朝7時、起床。肩が重い…昨日は閉店まで打っていたから、かなりの疲れが残っている。
やはり閉店まで打つのは控えたほうがいいな…体を壊したら元も子もないからな。
週末にマッサージでもさせるとするか。
…あと2日か、待ち遠しいな。
枕元に置いていた携帯を見ると新着メールがあった。…アキ坊からだ。
(フフフ…マメに連絡してくるようになったな。
どうせ『早く会いたいです!』などと書かれているのだろう。
アキ坊は甘えん坊だからな、少しは辛抱というものを……な、なんだと?どういうことだ!)
慌ててアキ坊に電話する。いったい何故なんだ!
『……ふぁい、橘です』
電話の向こうからは今起きましたと言わんばかりの眠たそうなアキ坊の声が聞こえてきた。
「アキ坊!何故だ、どういうことだ!…納得のいく説明をしてもらおうか」
私は怒りのあまり、大声で問い質す。
…答えによっては許さないからな!
『メグさん…ですか?おはようございます!…え?なんで怒ってるんですか?』
状況を飲み込めていないアキ坊。…き、君は何を考えているんだ!
「な、何を怒っているのかだと?…ふざけるな!私にこんなメールを送ってきて…」
『メ、メール?…ああ、それですか。…え?別に変な事書いてないでしょ?』
「変な事は書いていないだと?『週末に仕事が入ってしまいました。ゴメンなさい』と、
書かれているじゃないか!き、君は私と会いたくはないのか?
わ、私がどれだけ我慢していると思っているんだ、君は!」
『ス、スミマセン、週明けまでに終わらせなきゃいけない仕事が急に入っちゃいまして…
ホントにゴメンなさい!メグさんに我慢させちゃいますけど、
この埋め合わせはしますんで許してください!』
「…その埋め合わせとはなにをしてくれるんだい?それによっては許してあげよう」
『えっと…そうだ、温泉!温泉なんてどうですか?
メグさんよく肩こりますよね?温泉に行って体を癒しましょう!』
お、温泉?…アキ坊と二人で?……温泉かぁ。
「…ま、いいだろう、場所は君に任せるよ。
私はそんなに気が長いほうじゃないから覚えておくように!」
『早くにしろってことですね?分かりました!部長に有給休暇をお願いしてみます!』
「フフフ…温泉を楽しみに、寂しい週末を過ごすとするよ」
『メグさん、そんな軽い毒を吐かないで下さいよ。じゃ、詳しく決まったらメールしますね』
「……詳しく決まってなくてもメールをするように!」
『分かりました、メールします!
…メグさんって結構甘えん坊だったんですね、カワイイですよ』
「なっ…き、君に甘えん坊なんて言われたくない!
……すぐ私の胸に吸い付いてくるくせに。
アキ坊、そんな事よりもそろそろ会社の準備をしなくていいのかい?
このままだと遅刻してしまうんじゃないのかい?」
『へ…うわ!もうこんな時間!メグさんスミマセン、これで電話切りますね』
「フフフ…遅刻しないようにな」
『メグさん、電話ありがとうございました。朝から声を聞けて嬉しいです!
…メグさん愛してます!じゃ、またメールしますね』
そう言って電話を切ったアキ坊。
……あ、愛しているだと?まったく朝から一体なにを言い出すんだ。

携帯を抱いてベットを転げまわる私。
……これからは毎朝電話をするとしよう。


『エヴァンゲリオン774番台のお客様、確変フィーバーおめでとうございます!』
千円で確変大当りを引けるとは…今日はなかなか幸先がいい。
これもアキ坊に愛してるなんて言われたからだな。
…これからは毎日言ってもらうとするかな?
それにしても朝から愛してるなんて…くぅ〜!
ますます会いたくなったじゃないか、どうしてくれるんだい?
気がついたら足をバタバタとさせていた。
周りの客の視線が痛い…アキ坊のせいだ!今晩にも早速言ってもらおう。
…ダメだダメだ!集中しないと。
何のためにアキ坊と会うのを我慢しているか分からないじゃないか。
ほころぶ顔を軽く叩いて気合を入れ、台に集中しようとした私に男が話しかけてきた。
「こんなに早く大当りなんてスゴイね。はい、コーヒー。…久しぶり、元気そうでなによりだよ」
ふぅ…またナンパか。こういう奴は無視するに限る。
「あれ?無視しちゃうの?悲しいなぁ…三年ぶりの再会なのに無視は止めてほしいな」
……え?三年ぶり?
「三年前より綺麗になったね。……会いたかったよ、恵」
声をかけてきた男の顔を見る。
『下皿が満杯です、玉を抜いてください。下皿が……』
男の顔を見つめたまま動けなくなる私。
な、何故だ?何故今頃現れた!
三年前、私に借金を押し付けて消えた、私の初めての男…七見亮吾がそこにいた。

