「小日向さんも、たまにはカラオケいかない?いっつもバイトしてるし、お金はあるんでしょ?」

 授業が終り、ファストフード店でのアルバイトに行こうとする私に、
声をかけてくれたクラスメート。
クラスでもあまり友達のいない私に、いつも声をかけてくれる優しい人。

「あ、ありがと。誘ってくれたのは嬉しいんだけど……」
「そっか、今日もバイト入ってるんだ?小日向さんは頑張り屋さんだからねぇ」
「ゴ、ゴメンね、西原さん。また誘ってね」

 誘ってくれた西原さんに頭を下げて教室を出る。
背中から聞こえる、『あの子っていつも付き合い悪いわよね〜』というクラスメートの声を無視し
て。

「……はぁぁ〜。頑張って働かなきゃ」

 駅前のバイト先への通り道。溜め息を吐きながらトボトボと歩く。
私、将来は何になりたいのかな?何をしたいのかな?
今の私は今を生きるのに精一杯。姉さんのように自分の道を決められない。
このバイトも姉さんがしていたから、マネをしただけ。
姉さんは高校生の時、毎日遅くまで働いていた。
直人さんが食費に学費、家賃まで出してくれていたけど、
切り詰めたらどうにか生活できるという金額だった。
だから姉さんは、いつも遅くまでバイトをしていた。
これ以上、直人さんに迷惑はかけられないから、と。
だから夕御飯は、いつも姉さんが貰ってきてくれたハンバーガー。
お金の無い私たちには、贅沢なんて出来ない。
だからいつも2人で冷えたハンバーガーを食べていた。
そう、冷えたハンバーガーは、私たち姉妹の思い出の味。
ハンバーガー食べながら、いつも話すのは直人さんにご馳走になった、
レストランでのケーキのこと。
ケーキをお腹いっぱい食べて、動けなくなったのはあれが最初で最後。
ハンバーガーを食べながら、『ケーキ、美味しかったね。楽しかったね』と話すのが2人の日常
だった。
でも、直人さんが、私たちの食生活を知り、それも終わった。

『お前ら馬鹿か!そんなジャンクフードばかり食って、身体壊したらどうするんだ!』って、
叱り飛ばしてくれた。

 とても優しい直人さん。その月から生活費を増やしてくれた。
無理して働かなくてもいいように、美味しいものを食べられるようにと、
生活費を増やしてくれた。

 姉さんは高校を卒業したら、小さな町工場で働くつもりだった。
少ない給料だけど、高卒でも働かせてくれるところを見つけたって喜んでた。
でも、直人さんがそれを止めた。

『それが準ちゃんの本当にしたい仕事なら、俺は止めない。
でも、お金がほしくて仕方なく働くんだったら、ぶん殴ってでも止めさせる!
なぁ準ちゃん。俺な、30過ぎて結婚してなくて、彼女も無し。おまけに実家住まいなんだ。
ということは、結構金は持ってるんだよ。だから、さ。遠慮せずに進学してもいいんだよ?』

 ニコリと微笑んで、姉さんの頭を優しく撫でながら話す直人さん。
姉さんは、断わろうとした。
でも、直人さんのおじさんとおばさんも、進学しなさいと叱ってくれた。
赤の他人なのに、とても親切にしてくれた直人さん達。
姉さんは嬉しくて泣きじゃくり、私もつられて泣いてしまった。
姉さんは、直人さん達の好意に甘え、美容師になりたいと美容系の専門学校に進学した。
本当はそんなにお金を持っていないのに、学費も全額出してくれた直人さん。
返済はお金は出世払いでいいよ、と笑ってた。
私たちの為に、お金を稼ぐ為に頑張って遅くまで働いて、
買いたい物を買わずに、いつも同じ服を着ている直人さん。
仕事でとても疲れているはずなのに、そんなそぶりも見せずに、
いつも冗談を言ってくれる優しい直人さん。
……いつからだったかな?そんな優しい直人さんが、大好きになったのは。
大好きな人の笑顔を思い浮かべる……ただそれだけで胸が温かくなり、とても幸せになる。
いつかはその笑顔を、私だけの笑顔にしたいな。



「ありがとうございました。いらっしゃいませ、こちらでお召し上がりでしょうか?」

 夕方のハンバーガー店。学校帰りの学生や、買い物帰りの主婦達で賑わう店内。
ひっきりなしに訪れるお客様の対応に、バタバタとする毎日。
人見知りの私は、働き出した頃、よく接客に失敗して叱られたりもした。
でも姉さんや直人さんに、接客の練習相手になってもらい、
どうにか普通に働けるようになった。

「テリヤキバーガーのLサイズのセットで、500円になります。どうもありがとうございました。
次にお待ちのお客様どうぞ〜」

 こうしてバタバタとしていると、時間が早く流れて、その分早く大人になれる気がする。
……大人になったら私のこと、子供扱いしないのかな?1人の女として見てもらえるのかな?

