皆で行ったお寿司屋さん、いきなり知らない女の人達に抱きしめられてキスされた。
それを見た美里さんが『やーくんの裏切り者!浮気者ですわ〜!』って怒っちゃったんだ。
なんで女の人達にあんなことされたのか分かんないんだけど、
泣きながら逃げる美里さんを追いかけて、どうにか西園寺のお屋敷で捕まえたんだ。
で、どうにか誤解だって事を説明して分かってもらった。5回も顔を叩かれたけどね。
で、今は仲直りをしているところなんだ。

「みーちゃん、誤解だって分かってもらえた?」

 西園寺家の中庭で満天の星空の下、美里さんを後ろから抱きしめ耳元で囁く。
スベスベの太ももが気持ちいい。

「わ、分かりましたわ。ですから、んあ!こ、こんなハレンチな……ふぁぁ!」
「だってみーちゃん、誤解だったのに5回も叩いたよね?」
「で、ですからぁ、それは謝って……ひゃん!」

 美里さんを後ろから抱きしめ、綺麗な耳を甘噛みしながらショーツに入れた指を動かす。
指先には滑った感触がして、クチュクチュと音を出している。

「とっても痛かったなぁ……みーちゃん、僕の言うこと信じてくれなかったんだもん」
「で、ですからぁ……んぁぁ、やーくん、もう立ってられませんわぁ」

 ガクガクと膝を震わせ、切なそうな声を上げる美里さん。
美里さんって攻めるのは得意なんだけど、攻められるとすぐイッちゃうんだよね。
そこが可愛くていいんだけどね。
ま、今回の件はちょっと怒ってるから少し激しくしちゃおうかな?

「みーちゃん……立ってないとダメだよ。これはお仕置きなんだからね」
「やーくん、せめてあたしの部屋で……くぅ!」
「ダメダメ、みーちゃんにはとっても恥ずかしい事するからね。
そうだね……そこの木に両手を付いてお尻を上げてみてよ」
「……ヘンタイさんですわ。やーくんのヘンタイ!」

 そう言いながらも言われたとおりに手をついてお尻を上げる美里さん。
スカートをたくし上げショーツを膝まで下ろし、クンクンと匂いを嗅ぐ。

「みーちゃんの匂いがする。……とってもいやらしい匂いだ。
お尻の穴までヒクヒクしてるし……ピンク色のアソコはもうグチョグチョだよ?」
「やぁぁ……やーくん見ないでぇ、恥ずかしいですわぁ」
「なんで?だってみーちゃんのココ、ピンク色でとっても綺麗だよ?
毛が生えてないのも美しさを引き立ててるしね」
「グス、ヘンタイ!やーくんはヘンタイさんですわ!婚約者を苛めて喜ぶなんて……んああ!」
「うわぁ、みーちゃんスゴイよ!みーちゃんのココ、僕の指を美味しそうに飲み込んじゃったよ。
ヌルヌルでキツキツで、スッゴク温かくてたまんないよ」

 もう十分に濡れているみーちゃんに人差し指を入れてみる。
僕の指を『キュキュキュ!』と嬉しそうに締め付けて離そうとしない、
ピンク色の綺麗なみーちゃん。
お尻の穴もヒクヒクとしていて、間近で見るとすっごく興奮する。

「ん、ん、んあ!やーくん、あまり動かさないで!そんなにされるとすぐにおかしくなりますわ!」
「みーちゃん、すっごくエッチだよ。みーちゃんはエッチな女の子なんだね」
「ち、違いますわ!やーくんがエッチなことをするから……あああ!」
「みーちゃん、僕は指を入れただけで動かしてないんだよ。
みーちゃんが自分でお尻を動かして、気持ちよくなってるんだ。みーちゃんってエッチだね」
「ウ、ウソですわ!やーくんがあたしを指で犯してるんで……ひゃん!お尻はダメェ!
そこきたない……あうぅ、やーくぅん、もう立ってられないですわぁ」

 自らお尻を振り、僕の指を気持ちいい所に当てている美里さん。
僕はヒクヒクと動いていたカワイイお尻の穴に舌を這わす。
すると指を『ギュギュギュ!』っと締め付けてきて、一段と激しく腰を振り出した。
みーちゃん、ホントにエッチだよ。すっごく興奮する!