七見亮吾(ななみ りょうご)…私より5才年上の男。
出会いのきっかけは、当時私がバイトで働いていたガソリンスタンドによく来ていた客だった。
そこでちょっとした顔見知りになり、偶然町で出会った時に声をかけられ、
よく話すようになった。
私にとっては初めて接した大人の男性。
世間知らずな私は簡単に口説き落とされて、処女も奪われた。
今考えると町で出会ったのも偶然ではなく、以前から狙われていたのだろう。
私はコイツの大人の雰囲気とSEXテクニックに夢中になった。
私はコイツに言われるままのSEXをして、今のテクニックを手に入れた。
友人からは七見はスカウトだと言われていたのだが、私は友人よりコイツを信じた。
その結果…親切な友人を何人も失った。
しかしその当時の私はコイツさえ…七見さえいればどうでもよかった。
…フフフ、短い間の夢だったな。
その後すぐにコイツはいなくなり…借金だけが残った。
どうしたらいいか分からなかった私はある人に相談した。
その人は七見に先輩だと紹介された人だった。
その人から七見がいなくなった事を詫びられて、
借金についての相談にも快く乗ってくれた。
その人からは「そんな額の借金(400万円)は風俗でしか返済出来ない」と言われ、
知り合いの店を紹介してもらった。
…ははは、少し考えたらコイツ等がグルで、
私を風俗で働かそうとしていたと分かるのにな。
でも当時の私は七見を信じたおかげで友人もいなくなり、親にも相談できず、
他に頼る人がいないため信じるしかなかったんだ。
その時は親身になって話を聞いてくれたその人の優しさが、天使のように思えたんだ。
…ホントに馬鹿だったな。
私は言われるままに紹介された風俗店で働くつもりだった。
…あのパチンコ店に入るまでは。

そんな私の人生を狂わせた男が…七見亮吾が目の前にいる。


「恵がパチプロになってたなんてビックリしたよ。…400万をパチンコで返すんだもんなぁ。
せっかく真芝さんが店を紹介したのに断っちゃうんだもん、おかげでかなり怒られちゃったよ」
「……よく私の前に顔を出せたものだ!今さら何をしに来た!」
私の怒声に首をすくめてニコリと笑う七見。
……なんでこんな奴を私は!…クソッ!
「いやいや、そんなに怒るなよ?昔の写真を整理してたら恵と写ってるのが出てきてさ。
写真を見ていたら懐かしくて、君と思い出話をしたくてなっちゃってね。
…ほらっ、君も見てごらんよ」
そう言って私に一枚の写真を渡してきた。
「私はお前と話すことなど一切な……!!こ、この写真は…」
七見から渡された一枚の写真。それを見た私は動けなくなってしまった…
「なんだよ、わざわざ会いに来たのに話してくれないの?つれないねぇ…ま、いいさ。
その写真は記念にあげるよ。…俺は何枚も持っているからね」
「な!ちょっ、ちょっと待て!…そ、その写真、どうするつもりだ!」
渡された写真を強く握り締める。
「ん?俺が持ってても意味が無いしなぁ…そうだ!
君の彼氏にでもあげるとするよ。タチバナアキトシ君だっけ?
きっと彼も昔の君を見たいと思っているはずだよ。…いろいろ話したいこともあるしね」
目の前が真っ暗になる。…コイツはアキ坊まで奪おうとするのか?
…せっかく手に入れた幸せを奪うのか!
「んん?どうしたの、顔色悪いよ?
…やっぱりパチプロなんて仕事をしてるからじゃないかな?
……いい仕事紹介しようか?きっと君ならかなり稼げるよ」
「ま、待ってくれ!アキ坊にだけは…お願いだ、それだけは許してくれ…」
頭を下げる私。そんな私を見てニコリと笑う七見。
「なんで俺が君の言う事を聞かなきゃならないの?
この写真、そんなに彼氏に見せたくないの?
……なんなら君に格安で譲ってあげようか?」
はた目から見れば爽やかな笑顔で話す七見。
格安で譲る?…そうか、やはり金か!
思わず手が出そうになった私の肩を誰かが叩いた。
振り返ると申し訳なさそうに店員が立っていた。
「お客様、申し訳ありませんがお話をなさるときは声を小さくお願いします。
他のお客様の迷惑に…」
「ああ、ゴメンゴメン。話は終わったから俺はもう帰るよ。…はい、俺の携帯番号。
今晩にでも連絡してほしいな。じゃないと…分かってるよね?」
くっ…引ったくるように七見の手からメモを奪い取り、私は確変中の台を捨てて店を出る。
店員が呼び止めるが無視をして部屋へと走る。
右手には七見の携帯番号が書かれたメモが握られている。
左手には七見から渡された……
私が七見に犯されて喘いでいる写真が強く握り締められている。
…私は馬鹿だ!救いようのない馬鹿だ!
何故こんなことを…何故七見なんかを信じたんだ!
…私はまた失ってしまうのか?
せっかく手に入れた小さな幸せを…私が何をした?
何故私だけが……イヤだ!
アキ坊を失うなんて絶対にイヤだ!
でもどうしたらいいんだ?一体どうしたら…