「いらっしゃいませ、こちらでお召し上がりでしょうか?」
「いや、今日は持って帰るよ。そうだなぁ……ハンバーガーセット3つと、サラダを3つ。
あ、セットの1つはLサイズで頼むよ」
「かしこまりました。ハンバーガーセット3つと、サラダを3つ。
セットの1つはLサイズでよろしかったでしょうか?」
「うん、後は……スマイルを1つ注文しちゃおうかな?」

 こういう注文をする方は、時々いる。
でも恥ずかしがり屋の私は、こういうお客様はちょっと苦手。
だから注文された笑顔は、いつも不器用な愛想笑いになっちゃう。

「ス、スマイル、ですか?……って、え?ええええええ!な、直人さん?」
「はははは、美佳ちゃん、気づくの遅いよ。
顔を忘れられてるのかと、泣きたくなったじゃないか」

 スマイルの注文で戸惑う私に、笑顔を見せる大好きな人。
ビックリする私の顔を見て、ニコニコ微笑んでくれている素敵な人。
私が大好きな、直人さんが……上杉直人さんがそこにいた。 

「ど、どど、どうしたんですか?」
「いや、どうしたと言われても……オヤジとお袋のお土産に、ハンバーガーを買いに来ただけな
んだけど」
「そ、そうなんですか……」
「オヤジ達さ、美佳ちゃんが作ったハンバーガーが食べたいってうるせぇんだよな。
作ってるのは別のバイトなのに、気づかないでやんの。ははは、馬鹿なおっさん達だろ?」
「そ、そうなんですか……」

 物凄く会いたいと思っていたのに、いざ会えると、何を話せばいいのか分からずに、
ろくな会話が出来ない。
そんな私を優しい顔で見つめてくれる直人さん。優しい直人さん……好き。

「で、美佳ちゃん。急に来て驚かせた悪かったけどさ、そろそろ働かなきゃ叱られるんじゃない
の?」
「え?……はわ!そ、そうでした!
テリヤキバーガーとフライドポテト、それと、ケンタッキーでしたね?」
「はははは!全然違うよ、ハンバーガーセット3つと、サラダを3つ。
セットの1つはLサイズ、だよ」
「ゴ、ゴメンさない!すぐに持ってきますから、少し待っててください!」

 自分が何を言っているのか、分からない。
きっと後で思い出したら赤面するような、恥ずかしいことを言っちゃったんだろうな。
……今日も湯船の中で、1人反省会かな?

「お、お待たせしました。ハンバーガーセット3つと、サラダを3つ。
セットの1つはLサイズでございます」
「ありがと。じゃ、仕事頑張りなよ。次は注文したスマイル、見せてくれよな?」

 はははは、と笑いながら、素敵な笑顔を残して帰っていった直人さん。
……はぁぁぁぁ〜。失敗したなぁ。こんなに慌ててるとこを見せて、何が大人の女、よ。
はぁぁぁぁぁぁ〜、大人への道は険しいなぁ。



「何、あのオヤジ?『注文したスマイル』だって?キモ!気持ち悪いオヤジね〜。
小日向さん、なに落ち込んでるの?キモイオヤジにセクハラでもされちゃったの?」

 直人さんと上手く会話できずに落ち込む私に、次にお待ちのお客様が話しかけてきた。
いけないいけない、落ち込むのは1人反省会で!今はしっかりと働かなきゃ!

「お待たせしました。いらっしゃいませ、こちらでお召し上がりでしょうか?……え?西原さん?」

 落ち込む気持ちを振り払い、接客をしようとしたら、次に待っているお客様はクラスメートの西
原さんだった。
どうして西原さんがここに?クラスの人たちと、カラオケに行ったんじゃなかったの?

