(ぐっふっふっふ……いや〜、オレってナンパの天才だな!
異国の言葉で金髪美女のナンパに成功するとは……我ながら恐ろしい才能だぜ)
日本から遠い、とある異国のホテルの一室。
オレは今、自分探しという名の気楽な一人旅を楽しんでいる。
ま、大げさに言ってはいるが、ただの観光なんだけどな。
自分探しとか言ったほうが、なんとなくカッコよく聞こえるだろ?
冷たいシャワーを頭から浴び、自分の才能に恐れおののく。
異国の言葉で口説き落とせるとは……やべーよこの国!
このままだとジャパニーズナンパ師に、女、全部喰われちまうぞ?
金髪ちゃんとの一戦を思い出しながら、汗をキレイさっぱりと洗い流す。
しかしこの国の女は最高だな!チンポを咥えて離さないんだからな!
情熱的だった女との一夜を思い出す。……やべえ、勃起してきた。もう一発させてもらうかな?
シャワーもそこそこに女を抱くためにシャワー室を出る。
やれるときにやっておかなきゃな。今度はいつ出来るか分からんもんな!
タオルで髪を拭きながらベッドで寝ている女のもとに行く。
「モウイッパツアイシアイマショーカ?……って、あれ?」
ベッドで寝ていたはずの女がいなくなっていた。……あれ?どこ行ったんだ?
女が寝ているはずのベッドには誰もおらず、オレのカバンが置かれているだけだった。
トイレか?いや、トイレはシャワー室の隣だから入れば気が付くはずだし……どこに行ったん
だろ?朝飯でも買いに行ったのか?……ま、いいか、そのうち帰ってくるだろ。
何故か開いているオレのカバンを直す。……あれ?財布がないぞ?どこいったんだ?
あ、そうか、女がオレに気を利かせて、オレの分も朝飯を買いに行ったんだな?
しかしいくら朝飯を買うためだといっても、勝手にオレの財布を持ち出すのはいけないな。
帰ってきたらお仕置きしなきゃな。……グフフフフ、アナルも試してやるかな?
オレ、どっちかというとアナルスキーだからな。金髪美女のアナル、ゲットだぜえ!
オレは股間を膨らませながら、女が帰ってくるのを待った。……待ち続けた。
一時間経過……おせぇな。どこまで買いに行ってるんだ?
二時間経過……腹減ったなぁ。サイフが無いと無一文だから飯も食えねぇよ。
三時間経過……まさか、迷子にでもなったのか?んな訳ないよな?
四時間経過……いくらなんでも遅すぎる。事件にでも巻き込まれたのか?
事件に巻き込まれた……というか、被害者になったのはオレだった。
……グス、無一文になっちゃった。これからどうしよう?
昼間の灼熱の暑さも和らいできた夕暮れ時、書斎でゆっくりとくつろぐ。
ふぅ〜……あの子にも困ったもんじゃな。
今日もメイド長に迷惑を掛けていたようじゃし……手遅れにならんうちに、どうにかせんとのぉ。
そんなことを考えていると、ドタバタと書斎へと入ってくる者が。
なんじゃ?慌しいのぉ。何かあったのかの?
「旦那さま!私達はもう我慢できません、辞めさせていただきます!」
「なんじゃと?何故急に辞めるなどと言いだすのじゃ?
待遇面で不満でもあるのか?給料に不満か?」
私の前に、屋敷で働いているメイドや使用人達が全員顔を揃えて仕事を辞めると言ってき
た。
このままでは辞める人間も出てくるだろうと考えていたが……まさか全員が辞めると言いだす
とはのぅ。
「旦那さまには大変よくしていただき、感謝の気持ちしかございません。
しかしですね……ニースお嬢様には愛想が尽きました!」
メイド長のナルディアの言葉に全員が頷いている。
原因はやはりニースか……あの子のワガママにも困ったものじゃな。
「……分かった。ニースのワガママは私が何とかしよう。だから考え直してはくれまいか?