部屋に帰り着き七見から写真を取り返すために、
震える手で七見の携帯に電話をかける。
アイツが請求してきた金額は…200万だった。


「橘君、ちょっといいかな?話したいことがあるんだけど…」
土曜日の夜、残業中の僕に仲之井先輩が話しかけてきた。
「…仕事の話ですか?それともまた借金の申し入れですか?もうお金は貸しませんからね!
大体この間貸した五千円、返してもらってませんよ!」
「いやいや、質草渡したでしょ?あれで無しという事にしてよ。
…あのDVDに出てる子、かなりカワイイでしょ?
ど〜しよっかな〜?…うん、橘君だから教えちゃうね?
……実はあの子アタシのコレなのよ」
そう言って下品な笑い顔で小指を立てる先輩。
あなたはおっさんですか!…ええ?先輩の…彼女?
「えええ〜!ホ、ホントですか?だってあのDVD、嘉納ユウですよね?
僕、彼女の出てるのよく借りてますよ!」
まさか先輩の彼女が今人気bPのAV女優だったとは!
「えっへっへ、いいっしょ?ユウちゃんね、お尻に入れたら物凄く感じるのよ。
昨日もアソコにバイブ突っ込んだまま、お尻をさんざん突いてやったわ。
いや〜、おかげで腰が痛い痛い。…ってこんな話してる場合じゃないっての!
君の彼女、かなりヤバイよ?狙われてるよ?」
……バ、バイブを入れたままお、お尻に?それって気持ちいいのかな?
…メグさんも感じてくれるのかな?
…ええ!メグさんがヤバイ?な、何がヤバイんだ?
「せ、先輩!なにがヤバイんです?…狙われてるって何なんですか!」
先輩の肩を握り締め思いっきり揺さぶる。狙われてるって何なんだ!
「ちょ、ちょっと待っ…こら!落ち着けって!教える!教えるから!」
先輩の体から手を離し、話に耳を傾ける。メグさんに何があったんだ?
「実は昨日ね、ユウちゃんとデートしてたらね…」
「デートしてたらなんなんです?それとメグさんに何の関係があるんですか!」
「まぁ落ち着きなさいっての。ユウちゃんを食べる前にイタ飯屋でご飯食べてたの。
…そこにいたのよ、保科さんが!
普通女の子一人ではそんな店行かないでしょ?もちろん男といたのよ!
誰といたと思う?一緒にいた男、それはねぇ…」
メ、メグさんが…僕以外の男と…ご、御飯に?
「その男がヤバイっての!その男はねぇ……ええええ?
なんで泣いてんの?…あ、保科さんが他の男と御飯食べてたから?
もしかしてジェラシー?それってジェラシーよね?いや〜ん橘君カワイイ!食べちゃいたいわ!
…ってこんな事言ってる場合じゃないっての!その相手が危ない男なのよ!」
真剣な目で僕を見つめる先輩。
「そいつはね、今まで何の人もの女の子を食い物にしてきた最低な男でね、
名前は七見亮吾って言うの。…まぁ顔はかなりの男前でアタシの好みのタイプね」
お、女の子を食い物にしてきた?なんでそんな男がメグさんに?
…なんでメグさんがそんな男と御飯を?
「ユウちゃんが教えてくれたんだけどね、七見ってスカウトしてるんだって。
そのやり方がとんでもないのよ!
まず狙った女の子を口説き落としてベタ惚れにさせるんだって。
で、借金をさせて貢がせるの。
返済できないぐらいまで借りさせたら風俗やAV会社に紹介するの。
もちろん紹介料をたんまりもらってね。
で、その女の子はポイ捨てするんだって!」
貢がせてから捨てる?それってまさか…メグさんの前の彼氏?
「七見は別れてからもつきまとうんだって!
しばらくしてから会いに来て、昔の事でゆするらしいの。
ユウちゃんの友達がヒドイ目に会ったって言ってたもん。
保科さん、多分狙われてるよ?まずいんじゃないの?」
「…マ、マズイですよ。多分その七見って男、以前メグさんと付き合っていて…
借金を押し付けて消えた男だ。
ま、またメグさんに……メグさんを悲しませるのか!…絶対にさせない!
先輩、教えてくれてありがとうございます!
メグさんは僕が守ります!…もう悲しい思いはさせません!」
その七見って男のせいでメグさん、全てを失ったんだ。
…もうそんな辛い思いはさせない!
「…おし!よく言ったぞ橘君、それでこそ男だ!この千紘さんも協力してあげよう!
ユウちゃんの親友って子がそいつのせいで寝込んじゃったことあるらしいのよ、
敵を討たないとね。…実はある程度、七見の人間関係調べがついてるんだよね。
だからアタシにまっかせなさ〜い!……んっふっふっふ。鬼畜な男を無理やり犯す。
うひょ〜、安っぽいVシネマみたいで燃えるシチュエーションだわぁ!
さっそく手錠とロープ、新しいバイブにあとは何がいるかな?
……ああして…こうして…うひょ〜!股間が疼くわぁ〜!」
………先輩、目が飛んでる。僕、この会社にいても大丈夫なのかな?
僕、狙われてるんだよね?…背筋がゾッとした。
…そんなことよりメグさんだ!メグさん、僕が守ります、絶対に守ります!