「あははは、小日向さんって可愛いからねぇ。
セクハラしたくなるオヤジの気持ち、分かっちゃうな」
「セ、セクハラなんて……西原さんは、クラスのみんなとカラオケに行ったんじゃ……」
「うん、行ってきたよ。でもさ、今日はなんかカラオケって気分じゃなくなってさ。
家に帰ってもヒマだし、どうせなら小日向さんのバイトを見学しようかなって」
「わ、私を見学ですか?どうして見学?」
「ヒマだから」 

 ヒマだからと言う西原さん。ヒマだからって、なんで私のバイトを見に来るのかな?
……直人さんの会話、全部見られてたんだ。恥ずかしいよぉ〜。

「けどこういうところでのバイトも大変だねぇ。
ああいうキモい客の相手、イヤになっちゃうでしょ?あ、ポテトと、烏龍茶ね」
「フライドポテトと、烏龍茶ですね?……慣れればたいした事無です。え?キモいって?」
「さっきのおっさんよ。おっさんが最後に言ったキモいセリフ、聞こえちゃったのよね。
『次は注文したスマイル、見せてくれよな?』ってなによ?キモ!って感じだよね!
思わずおっさんに『スマイル?……おっさんキモ!』って言ってやったもん」

 おっさん?……おじさんのことだよね?誰の事を言っているのかな?
……そ、そりゃ直人さんは、その、年齢的にはおじさん……でも優しいんだもん!

「ああいうキモイおやじは、警察が逮捕しなきゃいけないわよね。
おっさんのくせに、可愛い小日向さんに手を出そうなんて……あぁ〜、キモ過ぎる」

 直人さんはいつも優しくて、私達を大事にしてくれて……
そんな優しい直人さんのことが、私は……キモいってなに? 

「え?キモい?それって気持ち悪いってこと、かな?」
「そ、あんなオヤジにお金貰っても、笑顔なんて見せたくないよね?
あぁ〜、思い出しただけでキモイわ」
「き……気持ち悪くなんかないです!直人さんはとっても優しくて、いい人なんです!」

 いつも私に声をかけてくれる西原さんでも、直人さんを馬鹿にするのは許せません!
直人さんを馬鹿にされ、ムキになった私はつい大声で叫んでしまう。
直人さんは……直人さんはとっても優しくて、素敵な人なんです!

「……し、知り合いだったんだ?ゴ、ゴメンね?
知り合いって知らなくてさぁ……怒っちゃった?」
「怒っちゃいました!直人さんは優しくて、素敵な人なんです!気持ち悪くなんかないんです!」

 直人さんのことをよく知らないのに、悪口を言うなんて……最低です!

「……素敵な人?」
「そう、とっても素敵な人なんです!」
「……もしかして小日向さん、今のおっさ……お兄さんが好きなの?」
「……へ?……はわ!そ、そそそそんなこと、な、ないでふ!」
「ないでふってなによ?……そっかぁ、小日向さんは、年上が好きなんだぁ?
年上のカレシが好きなんだぁ?」
「はう!しょ、しょれはぁ〜」

 西原さんの質問攻めに頭が真っ白になる。
私は頭が真っ白になったまま、バイトの上がりの時間までどうにか働き続けた。
自分ではどうやって働いてたのか覚えてないんだけど、失敗無く働けてたみたい。
……友達が来たからって騒ぎすぎと、店長に怒られちゃったけど。



「ただいま〜、遅くなってゴメンね?すぐに夕御飯用意するから……って、あら?お友達?」
「お邪魔してま〜す。美佳ちゃんのクラスメートで親友の、西原まどかで〜す。
今日は美佳ちゃんの恋の悩みの相談を、聞きに来ました!」
「こ、恋の悩み?さ、西原さん!何を言っているんですか〜!」

 バイトが終り、家に帰ってから姉さんに、直人さんが来てくれたことを話そうかと考えていた
ら、何故か西原さんが部屋までついてきた。 
『親友の恋の悩みは聞いてあげなきゃね!アタシ達、親友でしょ?』って言いながら。
……いつの間にか親友になっちゃってるんだね。一緒に遊びに行った事も無いのにね。

「あら?直人さんのことで?美佳、よかったじゃないの、心強い味方が出来て。
あたしは美佳の姉の準よ。よろしくね、まどかちゃん」
「よろしくお願いしま〜す!ところでお姉さんも相手のこと知っているんですか?
美佳ちゃんが言ってたんですけど、相手の『優しくて、素敵な直人さん』ってどんな人なんです
か?」
「はわわわ!さ、西原さん!」

 西原さんの言葉に耳まで真っ赤になる。
た、確かにそう言っちゃったけど、なにも姉さんに言うことないじゃないですか!

