僕の目の前で、涙を流しながら肩を震わせている美里さん。
けど僕は混乱していて、何がなんだかさっぱりだ。なんで美里さんがいるの?
とりあえず、落ち着いて今の状況を整理する事にした。
えっとぉ……まずは秋山さんが美里さんを口説くって言ってきたんだよね?
で、それはお金目当てだって言ってたんだ。
それに怒った僕が、美里さんは渡さない、一生僕が守るって啖呵を切ったんだ。
で、それを秋山さんが持っていた盗聴マイクで、美里さんが聞いているって言ってた。
今その美里さんが、嬉しそうな顔で涙を流しながら目の前に立っている、と。
なるほどなるほど、そうだったのか。
………チクショ〜!騙された!また騙されたんだぁぁぁ〜!

「ぐすん、やーくん……やーくん!ゴメンなさいゴメンなさい!」
「ちょ、ちょっとみーちゃん、危ないって…おわ!」

 感極まって、僕に飛び込んできた美里さん。
せっかく作って来たであろうお弁当は床に落ち、ぐしゃぐしゃだ。あぁ…勿体ないなぁ。

「やーくん……あぁ、やーくん!」

 何故か興奮している美里さんが僕の顔にキスの雨を降らしている。
……病院のベッドの上で押し倒されてキスされている。男なら我慢出来ないよね?
徐々に大きくなる僕のどら息子。
僕の上に乗り、キスの雨を降らしてる美里さんに当ってしまった。

「あん、やーくんのえっち……こんなに元気にして。あたしももう我慢できそうにないですわ。
……やーくん、今日、屋上の階段でホントの恋人同士になろうと言ってましたわよね?」
「え?う、うん、そう言ったよ。みーちゃん、やっぱり僕達の関係っておかしいと思うんだ。
僕、みーちゃんに気持ちいい事いっぱいしてもらってるけど、痛いこともいっぱいされてるしね。
普通はそんな事しないよ?
だからね、僕達も普通の恋人同士に……みーちゃん?どうしたの?」

 何かを思いつめたような顔でベッドを降り、扉に鍵をかけるみーちゃん。
鍵をかけて、振り向いた美里さんは何かを決心したような顔をしていた。

「やーくん……あたしとSEXしたい?」
「え?……ええええ?き、急にどうしたの!いきなり何を言い出すの?」
「やーくん……あたしはずっと前からしたかった。やーくんとSEXしたかった!
けど……嫌われたくない。やーくん、私のこと嫌いにならない?約束してくれますか?」

 そう言って服を脱ぎだす美里さん。……へ?えええええええ〜!
なんでだ?なんでいきなり脱ぎだすんだ?美里さん、いったいどうしたんだ?



 純白の下着を恥ずかしそうに両手で隠し、俯いている美里さん。
ゴクリ……思わず唾を飲み込む。
まさか美里さんが自分から脱ぐなんて……これは夢なのかな?

「やーくん……絶対に嫌いにならないと、誓ってくれますか?」
「う、うん!僕がみーちゃんを嫌いになるなんて、絶対にないよ!」

 僕の言葉に何かを決心した顔で頷き、後ろを向いて下着を脱ぎだした。
お……おおおおおおお!
こ、これはまさか!ついに!ついにみーちゃんと……SEXできるのかぁぁ!
ブラを外す美里さん。白い、シミ一つない背中がとても綺麗だ。
ショーツを脱いで見えた、引き締まっていて、それでいてとても柔らかそうな綺麗なお尻。
凄いよ……みーちゃん、ホントに綺麗だよ。
全てを脱ぎ去った美里さんは、恥ずかしそうに両手で胸と下半身を隠し、振り向いた。
あぁ……すっごく綺麗だ。まるで神話に出てくる女神様のようだ。
美里さんの美しさに見惚れてしまう。凄いや、すっごく綺麗だ。

「やーくん……絶対に嫌いにならないでくれますね?約束ですよ、絶対ですよ?」

 そう言って胸と下半身を隠していた両手をどける。
僕は思わず唾を飲み込んだ。僕の目は美里さんの隠されていた胸に釘付けになった。
白くて大きくて、毛細血管がうっすらと見えている、とても柔らかそうな胸。
その中心にはピンク色の乳首が可愛く……あれ?

