午前7時、起床。一時間ほどのランニングで汗を流す。
健康維持のために始めた毎朝のランニング。おかげで昔とスタイルは変わってない。
朝食はしっかり取る。私は昼に食事を取らない。時間を無駄にしたくないから。
朝食を取り、シャワーを浴びる。
最近肩凝りがひどくなったので、肩に熱いお湯をかけて自分でマッサージする。
この肩凝りも今の仕事(仕事と呼ぶにはおこがましいが)を始めてからの付き合い。
シャワーを出て鏡を見る。疲れた顔…そんな自分の顔にため息が出る。

午前9時、ジーパンにジャンバーを羽織り、帽子を深く被って職場に向かう。
途中ですれ違うサラリーマンに負い目を感じながら…

午前9時30分、職場に到着。店が開くまでの間に途中のコンビニで購入した雑誌で情報を仕
入れる。

午前10時、開店。まずは目当ての台の釘をチェックする。
昨日から変わっていない。…よし、勝負になる。
ペットボトルで台をキープして他の台のチェックに入る。全体的に釘をいじってない。
…甘い店だ。しばらくはここで食べていけそう。
他の客もおじさんおばさんばかりでロクに釘を見ようとしない。
そんな状況に少し安堵し、ハンドルを握り玉を打ち出す。目標は日当3万円以上。

そう、これが私の仕事。いわゆる……パチプロ。


私の名前は保科恵(ほしな めぐみ)。23才女。この生活を初めて3年になる。
きっかけは大学時代に生まれて初めて付き合った男の保証人になったこと。
その男が私に借金を押しつけて逃げた。
借金400万円。学生には支払い不可能な金額。
生まれて初めての男の頼みとはいえ、考え無しで保証人を引き受けた自分に腹が立つ。
親に頼ろうにも実家は貧しく、大学も無理して入ったから頼めなかった。
その借金を返すために大学を辞め、風俗で働くことを一度は決意をした。
でも風俗店での面接の前に気晴らしで入ったパチンコ店が、私を風俗行きから救ってくれた。
素人だった私がビギナーズラックでの5万円勝ち。
こんなにお金が稼げるんだったら借金もすぐに返せるんじゃないか?
そう考えた私はパチンコを勉強した。
雑誌で釘の見かたを勉強し、実戦で釘を見る目を養った。
時折稼ぎのいいパチスロにも手を出したが、
借金を返済した今はゆっくり打てるパチンコで生活をしている。
普通の生活に戻ろうとした時期もあったが、
大学中退の元パチプロの女なんて雇ってくれる会社はなかった。
田舎に帰ろうかとも考えたが、大学を勝手に辞めた事で勘当された。
両親からすれば、必死に働いて仕送りしていた大切なお金を男に貢ぎ、
挙句の果てに借金まで背負わされた馬鹿な娘。
そんなバカな女は私達の娘ではないと言われた。
…私でもそう思うだろうし、勘当されて当たり前だろう。
厳しい現実に私はパチプロを続けていくことを決めた。それが半年前の話。
私の生活のリズムはパチンコが中心で回っている。そうしないと食べていけないから。
けど最近そのリズムを崩すヤツがいる。
……またメール。…あいつからだ。
『鍋の美味しいお店を発見!今夜食事に行きません?』だって。
鍋ごときで私を誘うなんて…アキ坊のくせに生意気。
ま、せっかくの誘いだ、奢らせるとするか。
『了解』とだけメールを打ち、台に集中する。
千円あたり26回転…上出来、かなりの優秀台ね。
あいつと食事に行く日は仕事は16時までと決めている。
それまでに日当を稼げればいいが…