金曜日の夜に七見とレストランで会い、写真とネガを回収した。
そのための出費…200万円は正直痛い。
コツコツと貯めていた大事なお金をこんな事で失うなんて…
考えなしだった自分に腹が立つ。
しかしこれでアイツとの関係も清算できたし、
アキ坊にもあんな写真を見られなくて済んだ。
そう考えたら200万円は痛いがまだ納得がつく。
……よしっ!七見のことはもう終わりだ!
明日からは気持ちを切り替えて仕事に励もう!
アキ坊が温泉に連れて行ってくれることだしな。
フフフ…二人で始めての旅行だな。
というか旅行なんて何年ぶりなんだ?大学時代に行った以来だな。
パチプロなんてしていたら旅行なんてできないからな。
……どこに連れて行ってくれるのだろう?楽しみだ。
…おや?早速メールが……え?アキ坊、今から私の部屋に来るのかい?
仕事が忙しくて会えないんじゃなかったのかい?
そうか、我慢できなくなったのか、まったく辛抱というものを少しは覚えないとな。
…そ、掃除しないと!あああ!化粧も落としたままだ!
い、急がないと…何で急にくるなんて言い出すんだい?まったくアキ坊は…
来るなら来ると前もって言ってもらわないと困るな。…慌てて眉毛を書き出す私。
アキ坊と会うのは一週間ぶりか。
私を一週間もほったらかしにするとは…アキ坊のくせに生意気!


「お邪魔します。…メグさん少しやつれていますね、大丈夫ですか?」
「んん?そ、そうかな?…君が私を相手にしてくれないからかな?
ところで仕事は大丈夫なのかい?その…今日はゆっくり出来るのかい?」
アキ坊が部屋に来るなり、私がやつれていると指摘したのにはビックリした。
七見が私の前に現れてから、まともに眠っていなかったからな。
…今日はアキ坊、泊まってくれるのだろうか?
こんな時間に来るぐらいだ、泊まってくれるのだろう。
…久しぶりにゆっくりと眠れそうだな。
そうだ!明日はお弁当でも作ってあげるとするかな?
フフフ、喜ぶ顔が目に浮かぶな、材料はあったかな?
手作り弁当を渡して、いってらっしゃいのキスをしてあげて…
アキ坊のことだから、もしかしたらそのまま……
あ、朝からそれはないかな?…なければないでそれはイヤだな。
フフフ、まるでお嫁さんみたいだな。……お嫁さんかぁ。
「……さん、メグさん!いったいどうしたんですか?
急にニヤニヤして上の空だし…どうしたんですか?」
「んんん?べ、別に何でもないよ。
そ、それより今日はいったいどうしたんだい?
急に来るなんて珍しいじゃないか?」
マズイマズイ、つい空想の世界に入り込んでしまった。
アキ坊にばれたら、からかわれてしまう。
「メグさん…実は今日先輩に話を聞いたんです。
メグさんが昨日の夜に七見って男と会っていたって…」
な、なんだと?何故七見のことを知っている?
「先輩の話ではその七見って男、最低な男だって話じゃないですか?
そいつですよね?前にメグさんが付き合ってた男は…
そいつに借金押しつけられたんですよね?
その男が今更何しに来たんですか?…先輩が言ってましたよ?
そいつは以前に付き合ってた女の子の前に現れてゆすりをするって…
メグさん、七見に何を言われたんですか?…僕に話してください…僕を頼って下さい!
僕はメグさんの…保科恵の彼氏です!…俺の女を悲しませるヤツは許さない!」
ア、アキぼ…ヒッ…ヒック…う、嬉し…嬉しいよぉ〜!グスッ、ヒック!
アキ坊の優しい言葉に思わず抱きついて、服を涙で汚してしまう。
…何故私はアキ坊に相談をしなかったんだ?
こんなにも私のことを想ってくれるアキ坊を頼らないとは…
やっぱり私は馬鹿だな。どうしようもない馬鹿だ!
愛してる…アキ坊愛してる!
アキ坊の胸に顔を埋めて泣きじゃくる私。
そんな私の頭を優しく撫でてくれるアキ坊。
頭を撫でられるたびに、七見に傷つけられた心が癒されていくのが分かる。
わ、私をここまで泣かせるとは…アキ坊のクセに生意気!
罰として今夜はずっと抱き締めてもらうよ。
絶対に離さないから覚悟をするように!


