(これは……夢か?最近オナってないから溜まっているのか?)

 試しに頬を爪を立てて抓ってみる。……イテェ!強く抓りすぎた!
十分に痛いな。ってことは……やはり現実なんだな?

 約一年ぶりに再会した、オレの大切な人。
オレが生まれて初めて、心から守りたいと思った女性、ニースがオレの部屋に来た。
で、色々話してるうちに……何故か裸のニースを押し倒している。
色々冷静になって考えてみると、おかしいような気がするが……結果オーライだろ?
ここまでされて頂かない訳にはいかん!男なら美味しく食べないとな。
ってことで、いっただきま〜す!
オレの体の下で、緊張からか少し息が荒い、ニースの首筋に軽く噛み付く。
そして、細いお腹を撫でるように愛撫しながら手を徐々に下へと持っていく。

「ニース様……もうトロトロになってますよ?
キスしながら感じてたんだ?しばらく見ないうちにエロい子になったなぁ」
「やぁぁ……あまり言わないでぇ。んん!は、恥ずかしいから……あん!」

 首筋に舌を這わしながら手を下半身に持っていくと……グチョグチョになっていた。
まったく……誰がこんなにエロく育てたんだ?指を動かす度に、気持ちよく喘いでいるぞ。
けしからんな!これはネットリとお仕置きをせねばいかん!

「私がいない間、ずいぶんとエッチな子になったんですね?
誰に教えてもらったんですか?こんなにエッチな反応をするなんて……悪い子ですね」

 首筋から鎖骨、鎖骨から脇の下。脇の下からおへそと唾液の道筋を残していく。
舌が触れる度、唾液で汚す度に軽く背中を反らし、指を動かす度に甘い声をあげる。
おいおい、ちょっと反応がよすぎるんじゃねぇのか?
まさか本当に、オレがいない間に誰かに仕込まれたのか?……チクショー!
オレが仕込んでたのに他の誰かに喰われちまったのかと思うと、メチャクチャ悔しい!
オレは悔しくなって中指をニースの中に一気に差し込んだ!

「いぎゃ!痛い!痛いよぉ!リク、痛いのはヤダよぉ!」
「え?い、痛いって……こんな濡れてるのに、痛いわけがないでしょ?」

 う〜ん、ありふれたウソだな。まるで自分が初めてだと言わんばかりのアピールだ。
こんなにグチョグチョのクセに、『アタシはまだ処女なの!』ってか?
ヘタなウソもいい加減にしろってんだ!

「リクぅ〜、指、抜いてぇ。そこは結婚するまでダメなの……指きりのお仕置きはお尻でしょ?」
「ええ?尻だって?……初めてでもないくせに、なにが結婚までダメだよ!
いいじゃんか。オレ、ニースのココにドバドバ出したいし」
「んな!な、なにが初めてじゃないよ!アタシにこんなことするのって、アンタくらいなものよ!」
「またまた〜。ならなんでこんなに濡れてるんだよ?
身体を開発されてなきゃ、ここまで濡れないだろ?ほら、グチョグチョ音がしてるだろ?」

 一度指を引き抜き、入口付近をクチュクチュとマッサージしてやる。
ドンドン大きくなる滑った音。これだけ濡れてるんだから、もう入れてもいいよな? 

「開発って何よ!アタシはアンタ以外の男に、指一本触らせた事はないわよ!」
「またまた〜。こんなにグチュグチュなのに、開発されてないなんてウソだね。
怒らないから言ってごらん?誰にこんなエッチな身体にされたんだ?」

 まだ初めてだと言い張るか?なら意地でも吐かせてやる!一体誰に開発されたのかを!
一段と激しく指を動かし、舐めずに取っておいた胸を口に含む。
おいおい、乳首ビンビンに立ってんじゃねぇか!エロいガキに育ったな!

「んあぁぁ!は、激し!痛いよぉ……リクぅ〜、もっとゆっくりして……ひゃう!
噛まないでぇ〜!」
「言え!誰にこんな身体にしてもらったんだ!
キスするだけで濡れて、ちょっと触ったらグチュグチュになる、エロい身体に誰がしたんだ!」
「あ、ああ……ああああ!いやぁぁ〜!」
 
 オレの激しい指攻めで、ビクンビクンと激しく痙攣するニース。
オレの頭を痛いくらいに抱きしめて、痙攣を続けている。
おいおい、指だけでイッちゃった?
まだクンニもしてないのにイクとは……エロい身体に育ったな。

「す、凄いよぉ〜……自分でするより何倍もキモチいい……リクぅ、キスしてぇ〜」

 しばらく余韻に浸っていたニースは、トロンとした目でオレを見つめる。
こうして見つめ合うことが出来るのも、角膜移植手術を受けたからだな。
……自分でしてる時よりも?

