美しい夕日を眺めながらのティータイム。健一様とこの夕日を眺めたいものですわね。
「レイリア様。例の件ですが、成功いたしました。これで相川様はバイトをクビになること間違い
ありません」
愛しの健一様の写真を眺めながら報告を受ける。あぁ…なんて凛々しいお顔なんでしょう!
「そ、ご苦労様。それにしてもずいぶんと時間が掛かったんですわね?…無能な人は要りませ
んわ。けど今回だけは大目に見てあげます、もちろん次はありませんわよ?」
私の笑顔を見て唾を飲み込む長尾。大人のくせに情けないですわねぇ。
「も、申し訳ありませんでした!次こそはレイリア様の期待に答え…」
「言い訳を聞くほど暇ではありませんの。…下がりなさい」
シッシッと手を振り無能な長尾を下がらせる。
はぁ…使えない男ねぇ、クビにした方がよかったかしら?
「で、あなたは有能なのかしら?それとも無能?ん〜、一体どちらなのかしら?」
私の問い掛けにも余裕の表情を見せる榊。…何ですの、その胸は?ムカつきますわね。
「それはお任せください。それはそうとレイリア様、本日分のお写真が届きましたのでプリントア
ウト致しました。本日分は50枚ございます、さっそくお確かめください」
「50枚?それはそれは…よく撮りましたね。けど数を集めればいいという訳ではありませ…
グブッ!こ、これは…素晴らしいですわよ!」
お風呂に入ろうとしているのか上半身裸の健一様。あぁ!こ、こちらはタオルいちま…ごはぁ!
「レイリア様、鼻血が噴出ていますが…も、申し訳ございません!」
無粋なことを言う榊を睨む。それにしても、はぁはぁはぁはぁ…上半身裸の健一様のお写真。
ピンクのカワイイお乳首、あぁぁ…美しいですわ、むしゃぶりつきたいですわ!
まさしくこれぞ神の作り上げた芸術ですわね!
あぁ、鼻血が止りませんわ。あぁぁ…早くこの胸に抱かれて眠りたいですわぁ。
「レイリア様、私は例の作戦がありますのでこれで失礼致します。結果は後日、御報告に参り
ます」
写真を抱きしめうっとりと想いに浸る私に、榊が話し掛けて来た。
仕事熱心なのはいいですけど、私と健一様の愛の一時を邪魔しないでくださる?
「…期待してますわ。そうそう、一つ忠告しておきますわね?アナタ、健一様に本気になっては
ダメですわよ。あくまで一時的なお付き合い、決してキスやSEXは許しませんわ。もし万が一に
もするような事があれば…」
「大丈夫でございます、私のタイプではありませんので。興味のない男に体を許すほど、SEX好
きではありませんから」
「……そ、ならいいわ。分かっているとは思いますけど、あなた達の仕事はあくまでも監視。
それを忘れないようにしなさいね?他のメンバーにもそうおっしゃって下さいな。
もしも万が一の時は…私が持てる力の全てを使い、その泥棒猫の一族全てをこの世から消し
去る事をお約束しますわ」
青い顔をして部屋を出る榊。何ですの、あのお尻は?…はぁぁ、羨ましいですわ。
榊の胸はDカップ。私の胸は…はぁぁぁ。何故8年早く生まれることが出来なかったの?
そのおかげで私は健一様と…きぃぃぃ!悔しいですわ!
けどその悔しさも来年の春まで。パパとママが話の分かる人でよかったですわ。
このために健一様のお隣の部屋を、ずっと借りたままにしているのですからね。
うふふ…一年後には『らぶらぶでいちゃいちゃでぐっちゅぐちゅな毎日』を送ってあげますわ!
お待ちくださいね、健一様。貴方のレイリアは、体を磨いて会いに行きますわ!