「……と言うことだよ。フフフ、馬鹿だろ?
SEXしている写真を撮られていて、それを買い取るなんて…本当に馬鹿だな、私は。
アキ坊…こんな馬鹿な私だが、その…キライにならないでほしい。
私は君の望むことなら何でもする、だから…ムグ!ちょっ、アキぼ…あ…だ、ダメ…んん!」
後ろ向きなことを言おうとしていたメグさんの口をキスでふさぐ。
余計なことを言おうとしていた舌を絡めとる。昔は昔、今は今だ。
今、メグさんは僕の彼女だ。
この唇も、綺麗な歯並びの歯も、柔らかい胸も、引き締まったお尻も。
全部僕の物だ。カワイイ耳たぶも、綺麗な首筋も、全部、全部全部僕の物だ!
メグさんの全てに舌を這わす。
僕の舌が触れるたび、メグさんは甘い声を出してくれる。
「あ…んん…待って…アキぼ…ちょっと待っ…ひゃ!お、お風呂に入ってないから!
舐めないで!お尻は舐めな…ひ、ひゃう!」
メグさんの全身に舌を這わせながら裸にして、四つんばいの格好にした。
メグさんのアソコは十分に濡れていてヒクヒクとしている。
い、いやらしい…ゴクリ!
僕のはメグさんに入りたくて、もうギンギンになっている。…しかしここは我慢だ!
メグさんに気持ち良くなってもらうため入れるのを我慢しながら舌を這わす。
メグさんが一番感じるお尻を中心に舐めまわす。
アソコには指を入れて掻き出すように愛撫する。
先輩から質草で貰ったDVD…穴が空くほど見て研究した成果を今日こそ見せるんだ!
確かGスポットってところが気持ちいいんだよね?
お尻の穴を舐めながらメグさんのGスポットを探す僕。
…あれ?この膨らみ、なんだろ?
ここをいじるとメグさん泣きそうな声を上げて…ここかぁ!
「ひゃ?そこダメ!アキ坊ダメ!…あ、ひゃう!イッちゃ…イクイクイクイッ…くぅぅぅ〜!」
ぷしゅ!ぷしゅぷしゅ!
メグさんが大きな声をあげ、体を反らした瞬間、アソコらか大量の液体が噴出した。
ま、まさかこれがあの…潮吹きなのか?
ということはメグさんがついに…イッちゃったの?
ぼ、僕がついにメグさんを…イカせたのか!いよっしゃ〜!
ガッツポーズを取る僕。
メグさんを見ると四つんばいのまま床に突っ伏して、軽く痙攣している。
アソコは赤く充血してヒクヒクしながら僕のを待ちわびているみたいだ。
い、入れたい…けどまだだ!まだまだメグさんには感じてもらうぞ!
せっかくGスポットを見つけたんだ、忘れないように覚えなきゃね。
痙攣しているメグさんに指をねじ込み再度Gスポットを攻める。
凄い、何回でも潮吹きって出来るんだ、女の子の体って不思議だなぁ。
…あれ?メ、メグさん?ちょっとメグさん大丈夫ですか?
…しまった!やり過ぎた!
調子にのって攻め続けていたらメグさんが失神してしまった。ど、どうしよう…


私は今、お風呂に入っている。
湯槽に三角座りで入り、鼻の下まで浸かっている状態だ。
アキ坊は今、その…あ、あれだ、わ、私がその…
よ、汚した床の後片付けしてくれている。
「後片付けをしている間にお風呂にでも入っててください」
とお姫さま抱っこで運んでくれたんだ。
ま、まさかアキ坊にあそこまでイカされるとは…
恥ずかしくて顔をまともに見れなかった。
ア、アキ坊のクセに生意気!…生意気生意気生意気!
あ、あんなにイッたのは初めてだ。
そ、早漏のクセに生意気!あの勝ち誇った顔に何故か腹が立った。
…お返しをしないとな。
お風呂に入ってなかったのに体中を舐め回してくれたし…お尻まで舐められた。
そうだった、お風呂に入ってないのにお尻を舐められたんだ!
は、恥ずかしい…アキ坊のヘンタイ!
恥ずかしさのあまりにブクブクと湯槽に沈んでいく私。
どんな顔をしてアキ坊を見ればいいんだ?
これも全部……アキ坊のせいだ!!


