだ?」

「今お風呂に入ってるわよ。…あ、彩ちゃん待ちなさい!」

「やれやれ、名は体をあらわすって本当だな。
ますみちゃんも苦労してるらしいぞ?綾崎が言ってたぞ」

「あなた知ってる?彩ちゃんが竜平とケンカする理由。…仲直りのチュー出来るからだって」

「ホントか?竜平は俺に似てプレイボーイになりそ……なんてことはないよな!わっはっは!」

「……今日は久しぶりにしましょうね?…どこの誰とプレイボーイなことしてるのか体に聞いて
あげるわ」

「と、ところで正平君はどうしたんだ?静馬達から預かってるんだろ?」

「かなえちゃんが持って帰ったわよ。今から浮気しないように教育するんだって」

「綾崎の家か、なら安心だな。しかし子供達は女の子が強いな。
っていうかますみちゃんの子供が強すぎるな」

「尻に敷かれるのがちょうどいいのよ。静馬先輩のようのにね」

「あいつ等なぁ…子供置いてプロレス見に行くなよな。あの二人はホント変わらないよな」

「そうよね。…あら?彩ちゃん仲直りできたの?……そう、よかったわね。
ケンカはして帰らなくていいの?……明日ケンカしに来るの?
そう、じゃ、おやつ用意して待ってるわね。お母さんによろしくね」

「じゃ、俺、家まで送ってくるわ。綾崎に書類渡すの忘れてたしな。
…あいつはまだまだかなえの域には達してないよ」

「そうなの?まぁ綾崎君も頑張ってるんだから鍛えて上げなさいな。彩ちゃん、またね」

(仲直りのキスをしたいからケンカをするなんて…ふふ、カワイイ発想ね。
あの子にそっくりだわ。…ホントに名は体をあらわす、ね。
…ということはかなえちゃんは頭のいい、おしとやかな女性になりそうね。
息子共々成長が楽しみだわ)





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