「ちゅ、レロレロ……みーちゃんお尻も気持ちいいんだ?
こんなに締め付けてきて……もう手首までみーちゃんの愛液が垂れて来たよ」
「はぁはぁはぁ、やーくん、もう、もうダメ、あぁぁぁ……辛い、辛いですわ!
お願い、やーくんでイキたい、イカせてほしいんですわぁ!」

 ガクガクを膝を揺らし、口からはよだれを垂らし、激しくお尻を振りながら喘ぐ美里さん。
僕もそろそろ我慢の限界だ、ガンガンに突いて上げるよ。
みーちゃんから指を抜き、ズボンを下ろし、下半身裸になる。
愛液が太ももを伝わるぐらいまで濡れている美里さんに僕をあてがい……一気に貫いた!

「んあああああ〜〜!!……か、はぁ…あ、あぁぁぁ」
「うぅぅ、すっごい締め付け、みーちゃん気持ちいいよ。
おっと、みーちゃん立ってなきゃダメだよ。
今日は立ったままSEXするって決めてるんだからね」
「ふあぁぁ、むりぃですわぁ……もう立てないぃ、あふぅ」

 ガクリと両膝を芝生の上について、息荒く肩を震わせている美里さん。
もうイッちゃったみたいだね、ちょっと苛めすぎたのかな?

「しょうがないなぁ……じゃ、このままでいいや。
みーちゃん、お屋敷の庭で、後ろから犯されて気持ちいいの?
こうされるととっても気持ちいいんでしょ?」

 美里さんの細い腰をしっかりと掴み、後ろから獣のようにガンガンと腰をぶつける。
腰がぶつかる度に背中を逸らし、まるで泣いているような声を上げて喘ぐ美里さん。
腰をぶつける度に揺れるお尻がたまらなくエッチだ。

「あ、あ、あ、あああ!スゴ、いい!も、イク、またイッちゃうぅぅ!」
「あぁ、みーちゃん、スゴイよ、スッゴク締まってるよ!」
「あああ!イッた!イッたのぉ!もうイッたから!やーくんあたしもうイッたのぉ!」

 ここまで感じてくれると攻めがいがあるってものだよね、ドンドン攻めてやる!
膣壁を擦るように腰を打ちつけながらカワイイお尻の穴に小指を入れ、軽くピストンさせる。
その度にギュギュギュと締め付けが強くなり、僕を攻める。
ううう……みーちゃん、こっちの方も気持ちいいのかな?今度お願いしてみよう。
そんな事を考えて気を紛らわせる僕。じゃないと気持ちよすぎて瞬殺されちゃうよ。
けどそんな努力も空しい抵抗だったんだ。頑張ったけどすぐに限界が来ちゃった。
最後の力を振り絞り、腰を打ちつける速度を上げる。
 
「うぅぅ、あと少し、あと少しだから!みーちゃん、僕、もう少しでイクよ!」
「イッてるの!あた、もうずっとイッてるぅ……ふぁぁぁ〜〜!」
「ぐぅぅ、みーちゃん!うううう!ぐう!」

 限界まで耐えて、みーちゃんから引き抜く。抜いた瞬間壮大な射精が始まった。

 ドピュ!ドピュドピュ!ドクン!ドクドク!ビュク!

 みーちゃんの背中、お尻、綺麗な黒髪に降り注ぎ、汚してしまった僕の精液。
みーちゃんは前のめりに倒れ、軽く痙攣している。
練習の時には気がつかなかったけど、みーちゃんってすっごく感じやすかったんだね。
痙攣しているみーちゃんを見てみる。……少し開いたピンクのアソコがエッチすぎる!
思わず指を入れてみる。……ビクンビクンと痙攣が止まらないみーちゃん。
ゴクリ……ゴメンね、みーちゃん。
こんなエッチなみーちゃんを見ていると、我慢なんて出来ないよ。
愛液でヌルヌルになった指を抜き、再び元気になった僕を合わせる。

「みーちゃん、ゴメンね?今日はお仕置きだからいいよね?……いくよ」

 ぐちゅ!ズブブブブ……グッチュグッチュグッチュ!