「あ、メグさん携帯が鳴ってましたよ…ってどうしたんですか!顔真っ赤じゃないですか?
長湯のしすぎですよ、のぼせちゃいますよ?」
こ、この…誰のせいで長湯をしたとおもっているんだい?
…携帯が鳴っていた?
おかしいな、私にはアキ坊以外に電話をかけてくる人などいないのだが?
私が携帯を持っていた理由は、パチンコ店のメール会員になるためだったからな。
イタズラか?一応着信履歴を見るか。…やはり知らない番号だな。
一応昔の友人の番号を登録はしているのだが、今更かけてくる訳もないしな。
「知らない番号だな。多分かけ間違いかイタズラだろう」
「そうなんですか?結構長いこと鳴ってたし、
急用かなと思ってお風呂に持っていこうか悩みましたよ」
「…スケベ。き、君はあれだけ私を好き勝手にしたのにまだ足りないのかい?このヘンタイ!」
「え?…いやいや、携帯を持っていくだけですよ!今日はもうしません!…多分ですけど」
「…今日はもうしてくれないのかい?今度は君のでイキたいんだ。
さっきは入れてくれなかっただろ?
さっきのはとても気持ちよかったのだが…君を感じたいんだ。
だからその…抱いてくれないかな?」
私の言葉に抱き締めてくれるアキ坊。
お互い見つめ合い、唇が触れようとした時、私の携帯が鳴った。
「…すまないアキ坊、少し待ってほしい。…これはさっきの番号だな、間違い電話かな?」
電話に出る私。
その電話から聞こえてきた声は私が一番聞きたくない声…七見だった。


『やぁ恵、夜遅くにごめんね、少し話したいことがあるんだけど…』
「話したいことがあるだと?……ふざけるな!
お前とはもうなんの関係も無いはずだ!
私は貴様の声など聞きたくもないし話すことなど何もない!」
もう私達に関わることはない、と約束したはずの七見が電話をかけてきた。
私は怒りのあまり、アキ坊がいるのも忘れて怒声をあげた。
『俺もそう思ってたんだけどね、そうもいかなくなったんだよ。
…また見つかったんだよね、写真が』
……な、なんだと?
『いや〜、クローゼット整理してたらいっぱい出てきちゃったんだよね。
恵が美味しそうに俺のをくわえてるのや顔にかけられて嬉しそうな顔してるもの。
他にも後ろからはめられて喘いでるのもあるよ、これどうしようか?』
「な、なんだと?か、返せ!さっさと私に返すんだ!」
コイツ…わざと今まで隠していたな!
『はぁ?何言ってんの?これは俺の大事な写真だよ?なんで君に渡さなきゃいけないの?』
「何を言っているだと?それはこっちの台詞だ!
そのために200万を支払ったんだ、さっさと返せ!」
私の言葉に笑いだした七見。何故笑う?
『ハハハ、何を言ってるんだい?200万円分の写真なら約束通りに返しただろ?』
「…どういうことだ?あの時貴様は写真を全部渡すと言ったではないか!」
『渡しただろ?…あの時手元にあった分は、全部残さずにね。
ただ…また見つけてしまっただけだよ。これ、どうしようかな?
また誰か買い手を探さなきゃな。今度はそうだな…1000万だな。
なぁ恵、誰か買い取ってくれる人知らないか?』
な、な、な…1000万だと?ば、ばかげてる!
『高いかな?けどこの写真が世間に広まって…
タチバナ君の目につくよりいいんじゃないかな?
お金が無いなら仕事も紹介してあげるよ。
な〜に、恵なら一年もあれば楽に稼げるよ。
もしかしたら元パチプロの異色のAV女優として芸能界に行けるかもよ?
恵、これはパチプロなんて仕事から卒業するいいチャンスだと思うけど?
AVに出て写真を買い取るか、愛しの彼氏に写真を見られてフラレルか…どっちがいい?』
ふざけるな!誰が貴様の言う通りになるか!
…そう叫ぼうとした私の手から携帯が奪われた。え?…アキ坊?
私の手から携帯を奪い取ったアキ坊は見たことのない顔で七見と話しだした。
こ、こんなに怒った顔のアキ坊は初めてだ。