「……やーくん、あたしの体、ヘンですよね?」
「ぜ、全然そんな事ないよ!とっても綺麗だよ!」
「グスン、ゴメンなさい。こんなヘンな胸、やーくんイヤよね?
陰毛も生えてないし…ひっく、何故あたしはこんな体に生まれてきたの?」

 そうだったのか。美里さんが今まで僕に体を触らせてくれなかったのは、
これが原因だったんだ。
美里さんは、綺麗な…とても綺麗な体をしてるけど、ちょっとおかしいところが2箇所ある。
白くて大きな胸の中心にある、ピンク色の乳首が隠れているんだ。
これが陥没乳首というのかな?
そして下半身にはヘアーが生えていない。いわゆるパイパンってヤツだ。
多分、僕にこの事を知られたくなくて、結婚するまでえっちはしないと言ってたんだ。
予想外の事に、少し固まってしまう。こんなこと想像してなかったよ。

「やーくん、気持ち悪い体でゴメンなさいね。……こんなヘンな体だけど、嫌いにならないで」

 固まる僕を見て、ぽろぽろと涙をこぼし、体を震わせる美里さん。
僕はいったい何をしているんだ!今は驚いてる場合じゃない!美里さんを安心させなきゃ!

「みーちゃん……すっごく綺麗だよ。
全然ヘンじゃないよ、あまりにも綺麗だから見惚れちゃったよ」
「……嘘。ヘンな胸だからビックリしてたんですわ。
生えていないから気味悪く思っていたんですわ!」
「嘘じゃないよ!その証拠に……」

 ベッドから降りて、泣いている美里さんの前に立つ。
震えてる美里さんの手を取り、僕のどら息子に持っていく。

「どう?僕のここ、美里さんが綺麗すぎて、もう痛いくらいになってるんだ」
「やーくん……やっぱりやーくんはとてもえっちですわ。
そんなえっちなやーくんが……大好きです!」

 いきり立った僕の下半身を触り、僕が美里さんを変に思っていないことが分かったみたい
だ。

「やーくん……その、だ、抱いてくださいます?あたしの初めて……奪ってくれますか?」
 
 目を潤ませての哀願に、僕は何も言わず脇の下と膝裏に手を回し、美里さんを抱き上げる。
そしてそのままベッドまで運び、そっと寝かせた。

「僕の方こそ奪ってほしいよ。僕の初めて、貰ってくれる?」

 涙をポロポロと流し、頷く美里さん。
僕はそんなカワイイ美里さんに我慢できず、圧し掛かり唇を奪った。



「ん、んん……あん!ダ、ダメ!やーくん、そんなに揉んじゃダメです…んん!」

 うるさい口をキスで塞ぐ。その間も胸を揉み解す。
あぁ……夢にまで見た、美里さんの胸を揉んでいるんだ。
唇から首筋、耳、鎖骨へと舌を移動させてから、胸の谷間に顔を埋める。
美里さんは僕の唇が触れるたび、舌が這うたびに体をくねらせ甘い声をあげる。

「はぁ、んあ!や、やーく……んん!そんなえっちな…んん!」

 胸の感触を顔で楽しみながら、両手親指で埋まっている乳首をグリグリと刺激しする。
埋まってる乳首ってどうすれば出てくるんだろ?……そうだ!

「みーちゃん、すっごく柔らかいよ。気持ちいいよ、ずっと顔を埋めていたいよ。
みーちゃんの白い胸、とっても美味しそうだね。……いただきます」

 ちゅ…ちゅるちゅちゅちゅ…ちゅちゅ!

 埋まっている胸の先端を口に含み、ちゅうちゅう吸い出す。もちろん胸を揉みながらだ。

「あ、ああ!やーくん!それ気持ちいい!気持ちいいですわ!」

 よほど気持ちいいのか、僕の顔をギュッと抱きしめ喘いでいる。
しばらくすると、口の中で何かがぴょこりと飛び出してきた。
よしよし、やっと出てきたね?この恥ずかしがり屋め!
出てきた乳首をちゅうちゅう吸いながら、軽く噛む。
その度にビクン!ビクン!と痙攣する美里さん。気持ちいいのかな?