あっと、いけませんわ。せっかくの健一様のお写真、アルバムにはさまないと。
…うふふふふ、これで相川健一コレクションも199冊目完成、200冊まであと一歩ですわね。
はぁぁ〜、早く二人の愛の写真で埋め尽くしたいですわぁ。



「健一、いったいどうしたの?なんか元気ないけど…分かった!またフラれたんだ?」
元気のないおれを見て、嬉しそうにフラれたとか言ってきた友人その1。
コイツの名前は山薙俊(やまなぎ しゅん)。おれの中では一応親友のつもりだったんだけど…
それでも親友かよ!
「ははは、それはないだろ?健一はフラれ慣れてるから、そんなモンじゃ落ち込まないはずだ。
どうせあれだろ?レンタルでAV借りたら、前に借りたのと同じのだったんだろ?」
笑いながらかなり失礼な事を言ってきた友人その2。
名前は佐伯正吾(さえき しょうご)。前に同じのを借りて確かに落ち込んだけど、
今回はそれじゃないんだよ!
落ち込んでるおれを慰めようとしているのか、からかっているのかよく分からない友人二人。
おれ、相川健一(あいかわ けんいち)はそんな二人に愚痴をこぼしてしまう。
本気で心配してくれてるか怪しいモンだが、溜めておくよりはいいだろう。
「実は…またバイトをクビになったんだ。せっかく同じ年の女の子と仲良くなりかけたのに…
ちっくしょぉぉ〜!」
頭を掻きむしって叫ぶ。何で何だよぉぉ〜!おれが何をしたぁぁ〜〜!
「お前のバイトっていっつも長続きしないな。なんでなんだ?」
おれが知りたいよ!なぁ正吾、教えてくれ!おれはいったい何をしたんだ?
「またクビになったんだ?今度はいったい何したの?あ、分かった!また変な目でお客さんを
見たんだ?で、苦情を気にした店長にクビにされたんだ。正解?」
黙れこの顔シャマニアが!無邪気な顔しておれの心をえぐるな!
普段は気にならない俊の純粋な眼差しが、かなりムカつく。
「なんなんだよお前等…少しは傷ついたおれを慰めてくれよ、友達だろ?」
「はははは、こう毎回毎回クビになってたら慰める言葉もなくなっちまうよ。
そういや前はなんだっけ?確かカラオケ屋でバイトしてて、カワイイ客の使ったグラス舐めてる
ところを見られてクビになったんだよな?」
「そうそう。で、その前はカワイイお客さんの箸を盗んでたんだっけ?
…よく考えたら健一ってヘンタイだね。まさかシーリスにはそんなことしてないよね?」
無邪気に笑う二人。おれはそんなこと一度たりともした時ねぇ〜よ!
「お前等それでも親友かよ〜。おれがそんなことする訳ねぇじゃねぇ〜か」
そうなんだよ、おれは一度も変態行為をしたことはない。
けど以前のバイト先では、お客さんがグラスを舐めるのを見たって店に言ったんだ。
その前のバイト先じゃ、何故かおれの鞄の中から大量の使用済み割り箸が見つかったりもし
た。それには口紅がついていたんだ。誰かに嵌められたんだ。
おれ、苛められてるのかな…ちくしょぉぉぉ〜!
「はっははは!そう落ち込むなって!冗談だよ、冗談。本気にするなっての!
しかしなんで毎回お前が疑われるようなこと起こるんだろうな?今回は何を疑われたんだ?」
笑いながらおれの背中をバンバン叩く正吾。お前、楽しんでるだけだろ?
「それがよぉ…閉店後の掃除をおれが最後までしてたんだ。もちろん戸締りもしっかりしたぜ?
けどなぁ…翌朝あれが無くなってておれのロッカーから見つかったんだ。
おれは盗んでないっての!」
「あれってなに?まさか金庫とかお店の売り上げ金?」
「だっだらまだよかったんだけどな…汚物入れだよ。
女子トイレから無くなってたそれが、おれのロッカーにテレポートしてたんだ。
おれにはそんな趣味はねえ!」
おれの言葉に明らかに引く二人。おれじゃない!おれはやってないぞ!