「よく聞け七見!写真で脅そうとしても俺には通じないぞ!
どんな事があろうと…恵は俺の女だ!
これ以上俺の女にちょっかいを出そうとするなら覚悟しておけ……
必ずお前を破滅に追い込んでやる…必ずだ!
もう二度と俺達の前に現れるなよ!
…オレ達はこれからSEXするんだ、お前は恵の写真でオナニーでもしておけ!
それぐらいは許してやるよ、このクズが!」ピッ!
私から携帯を奪いとったアキ坊が一気にまくし立て、電話を切った。
「ははは…つい電話切っちゃいました、ど、どうしましょ?
…メ、メグさん?ちょ、ちょっとメグさ…むぐ!」
アキ坊の啖呵を聞いていたら疼いてきた。フフフ…俺の女、か。
「君がいけないんだ。何故君はこうも私を疼かせるんだい?
アキ坊のくせに『恵は俺の女だ』なんて…生意気!」
アキ坊の首筋に舌を這わせながらアソコを撫でる。
フフフ、大きくなってきたな。
「さっきはよくも私で遊んでくれたね?
今度は…いっぱい、いっぱい出してくれ。たくさん注いでほしい。
はしたない話なんだが…君の啖呵を聞いていて…もう濡れているんだ。だから…ね?」
私は下半身だけ裸になり、アキ坊に見せる。
アソコはもう準備が出来ている。
「入れてほしい。我慢できない!私は君の女なんだろう?
だから…あ、くぅ!…ア、アキぼ…あ、すご…んん!」
興奮したアキ坊が私を押し倒し、下半身だけを脱いで突き上げるように入れてきた。
ぐちゅ!ぐちゅ!アキ坊が腰を振るたびにいやらしい音が部屋に響く。
「い、いい!凄い、凄くいい!アキ坊もっと、もっとし……
あ、あれだ。久しぶりだからじゃないかな?だから、その、なんだ…ええ?
…んん!き、君はホントに…なんでこんなに元気…ふぁぁぁ!」
私に入って来て4回腰を振って果ててしまったアキ坊。
私の中で大量に射精したアキ坊の精液が、私に広がるのが分かる。
私はそれだけで満足だったんだが…アキ坊はすぐに復活してまた動き出した。
…絶倫というやつなのか?
「ん、ん、ん、アキぼ…キスし……君は少し修行が必要なんじゃないのかい?
2回目で6回しか持たないというのは…
えええ?…あ、あ、あぁ…キスして…ん、んちゅ…ちゅる…んん!」
結局アキ坊は私から抜かずに4回も頑張った。
ピストン運動の平均回数は10回だった…要修行だな。
その夜私はアキ坊の腕に抱かれ、久しぶりの安眠をとった。
もう七見に怯えなくていいんだ。…アキ坊が私を守ってくれるんだ!
次の日の朝、アキ坊のお弁当を作っていたら案の定襲われた。
…ま、返り討ちにしたけどね。
首筋にキスマークをつけたのはアキ坊には秘密だ。


(ちっ、男にバレたか…まあいい。この写真とネガがこっちにある限りどうとでもできるさ。
ま、しばらくはいい夢を見ておくがいい…くくく、俺をコケにしたのを後悔させてやる。…一生な)
どういうタイミングでこの写真を突き付けてやろうか?…やはり結婚式か?
いや、貧乏臭い男だったから式はあげないかもな。
ならアイツ等の親にでも送ってやるか?
ホテルのバーで一杯飲みながら写真を金に換える方法を考える。
今夜は久しぶりに恵を抱くつもりで部屋を取っていた。
部屋代損したな、これも写真代につけるとするか。
さてと、恵が来ないならここにいる必要もない……いい女みっけ。
上玉の女2人が酒を飲んでいる…これは口説かなきゃな。
「こんばんは、君たち2人なの?
…こんな美女2人が寂しそうにお酒を飲むなんてダメじゃないか。
よかったら御一緒させてもらえないかな?」
俺の軽い挨拶にニッコリほほ笑む女。はは、こんな簡単でいいのかよ。
「あなたカッコいいわね。…ねぇユウちゃん、アタシこの人がいい。ユウちゃんはどうかな?」
「千紘姉さまがいいならそれでいいですぅ。ユウは千紘姉さまの言うとおりにしますぅ〜」
なんだこの頭の悪そうな女共は?…この人がいいってなんだ?
「ユウちゃん…カワイイ!もう食べちゃいたいわ!ちゅっ!」
「早く食べてくださ〜い!ユウも我慢できないですぅ〜!ちゅちゅっ!」
な、何だこいつ等?レズか?…ちっ、なんだよ、時間の無駄かよ!
紛らわしいんだよテメェらは!
部屋に帰ってデリヘルでも呼ぼうかと考えていた俺に、女共が衝撃の提案をしてきた。
「ねぇ君、ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?
実は私達、子供が欲しいの。けど女同士では子供は出来なかったの。
だから君に協力してほしいんだ。どう?今から私達と3Pってのは?」
………ラッキ〜!まさかこんな展開になるとは思いもしなかったぞ!
「3Pに異論はないが、子供ってのが気にかかるな。俺は子供なんていらないんだけど?」
「子供なら私達が面倒を見るから大丈夫、君は協力してくれるだけでいいから。
別にお金も要らないしね」
話をしながら女共の持っているバックや時計をさりげなくチェックしてたんだが…
コイツ等金持ちだ。これは金になるな。
ならこの話にならない手はないな。ま、いざとなったら逃げちまえばいいしな。
「…OK、君達に協力しましょう。で、どこでするの?一応部屋取ってるんだけど?」
そう言って部屋の鍵を見せる。部屋はもちろんロイヤルスイートだ。
「あら?いい部屋取ってるじゃないの、もちろんそこでいいわよ。
じゃ、出会いを記念して乾杯しましょうよ」
そう言ってワインが注がれたグラスを渡してくる千紘という女。
今日はついてるな、こんないい女とSEXできて、なおかつゆすりのネタに出来そうだしな。
「乾杯!」
グラスを合わせる俺達。一気に飲み干し2人を部屋へと案内する。
時間がもったいないからな。
こんないい女2人を相手にできるなんて、ホントに今日は……んん?少し酔ったか?
視界が歪んで………ドサッ