15時40分、100回の時短を終わらせ今日の仕事を終わりとする。
店員を呼び出し玉を流す。……約8500個。30個交換だから…2万8千円ちょっとか。
投資が8千円だから今日の日当は約2万円。
…はぁ、この釘ならもっと稼げるのに…アキ坊のせいだ。
換金を終えて急いで家へと帰る。あいつはタバコの臭いが余り好きじゃないらしい。
私は吸わないが店にいるとどうしても臭いが付いてしまう。
私も最初はイヤだったが、もう慣れた。
だからあいつと会う日はシャワーを浴びて服を着替える。
……今、気がついた。何故私が気を使わなくてはいけない?
…アキ坊のせいだ、お酒も奢らせよう。

17時30分、シャワーを浴び終えて軽く化粧をした私は、
最近買った服を着て待ち合わせ場所に向かう。
以前にいつもの姿で行ったら『メグさんは素材がいいのそんな服装じゃダメです!』
と注意されたことがある。
それ以来あいつと会う時は服装にも気を使うようになった。
……今、気がついた。何故私が服装にまで気を使わないといけない?
…アキ坊のせいだ、お土産も買わせよう。

18時、待ち合わせ場所に着く。あいつはまだ来ていない。
それもそのはず、時間まであと30分もある。
その間に私はこの近くのパチンコ店の様子を見る。
今通っている店がいつまでも使える訳がないので、
常に何軒かは稼げそうな店を把握しておく必要があるからだ。

18時30分、3軒を見てまわり待ち合わせ場所に行くと、
スーツ姿のあいつがキョロキョロと私を探していた。
「あっ、メグさんこっちです!」
そう言って手を振るアキ坊。かなり目立っている。
…はずかしい、来るんじゃなかった。…アキ坊のせいだ。
「おまたせ。じゃ、行こうか」
そう言って歩き出す。
「メグさんこっちですよ。ははは、どこに行こうとしてるんです?」
「……家だよ。たった今気分が悪くなったから帰るところなんだ」
アキ坊のくせに私を笑うなんて生意気。少し顔が赤くなったのが分かる。
「ええ?だ、大丈夫ですか?僕、家まで送りますよ」
私の嘘にも本気で心配するアキ坊。…君は変わらないな。
「ふふ、嘘だよ。君はすぐ人に騙されそうだな。
私みたいにはなるなよ?…何をキョトンとしているんだい?
君がその美味しい鍋の店に連れて行ってくれないと、私は場所を知らないんだよ。
ほら、さっさと歩く!」
いつの間にか私より頭一つ大きくなったアキ坊の頭を小突く。
「あ、こっちです。7時に予約入れてるんですよ。今日の鍋は…ボタン鍋です!
会社の先輩に教えてもらったんですけど、花を鍋にするって珍しいでしょ?楽しみですよね」
…大きな声で恥ずかしい。……周りからの視線が痛い。
冗談を言っているのかと顔を見てみた。
残念な事に、楽しみでたまらないといった顔だ。
「…そうなんだよ。ボタン鍋って言うのは世にも珍しい花をメイン食材にした世界に誇る日本の
鍋料理なんだ。…どうだい、勉強になっただろ?」
こうなればもうヤケだ。その会社の先輩の話に私も乗ろうじゃないか。
周りがクスクス笑っているのが聞こえている。…アキ坊のせいだ!
「へぇ〜、知りませんでした。世界に誇る料理なんですね、勉強になりました。
さすがはメグさんですね!」
「勉強になっただろ?この事はしっかりと孫の代まで語り継ぐようにな。
じゃないと恥をかく事になるぞ」
「分かりました!じゃ、行きましょうよ。すっごく楽しみですね!」
「ああ、鍋を見たらきっと驚くと思うよ。…私も楽しみだ」
そう言って早足でこの場を去る。
この場所にいるのが居た堪れない……アキ坊のせいだ!!