 痙攣しているみーちゃんを後ろから犯す。
星空の下、獣のようにSEXしているのかと思うとたまらない。

「ああああ!やーくん許してぇ、もうあたし、もうあた……はぁ、あ、あぁぁぁ……あはぁ」
「くぅぅ、スッゴクいいよ!みーちゃん気持ちいいよ!」

 僕はみーちゃんが失神してるとは気がつかず、一心不乱に犯し続けた。
2度目の射精を終えた後、失神してるみーちゃんを担いで部屋へと連れて行き、
体を綺麗に拭いてあげた。
ちょっと攻めすぎたかな?けどたまにはこんな激しいのもいいよね?
……秋山さんには言わないでね?指、折られたくないから。



「ゴメンね?みーちゃんがあまりにも可愛かったから、つい……大丈夫?」

 ベッドの上でやーくんの腕枕。普段はとっても嬉しいんですけど、今日は違いますわ。

「失神してるあたしを苛めて喜ぶヘンタイさんは大っきらいですわ!」
「だからさっきから謝ってるじゃない、いい加減許してよ」
「……許してほしければ、3つの選択肢の中から一つ選んでくださいな。まず一つ、右手中指」
「み、みーちゃん?中指ってなんなの?じょ、冗談だよね?」

 あたしの胸を揉んでいた右手を引っ込めるやーくん。効果は絶大ですわね。

「二つ目は左手中指。そして三つ目は……」
「み、みーちゃん?もう痛い事しないって約束したよね?ねね?」
「そんな約束、記憶にございません。
きっと誰かさんに失神させられた時に忘れてしまったんですわ」
「そ、そんなぁ〜、なんでもするから許してよぉ〜」
「最後の三つ目は……左手の薬指に、ですわ」

 やーくんに見せつけるように薬指にキスをする。やーくん、この指にふさわしい物を下さいな。
値段は安くてもいいの、やーくんがくれるだけで嬉しいんですわ。

「どれもイヤだよ!せっかく治ってきてるのに……」
「もう!やーくんのバカ!バカバカバカ!もう知りませんわ!」

 ぷいっ!っと顔を背け、背を向ける。
やーくんの鈍感!せっかくやーくんの為に薬指を空けているのに……やーくんのバカ!

「ゴメンね、みーちゃん。何を怒ってるのか分からないけど、きっと僕が悪いんだよね。
今日の事だって知らない女の子にいいようにされても、
僕が拒否しなかったからみーちゃんを悲しませたし……ホントにゴメン」

 ゴメンと謝りながらギュッと抱きしめてくれるやーくん。
もう、鈍感で素直で優しいやーくんは……大好きですわ。
はぁぁ、しばらくは薬指に指輪をはめる日は来そうにないですわね。 

「……もう他の女に目を奪われないと誓いますか?」
「うん!僕はみーちゃんだけしか興味ないよ。みーちゃんがいれば他に何もいらないんだよ!」
「やーくん……カッコいい顔でキザなセリフを言うやーくんは、大好きですわ!」

 やーくんに抱きつき仲直りのキス。ついばむ様なキスを雨のように降らす。
あぁ……やーくん、やーくん!大好きですわ!
キスに満足したあたしは、やーくんの胸に指を這わせながら話しかける。

「それにしてもあの女達はなんだったの?やーくん、ホントに知らないんでしょうね?」
「ホントに知らないよ!僕が聞きたいぐらいだよ。
そういえば相川先生もラインフォード先輩の目の前でキスされたって話だし……なんなんだろう
ね?そういうのが流行ってるのかな?ははは、そんな流行なんてないか?」

 ラインフォード先輩?……あんのクソ女が仕掛けてきたんですのね?
目には目をという訳ね……面白いですわ、受けて立ちますわ!