「は、はあぁ〜、やーくん……やーくん!やーくん!」

 よし、こっちは完全に出てきたな。次は逆の胸だ!
出てきた乳首を親指と人差し指で弄りながら反対の胸を口に含む。
同じく吸い付き、胸をも揉みくだす。

「はぁはぁはぁ……やーくん、凄い、自分でするよりずっと気持ちい……んんん!」

 よしよし、こっちの乳首も出てきたぞ。
こちらも同じく軽く噛み、反対の方は指で優しくマッサージする。

「みーちゃん、こんなに乳首立ってるよ。胸を吸われるのって気持ちいいんだ?」
「い、いい!やーくん、気持ちいいの!凄くいいの!」
「みーちゃんってすっごくえっちだね。
僕にえっちとかいろいろ言ってたけど……ここもこんなにして。
ほら、聞こえる?ぐちゅぐちゅいってるよ?凄くえっちなみーちゃん、大好きだよ」 

 胸を吸われることに夢中な美里さんの隙をつき、何も生えていないアソコに手を這わす。
すでにそこはぬるぬると湿っており、指を動かすだけでぐちゅぐちゅと滑った音がしている。

「や、やぁぁ〜!……やーくん苛めないで。んん!
そ、そこ少しキツイ…あ、んん!ダメ!強すぎる!」

 調子に乗って動かしていた手を払い除け、一度体を離す美里さん。強くしすぎたのかな?
美里さんは息荒く、胸とアソコに手を当ててキッと睨んできた。



「やーくんのバカ!えっち!ヘンタイ!……初めてなんですから優しくしてほしいですわ」
「ご、ゴメンね?嬉しくて、つい調子に乗っちゃった」
「ヘンタイなやーくんにはお仕置きですわ。やーくん、寝転がってもらえます?」

 ……どうしよう?美里さんをもっと苛めてみたいけど、
調子に乗りすぎたらヒドイ目に遭いそうだ。
ここは美里さんの言う通りにしたほうが無難かな?
言われるがままにベッドに寝転ぶ事にした。
僕が寝転ぶと、嬉しそうに服を脱がしてくれる美里さん。

「……えっちなやーくんはお仕置きですわ。やーくん、いっぱい濡れてますわ。
あたしと一緒ですね」

 僕を全裸にして、亀頭から零れてる我慢汁を指ですくい、目の前で糸を引かせる美里さん。
そしてその指を咥え、綺麗に舐め取る。いやらしい……美里さん、すっごくえっちだよ!

「こっちも綺麗にしましょうね?……苛めてくれたお返しですわ」

 ペロリと僕の先っぽを舐めて微笑む美里さん。
おおお、すっごく気持ちいいんだけど……ちょっと待ったぁ!

「みーちゃん待って!みーちゃんばっかりするのはズルイ!
僕もしたいよ。だからね、こうしようよ」

 僕の提案に真っ赤な顔になり、首を横に振る美里さん。
それから5分、必死の説得によりやっと首を縦に振った。
よぉし!これで夢に見た……シックスナインが出来るぞ!

「こ、これでいいんですの?どこでこんなヘンタイなことを知ったんですの?
……ヘンタイさんですわ」

 僕の顔を跨ぎ、上に乗る美里さん。何も生えてないアソコが丸見えだ。
美里さんはかなり恥ずかしいのか、ヘンタイヘンタイと呟いている。
そんな呟きを無視してジックリと観察する。……ホントに綺麗だ、美しいよ。

「あぁ……みーちゃんのここ、すっごく綺麗だ。ヌルヌルしててとてもイヤらしいよ」
「…な?こらぁ!そんなヘンタイな事言っちゃダメで…ふぁぁ?
ちょ、ちょっとやーくん!急にそんな……んんん!」

 我慢できずに目の前にある、何も生えてない綺麗な割れ目に舌を這わす。
そこはもうヌルヌルと滑っており、愛液が溢れていた。
ペロ、ちゅちゅ、レロレロ……愛液を舌で掬い上げ、ゴクリと飲み込む。
ちょっと舌に残るような酸味。これが美里さんの味なんだ。
初めて味わう美里さんの味。嬉しくなってさらにペロペロと舐める。
僕の攻めに美里さんは僕のどら息子を咥える事が出来ないみたいだ。

「あ、はぁん!や……ダメ!やーくん、そこダメ、気持ちいい!
そんなにされたらおかしく……ふあぁぁ!」

 うっぷ?ちょ、ちょっと苦しい!美里さん、顔を挟まないで!
太ももでギュギュギュっと顔を挟んできた美里さん。
しばらくしたら力が抜けて、どうにか抜け出せた。

「みーちゃん急に顔を挟むなんて酷い……どうしたの?みーちゃん大丈夫?」

 美里さん、ぐったりとして、肩で息をしている。顔も赤いし、いったいどうしたんだ?

「大丈夫?みーちゃん、いったいどうしたの?体の調子悪いの?」
「…くも、よくも好き勝手にペロペロとしてくれましたわね?
はしたなくイカせてくれたお返し、たっぷりとしてあげますわ!」

 急に起きたかと思うと僕に馬乗りになり、肩を震わせている。……へ?イカせてくれた?
あああ!もしかして美里さん、イッちゃったんだ?僕が美里さんをイカせたんだ!