アキ坊…正式名称を橘彰俊(たちばな あきとし)22歳男。私より一年年下。
去年専門学校を卒業して就職し、今はプログラマーとして働いている。
性格は…見ての通りの素直でまじめな優しい男。
昔は身長もここまで高くなく、150cm程だった。
半年前に偶然再会したときは驚いた。
大きくなっていて最初誰だかわからなかったから。
今は180cmを超えているらしい。私より20cmも高くなっている。…アキ坊のくせに生意気。
4年間会わなかったらここまで人は変わるのかと痛感した。
…アキ坊も私を見てそう思っていることだろう。

中学高校と剣道部の後輩で、背が小さかったことから皆にアキトシ坊や…
アキ坊と呼ばれていた。
私の大学進学でその関係も終わったはずだったが、
あいつの就職先が偶然にも私が住む町だった。
で、私が通っているホールへ偶然来たことから今の関係になった。
最初はまたナンパか、と相手にしなかったが(パチンコ店では女性に声をかけてくるヤツが多
い。悩みの種だ)アキ坊だと分かった時は唖然としたものだ。
私が知っているアキ坊じゃなかったのだから。
ま、それは外見だけで中身は変わっていないことに気がついたときは、何故か安堵した。
…フフフ、体はいろんな意味で男になっていたけどね。

「はぁ、まだ怒っているのかい?君が無知だから悪いんだよ。
…悪かったよ、謝るからそんな目で睨まないでくれないかい」
ボタン鍋が運ばれてきた時のアキ坊の驚いた顔といったら…いつ見ても楽しいものだ。
「…まぁすんだことだからいいですけどね!」
拗ねながら料理をがっつく。…フフフ、まるで子供だな。
「アキ坊、確かにこの鍋は美味しいな。ビールも進むし…
こんな美味しいものをご馳走になるなんて何だか悪いな」
「…まぁ最初から奢るつもりでしたからいいですけど…
ちなみに財布は持ってきて……ないですよね?いえ、期待した僕が悪いんです」
「なんだいその態度は?…私は君の誘いに乗ったために日当を稼げなかったんだよ?
それに無職の私にお金を払わそうなんて…ひどいわ、ひど過ぎるわ!…シクシク」
「メグさん、似合わないからそんな小芝居やめて下さい」
オシボリを口にくわえての泣き真似をしたがあまりお気に召さなかったらしい。
私がここまでしてあげたのに喜ばないとは…アキ坊のくせに生意気。
アキ坊との食事は部活での思い出話などを話し、いつもあっという間に時間が過ぎてしまう。
楽しい時間ほど早く過ぎるもの…この時だけは昔の私に帰ることができる。
パチンコ玉を淡々と弾く機械のような私ではなく、人間としての私に……

「ねぇアキ坊。…私チェリーが食べたい。無性に食べたい!」
店を出たところでアキ坊に我儘を言ってしまう。
…少し飲み過ぎたな、酔ってしまったかな?
「は?チェリーですか?そんなことを急に言われても…分かりました、探して来ます!」
そう言って走って果物屋さんを探しに行こうとするアキ坊の手を握り止める。
「違う、私が食べたいのは元チェリーだ。
二ヵ月前に私がおいしく頂いたものだよ。また味わいたくなってね」
私の言葉に顔を真っ赤に染めて、アワアワとしだしたアキ坊。
フフフ…本当に君は変わらないな。