濡れ衣なんだっぁぁぁぁぁぁ〜〜!!
「そ、そうか。だ、大丈夫だぞ健一!俊はお前の事を信じてる!…と思う」
「ええ?僕にふらないでよ!正吾こそ信じてあげたらいいような気がしないでもない、
と考えた時もあったなぁ」
お前等、なんで遠い目をして話すんだ?
何故おれの目を見て話してくれない?お前等それでも親友かよ!
「ひでぇよぉ〜。お前等、弱ってるおれを苛めて楽しいのかよぉ〜、それでも親友なのかよ〜」
おれの魂の言葉に乾いた笑いで答える二人。ちくしょう!友情なんてもう信じねぇ!



居酒屋で晩飯がてら少し飲むことにしたおれ達。
おれは疑われた事をまだ根に持っている。友情ってなんなんだろうな?
「はははは、そんな怒るなよ。晩飯奢ってやるからさ!…マヤには何もしてないよな?」
疑いの目バリバリで、おれに話しかけてくる正吾。
「正吾、それはちょっと失礼だよ!いくら健一といえど、知り合いにまでそんなことはしないと思
うよ?…シーリスにはしてないよね?」
フォローになってないフォローをしてくれる俊。
お前等の友情が心に染みて、しょっぱい涙が溢れてくるぜ!
「お前等、おれを信じてくれよ!本条には中学時代に笛をなめたことぐらいし…ごはあ!
い、いてえ!正吾、冗談だっての!本気で殴るな!」
おれの冗談に怒って殴ってきた正吾。本条の事となると相変わらず容赦ないな。
「シーリスについては、お前等の初SEXの声を隣で録音させて…いててて!
箸で突くな!俊、冗談だって!」
俊もシーリスのことでは恐ろしく怖くなるんだよな。…コイツ等いいよなぁ、そんな相手がいて。
「おい、健一!ホントに何もしてないんだろうな?もしマヤに何かしてたら…マヤに言うぞ?」
「し、してないしてない!冗談だって!おれ、そこまで命知らずじゃないっての!」
本条を怒らせるなんて、冒険者じゃないぞおれは!
「録音ってホントじゃないよね?もしホントなら…僕、健一と死に別れるなんて嫌だよ」
恐ろしい事をさらっと言う俊。おれも死にたくない!だからさっきのは冗談だっての!
「俊、分かってるとは思うけど、さっきのは冗談だからな?
だからシーリスには絶対に言うなよ?な、なな?おれ、まだ生きてたいんだよ!
童貞で死ぬなんてイヤなんだよぉぉ〜!」
シーリスに言われたらシャレにならないことになる。
知られたらきっとおれ、ごみクズのようにボロボロにされてしまうんだろうなぁ…イヤだぁぁ〜!
「シーリスは姉妹揃って恐ろしいからな。俺も奥歯2本折られたし…あ、そうだそうだ!思い出し
た!前にマヤが言ってたんだけどな、お前の悪い噂をレイリアちゃんが流してるんじゃないか
って言ってたぞ」
はぁ?なんでそんなことするんだ?
「あ、それシーリスも言ってたよ。多分健一が他の女の子と仲良く話してるのが気に食わないん
じゃないかって」
マ、マジか?しかしあのレイリアならありえるな。
だからなのか、おれのまったくありえないウソの話が広まっているのは。
おれがロリコンやショタ野郎だって噂が広まってたんだけど…そうだったのか。
あれ?けどレイリアは今…
「ちょっと待てよ、レイリアって今は日本に住んでないだろ?なんでおれのことが分かるんだ?」
そうだよ、あいつは今海外の親元で暮らしてるはず…おれの日頃の行動なんて分からないだ
ろ?
「あれじゃないか?また盗聴器でも仕掛けられたんじゃないのか?あの子、お前に関しては何
でもありだからな。まったくいい色男だよな、お前は。羨ましいぞ、はっははは!」
と、盗聴器?確かに正吾の言う事も考えられる。高校時代、2年間盗聴されてたんだよ。
けどそれは本条に説教されたから二度としないと思うけどな。
さすがにそこまでレイリアはバカじゃないだろ?