 真っ赤な顔で拳を握り、肩を震わせながら馬乗りになっている美里さん。
けど体は少しふらふらとしており、怒っているはずのその表情は少し色っぽい。

「みーちゃんもしかして……イッちゃったんだ?そんなに気持ちよかったの?」
「な?何を言ってるんですの、このヘンタイ!そんなヘンタイやーくんは……大好きですわ。
ねぇやーくん。先ほど秋山に言った言葉、もう一度言ってくれませんか?」
「何度でも言うよ。美里さんは僕が守る。僕が一生守る!守り続けるよ!」

 ヘンタイヘンタイと怒っていたはずの美里さんは、僕の言葉に急に大人しくなった。
ぽろぽろと涙を零し、僕に微笑みかけてきた。

「やーくん、ありがとう。いっぱい痛い事してきたのに、
守ってくれると言ってくれるなんて…愛してます。
やーくん、あたしの初めてを受け取って……奪ってください」

 少し腰を浮かし、そして僕のどら息子に手を添える美里さん。
いよいよなんだ。ついに美里さんと……一つになれるんだ!

「みーちゃん……僕の方こそお礼を言わなきゃいけないよ。
何のとりえもない、平凡な僕なんかを好きになってくれて、ありがとう。
僕の初めての……最初で最後の人になってもらえる……うぅぅ。みーちゃん!」

 ぬちゅ……僕の言葉を聞いた美里さんが腰を落とす。その瞬間、滑った音が聞こえた。
次の瞬間には、ズブズブズブズブ…と、肉の壁を突き破るような感触が下半身を刺激する。
美里さんは唇をかみ締め、ゆっくりと腰を下ろしている。
美里さんの中を突き進む下半身が、なにかゴムのような物にぶち当たった。
そこで一度動きを止め、目を瞑り、呼吸を整える美里さん。
その次の瞬間……一気に腰を落としてきた! 

 『ブチン』
 
 なにかゴムのようなものを引き千切ったような感触。
そして、下半身に伝ってきた生暖かい液体。
よく見てみると、美里さんとの結合部から、真っ赤な血が流れ出ている。
ついに…ついに美里さんと一つになれたんだ。美里さんとSEXしてるんだ!
僕の下半身が一番奥に当った時、美里さんは動くのを止め、抱きついてきた。



 僕を一番奥まで受け入れてくれてた美里さん。
よっぽど痛いのか、涙を流しながら抱きついてきた。

「いったぁ……やーくん、あぁ、やーくん!好き、大好きですわ!」
「みーちゃん、ついに僕達一つになれたんだね。……ありがとう、愛してるよ」
「やーくん……やーくんやーくん!愛してます!愛してますわぁ!」

 初めてでよほど痛いのか、ぽろぽろと涙を零す美里さん。
そんな美里さんを下から抱きしめキスをする。
その瞬間、美里さんがまるで違う生き物のように締め付けてきた。
柔らかく、それでいて温かい肉の壁が一斉に僕を締め付ける。
ギュギュギュギュギュ!そんな音が聞こえてくるみたいな締め付け。
初めての僕がそんな攻撃に耐えられる事もなく……うううう!みーちゃん!

「ゴメンみーちゃん!僕もう出る!……くぅ!うううう!」

 『ドピュドピュドピュピュ!ドクン!ドクドク……ドク』

 一度も動く事すら出来ずに果ててしまった僕。はぁぁぁ〜すごかったぁ、これがSEXかぁ。
美里さんの中に全てを吐き出してしまった。そんな僕をまだ締め付けてくる美里さん。
凄いな、まるで僕を食いちぎるみたい…イテテテ、美里さん?
僕、もうイッちゃいまし……いってぇぇ〜!

「み、みーちゃん痛い!痛いよみーちゃん!」
「やーくん、やーくん大好き!好きですわ、やーくん!」

 美里さんは僕に抱きつき、キスをするのに夢中だ。
その間にも僕のどら息子は生命の危機に陥っている。
どら息子の根元を凄い力で締め付けてくる。
あまりの締め付けで動く事すら出来ない僕。ていうかメチャクチャ痛い!