…………う……う……うう、き、気持ち悪い…
あぁ?体が動かない…な、なんだ?なんで動かないんだ?
「やっと気がついたようね。大丈夫、七見君?クスリが効き過ぎちゃったね。
…ところで君っていいお尻してるね〜。んっふっふっふ…美味しそう…じゅるっ!」
な、なんだ?どうなってるんだ?
首しか動かない俺は必死に周りを見ようとした。
そこには…さっきの女共がいた。
「な、なんだ?…お、お前、何つけてるんだ?ち、近寄るな!な、何するつもりなんだ!」
芋虫みたいに縛られた俺は逃げることもままならない。
知らないうちに下半身は脱がされて両足もがっちり縛られていた。
そんな俺に笑いながら千紘とか言う女が…股間にペニスバンドをつけてこっちに来る。
手には…ローションらしきものを持っている。
「いやぁ〜、君、凄い写真持ってたね。アタシが狙ってる保科さんのHな写真…
あんなの見たら興奮しちゃったじゃないの!」
「て、てめぇ何するつもりだ!
俺にこんな事してどうなるか分かってるんだろうなぁ…殺すぞ、クソアマ!」
「いやぁ〜、いいネタ見させてもらったわぁ!おかげでユウちゃんを苛めちゃったじゃないの。
ほら、ユウちゃん起きなさい!見たいんでしょ?アタシが男を犯すところ。
さ、ビデオカメラ用意して」
ベットの方を見るともう一人の女が裸でぐったりとしており、
時折体をビクンッビクンッ!と痙攣させている。
…股間からはバイブが2本生えていて、生き物のように蠢いている。
す、すっげぇ……それよりビデオってなんだよ!
「ビ、ビデオ?な、なにするつもりだ!」
「なにって…ナニをするのよ。だって君、子供作るの手伝ってくれるって言ったじゃないの。
頑張ってアタシの子供…妊娠してよね」
に、妊娠?誰が?………俺がぁ?
「お、お前馬鹿か!男が妊娠なんてできる訳ないだろうが!」
「あなた分かってないわねぇ…諦めたらそこで試合終了なのよ。
安西先生がそうおっしゃってたわ」
「な、な、な、な…」
馬鹿だ、こいつ等馬鹿だ!こいつ等頭イッてやがる!
「お姉さまぁ〜、ビデオの用意出来ましたぁ〜」
何時の間にか復活していたユウっていう女の手にはカメラが握られている。
「ユウちゃんアリガト。子供に見せてあげるんだからしっかり撮ってね。
あなたはこうやって生まれてきたのよ…ってね。
だからしっかり撮るのよ!…特に初めて入る瞬間の顔!
…絶対に撮るのよ!じゃないと…分かってるわね」
「ハイ、お姉さま!あたしも楽しみですぅ〜」
「んっふっふっふっふ…嬉しいわぁ〜、こんないい男のお尻、犯せるなんてね〜。
…メチャクチャにしてあげるわ」
芋虫状態の俺は必死に逃げようとしたが…
そうしたがためにケツが無防備になってしまった。
「ま!入れやすいようにしてくれるなんて分かってるじゃないの!
……いっただきま〜す!!」

「ひ、ひぃぃぃ!や、やめて!た、助け……あ、あぁぁぁぁっぁ〜〜〜!!!!」


朝7時、起床。メールをチェックする。新着アリ!
……よし!ついに温泉旅行が決まったのか!
……来月かぁ。ついにアキ坊と温泉に…ふ、2人で温泉に…少しダイエットしておこうかな?
急いで返信をする。
『やっと決まったのかい?もう待ちくたびれて死んでしまうところだったよ。
…君との温泉、楽しみにしているよ』
送信してからランニングにでる。こうして走りに出るのも久しぶりだ。
七見の一件以来だから…一週間ぶりだな。
今までは七見が現れるかもしれないから外出は控えていたんだ。
それが一昨日に仲之井さんがやってきて、七見が持っていた写真を私に返してくれた。
…それ以来私を見る目が怖いような気がするのは…気のせいとしておこう。
何故写真を取り返せたのか理由を聞いたのだが、詳しくは教えてくれなかった。
アキ坊は知っているみたいだが教えてくれない。
ただ「僕じゃなくてよかった」と呟いていた。…何があったんだ?
ま、七見がどうなろうと私にはもう関係ない。
…お金が返ってこないのは痛いがこれも私が馬鹿だったための勉強料だ。
それより…温泉かぁ。フフフ…アキ坊と温泉!2人で温泉!……ゴン!
温泉の事を考えてたら電柱にぶつかった。
……これもアキ坊のせいだ!おいしいお酒も飲ませてもらおう。


私はこの時想像もしていなかった。旅行先で温泉旅行よりも嬉しい事があるなんて!






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