「あの時はビックリしたよね。冗談で盗聴されてるんじゃないかって言ってたらホントにされてた
んだから。レイリアちゃん、ちょっと怖いところあるよね」
うんうんと頷きながら話す俊。いや、シーリスもどっこいどっこいだと思うぞ?
けどあん時は驚いたな。っていうかかなり引いてしまった。
なぜかおれが欲しいと言ったものが、次の日にレイリアからプレゼントで送られてきてたんだよ
な。
最初はこんな偶然があるんだと驚いてたんだけど、2度3度、いや、10度20度と続いたから
気味が悪くなった。
皆に相談したら俊が言ったんだよ。『もしかしたら盗聴でもされてるんじゃないの?』って。
まぁその時なぜかシーリスが急に大量の汗を掻きだしたのは秘密にしている。…死にたくない
もん。
俊に言われて夜一人のときに冗談で『レイリアと会いたいなぁ』って言ったら次の日に会いに来
たんだからな。
で、何で来たの?って聞いたら、鼻息荒く『健一様が私にお会いしたいとおっしゃったからです
わ!』だもんな。
まぁ、その場で本条に捕まり…何があったかはよく知らないし、知りたくもない。
あのレイリアがあの後しばらくは大人しくなったもんな。
「ま、そこら辺はマヤに任せたらいい。今、マヤはシーリスと二人でシーリスの実家に遊びに行
ってるんだ。その時にレイリアちゃんに聞くって言ってたからな。
…ホントだったらあの子、どうなるんだろうな」
どうなるんだろうなって…多分おれ達が思ってることのはるか上を行くことをされるんじゃない
のか?
「だからか、お前等が二人揃っておれの相手をしてくれるのは。
あれ?シーリスと本条の二人で行ったのか?
神楽は?あの3人が一緒じゃないなんて珍しいな。あ、そうか、江口さんか。江口さんと離れた
くないからか」
「あの二人は今、ラブラブだからね。神楽も一年以上待ってたんだからいいんじゃないのか
な?」
そうだよな、江口さんが大阪に帰ってからの神楽は可哀想で見てられなかったもんな。
おれ、江口さんから聞いてて全部知ってたから、何度教えようかと考えたか。
けどホントによかったよな。おめでとう、神楽。江口さんにいっぱい甘えて幸せにしてもらえよ?
あの頃の神楽を思い出していたら後ろの席から声をかけられた。
この声は女性?いったい誰だ?
「さっきから気になってたんだけど、その声ってもしかして…相川君?
あ〜!やっぱり相川君だ!」
急に名前を呼ばれてビックリして後ろを見てみると…うおおお!美女揃いの集団じゃないか!
ってあなたは榊原さん?
「ああ!榊原さんじゃないですか!こんなとこで会うなんて珍しいですね、友達とお食事です
か?」
後ろの席には前のバイト先によく来ていたお客の榊原さんが。
歳はおれ達より少し上の24歳。スタイルバツグンの年上美女!
あぁ、その胸に抱かれて眠りたい…
「ふふふ、こんなところで会うなんて偶然ね。
ちょっと話を聞いちゃってたんだけど君、あの店クビになったの?」
「ぐっ…傷をえぐらないで下さいよ。決しておれがヘンな事をしてクビになったんじゃありません
からね?濡れ衣です!濡れ衣を着せられたんですよ!」
「あははは、分かってるわよ、君ってば見た目と違って結構真面目でいい子だもんね。
アタシ、君のこと結構気に入ってるんだよ?残念だなぁ、君がいなくなったんならあの店行く理
由がなくなっちゃったな」
…これはついに来たのか?来てしまったのか?
おれのモテ期がついに到来してしまったのかぁぁ〜〜!!
「だって君と話してたら面白くて仕事のストレス飛んでっちゃうもんね。
あ、君も友達と来てるんだ?