「ニース、オレ以外の男に身体は触らせてないんだな?」
「うん、触らせてないよぉ〜」
「ならなんでこんなにエロい身体になったんだ?……お前、1人でいろいろ弄ってただろ?」

 ニースはオレの問いかけに、虚ろな目でコクリと頷いた。
普段なら恥ずかしくて、絶対に頷かないだろうが、イッた直後だ。
そこまで頭が回らないんだろうな。……そうか、このエロい身体は自己鍛錬の成果か。

「うん。だってリクの事を思うと、お腹の奥が熱くなるの。
熱くなってどうしたらいいかわかんなくなって……触ったら治まるのに気がついたの。
それから毎日触ってたの。……リクがアタシにしてくれたことを思い出して。
リクにしてもらってることを想像して、毎日触ってたの。
……これも全部アンタのせいなんだからね?」

 オレから視線をそらし、真っ赤な顔でとんでもない事をカミングアウトしたニース。
おいおい……毎日オナってたのかよ!しかもオレをオカズにだって?

「オレがいない間も練習に励むなんて……エロいですね。だが、それがいい!」

 うおおおお〜!溜まらん!もう我慢できんぞ!
いきり立つペニスをニースの小さな割れ目に添える。
後は腰を押し出すだけ……一気に貫こうとした時、ニースが待ったをかける。

「ダメ!そこはダメなの!そこはね、結婚するまで入れちゃダメなの。だから、ね?」

 オレのペニスに手を添えて、少し下へと誘導する。
そ、そこは?おいおい、そこはまさか……

「ん……ここに、お願い。指きりの約束でも、ここに入れるって約束だよね?
2人で指きりしたよね?お互いにウソをついたらお仕置きだって。
『直径4センチ、長さ14センチ程の棒状の物』を入れるって。
それってリクのこれのことでしょ?……す、すっごく熱いのね」

 ニースの細い指が、オレのペニスをお尻へと誘導する。
初めてでアナルセックスなのか?お前、そんなんでいいのか?う〜ん、どうするべきか?
そのうち絶対アナルは頂くつもりだったけど……いや、よく考えるんだ!
よく考えてみろ、アナルでヤッて、処女を奪わないということは……ニースは処女のままだ。
ってことは、ずっと処女をクンニ出来るってことだ!処女に咥えさせれるってことだな!
……咥えさせる?しまった!オレとした事が、勝負に焦って肝心な事を忘れてた!

「……分りました。では指きりの約束どおりにお尻に入れましょう。
ですが!その前に、お尻に入るかどうかのテストをします」
「……テスト?テストなんて知らないわよ?
色んな文献読んだけど、そんな事書いてなかったわよ?」

 おいおい、文献読んだって……エロの勉強してきたってことか?
コイツ……処女のクセに生意気な!……だが、それがいい!

「では口をあけてください。そう、大きな口をね。で、私のこれを咥えてください」
「ええ?く、口で咥えるの?……それって、フェラチオって性技よね?」
「よく御存知ですね。ではこれは知ってますか?お尻と口の大きさは同じなんですよ。
ですから咥える事が出来たら、お尻にも入るということです」
「そ、そうなんだ……咥えればいいのね?」

 真っ赤な顔で口を開け、オレのペニスを口に含もうとするニース。
口をお尻の大きさが一緒だなんて初めて聞いたんだろうな。
……オレもそんな話、聞いたことねぇよ。

「ん……ねぇ、もう少し小さく出来ない?大きすぎて口に入んないよ」
「ダメです。これを咥えれないと私達は一つになれません」
「うう〜……分ったわよ、咥えればいいんでしょ?……ん、あむ」

 う、くおぉぉ……す、すげぇぞ、これは凄い!
ニースが……オレがこの一年間、会うためにずっと努力してきた、あのニースが!
オレのを……オレのペニスを咥えてる!目に涙を浮かべて、一生懸命に咥えこんでる!