「先生、秋山さんと池田さんの目の前でキスされたらしいよ?
お昼休みに何故かボロボロの池田さんが半泣きで言ってたもん。
……何があったんだろうね?」
「まぁそうでしたの?いい気味……じゃない、可哀想な先輩。
きっと愛想を付かされたんですわ」
「みーちゃん、他人の不幸を喜ぶなんて……そんなみーちゃんはキライだよ」
「よ、喜んでなんかないです!やーくんの勘違いです!」
「そうかなぁ〜?なんか妖しいなぁ……ま、いいや。
それよりさ、秋山さんと池田さん、なんかいい感じのような気がしない?」

 ほっ、どうにか誤魔化せましたわ。これは秋山にも口止めしなくてはいけませんね。
……秋山が池田さんといい感じ?言われてみれば、そうですわね。

「そういえばそうですわね。あたし達以外で秋山が楽しそうに話しているの初めて見ますわね。
……もしかして秋山、池田さんにその気があるんじゃ?」
「みーちゃんもそう思う?
秋山さんって僕達を世話するために恋人とか出来なかったみたいだし、これはいい機会だと思
うんだ。ねぇみーちゃん、秋山さんと池田さん、くっつけてみない?」

 秋山と池田さんを恋人にする?う〜ん、ちょっとムリがあるような?

「秋山さんがくっついたら僕達も、もっといろんな事が出来るようになるよ!」
「……例えばどんなことですの?」
「え〜っと……2人きりで旅行とか。2人だけでどこかに行きたいね」

 2人きりでの旅行?こ、婚前旅行というものですね?賛成です!

「それはいい話ですわ!是非行きましょう!
あたしはやーくんがいるなら何処でもいいですけど……二人きりになれる場所がいいですわ」
「うん、そうだね。2人だけでゆっくりしたいよね。
けどそれも秋山さんを池田さんにくっつけてからの話だよ。
池田さんはフラれたばかりだし、きっと好きな人はまだいないと思うんだ。
明日にでも綾崎さんに探りを入れてみるよ」
「そうですわね、あたしも明日、先輩に探りを入れてみますわ。
池田さん、最近先輩とお昼を一緒に過ごしてるみたいですしね。
……先輩には言いたい事もあることだし、ちょうどいいですわ」

 やーくんを陥れようとした雌狐め!絶対に許しませんわ!



「……あなたが企んだつまらない策略は、私達の愛の前では無駄でしたわ。
むしろ健一様との愛を深める結果になりましたの。お礼を言いますわ、お〜っほっほっほ!」
「あらあら……こちらこそお礼を言いたいですわ。
お寿司屋さんで先輩が仕込んでくれた女共おかげで、やーくんと愛が深まりましたの。
後輩のためにお金を掛け、くだらない策を練ってくれた先輩に感謝しますわ。うふふふふ」

 お昼休み、いつものようにラインフォード先輩からの問答無用の呼び出し。
かなちゃんと2人、トボトボと生徒会室に来てみたら……なんで西園寺先輩が来てるのかな?
なんで殺伐とした空気になっているのかな?……帰っていいかな?

「……西園寺さん、一つ提案がありますわ」
「……奇遇ですわね、先輩。あたしも提案がありますの」
「あらあら、意外と気が合いますわね?……鬱陶しい事に」
「ホントですわね?先輩と気が合うなんて、反吐が出ますわ」

 かなちゃんと一緒に、カタカタと震える私。
これはなんの罰ゲームなのかな?私はなにも悪い事してないよ?
そうか、きっとかなちゃんが悪いことしたんだ!
かなちゃんのおっきい胸には、きっと悪意が詰まってるんだよ!先祖の呪いなんだよ!

(ねぇ果歩、なんでこんな事になってるの?全然話が分からないんだけど?)
(両方の事件をリアルタイムで見てた私としては、嘆かわしい限りだよ)
(事件って何よ?)
(話を聞いてる限り、先輩達が女の人を雇ってお互いの恋人を陥れようとしたみたいだね)
(……果歩があたしを引き込んだから、あたしまで巻き込まれちゃったじゃないの!
果歩、この責任は取らせるからね!)
(……ゴクリ。かなちゃん、親友にそんな事言っちゃダメだと思うよ?)