皆には苦労をかけると思うが、もうしばらく辛抱してはくれまいか?」
「どのようになさるおつもりですか?
以前から何とかすると仰られていますが、いっこうにワガママは直っていませんが?」
メイド長がキツい口調で攻めてくる。……ワシ、この屋敷の主なんじゃがのう。
「それはじゃな……ニース専属の使用人を雇うつもりじゃ。
その使用人にニースの躾けをしてもらおうと考えておる。……ワシではキツク叱れんでの」
「ニース様専属の使用人、ですか?以前から何人も雇っては辞めていっていますが、また雇う
おつもりなんですか?」
メイド長の言うとおり、ニースには以前から何人もの専属使用人を用意した。
しかし全員ワガママに耐え切れず、辞めてしまった。……ワシの教育が甘かったんじゃな。
「旦那様がニース様を可愛く思うのは分ります。……あのような事故に遭われたのですから。
ですが、このままではニース様の為になりません!
私どもがキツク言えればよかったのですが……もはや私どもの手には負えなくなっているので
す」
つらそうな顔で俯くナルディア。
自分の力不足を嘆いておるようじゃの。じゃがそれはワシも同じじゃ。
あまりにもニースが哀れでの、甘やかしすぎてしまったんじゃ。
「それはワシも同じじゃ。
ニースがあまりにも不憫で、あれが望む事は全て叶えてやったんじゃからな。
そのおかげでニースはワガママ放題に育ってしまった。すべてワシのせいじゃ。
……こんなことでは天国で待つ息子達に怒られてしまうかのぉ」
ワシの言葉に表情を曇らすメイド長。その瞳にはうっすらと涙が浮かんでおる。
こやつは息子と幼馴染じゃったからのぉ。家族のように育っておったからの。
しかしあの事故からもう5年も経ったんじゃな。……幼かったニースも11歳か。
そろそろ厳しく教育しなくてはいかんのぉ。
……息子が継ぐはずじゃった、ラインフォード家を絶やさんためにもの。
今は亡き、愛する息子に誓う……ニースはワシが立派に育ててみせる!
お前は安心してワシを待っておれ。そう遠くない将来、そっちに行くからの。
その時は立派に育ったニースの話を土産にするでな、楽しみに待っておれ。
ニースのために新しい使用人を雇う。ワシの考えを聞き、ナルディアが口を開く。
「しかし旦那様。ニース様専属の使用人を募集しても集まらないのでは?
ラインフォード家にお仕えすることは、この国に住むものにとって、大変名誉な事です。
それだけに跡継ぎであられるニース様専属の使用人となれば……責任重大で気後れして集ま
らないのでは?」
一瞬、目が泳いでしまったナルディア。
お前は相変わらず優しいのぉ。
ワシにニースの悪い噂を聞かせんためにウソをついたんじゃな?
「……ナルディアよ、お前の本心は分っておる。
気後れなどではなく、ニースの悪い噂で人が集まらんと言いたいのであろう?」
思っていることをズバリ指摘されたのか、言葉が詰まるナルディア。
カワイイ孫の噂ぐらいは何もせずとも耳に入って来おるわ。
……お前達がワシに気を使い、秘密にしてくれておったこともの。
「ニースが何人もの使用人を追い出したからの。
そやつらから悪い噂が広まってしまったんじゃろうな。
そこはワシに考えがある。……外人じゃ。
この国に来ておる外人に世話をさせようと考えておるんじゃ」
「外国人にニース様を任せるおつもりですか?……危険ではないのですか?」
ナルディアの問いかけにワシは自信満々に答える。
「外人ならもし辞めたとしても、これ以上悪い噂が国内に広まる事もないじゃろう。
それにニースの世話は、信頼できる国の人間に任せようと考えておる。
……ちょうどこの近くのホテルに一人、その国の人間が来ておるそうだ」
「信頼の出来る国?信頼の出来る国とはいったい何処の国なんでしょうか?」
まさかあの国の人間がこの近くにいるとは思いもしなんだの。
礼儀正しく真面目で約束事は必ず守り、争いは好まない。
まさしくニースを教育するのには打って付けの人材じゃ。
ワシはニヤリと笑い、その国の名を告げる。
「ニースの教育を任せられる程、信頼が出来る国。それはの……ニッポンじゃ」
オレは今、ホテルの支配人が運転する車で、カシューとかいう貴族の屋敷に向かっている。
女に財布を盗まれて無一文のオレを、その貴族様がお呼びなんだそうだ。
「おい、フジワラ!決してカシュー様には無礼な態度をとるなよ?