「う、おぉぉ……気持ちいいですよ。ニース様、喉の奥まで咥えこんで下さい。
唇は締め付けるように……ん、そうです、舌は舐めるように動かして……ん、気持ちいですよ。
歯をたててはいけませんよ?……そう、顔を前後に動かして、そう、唇でしごくように。
……あ〜、気持ちいいな!ニース様、いいですよ、その調子でドンドンしゃぶってください」

 オレのを咥えたままコクリと頷くニース。
学習能力が高いのか、オレが教えた事をすぐに覚えた。
オレのを咥えているその口の周りは涎まみれになっており、
目を瞑り、一心不乱にしゃぶっているその苦しそうな表情は、幼さなど感じない。
オレの言うとおりに唇で絞め付け、その口の中では舌でオレを攻め続ける。
まだぎこちないフェラではあるが、オレが上り詰めるのには十分な刺激だ。
こ、これは……まさか処女のクセにここまで出来るとは……どうする?
……迷う事はないな。処女の口に出すなんてまず出来ないことだ。
喉の奥に溜まっている濃い精子を出してやる!飲ませてやる!

「い、いいですよ……このまま出しますよ!出すから残さず飲めや!
……ん、ぐぅ!ううう!ぐお!」
「んむ〜!……ん、んん!んく!……ん、んむ、むぅ〜……かは!ごほ!」
 
 苦しそうにしゃぶってるニースの顔を掴み、喉を叩きつける様に腰を振る。
喉を突かれて苦しいのか、必死にオレの太ももを叩くニース。
そんなニースを無視して腰を振り続けた。
そして……ニースの口の中に溜まりに溜まってた精液を注ぎ込む!
ドクドクと止まることなく大量に出てくる精液。オレ、どんだけ溜めてたんだ?
あまりの気持ちよさに、ニースの頭を押さえたまま射精を続けた。
一滴残らず口の中に送り込む。そんなオレをニースは苦しさのあまり、突き飛ばした。
ニースの口から飛び出しても、ビクビクと射精を続けるオレのペニス。
大量に飛び出した精液は、ニースの顔、金髪の髪、幼い身体に降りかかる。
……精子まみれの金髪ロリっ子か。
……はぁはぁはぁはぁ、出したばかりだというのに、もうギンギンだぜ!

「かは!ご、ごほ!……はぁはぁはぁ、な、なにすんのよ!無理やりするなんてヒドイわ!」
「ふぅ〜、ふぅ〜……すっごく気持ちよかったよ。じゃあ本番しようか!」
「へ?ちょ、ちょっと待って……んん!そ、そんないきなりは無理……ひぃ!あ、ああああ〜!」

 興奮で理性のぶっ飛んだオレはニースを無理やり押し倒す!
無理やり両足を広げ、下半身を丸見えにする。
何も邪魔する事のない、ヌルヌルと光っている綺麗なニース。
そして、お尻の中心にある、小さなつぼみ。
オレはその小さなつぼみを解すことなく、いきなり突き刺した!
……あれ?思いのほかすんなりと入ったな?興奮して解してなかったのに……なんでだ?
無理やり入れといてなんだけど、初めては時間をかけて解さないと入らないはずなんだが?
……そうか、コイツ、自分で弄ってやがったな?
毎日のオナニーで自分で弄ってやがったな?

「はっ、はっ、はっ……は、入った……の?リク、が……アタシ、に?……ひぃ!い、んん〜!」
「こんなすんなり入るほど、自分で弄ってるとは……エロい子にはお仕置きだな!」

 さすがに自分で弄っていても、男を受け入れたのは初めてで苦しいのか、
眉間にシワを寄せている。
だがな、その表情がいいんだよ!もっと見せろ!もっと喘いでみろ!
ゆっくりとギリギリまで引き抜き、一気に貫く。

「は、は、は……んああああ〜!」

 そしてまたゆっくりと引き抜き……

「ん、んぁ……リクぅ、お尻が壊れちゃうよぉ……」

 苦しそうなニースの顔を、楽しみながら……一気に貫く! 