「さ、遠慮せずに入りなさい。ま、何もない部屋だがね。
…感謝しなさい、君が初めてのお客さんだよ」
これは私の病気みたいなもの。二、三ヵ月に一度はこうなってしまう。
男に裏切られ、家族からも拒絶され、社会からも見離された私は、
一人で生きていこうと決めた。
でも一人で生きていくには私は弱すぎた。弱いから時折無性に人肌が恋しくなる。
……今までは適当なナンパ男と肌を合わせていたが…二ヵ月前にアキ坊とした。
私のSEXテクニックは凄いらしい。私に借金を押しつけて消えた男に鍛えられたから。
今思えば最初から借金を押しつけて風俗で働かそうとしていたのかもしれない。
だから私にSEXのテクニックを身につけさせたのだろう。フフフ、まるでピエロだな。
で、二ヵ月前アキ坊にそのテクニックを披露したら終わった後に号泣された。
三回もしてあげたのに何故泣く?
そう思い尋ねたらチェリーボーイだったとのこと。
「メグさんとはこんな形でしたくはなかった」と号泣された。
私としたのにその言い方は何?…アキ坊のくせに生意気。
アキ坊とした次の日、私は連絡が来なくなるだろうと考えていた。
しかしなくなるどころか週に一度は食事の誘いがくるようになった。
最初は私の体に味をしめ、食事の度に求めてくるのだろうと考えた。
私もSEXは嫌いじゃない、だから応じるつもりでいた。
しかし今日までそういったアプローチはなかった。
だから私のほうがしびれを切らした。
まぁ誘う勇気がなかっただけだろうが、私からアプローチをさせるなんて…
アキ坊のくせに生意気。

「メグさん、やっぱりこういうことは…な、なんで脱いでるんですか!わ、わ、ヤメて〜!」
目の前で服を脱いでいくと赤い顔して目を逸らすアキ坊。フフフ…かわいいなぁ。
今までした男にはこんな反応をするのはいなかったから新鮮だ。
「なに可愛いことを言ってるんだい?…フフフ、アソコは狂暴なくせに」
「やっぱりダメです!こういうことは恋人同士がすることです!…ねぇ話聞いてます?」
「ん?すまないな、聞いてなかったよ。今湯槽にお湯を貯めているからしばらく待ってほしい。
この間はお風呂でしなかっただろ?だから今日はお風呂でのSEXをしよう」
口をパクパクさせているアキ坊。君は金魚か?
「フフフ…もちろん君のを念入りに洗ってあげよう。前に君として以来私はしてないんだ。
だから欲求不満気味でね。…クックック、楽しませてもらうよ」
「女の子がそんな顔で笑っちゃダメです!ていうか簡単に体を許したらいけません!」
相変わらず口うるさいヤツだ。いったい何が不満なんだ?
「君はさっきからダメだダメだと文句ばかりだな。何が不満なんだい?
…あ、そうか、私とするのがイヤなのか?
そうかそうか、道理で頑なに拒否する訳だ。納得したよ。
私は君となら安心して楽しめると考えていたのだが君の気持ちまで考えてなかったようだ。
すまなかったね、もう二度とこんな事はしないよ」
残念だな。また楽しめると思っていたのだが…
アキ坊はこう見えてもなかなか凄いものがついている。
なんせチェリーだったくせに最後には私をイカせてくれたんだからな。
今考えると何故かくやしいな。私をイカせるなんて…アキ坊のくせに生意気。
残念だが他を探さないと今夜は眠れそうもないな、
そう考えていたらアキ坊が真剣な目で見つめてきた。
…なんだい?そんな目で見られたら少し照れるじゃないか。