 かなちゃん、なんで私の足を踏んでるのかな?
グリグリと私の足を踏むかなちゃん、そんな私達の前では奇跡が起きていた。

「……では協定を結ぶとしましょうか、西園寺さん」
「……えぇ、分かりましたわ、ラインフォード先輩」

 ガッチリと握手する先輩達。その信じられない光景にポカンと口を開けてしまう私達。
……奇跡だよ。これは奇跡が起きたんだよ!今世紀最大の奇跡だよ!
でも先輩達の間に何があったんだろ?
聞いとけばよかったよ、かなちゃんとコソコソ話してる場合じゃなかったよ。

「ではお互い要請があれば、すぐにでも動くという事でいいですわね?」
「もちろんですわ先輩。ただし、決して悟られないように、接触は必要最低限に、ですわ」
「言われなくとも分かってますわ。そちらこそお忘れにならないように、気をつけてくださいな。
それと池田さんの件、とっても楽しそうなので協力させていただきますわ」
「それはそれは、どうもありがとうございます。先輩の協力があれば成功間違い無しですわ」
「可愛い後輩の幸せですからね、金に糸目はつけませんわ」
「では先輩、よろしくお願いしますね」

 優雅に頭を下げ、生徒会室を出て行く西園寺先輩。
華やかに、それでいて殺気に溢れた会談は、どうにか平穏なまま終了したみたい。
なんか最後に私の名前が出てたのが気になるけど……また何かに巻き込まれちゃうの?

「先輩、西園寺先輩、何しに来たんですか?」

 かなちゃんが勇猛果敢に問いかけた。さすがはかなちゃん!おっとこまえだねぇ。

「ただの休戦協定ですわ。
お互いに恋人に手を出されるとダメージが大きいからやめましょうと。
ただし、相手からの要請があれば恋人に女を派遣し、接触させる。
あくまで必要最低限に、という協定ですわ」
「相手の恋人に女を派遣する?青葉くんや相川先生の事ですか?
なんでそんなことをする必要があるんです?」
「あらあら、綾崎さん、あなたは知りませんの?
私もついこの間知ったばかりなんですけど、仲直りのSEXってとてもいいものなんですの。
私に全身を使い、激しい愛をぶつけて下さる健一様。
レイリアは壊されるかと思いましたわ。はぁぁぁ、健一さまぁ」

 両手を合わせ、うっとりとするラインフォード先輩。
かなちゃんはその手があったかと頷いてメモを取っている。
……もしかしてこういう事?先輩達二人が共謀し、
相手の恋人に女の人を派遣して浮気疑惑を作り上げる。
で、それに怒ったフリをした先輩達と仲直りするために、
先生や青葉くんが必死になってエッチをする。
先輩達はそれが目当てでお互いに協定を結んだ、と。
なるほどねぇ、策士だねぇ。さすがは先輩達、先生と青葉くんが哀れでならないよ。

「という訳で2人とも、要請があればよろしくお願いしますわ。
池田さんは経験がなさそうなので、一度練習がてらデートをしてもらいますわ」
「んな?まさか要請があった時の女スパイ役を、私達に?ム、ムリですよ!
……デートってなんなんですか?」
「あらあら、ここまで話を聞いておきながら、知りません、出来ませんでは通用しませんわ。
どうしてもムリというのなら……苦しいのと熱いの、どちらがいいんですの?」

 にこやかに微笑み、私達を見つめる先輩。
はぁぁぁ〜、何でこんな人と知り合いになっちゃったんだろ?
かなちゃんを犠牲に逃げ出せないかな?……デートってなんなんだろうね?