「ひぎぃ!ぎ、ぎあぁ……あん!」

 また引き抜き……貫く! 
最初はゆっくりと、ニースを味わうように腰を動かす。
ニースも徐々に慣れてきたのか、声にも変化が見えてきた。

「ん、ん、ん、ん……あん!あん!あん!」
「おぉ……すっげぇ締め付けだ。気持ちいいぞ……お前も気持ちいいか?」
「ん、んん!リ、リク、お尻、壊れる、あん!あん!んん〜!」
「イヤか?イヤなら止めてやるぞ?」
「イヤ!こ、壊して!リク、アタシを壊して!」
「おし!壊してやる!お前の尻はオレが壊してやる!」

 顔を振り乱しながら壊してくれと懇願するニース。
そこまで言われちゃ壊してやるしかあるまい?
目いっぱいに広がり、オレを咥え込んでいるニースから一度引き抜き、四つんばいにさせる。

「は〜、は〜、は〜……ねぇリク、このかっこうすっごく恥ずかし……んあああ〜!」

 よほど恥ずかしいのか、尻をモジモジと振っているニースの後ろ姿は、
オレの下半身を更に刺激した。もうメチャクチャにしてやる!
……細い腰をガッチリと掴み、逃げる事ができないようにし、一気に突き入れる!

『パン!パン!パン!パン!パン!』

 せまいワンルームマンションの一室に響く、腰を打ちつける音。
その音と呼応するかのような、ニースの喘ぎ声。
オレのせまい部屋で、あのニースが後ろから貫かれて喘いでる。
しかも尻に入れられて、アンアン喘いでる。
オレの大好きな金色に輝く髪を振り乱し、オレの名前を口に出しながら喘いでる!
その全てがオレを興奮させ、腰を打ちつけるスピードを一段と加速させた。

「あん!あん!あん!んんん〜!リク!リク好き!愛してる!リクぅ〜!」
「ニース、オレも好きだ!お前が好きだ!ニース……ニース〜!」

 ニースが裂けるんじゃないかというほどの勢いで貫く。
そして……さっきとは比べ物にならないんじゃないかというほどの、快楽が体中を支配した。
ドクドクと注ぎ込まれるオレの精液。
自分でもまだこんなに残ってたのかと、驚くほどの量がニースの小さなつぼみの中に注ぎ込ま
れる。
それを軽く痙攣しながら受け止めるニース。

 オレの射精が終わるまでの短い間、オレ達は無言で快楽に支配されていた。



「調子に乗って何回もするなんて……ホントにバカリクね!」
「も、申し訳ありません。あまりにも気持ちよかったものですから」
「まぁいいわ、済んだことだし。ア、アタシもそれなりに……その、気持ちよかったから」

 オレの胸の上で、真っ赤な顔でモジモジと恥ずかしそうな仕草のニース。
さすがに抜かず3発は怒られるかと思ったが……やはりコイツはエロい身体に成長したんだ
な。

「でもこれでやっとアンタも帰ってくるのね?
一年前と同じって訳には行かないけど、嬉しいなぁ」
「そうですね、一年前はこんな関係になるなんて思いもしませんでしたからね」
「ならなんでアタシにウソついてイタズラしてたのよ!」
「それは……黙秘権ということで」
「なによ、それ?もうアンタは黙っときなさい。……これからしばらく独り言を言うからね」

 なんだ?独り言を言うって……そうか、オレに話を聞いてほしいんだな?
まったく、素直じゃないなぁ……だが、それがいい!

「……アタシね、アンタがいなくなってすぐに手術したわ。
おじい様やナルディア、屋敷の皆もすっごく喜んでくれた。
手術して3週間で包帯を取ったの。その時にアンタからのあのふざけた手紙を読んだの。
……アリガト」

 ……訂正だ。ニースは素直でいい子だ。

「あの手紙のおかげで屋敷の皆と仲良くなれたわ。
視力が戻った事を皆ホントに喜んでくれて、おじい様やナルディアもとっても嬉しそうだった。
でもね、アタシがニッポン語を勉強しだして、アンタに手紙を書いたすぐ後くらいにね……裏切
られたの」
「裏切られたとは?……そういえばナルデイアさんが乗っ取りを企んでたとか言ってました
ね?」

 そうだった、そういえば泣きながらそんな物騒な話をしてたな。
しかしあのナルディアさんがそんな事を企むなんて信じられないな。
カシューじいさんの子供を生んで、屋敷の乗っ取りを考えていた?オレにはどうも信じられん。

「ニース様、ナルディアさんは今どうしているのですか?屋敷を出て行ったのですか?」
「……あんな裏切り者、出て行ったわよ!
アタシの許可なしに出て行って、勝手に男の子を産んで……あんな女、もう知らないわ!」