「嫌じゃありません!僕だってメグさんとはし、ししししたいです!
…でもこんな形じゃないんですよ」
どもりながら私の考えを否定するアキ坊。
なら何故だ?何故私としようとしない?
自分で言うのもなんだが、私はかなりのレベルだと自負している。
今まで寝た男は必ず連絡先を聞いてきたり、真剣に付き合おうと口説いてきたりした。
そんな関係はもうコリゴリなので相手にせずに無視していたが、
君のように私を拒否するのは初めてだ。何故だ?
「何をどもっているんだい?まるでラッパーだな。私としたいなら何故拒否をする?
どんな形ならいいんだい?正直私は体が疼いてたまらないんだよ。
君がダメなら他を探さなきゃいけないからどうすればいいか教えてくれないかい?」
「ダメです!メグさん、なんでそんな事言うんですか?
なんで軽々しく誰とでもいいからセ、セセセックスしようと考えるんです?
ぼ、ぼぼぼぼくが好きなメグさんにそんな事はさせません!」
何故どもる?本当にラッパーなのか?……ん?
今何か重要なことをサラッと言わなかったか?
「君、今重要なことを言ったね?私のことを好きだとかどうとか。私の聞き違いかな?」
私の問い掛けにアワアワと慌てだし、口をパクパクさせている。
…ラッパーで金魚か。忙しいヤツだな、君は。
「なるほど、君は私が好きなのか。それで私と軽々しくSEXするのが嫌なんだな?」
私の問い掛けに口をパクパクして動揺を隠せないアキ坊。
…まったく君は隠し事が出来そうにないな。
「で、君は好きな私を簡単に抱くのは恐れ多いと。
…かといって他の男にも抱かれてほしくない。
そういう事だな?ふむ、君は自分で我が侭だとは思わないのかい?」
私の言葉で俯きながら肩を振るわせ始めたアキ坊。
久しぶりに泣かせてしまったかな?
「し、仕方ないでしょ?ずっと…ずっと前からメグさんが好きで…
好きで好きでたまらなかったんですから!
メグさんのおばさんに今どこに住んでいるのか居場所を聞いて、
追いかけてこっちに就職したんです!
メグさんを探してやっとパチンコ屋さんで会えたと思ったら声を掛ける勇気がなくて…
どれだけ苦しんだか!
2ヶ月も経ってやっと勇気を振り絞り話しかけたら僕の事誰だかわからなくて…
あの時泣きそうになったんですよ?
やっと話せるようになったと思ったら無理やりあんな事を…あんまりですよ!
あの時の事はお酒のせいだと自分を納得させて…
最近やっとあれはやっぱりお酒の勢いだと納得しかけてたんです!
なのになんでまたこんな事するんです?
…ヒック、あんまりです、メグさん自分を大事にして下さいよ…ぐすっ」
思いを打ち明けて泣き出したアキ坊を見ていたら何故か胸が痛くなる。これは…なんだ?
「…すまなかったね、けどこれが素の私なんだよ。
男に抱かれたくてウズウズしているこの姿が…今の私だよ。
君が考えている私はおそらく昔の私だ。そんな私はもういないんだよ、残念だったな」
「今とか昔とか!…そんなのもうどうでもいいんです!
僕が好きなのは保科恵です!メグさんなんですよ!
たとえSEXが好きでもいいんです!
ただ…寂しい顔をして知らない男と寝るとかしてほしくないんです…
そんな寂しい事しないで下さいよ…僕がいますから!側にいますから!」
「………もういいかい?君の気持ちは十分に分かった。
で、どうしたら私とSEXしてくれるんだい?
…正直、もうたまらないんだよ。我慢できないんだ。疼いて疼いて仕方がないんだよ。
今すぐにでも君を押し倒したいんだ。どうしたらいいんだ、教えてくれないかい?」
何故だ?何故ここまで体が疼く?何故アキ坊としたくてしたくてたまらないんだ?
何故体中が熱くなってたまらないんだ?…何故だ?
「え?…メグさん僕の話聞いてました?」
「ああ、聞いていた。おかげでこうなった。君のせいだ。責任を取れ!」
「ええ!ちょっ、うわ!ダメで…待っ…」
押し倒し馬乗りになる。そしてブラを外し上半身は裸になる。下半身はショーツのみだ。
これで反応しなければ不能、という事だろう。
……フフフ、その心配はなかったみたいだな。
しかしこんな事は初めてだ。何故ここまで疼いてしかたがないんだ?…ま、いいか。
それより今はこのいきり立ったものを治めてあげるとするか。
…フフフ、楽しませてくれよ?