「痛い!イタイイタイ!イタタタタ〜!みーちゃん痛いよぉぉ!」
「クス、やーくんも痛いんですね。あたしも痛いからおあいこですわね。
ねぇやーくん、もう少しこうして、一つになっていていいですか?
やーくんを感じていたいんですの」
「痛い!千切れる!もげちゃうよ!お願いだからみーちゃん、抜いてぇ!」
「んな?ちょっとやーくん、それはないんじゃありませんの?
せっかく結ばれたというのに……酷いですわ!」

 プイッ!っと僕から顔を逸らす美里さん。
あぁ……今日でどら息子ともサヨナラなのかな?
最後に活躍できてよかったね。今までありがとう……さようなら。

 痛さのあまり薄れいく意識の中で別れを告げる。
お前とこんな別れ方をするなんて思いもしなかったよ。



「あっおばく〜ん、生きてる〜?」
 
 入院2日目、差し入れのマンガを読んでいたら、元気な池田さんが病室に入ってきた。
池田さんは授業を写したノートを持ってきてくれる。
さすがは委員長、こういうところは優しいんだよね。

「生きてるよ〜。委員長ありがとう、ホント助かるよ」
「そんなの気にしなくていいよ。それよりさ、なんで入院伸びちゃったのかな?
確か検査入院の1日だけでよかったんじゃなかったのかな?」
「……大人の事情ってのがあるんだよ。残念だけどね」
「ふ〜ん、ま、いいけどね。それよりさ、練習相手になってくれないかな?」

 ……ええええ?れ、練習相手だって?

「や、ヤダよ!僕には美里さんって心に決めた人がいるんだ!
裏切ることなんて出来やしないよ!」
「……は?なに言ってるのかな?やっぱり頭を打っておかしくなったんだね。
もう少し入院してたほうがいいよ、お医者さんはさすがだねぇ」

 うんうんと頷く委員長。
え?だって池田さんが練習相手になってほしいって言ってきたんだよね?

「え?でも委員長、練習相手になってほしいって言ってたじゃないか?」
「そうだよ。この間さ、かなちゃんにスピニングチョークってのやられたの。
でさ、悔しいからお返ししようかなって考えてるんだよ。誰かいい相手、知らないかな?」

 スピニングチョーク?それってなんなんだろ?ま、いいや。えっちなことじゃなさそうだ。

「それだったらさ、秋山さんなんてどうかな?
あの人ああ見えて結構いい人だし、付き合ってくれると思うよ?」
「ふ〜ん、あのボディガードさんねぇ…ま、いっか。じゃ、今度あの人借りるね?
っていうか西園寺先輩のお付の人だよね?勝手に借りても大丈夫なのかな?」
「美里さんには僕から言っておくよ。……あの人の困った顔も見てみたいしね」
「んん?今何か企んでなかった?ま、いっか。じゃ、今度借りるから先輩によろしくね」

 言うことを言って慌しく帰っていく池田さん。
ふぅ〜、池田さんが来たということは…そろそろかな?
時計を見ると午後5時になろうとしていた。
窓の外を見てみる。敷地内に大きなリムジンが入ってきた。よし!やっと来てくれた!
昨日はドタバタしてて、あの後ちゃんと話せなかったからね。

 あの時……みーちゃんと初めてのSEX、まさかのアクシデントが起こったんだ。
都市伝説だとばかり思っていたよ、まさか自分の身に降りかかるなんて……膣痙攣。
そう、あの時美里さんは感極まったせいか、膣痙攣を起こしたんだ。ここが病院で助かったよ。
どうにかお医者さんを呼んで、注射を打ってもらい収まったんだ。
ま、かなりのお説教をされたけどね。
念のためもう一日入院する事になったし……すっごく恥ずかしかったよ。
おかげでどら息子はまだ痛いし、しばらくはえっち禁止って言われちゃった。
けど、そんなことはどうでもいいんだ。最愛の人と分かり合えたんだからね!
早く美里さん来ないかなぁ……待ち遠しいよ。早く話したいよ。抱きしめたいよ。

 
 練習相手になってほしい。美里さんからのそんなお願いから始まった僕達の関係。
けどその役目も、もう終わった。これからは練習ではなくて、全てが本番だ。
美里さん……西園寺美里との思い出作りはこれからが本番なんだ。
僕は愛する愛しい恋人が、病室のドアを開け、満面の笑みで入ってくることを想像し、
頬を緩ませる。
その時ドアがノックされ、開かれる。もちろんそこにいたのは最愛の人だ。

 さぁ美里さん、僕達の恋人生活……いや、僕達二人の人生の物語、本番を始めましょうか!

 僕は満面の笑みで愛する人を抱きしめて、二人のこれからを想い、唇を奪った。


                             
                        練習相手  完


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