 ニース、顔を真っ赤に染めて、怒り心頭といった感じだな。
そっか、ナルディアさん、もうあの屋敷にはいないのか。
全てが昔のままってわけにはいかないんだな。

「屋敷を出てからカシュー様の子供を産んだんですか?」
「そうよ、本人は否定してたけどね。おじい様が自分の子供だって言い張ってたわ」
「は?ナルディアさんは否定したんですか?」
「ええ、本人は否定してたわ。フン、見苦しい言い訳ね」

 あれ?ニースの話だと、カシューじいさんの子供を作り、屋敷を乗っ取ろうと考えてたんだよ
な?
それがなんでカシューじいさんの子供じゃないと否定するんだ?普通、逆だろ?
産んだ子供はカシューじいさんの子供だって言い張って、相続の権利を主張するのが普通じゃ
ないのか?
カシューじいさんが自分の子供だと認めて、ナルディアさんが認めないなんて……なんかヘン
だな?

「う〜ん、なんか納得できないなぁ。ナルディアさん、ホントに乗っ取りなんて考えてたんですか
ね?」
「……考えてたに決まってるじゃない!だからおじい様の子供を産んだのよ!」
「でもナルディアさんは否定してるんですよね?ちょっとおかしいですよ。
普通、資産を狙ってるヤツ等は、産んだ子供は相手の子供だって主張しますよ。
でも、そう主張してるのはカシュー様で、ナルディアさんは否定をしてる。
逆なんですよね。狙ってる方が否定して、狙われてる方が認めてるなんて、普通じゃないです
よ。……もしかしてナルディアさん、乗っ取りなんて企んでなかったんじゃないんですかね?」

 うん、そう考えた方が自然だ。ならなんで屋敷を出て行ったんだ?
ニースの話じゃ勝手に出て行ったってことなんだよな?
……もしかしたらナルディアさん、カシューじいさんとの子供が、
ニースのラインフォード家相続の邪魔になると思い、否定してたんじゃないのか?
普通に考えたら、当主のカシューじいさんの子供が後を継ぐのが筋だよな?
死んだ息子の孫じゃなく、自分の息子に後を継がせたいと思うのも人情だ。
よく歳をとってから出来た子供はカワイイって言うもんな。
だからナルディアさん、このままじゃニースの立場が悪くなると考えたんじゃないのか?
ということは、ナルディアさん……ニースの為に、自分から屋敷を去ったってことか?

「……どういうこと?リク、ならなんでナルディアはおじい様の子供を産んだの?
ラインフォード家の乗っ取りを狙ってないなら、なんで子供なんか作ったの?」
「さぁ?なんででしょうね?……もしかしたら答えは簡単なのかもしれませんね。
単純に2人が愛し合っていた。ってことなのかもしれないなぁ」

 うん、そう考えたら全ての辻褄が合う気がする。
カシューじいさんが好きだから子供を産んで、ニースを守りたいから、屋敷を出て行ったんだ。
……ナルディアさん、一人で全部抱え込むつもりなんだろうな。
これからもずっと、子供がカシューじいさんとの子供だって認めないんだろうな。
……ナルディアさん、ニースの為に好きな人とも離れて、子供を一人で育てるつもりなのか。

「カシュー様が好きだから、中絶をせずに子供を産んだ。
しかしニース様も大好きだから、ニース様の為に子供の親がカシュー様だと認めないで去って
行った。……多分ナルディアさん、裏切ってなんかいませんよ」
「ええ?アタシの為に?それって一体どういうことなの?」

 オレの胸に顔を埋めていたニースは、慌てて顔を上げ、オレを見つめる。
オレの言葉は予想外だったみたいだな。ま、裏切られたって思い込んでたんだから、仕方ない
かな?