「ちゅ…ちゅちゅ…んん、どうだい?気持ちいいだろ?…れろ…ちゅる…
フフフ、何本シワがあるか舌で数えてあげようか?…じゅる…ぺろぺろ…」
アキ坊の肛門に舌を這わす。もちろん右手であそこを擦りながらだ。
フフフ、まるで女の子みたいな声を上げているな。
抵抗していた割には感じているじゃないか。
「そろそろ出したくなっただろ?…ジュルルル…
フフフ、フェラをするには幾つかコツがあるんだよ。
そのうちの一つがこのように唾液を出して滑りを良くすることなんだよ」
アキ坊の顔に似合わない立派なアソコに唾液を垂らす。
もちろん見せ付けるようにだ。
男は視覚で興奮すると教えられている。
…なのに何故私を見ようとしない?…アキ坊のくせに生意気。
「アキ坊、我慢しなくていいんだよ?私にたっぷりと出してくれ。…あむ、ぐっぽぐっぽぐっぽ…」
亀頭部分を口に咥え、顔を前後に動かしながら唇で締め上げる。
もちろん口の中では舌で尿道を舐める。
左手で絞るようにサオをしごき、右手で睾丸を優しくマッサージする。
私が一番最初に教えられたものだ。
これで幾度となく男達の精液を口に受け止めたか…
「ん、ん、んん!…アキ坊、我慢するな。少々早くてもかまわないぞ?何回でも出すがいい」
時折、睾丸を口に含み軽く舌で転がす。
睾丸からサオを舐め上げて亀頭へ向かい、尿道部分を丁寧に舐める。
そして亀頭を再度口に含み今度はもっと激しく攻め上げる。
「ぐっぽぐっぽぐっぽぐっぽぐっぽ…じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ!
はぁはぁはぁ…き、君はなかなかイカないんだな」
さすがに顎がバカになってきた。
こいつのはなかなかのツワモノだから咥え続けるのが辛い。
私をこんなに疲れさせるなんて…アキ坊のくせに生意気。
ま、好きな人の為なら苦にならないがね。
…そういえば逃げたアイツにしていた時もそうだったな。
………んん?私は今、何を考えていた?
借金を押し付けて逃げたアイツの事?いや違う!
『好きな人の為なら苦にならない』そう考えていたんだ。まさか…私が?コイツを?
「……アキ坊、お願いがあるんだがキスをしてくれないかい?」
アキ坊の股間から顔を上げ真っ直ぐに顔を見つめる。
君はまた泣いているのかい。
「ヒッ、ヒック…そ、それで満足するんですか?…満足したらもう止めてくださいよ…」
「いいからキスする!…ちゅちゅ…ん、あん…んちゅ…ちゅぱ…あぁ…」
無理やり頭を抱き抱えてキスをする…気持ちいい。
こんなに気持ちいいキスは始めてかも?
そういえば前にした時はキスなんてしなかったな。
何故こんなに気持ちいいんだ?
……そうか、やっぱりそうなんだな。ならこの体の疼きも納得だな。
「…アキ坊、SEXは恋人同士で…と、まだ思っているのかい?」
「当たり前です!誰とでもこんな事しようなんて…メグさんを見損ないましたよ!」
「君は確か私が好きなんだよな?その気持ちは今も変わってないのかい?」
「……そりゃこんな酷い事されたんで嫌いになろうかと思いましたけど…
今のキスが…その…気持ちよくて…
やっぱり僕はメグさんが好きだって再確認しましたよ。
でも!だからといって意味の無いSEXは嫌です!
もう止めましょうよ。こんなの絶対に変ですよ」
そうか、嫌われてないんだな?よかった…
「止めないよ。いや、意味の無いSEXは止めるが、君とのSEXを止める気はない」
「何訳の分からない事いってるんですか!僕、もう帰ります!
しばらくは電話もメールもしませんからね!反省しててください!」
「それは困る。せっかく両思いだと気づいたのに、それでは寂しいからな」
「はぁ?何訳の分からないこ…とを?な、何て言いました?
ぼ、僕の頭がわいてきたんですかね?幻聴が…」
ガンガンと頭をたたき出すアキ坊。
フフフ、君はホントに変わらないな、嬉しいよ。
「君は確かSEXは恋人同士がするものだと言っていたね?
ところが私は今すぐに君としたい。
さぁ困ったどうしよう?答えは簡単だ。
今から私と君は恋人同士だ。愛し合う者同士、SEXしても何の問題もない。
問題解決、という訳で続きをしよう。これで文句はないだろう?」
「え?あ?う?…ええ?ええええ〜!」
「うるさいなぁ、塞いでしまおう…ん、んちゅ…」
フフフ…こんな気持ちは始めてかも?
キスとはこんなに気持ちがいいものだったんだな。