そうだ!ここで会ったのも何かの縁だし、今日は一緒に飲まない?
もちろんお姉さん達が奢っちゃうわよ?」
ハイハイ、モテ期は到来してませんでした。けどこれはチャンスだ!
美人のお姉さん達とのお食事会。…いわゆる合コン!いやっほ〜う!
もちろんおれ達3人は断ることなく榊原さん達とお食事を…合コンしてしまった。
ま、正吾と俊は相変わらず鈍感だから、これが合コンだって気づいてなかったけどな。
だがそれでいい。彼女持ちが合コンなんて死刑にすればいいんだ!
この合コンでおれはミラクルを起こして見せた。
なんと榊原さんを始め、ここにいた女性4人とメールアドレスの交換に成功したんだ!
正吾と俊は交換を断っていたし…やはりモテ期の到来だぁぁ〜!いやっほ〜う!

おれはバイトをクビになったことも忘れ、幸せの絶頂にいた。
これからはお姉さまたちとメールで仲良くなって…うおおおお!夢が膨らむぜぇぇ〜!!



「レイリア様、たった今榊より連絡が入りました。『ターゲットとの接触に成功。以後、本格的に
作戦に入る』とのことです。あと追伸として…」
健一様の肖像画を眺めながらのティータイム。
やはり素材いいと絵にしても素晴らしいですわね。
「そ、成功したの。さすがは榊、なかなか仕事が速いですわね。長尾、あなたも榊を見習いなさ
いね?」
体は大きくても頭の中身が小さくては使い物になりませんわ。
「は、分かっております。それよりレイリア様、榊からシーリス様が本条様を連れてこちらに帰っ
てくるとの報告が…」
え?お姉さまが帰ってくるの?うれしい!また一緒に遊んでもらえ…ほ、ほほほんじょう?
それって…マヤお姉さま?
「な、ななな長尾!私はしばらくここから離れます!準備をしなさい!」
「すでに準備は終えております。お車もいつでも出れる状態にしておりますのでお着替えくださ
い」
よくやったわ!少しは使えるようになったわね!さっそく出発ですわ!早く逃げないと何をされ
るか…ひぃぃぃ!
「このままでいいですわ!さっそくマヤ姉さまが来る前に…」
慌てて逃げようとする私の耳に地獄の底から聞こえてくるような、まるで悪魔の囁きのような声
が聞こえた。
「あらあら、何かやましい事があるのかな?だから私から逃げたくなっちゃったの?
レ・イ・リ・ア・ちゃん?」
「マ、マママ、ママママ、マヤお姉さま…な、ななななを仰いますの、お会いしたかったですわ!
お姉さま!」
部屋の入り口に立っているマヤお姉さまに抱きつく。
だ、大丈夫。大丈夫なはず。絶対にばれてない。きっと今日はシーリスお姉さまと遊びに来た
だけ。
「ねぇシーリス。この部屋私達3人だけにしてくれないかな?
久しぶりにレイリアちゃんとも会えたんだし3人で遊びましょうよ」
ほ、ほら大丈夫じゃない、絶対にばれてませんわ。はぁぁ〜、驚きましたわ。ホッとしましたわ。
「別にいいけど…そこのデカイあんた、邪魔だから出て行ってくれない?」
「かしこまりました、シーリスお嬢様」
お姉さまの命令で部屋を出て行く長尾。あんな使えない木偶の坊でもいないと少し不安になり
ますわね。
「うふふふふ、これでこの部屋には私達3人ね」
「そうですわね、いったい何をして遊ぶんですの?…何故部屋の鍵をかけますの?
何故カーテンを引きますの?」
マヤ姉さまの行動にシーリス姉さまと二人で首を傾げる。
あれ?シーリス姉さま、汗が凄く出ていますわよ?あ、私も汗が吹き出て…何故ですの?
「さ、準備完了っと。まずは…二人とも正座ね?」
…な、なななななんでですの?私がいったい何をしたというんですの!