「これは私の想像ですが、ニース様がラインフォード家を継ぐ為に、
カシュー様との子供が邪魔になると思ったのかもしれません。
生まれてくる子供はニース様の叔父にあたる人になります。
本来なら、カシュー様の子供であるその子が当主の座を継ぐはずじゃないんですかね?」
「……だったら、ナルディアはアタシを裏切ったわけじゃないの?
ぐす、アタシをキライになって……出て行ったんじゃないの?」
「大好きだからこそ出て行ったんでしょうね。
ニース様に立派な当主になってほしくて出て行ったのでしょう」
「ヒ、ヒック……ナルディア、ゴメンなさいぃぃ〜!うえぇぇぇ〜ん!」

 大きな口を開け、ワンワンと泣き出すニース。こういう素直なところは全然変わってないな。
……こんなニースだからこそ、ナルディアさんは出て行ったんだろうな。
こんな素直なニースに当主として頑張ってほしくて、素直なニースを守りたくて。
オレは泣きじゃくってるニースをそっと抱きしめ、頭を撫でる。
腕の中でワンワン泣きじゃくるニース。オレの胸は、ニースの涙で濡れてしまった。

「屋敷に帰ったら、ナルデイアさんを迎えに行きましょうね?」
「……うん。ナルディア、戻ってきてくれるかな?怒ってないかな?
……アタシの事、キライになってないかな?」
「さぁどうでしょうね?怒ってるかもしれませんけど、ニース様が謝ればきっと許してくれますよ」
「ホント?謝れば許してくれるの?」
「もちろんです。きっと大丈夫です、許してくれますよ。
ナルディアさん、ニース様のことが大好きですから、嬉しくてギュッと抱きしめてくれますよ」
「ええ?だ、抱きしめられるの?それはヤダなぁ……せっかくリクが戻ってきたのに、死にたく
ないなぁ」

 イヤだといいながらもニコニコ顔でオレの胸に顔を埋めるニース。
その仕草が可愛くて仕方がない!

「そうだ、忘れてたわ!リク、この契約書にサインしてもらえる?」
「契約書……ですか?」
「そ、アンタも今日からアタシに仕えるんだから、契約はしっかりとしとかなきゃね」

 契約書なんてメンドクサイな。前の時はそんなのなかったのにな。
でも外国は契約社会だっていうし、ニースの国でもそうなのかな?
何故か赤い顔してるニースから、契約書受け取りサインをしようとしたんだが……こ、これは?
オレの目がおかしくなっていなければ……婚姻届というものじゃないのか?
日本の物じゃない、ニースの国の物だけど、確かに婚姻届だ。
しかもニースの名前が記入されてる。
……おいおい!ニースのヤツ、オレと結婚するつもり満々じゃねぇか!
やっちゃったか?オレ、ついに玉の輿……逆玉をやっちゃったのか?
ニースめ、オレが日本語しか字を読めないと思ってるのか?
だからこんな堂々と婚姻届を渡してきたんだな?
そこまでしてオレと一緒になりたいのか?……可愛いヤツめ!
オレは婚姻届と知らないフリをしてサインをする。
これであとはこの書類を役所に届ければいいだけだ!
……あれ?ニースの国じゃ、13歳で結婚できるのか?確かニースはまだ13歳だよな?
……ま、いっか。ニースがオレと結婚したがってるのは変わらないんだしな。
しかしこれでオレも大金持ちか。……愛人ってどこで探せばいいんだ?
愛人とニースとで3Pなんていいよな!夢が広がるなぁ〜!

「……はい、サインしましたよ。これで私はニース様に仕える事が出来るんですね?」
「……確かにサインしたわね。これでリクはアタシの物ね。でもどうしよう?
アンタを右腕にしようかと考えてたんだけど、ナルディアが戻ってくるのなら……使用人でいい
かな?」

 あれ?使用人でいいかなってなんだ?婚姻届にサインさせといて、使用人はないだろ?
……あれれ?なんでそんな悪い事を企んでいるような、黒い顔してるんだ?
ニースのそんな顔、初めて見るな。……なんだ?なんで寒気がするんだ?

「さて、と。これでアタシの用件はすんだわ。
……そうだ!アンタの親にも一言挨拶したいんだけど、大丈夫かな?」
「へ?私の両親に挨拶、ですか?」
「そ、アンタを連れて帰るんだから、挨拶くらいしとかなきゃいけないでしょ?」

 そりゃそうか。オレと結婚するんだから、一度くらいは会ってたほうがいいか?
なら早い方がいいな、明日にでも早速連れて行ってやるかな?

「分りました。では明日にでも会いに行きましょうか?ニース様のことも説明したいですしね」

 オレの言葉に嬉しそうに微笑むニース。その笑顔に思わず見惚れてしまう。
これだ……オレが守りたいと思ってる笑顔は、これなんだよ!
光り輝くようなニースの笑顔に、惚れ直してしまう。
……さっきの黒い表情はなんだったんだ?



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