「あ…んん!そこ、そこいいの…そこもっと…んん!」
アキ坊の指が…舌が…私を攻める。
胸の先端にキスをしながら指はアソコの一番敏感な小さな突起を刺激する。
「ちょっ、アキぼ…んん!ど、どこでこんな…ああ!」
「はぁはぁ…気持ちいいですか?
前にメグさんにいい様にされてから、ビデオや本で勉強したんですよ。
こんなに早く役に立つとは…感激です!」
私の胸に顔を埋めながら喜ぶアキ坊。
…この、調子に乗って…え?んん!そこダメ!
「ダ、ダメ!そこはお尻…ひゃう!」
「ええ?ダメなんですか?本にはお尻も気持ちいいって…あれ?
その割には体が少し痙攣してますよ?」
ひゃう!こ、この…いつまで指を入れて…あ、ダメ、声が勝手に…
「あ、あ、あ、くぅ…ひゃ!も、ヤメて…恥ずかしいから…んん!」
私がお尻にするのはいいが、されるのはイヤだ!
「……ねぇメグさん。前にした…無理やりされた時に僕も嫌がってましたよね?
…お返しです!」
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ…
アキ坊の意外に太い指が私の…お、お尻に入って来て好き勝手に動いてる。
こんな事、前の男のもされた事ないのに…ああ!なんでこんな…っくぅ!
「ア、アキぼ…も、ダメ…イキそ…こんな…イキたくな…ああ!
あ、あなたので…んん!イキた…ひぃ!」
お尻を攻められて訳が分からなくなっていた私の口を柔らかいものが塞いできた。
私はそれがアキ坊の唇だと本能で悟り夢中で舌を絡ませる。
「んん…んちゅ…んあ…ちゅちゅ…はん…んん!」
アキ坊も舌を絡ませてきて私達はお互いを求め合う。
…さっきはよくもいいようにしてくれたね?お返しだ。
抱きしめ合いながらのキスを堪能しつつ、私は上のポジションを取る。
「ん…ぷはっ!…フフフ、さぁよくもさっきは遊んでくれたね?
イキそうな私を寸止めしてくれたし…フフフ…いただきます」
青い顔をしているアキ坊の胸に吸い付く。
軽く甘噛みをしながら舌でチロチロと舐める。
空いているほうは指の先で優しく撫でる。
「あ、あ、あ、すご…メグさん凄いです…きもち…」
アキ坊の乳首を堪能した私は舌を這わせながら徐々に下へと下りていく。
そしてもう全開になっているアキ坊のアソコにキスをする。
「フフフ…君のは凄いな、かなりの大物だよ。
ちゅ…綺麗なピンク色をしているし…レロ…じゅぷ、じゅぷ…美味しいよ。
じゃ、いただきます…あむ」
私の言葉に真っ赤になっているアキ坊を見て満足した私は、
口を一杯に広げてアキ坊のを向かい入れる。
や、やっぱり大きいな。
じゅっぽじゅっぽじゅっぽ……ドピュ!ピュピュ!ドプ!
軽く咥えて顔を前後にストロークを始めた瞬間に口に熱いものが広がった。
…はぁ?何故だ!
「んんん〜!ぐ、ごほ!けほっ、けほっ!
…な、なんでこんなに早いんだい?さっきはなかなかイカなかったのに…
けほっ、もしかして期待はずれなのかな?」
口に出すのはかまわない、いやむしろ嬉しい。
しかし何故出す前に出そうだと言わない?それがマナーだろう?
少しムッとした。…教育が必要だな。
「ご、ごめんなさい!その…メグさんに咥えてもらってるのかと思うと、我慢できなくて…つい」
「むっ…次からは出そうなときはそう言いなさい。飲んであげるから」
「え?ほ、本当ですか?僕のを…飲んで?…メ、メグさん!僕もう我慢できません!」
私の『飲んであげるから』このセリフでスイッチが入ったみたいだ。
興奮して私を押し倒してきた。
「あん!…フフフ、こういう強引なのも悪くない。
…今日は安全日だから好きなだけ私に出してほしい。
満足させてくれよ?」
すでに準備万端な私に何度も入れようと試みるアキ坊。
…経験不足なのが分かるな。
入り口を探して四苦八苦しているアキ坊に手を添えて私へと導く。
「アキ坊…ここだよ。そう、そこだ。ゆっくりと腰を進めて…
ん、いいぞ…んん!くぅ…あ、あとは好きに…ふぁぁ!」
……悲しいかな、ここでも経験不足が露呈した。
3回と半分…いわゆる三擦り半だ。
ま、体は満足していないが心が満たされたのでよしとしよう。
そういえば前回、私をイカせたんじゃなかったか?
何故だ?精神的なものなのか?…SEXは奥が深いな。