「はぁ?ちょっとマヤ、急に正座って訳が分かんな…レイリア、さっさと正座するわよ!」
「は、はいお姉さま!」
姉妹仲良く正座をする。いったい何が起こるんですの?
「まずは…シーリスね。あなたねぇ、桃子にとんでもないウソを教えたんですってね。
『SEXが始まりそうな時にはピルを飲んでいるって言うのが礼儀』って教えたんでしょ?」
マヤ姉さまの問いかけに青い顔して震えだしたシーリス姉さま。
「うふふふ、言い訳は聞きたくないわ、シーリス。どれがいいかな?5本もあるから迷うわよ
ね?私としては、小指なんかいらないんじゃないかなって思うんだけど、どれにしよっか?」
…ゴクリ。小指がいらないって、なななななにを言ってるのかしら?
シーリス姉さまの右手を床に広げて置かせるマヤ姉さま。そして懐から…ナ、ナイフ?
「マ、マヤ、ご、ごめん、許して…ちょっとした冗談だったのよ、だからゆるし…ぎゃあぁぁぁ!」
ひぃぃぃぃぃ〜!!!つ、突き刺した!シーリス姉さまの手にナイフを突き刺したぁぁ〜!!
「うっふふふふ、驚いた?これ、手品用のナイフなの。もちろん切れたりはしないわ。
…シーリス?あらあら、失神しちゃったんだ。まだまだこれからだったのになぁ。ま、次が控えて
るからいっか」
…つ、次?次ってなんですの?なんなんですの!
「さぁレイリアちゃん。あなたはなんで相川君の悪いウソの噂を流すのかなぁ?
お姉さんとぉっても頭にきちゃったわ」
や、ややややっぱりばれてた?だ、大丈夫、証拠なんて残してないはず…白を切り通せば助
かるはずですわ!
「お姉さま、いったい何のことでしょう?私が愛する健一様の悪い噂を流すなど…
何故このレイリアがそんなことをしなければいけませんの?」
ニッコリと微笑みながらのウソ。
私が仕切っていたなどとばれたら何をされるか分かりませんわ。
「ふ〜ん、あくまでウソを突き通すつもりなんだ。そっかそっか…ならいいわ。
二人になっちゃったけど遊びましょうか?」
ホッ…助かりましたわ。さすがのマヤ姉さまも証拠がないことでは叱れないみたいですわね。
それにしても可哀想なシーリス姉さま。私じゃなくてよかったです…わ?
な、何故アイスピックを持ってるんですの?
ねぇマヤお姉さま、何故私の手を床に広げておくんですの?
「ね、姉さま?いったいなにをされるんですの?」
「ん〜?遊びって言ったでしょ?この広げた指の間を狙ってね、アイスピックをカンカンとリズム
よく突き刺すの。最初は私からするね?失敗したらゴメンね?ちょっと穴が空くだけだから許し
てね?」
ひっ…い、いや、だ、だれか助け…ひぃぃぃ〜!

カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン!

尋常じゃない速さで私の指の隙間を狙って突き刺さるアイスピック。
さ、刺さる!刺さります!ゴメンなさい!レイリアが悪かったですぅぅ〜!
「ゴメンなさいぃぃぃ〜!レイリアがしましたぁぁ〜!私が全て命令してやりましたぁぁ〜!
もうしませんから許して…ひぎゃぁぁ!」
さ、さささ、刺さった…アイスピックが刺さって…ひぃぃぃぃ〜!
「うふふふ、そう焦らないの。これもシーリスのと同じで手品用なの。ほら、ボタンを押しながら
だと引っ込むでしょ?」
そう言って目の前でアイスピックの先を引っ込ませるマヤ姉さま。
ううう…ホントに刺されたかと思いましたわ!
「も、もうお姉さま!レイリアはホントに刺されたかとビックリしてしまいましたわ!」
「うふふふ、驚いたでしょ?けど私も驚いちゃったなぁ。だってレイリアちゃん、ウソついてたん
だもん。私ね、ウソをつくような子はプチッとしちゃいたいの。いいかな?」
は…はあああぁぁ〜、こ、殺され、た、助けて、誰か助け…健一様助けてくださいませ!