「池田さん、あなたには今度の日曜日、デートをしてもらいますわ。
相手は顔見知りがいいでしょうから、秋山とかいう西園寺さんの手の者ですわ」
「……へ?秋山さんとデート、ですか?なんで?なんでそんな事しなきゃいけないの?」
「あなたは炊事洗濯の出来る、とても素晴らしくてカワイイ子ですわ。
ですが、女としての魅力が皆無なんですの。萌えるところがありませんの。
そんなあなたを派遣しても、青葉とかいう西園寺さんのつまらない男が誘いに乗ってきません
わ」

 ……私の意志は関係ないんだね。なんなんだろうね、この人達は?

「先輩、確かに果歩は今まで男の子と付き合ったこともなく、この間フラれたばかり。
中学時代は3枚千円の下着をはいていて色気なし。今も揺れる胸を夢見てる子です。
けど女としての魅力が皆無というのはいい過ぎです!
無い胸にそそられるヘンタイもなかにはいますよ!」

 かなちゃんの友情に、目からしょっぱい水が出てくるよ。
私、なんでここにいるんだろ?ガラスのピュアハートは砕け散っちゃったよ。
……沸々と怒りが湧いてきたよ。なんでそこまで言われなきゃいけないの?
フザケンナっての!喧嘩無敗の空手家池田清正の娘、池田果歩を舐めてんじゃねえっての!

「……2人して好き勝手に言ってさ、私にだって男を虜にできるっての!
今度の日曜日、私の魅力で秋山さんを虜にしてみせてやる!見ときなさいよ!」

 怒りに震え、勢いで宣言しちゃった私。
あったまきた!わたしを馬鹿にしすぎだよ!私だって一応は女なんだからね?
女の魅力で男の一人くらいメロメロにしてやるって!
見ときなさいよ!私を馬鹿にしたこと後悔させてやるかんね!
……先輩とかなちゃん、なんでガッチリと握手をしてるのかな?なんでだろ?



「……はあ?美里様、今、何とおっしゃいましたか?」
「ですから今度の日曜日、池田さんを口説き落としてこちらの味方に引き込みなさい」

 ……はぁぁ〜。また何かヘンな事を企んでるのか。
考えるのは勝手だが、俺まで巻き込むのはいい加減にしてほしいものだな。
後始末する身にもなってほしいものだ。

「ラインフォード先輩とは休戦協定を結んだとはいえ、一時的なもの。
相手の近くにスパイを置いておく事は必要ですわ。
秋山、しっかりと口説き落として、池田さんをこちらの陣営に引き込みなさい」
「……お断りします。見知らぬ女ならかまいませんが、
果歩にそのような謀略を仕掛けるのは反対です」
「あらあら、秋山ともあろう者が、池田さんには優しいんですね。
やーくんの指をへし折った、血も涙もない人と同じとは思えませんわね」

 コ、コイツは……あなたが命令したんでしょうが!

「池田さんとは次の日曜日にデートすることになってますから、
その時にしっかりと口説き落としてこちらに引き込みなさいな」
「……それは決定事項なんですか?」
「ええ、そうですわ、決定事項です。
池田さんもデートには賛成しているそうで、あなたを虜にすると張り切ってるみたいですわ
よ?」

 く、あのバカが!何を吹き込まれたかは知らんが、俺にまで迷惑を掛けるな!
どうやらラインフォード陣営にも考えがあるようだな。……ま、いいか。
どうせ金持ちお嬢様の暇つぶしだろ、付き合ってやるか。

「分かりました。ただし、デートをするだけです、果歩を口説くなどしませんからね?」
「あらあら、せっかく彼女を作るチャンスなのに……秋山はもしかしてホモなんですの?」
「いい加減にしなさい!本気で怒りますよ?」
「まぁまぁ……とりあえずは日曜日、池田さんと一緒にどこか遊びに行きなさいね?」

 俺が本気で怒ってるのが分かり、慌てて逃げていく美里様。
久しぶりに尻でも叩いてやるか?いい加減我が侭が過ぎるしな。
それにしても面倒に巻き込まれたな。何故俺が果歩とデートをしなければならないんだ?
どうせ裕彦と一緒に、くだらん事を思いついたんだろう。
はぁぁ……仕方ない、少しだけ付き合ってやるか、これも給料のうちだ。


 このとき俺はこのデートが人生を左右する事になるとは思いもしていなかった。




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