お前が払えなかった宿泊代を立て替えてくれたんだからな。
……しかしこんな男に任せて大丈夫なのか?
女に金を盗まれるバカなんかに任せれるのか?」
「ゴチャゴチャうるせぇっての!あれだろ?ようは家庭教師みたいなもんなんだろ?」
オレ、藤原理来(ふじわら りく)は今、無一文になっている。
何故ならナンパして一発決めた女が、オレのサイフを盗んで逃げやがったからだ。
……ちくしょ〜!
おかげで無銭飲食として警察に突き出されそうになったんだよ。
日本でも警察にはお世話になってないのに、外国でお世話になったなんて親にばれたら殺され
ちまうよ!
しかし、そんな不運に途方にくれていたオレを救う神の手が!
信じられないようなウマイ話が転がり込んできたんだよな。
なんでも地元では超有名な貴族様が、オレに自分の孫の教育係になって欲しいと言って来た
んだ。
しかも住み込みで3ヶ月間。それ以降は3ヶ月の働きによって延長するかを決めるって話だ。
助かったぜ。あのままだとポリさんに捕まってただろうからな。
やっぱオレって運があるなぁ。……サイフを盗まれたことはもう忘れよう。
3ヶ月間適当に働いて、飛行機代を稼いだらこの国ともおさらばだ!
そんな事を考えながら窓の外を見る。さっきからずっと森の中だな。
カシューってヤツはどんな辺鄙なところに住んでるんだ?
オレを呼んだのはカシュー・B・ラインフォードとかいう超名門の貴族様らしい。
ラインフォード家ってのはこの国に昔からある名門で、
この国では知らないものはいないんだそうだ。
ま、オレは頭はいいほうだから、家庭教師としてやっていく自信はあるが……なんで外国人で
あるオレなんだ?
「フジワラ、カシュー様のお屋敷に着いたぞ。くれぐれも粗相のないようにな」
何でオレを雇うんだ?そんな事を考えていたら、
森を抜けたところにある大きな門の前で車を降ろされた。
え〜とぉ……どうすりゃいいんだ?こんなところで降ろされても……ってデカイ門だな!
大きな門に圧倒されていたら、支配人は逃げるように車を走らせ帰って行った。
おいおい、こんなところに置いてけぼりかよ!いったいどうすりゃいいんだ?
呼び鈴でも押したらいいのかと考えていると、
その大きな門が『ギギギ…』と軋みながら開いた。
「あなたが『リク』ね?よく来て下さいました。
私はこのお屋敷のメイド長、ナルディアです。お屋敷にてカシュー様がお待ちです」
門の向こうにいたのは年はオレより少し上くらいかな?
メイド服を身にまとったナイス美女だった。
すげぇ!マジモンのメイドさんだよ!こりゃ本物の貴族様の家なんだな!
オレはその美女に促されるまま、迎えに来ていた無駄にデカイ車に乗り込む。
敷地内のはずなのに、車で移動しなきゃいけないなんて、どんだけデカイ家なんだ?
……な、なんだか場違いな気がしてきた。
オレなんかがこんな貴族様の家で働いていいのか?