「口をパクパク開けてどうしたの?あ、お腹減ったんだ?そう思ってレイリアちゃんの為に料理
作ってきたんだ。はい、いっぱい食べてね?雑草の天ぷらに雑草サラダ。道端で生えてた取れ
たてを使ったからきっと美味しいわよ?」
「い、いや、イヤァァァ〜!!ひぃぃぃ〜!むぐぅ!」
無理やり口の中に入れられたマヤ姉さまの手作り料理。雑草はイヤァァ〜!
「私ね、お料理を残されるのが凄く嫌いなの。だから、ね?全部飲み込むまで終わらないわ
よ!さっさと食べなさい!」
ふがひがうがはぁぁ…ゴクン。ざ、雑草を飲み込んでしまっ…ま、まだあるんですの?
ひぃぃぃ!ごめんなさいぃぃぃ、もう許してくださいぃぃぃ〜!

悪魔のような顔で私を見つめるマヤ姉さま。
もちろん姉さまのお説教は天ぷらとサラダを食べ終えても続きましたわ。
途中で意識を取り戻したシーリス姉さまも一緒に仲良く二人で説教されましたの。
…また下着を汚してしまいましたわ、グスン。マヤ姉さま、とっても怖いですわ。



「いやぁ〜、今日はラッキーだったなぁ〜。榊原さんとアドレス交換できるなんて夢みたいだ!」
楽しい合コンも終え、おれ達三人は久しぶりにおれの部屋に泊まることになった。
「お前にあんな綺麗な知り合いがいたなんて知らなかったな。あの人たちっていい人だったな。
俺達の分まで飯代を払ってくれたしな。けど、なんか健一モテてたな。なんかあるんじゃないの
か?ヘンな壷買わされるとか、訳の分からない絵を買ってくれとかあるんじゃないか?」
はっはっは、ひがむなひがむな。正吾はおれがお姉さんハーレムを作るところをゆっくりと指を
咥えて見てなさい。
「いい人たちだったね、健一にあんな知り合いがいたなんて知らなかったよ」
のほほんと話す俊。きっとコイツは御飯を奢ってもらったぐらいの感覚なんだろうな。
そういや今日のことをシーリスに知られたら…ど、どうしよう?
そういやシーリスは今、本条と一緒に実家に帰ってるんだよな?
い、いつこっちに帰ってくるんだ?
「な、なぁシーリス達っていつ帰ってくるんだ?」
「ん?確か一週間ぐらい向こうにいるって言ってたぞ?お土産で土筆や野蒜、蒲公英を持って
いってたな。マヤがレイリアちゃんに食べさせてあげるんだって頑張って集めてたぞ」
「そ、そうか、ならいいや。お前等もその間寂しいだろ?おれ、江口さんから秘蔵コレクション預
かってるんだ。今日はそれの上映会しようぜ?俊が大好きな顔シャ物もあるぞ」
おれの提案に嬉しそうに頷く俊。
「正吾もいいよな?もちろん巨乳人妻物もあるぞ」
親指を突き立てて頷く正吾。コイツ等やっぱりおれの親友だけあって最高だ!

おれ達3人は肩を組み、夢の詰まったDVDが待つ俺の部屋へと向かった。



「レイリア様、榊より報告が入りました。
チーム全員が相川様とのメールアドレスの交換に成功したとのことです。
今後の予定としましては、このままメル友としてつかず離れずの関係をしばらく続け、
レイリア様が来られるのを待つとのことです」
「…そ、分かりましたわ。ご苦労様、下がっていいですわよ」
ふ、ふふふふ…さすがのマヤお姉さまもここまでは読めなかったみたいですわね、
私の勝利ですわ!
このまま健一様が他の女に目が行かぬようコントロールしてさしあげますわ!
お〜っほっほっほ!




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