午前7時、起床。メールをチェックする。新着メール無し。
…一時間ほどのランニングで汗を流す。
ランニングを終えて朝食を取り、シャワーを浴びる。最近は肩こりも収まってきた。
私専用のマッサージ師を手に入れたからな。
シャワーから出て鏡を見る。ふむ、血色もいい。なかなかの健康体だ。

午前9時、ジーパンにジャンバーを羽織り、
帽子を深く被り携帯をチェックしながら職場に向かう。
着信無し、新着メール無し。…ま、そんなものだろう。

午前9時30分、職場に到着。店が開くまでの間に途中のコンビニで購入した雑誌で情報を仕
入れる。
合間に携帯をチェックする。…やっぱり何もない。…そんなものなのか?

午前10時、開店。仕事に集中するためにまずは携帯をチェックする。
…何故何も連絡してこない?
肩を落としながら目当ての台の釘をチェックする。
勝負台を決めて打ち出す。千円当たり24回転か…まぁまぁだな、勝負にはなる。

1万5千円投資したところで確変当たり。大当たりラウンドを消化して携帯を確認。
…はぁ、やっぱり新着は無し。
確変5連荘で止まる。携帯チェック、まだ無い。……どういうことだ?
なぜ私がこんなにイラつかなくてはならない?

16時30分、食事の誘いが来てもいいように今日の仕事を上がる。今日の日当は2万円。
…携帯を見る。新着アリ!食事の誘いだ!…急いで返信する。
『君のアレは三擦り半と早いのに、連絡してくるのは何故遅いんだい?
おかげで日当まで届かなかったよ、どうしてくれるんだい?
とっても美味しいケーキと…チェリーが食べたいな』

すぐに返信が来た。
『…ごめんなさい、努力します。ケーキを用意してお家に伺います。
ところで…チェリーってやっぱりあれですか?』
すぐ打ち返す。
『そうだよ、君の自前のチェリーだよ。今日こそはと楽しみにしているよ』
送信して携帯を閉じる。さ、部屋に帰りシャワーを浴びて料理でも作るか。
少し伸びをしてスーパーへ向かう。
今日は少し豪勢にうなぎでも買うとするかな?


私の名前は保科恵。職業はパチプロ。…最近こんな生活も悪くないなと思い始めた。






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