「……旦那様から直接説明があると思いますが、あなたに課せられた仕事は需要です。
このラインフォード家の将来を左右することになるでしょう。
……とても重要な仕事を任されたのだと肝に銘じておくように」
「なんでそんな大事な事を外人であるオレなんかに任せるんだ?」
「……ニホンジンは礼儀正しく、真面目だと聞いております。
それを期待して貴方を呼んだのです。
旦那さまの期待を裏切らないように、しっかりと勤めて下さいね」
なるほどね。オレが日本人だから真面目だと思ってるんだな。
でもいいのかなぁ?オレ、自分で言うのもなんだけど、いい加減な性格してると思うぜ?
ま、孫ってヤツの機嫌を適当にとってりゃいいか?
貴族様の家の将来を左右するとか言ってたけど……はっはは、所詮は他人事だしカンケーね
ぇよ。
車に乗ってから5分、やっと大きなお屋敷が見えてきた。
っていうか、門から車で5分もかかるってどんだけデカイ庭なんだよ!
……庭もでかいが屋敷もデカイな。さすがはこの国一番の貴族様、
シャレにならない大金持ちだ。
オレはメイドさんに促されるまま車を降り、その大きなお屋敷に案内される。
……よく考えずについてきちゃったけど、大丈夫なのか?
もしかしたら、とって食われたりするんじゃないの?
ビクビクしながらメイドさんの後をついていく。
……ゴクリ。メイド服っていいよなぁ。スカートの中に顔を突っ込んで尻を舐めてぇ〜!
目の前にあるメイドさんの形のいいお尻を見てゴクリと唾を飲み込む。
そうか!ここで働いてたら、メイドさんといい仲になることもありえるんじゃねぇの?
なんか漲ってきたな!やる気が出てきた!
オシ!お孫さんとやらは適当にあしらって、メイドさん攻略に精を出すか!
精を出して口説き落として、精子をたんまりと出してやるぜ!ぐわっっはぁっはぁっはぁ!
「旦那様、『フジワラ リク』を連れて参りました」
『うむ、入りなさい』
小ぶりでいい形をしているであろうお尻をガン見していたら、
噂の旦那さまが待つ部屋に着いたようだ。
やべえ!なんか緊張してきた!
ここを上手い事やらなきゃメイドさんとのSEXがおしゃかになっちまう!
ドキドキしながらメイドさんのお尻の後について部屋に入る。
部屋の中には年は60前後であろうジジイがいた。……このジジイがカシューって貴族様か?
「ナルディア、アレをここに連れて来てくれ。フジワラに引き合わせよう」
「かしこまりました。では、失礼します」
ぺこりと頭を下げて出て行くメイドさん。
いいなぁ、こんなメイドさんを雇ってナニをしてんだ?このエロジジイ!
「よくぞ来てくれた、フジワラよ。ワシがこの館の主、カシュー・B・ラインフォードじゃ」
にこやかに微笑み握手を求めてくるジジイ。
うわ、ジジイの手なんざ触りたくねぇな。だが好き嫌いは言ってられないしな、ここは我慢だ。
「初めまして、藤原理来です。よろしくお願いします」
嫌々ジジイの手を握り返す。……後でメイドさんと握手をして清めよう。
「話は聞いていると思うが、お前には大事な仕事を任せたい。
他国の人間に任せるというのは情けない話なんじゃが……この国の人間では孫に強く言えん
での」
「確かお孫様の教育係とお聞きしていますが、家庭教師でしょうか?」
「……いや、お前には孫の躾をお願いしたいんじゃ」
はぁ?外人であるオレを雇って躾だぁ?どういうことだ?
「実はの、孫は5年前に大きな事故に巻き込まれての。
両親もその事故で死んでしまい、今ではワシがただ一人の身内じゃ。
幼い身で両親をなくし、自身も事故の後遺症で……アレがあまりにも不憫での。
ワシは甘やかして育ててしもうたんじゃ。おかげで今は……」
なんかこのジジイ、オレが考えてもいなかった重い話をしだしたんじゃねぇの?
はぁぁ〜、めんどくせぇな、勘弁してくれよ。なんか変な話に巻き込まれちまったんじゃねぇの?
