僕はいつも大学の講義が終わってからそのままバイトへと向かうんだ。
ホントは部屋でますみさんとかなえと家族3人でゆっくりとしたいんだけど、
貧乏だから仕方がない。
で、部屋に帰る時間はいつも夜遅くになってしまう。
だから今日も遅くなってしまったんだ。
けど今日はバイト先の居酒屋で余ったおかずをお土産に出来たから、
ますみさん喜んでくれるかな?
「ただいま〜!ますみさん、今帰りました!」
玄関を開けると中からはますみさん達の楽しそうな声が聞こえてきた。
彩さん、遊びに来てるんだ。また泊まっていくのかな?…今日は帰ってほしいなぁ。
ついポケットに入れたコンドームを握り締めてしまった。
「あ、湧一さんお帰りなさい。お仕事お疲れ様でした」
ニッコリとほほ笑んで出迎えてくれたますみさん。…癒されるなぁ。
「綾崎、お邪魔してるわよ。…なにニヤついてんの?
気持ち悪いわね〜、変な物でも食べた?」
…彩さん、至福の時を邪魔しないで下さい。
僕はつい彩さんを睨んでしまった。だって仕方ないだろ?
いっつもいるんだよ?ほぼ毎日遊びに来てるんだよ?
僕とますみさんがSEX出来ないのは彩さんがいるせいだと言っても過言ではないと思う。
「アンタなに睨んでんのよ!…分かったわよ、帰ればいいんでしょ?
ますみ、アタシ帰るから。かなちゃんまたね」
僕の視線に気がついた彩さんは、そう言ってかなえにキスをして車に乗り帰っていった。

(車か…いいなぁ。やっぱり子供がいるから車ぐらいは欲しいよね。
軽自動車ぐらいなら何とかなるかな?けどその前に免許を取らなきゃね)
「もう湧一さん、そんなに彩を睨まないでよ」
彩さんを見送りながら車の事を考えていた僕は、ますみさんに文句を言われてしまった。
「彩はね、あたしが夜遅くまで一人で危ないからってこんな遅くまで一緒にいてくれるのよ。
だからそんなに怒らないでね?」
「え?そうだったんですか?てっきり僕達のSEXの邪魔を…な、ななななんでもないです!」
彩さんの気遣いを知った僕は、驚きのあまりについ本音が出てしまった。
ううう…ますみさんクスクス笑ってるよ。は、恥ずかしいなぁ。
顔が真っ赤になってるのが分かる。
そんな僕を見てますみさん、ほほ笑みながら首に手を回してきた。
「ふふふ…もう湧一さんったら。…そうね、久しぶりにしましょうか?」
「…え?ほ、ホントですか!」
「ふふふ…久しぶりだから優しく、ね?愛してるわ、湧一さん」
妖しくほほ笑むますみさん。僕はそのほほ笑みに頭のネジが…取れた。
「ま、ますみさん!僕もう我慢できません!」
玄関先でますみさんを押し倒す僕。
「ちょ、ちょっと待って!避妊具が無いから…あん!買ってこなくちゃ…んん!…だめよ」
少し抵抗しながらそう言ってきたますみさん。
僕はかまわず細い首筋に舌を這わす。
「大丈夫です!ほらここに…」
舌を這わしながらポケットからコンドームを取り出す。
やっと使える日が来たんだ!よ〜し、全部使い切ってやるぞ!
「もう、湧一さんったら!コンドームまで用意までしてたのね?
エッチ…ん…なんだから…あぁ!」
そう言いながら僕を強く抱きしめるますみさん。
すみません…僕、優しくできそうにありません!

結局その日は朝までSEXをしたんだ。愛する人とのSEXって最高だよね!
けど…大変な事が起こってしまった。その…穴が空いてたんだ。
コンドームに穴が空いていたんだよ…どうしよう?
ますみさんに聞いたら結構危ない日だって言うし…ホントどうしよう?
あぁ〜!自販機なんかで買うんじゃなかった!…でも仕方ないよね。
また子供が出来たんなら僕がもっと頑張ればいいだけだ。…うん、そうだよね!
ますみさんとはいっぱい子供を作ろうって話し合って決めてたし、
それが早いか遅いかの違いだもんね!
けど、全部に穴が空いてるなんてよっぽどな不良品だよね?
今度からはちゃんと薬局で買わなきゃね。


「ますみ、あなたまた妊娠したの?あたしが妊娠しなくて苦労してるっていうのに…
どうすれば妊娠するか教えなさいよ」
今日はアタシの新婚旅行のお土産を渡すため、かなえ先輩とますみを呼び出したの。
やっと…ホントにやっっと結婚式を挙げて、拓にぃと夫婦になれたんだよね。
で、二人にいっぱい惚気てやろうとしたら…ますみが妊娠したんだって!…いいなぁ。
で、先輩がどうしたら妊娠できるのかって聞いている。
でもそんな方法なんてある訳無いじゃん!
「方法ですか?絶対ってわけじゃないですけど…」
ええ?ほ、方法あるの?ど、どうすればいいのよ!
ますみの言葉に真剣な眼差しで聞き入る先輩とアタシ。
「あたしがした方法はね…最初はじらすの。なかなかSEXをさせないのよ」
SEXをさせないの?なるほど、おあずけさせるんだ。
…ん?あれ?もしかしてアタシを毎日部屋に呼んでたのって?
「もしかしてちょっと前にアタシを毎日部屋に呼んだのは…その為だったの?」
「ふふふ…そうよ。誰かが部屋にいないと、湧一さん我慢できなかったと思うわ。
彩には毎日協力してもらってゴメンナサイね」
なんで毎日アタシを呼ぶかな?って不思議に思ってたけど、そうだったんだ。
アタシはてっきり寂しいからかなって思ってたんだけどね。
「で、続きはどうするの?」
わ、先輩必死だ!…そりゃそうか、先輩なかなか子供出来なくて焦ってるんだもんね。
「後は簡単ですよ。こっそりコンドームに穴を開けておくんです。
あたしは今回、それで妊娠しました」
「…ますみって結構手段を選ばないタイプね。敵にはしたくないわ」
…先輩、それアタシも同感です。
少し引いているアタシ達を尻目に嬉しそうにお腹を撫でてるますみ。
アタシ、あんたの友達でよかったわ。…敵じゃなくてホントよかったわ。

アタシは嬉しそうな表情のますみを見ながら身震いをした。


「な、なんだと?また妊娠させただぁ?…お前、俺を殺す気かぁ!」
直樹先輩にますみさんが妊娠した事を告げたら怒鳴られた。
「か、かなえがそれを知ったら…い、嫌だ!
いくらオムツしてるからってこの歳で漏らすなんて…嫌だよぉ」
怒鳴ったかと思ったら震えだした。…何も聞こえなかったことにしよう。
けどこれで僕も2児の父親かぁ…よぉし頑張るぞ!
かわいい子供と…素敵な僕のお嫁さんのために頑張るぞ!

僕は愛するますみさんの笑顔を思い出し、頑張ろうと心に誓った。





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