そんなことを考えていたら、部屋の外から大きな声が聞こえてきた。
『おじい様〜!またヘンなのを雇ったんですってね?今度はどんなバカなの?』
……あれ?女の子の声?まさかこのジジイの孫って女の子?
男のオレを雇うぐらいだから男の子だと勝手に思ってたんだけど……まさか女の子だとはな。
何歳ぐらいなんだろうな?オレ、ロリもOKだから、上手くいけば……メイドさんと3Pか。
オレが頭の中でメイドさんとお嬢様を交えた妄想を繰り広げていると、
ドアが開き、声の主が姿を見せた。
……うを!ちっちぇえな!ま、オレ的には全然有りだけどな。
年は10歳くらいだろうか?白いワンピースを着ており、金色の髪が腰まで伸びている。
そしてその小さな顔には不釣合いの大きなサングラスがかけられており……サングラス?
なんで部屋の中でサングラスなんてしてるの?カッコつけたい年頃なのか?
「ねぇナルディア、今回のはニッポンジンってホント?
ニッポンジンってチョンマゲでセップクしてるんだよね?ニンジャなんだよね?」
いろいろ間違った情報を……っていうか全部間違っているな。
なんでチョンマゲで切腹してるんだ?それでいて忍者っておかしいだろ?
「いえ、ニース様、それは昔のお話です。
今のニッポンジンは我々と変わらない服装をしていますよ」
「同じ服装?着物ってのじゃないの?な〜んだ、つまんないの。それじゃ何しにここに来たの?
役立たずのニッポンジンはさっさと小さい島国へ帰りなさいよ!」
……何だこのガキ?言いたい事言いやがって……ぶん殴ってやろうか?
っていうか、何でオレの服をメイドさんに聞いてるんだ?見たままだろ?
「あ〜あ、ツマンナイのぉ〜。
おじい様がアタシに暇つぶしの玩具を雇ってくれたと思ってたのに。
ナルディア、アタシ、部屋に帰るわ。こんなとこにいたらニッポン臭いのが移っちゃうわ。
おじい様もそんな役立たずは早く首にしたほうがいいわよ?」
言いたいことを言って出て行った金髪チビお嬢様。
……なんなんだ?なんで初対面であんなに言われなきゃいけないんだよ!ふざけんなよ!
怒りでフルフル手が震える。あのクソガキめ……お仕置きしちゃるからのぉ!
「……フジワラや、あれが我が孫娘、ニース・E・ラインフォードじゃ。しっかりと教育を頼んだぞ」
マジかよ……あんなクソ生意気なガキを教えなきゃいけないのかよ、めんどくせぇな。
「不釣合いなサングラスをしておったじゃろ?
ニースはな、5年前に大きな事故に遭い……両目の視力を殆ど失ったんじゃ。
それを不憫に思うたワシは、甘やかしてしもうたんじゃ。……それが間違いじゃったんじゃよ。
今ではワシの言う事も聞かん、ワガママな子に育ってしもうたんじゃ。
今のままではワシが死んでしもうたらあの子は……あまりにも不憫じゃ。
フジワラよ、ニースを一人前の人間に躾けてはくれまいか?
お前の国では子供を礼儀正しく躾けるそうじゃな。
お前の国と同じやり方でかまわん。……ニースのワガママを治してくれい」
オレに頭を下げて、両手を握ってきたジジイ。……手が震えているな。
めんどくせぇけど、金を稼ぐためにはあのクソガキを教育しなきゃいけないんだよな?
……ある意味チャンスだな。躾と称して……グフフフ、ロリっ子ゲットいけんじゃねぇの?
「お任せください。力になれるかは分かりませんが、精一杯努力させていただきます、旦那様」
オレは嫌々ジジイの手を握り返し、クソガキの教育係として働くことに決めた。
もちろんメイドさんとお金目当てにな。
この時オレは、クソガキ……ニース様のことなんざどうでもいいって思っていたんだ。
このニース様との出会いがオレの人生を変えた。……波乱に満ちすぎている人生にな。
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