「直人さん?そうねぇ、とっても優しくて、いい人なのよ。
そんな優しい直人さんに美佳はゾッコンなのよねぇ」
「はぅぅぅ!ね、姉さん!」

 西原さんの言葉に、姉さんも悪乗りをしだした。今度は首まで真っ赤に染まってると思う。
直人さんに影響されたのか、姉さんはだんだんとイジワルになってきました!

「へぇ〜!あの大人しい小日向さんが、ゾッコンですか!やるねぇ、小日向さん!」
「はぅはぅはぅ〜」

 西原さんにからかわれて、もう全身が真っ赤になってるかもしれない。
……は、恥ずかしいよぉ〜。

「あっははははは!落ち込む美佳ってやっぱり可愛い!」

 ギュッと強く抱きしめてきた姉さん。姉さん、苦しいです!

「あ、いいなぁ〜。準さん、アタシも抱きしめていいですか?」
「ええ、いいわよ。どんどん抱きしめちゃって」
「やったぁ〜!いっただきま〜す」
「ふぐふぐふぐ〜!」

 何故か西原さんも抱きしめてきた。二人の胸に顔を挟まれて、苦しいです! 
柔らかくて気持ちいいけど、苦しいんです!た、助けて直人さ〜ん!



20:42<anan> こんばんは
20:42管理人 |> ananさん、いらっしゃい。

 
 美佳ちゃんのバイト先で夕飯を買い、おやじとお袋に食わせた後にPCを立ち上げる。
そして、チャットソフトを起動させ、いつものチャットのチャンネルに入る。
女子校生にキモイと言われて落ち込んだ、今の俺を癒してくれるのは、
この場所しかないんだ!
この……『下半身紳士同盟』という名のチャンネルしかないんだ!
ここで俺は『anan』と名乗り、色んな馬鹿話をしている。
普段の生活では言えない様な事を、悪乗りで話すんだ。
それがもう楽しくって、俺は時間さえあればここに入り浸っている。
本当はネットを止めて、2人の為に金を節約しなきゃいけないんだろうけど、
こればっかりは俺に残された最後の娯楽なんだ。
ここで馬鹿を出来るから、頑張ってこれたんだよ。


20:42<Agi>こんばんわ
20:42<win>おつー
20:42<gan>オコンバトラー
20:42<kero>こんー
20:42<una>コンドームは穴あきが一番!!
20:43<gan>らめぇ〜!孕んじゃうぅぅ〜!
20:43<anan>コンしか合ってないしww
20:43<una>穴あき以外は法律違反です!
20:43<kero>どんな法律だよww
20:43<Agi>ダメだ、この人早くなんとかしないとw


 あぁ、癒される……このチャンネルに集うのは、俺と同類、いや、俺以上のヤツ等ばかりだ。
ここはちょっと人様の前では言えないことを、好き勝手に言える場所。
そう、ここは『下半身紳士同盟』……ここでは世間のしがらみなど一切無い。
思いつくままに、欲望のままに話せばいいんだ。


20:43<anan>今日は女子校生にキモイと言われたお(´・ω・)
20:43<kero>なんだと!キサマ……いくら払ったんだww
20:43<win>何発抜きましたか?ww
20:43<anan>マジ凹みで抜けないっすorz
20:43<una>ええ〜! せっかく美味しいおかずを頂いたのに、使わないのぉ? じゃあアタシが
頂こうかな?
20:43<anan>unaさんは相変わらずHENTAIですねぇw
20:43<gan>ふっ…人は皆、心の中にHENTAIという刃を隠し持っているのさ
20:43<Agi>前面に押し出してたら捕まりますからねww
20:43<kero>黙れ、股間がライオンキングなくせにww
20:43<una>そうだ、そうだ! 股間が肉食獣なAgiさんはオナ禁2週間の刑ねww
20:43<anan>出た、オナ禁祭りww
20:44<Agi>( ´・ω・`)<うん、分ったお。オナ禁するお
20:44<gan>慣れてやがるww
20:44<win>諦めの境地かww
20:44<anan>ww


 あぁ、癒されるなぁ……俺はこのチャットで仕事での鬱憤を晴らし、明日への活力としている。
ここで話すことは、8割方がシモネタだ。ここでは好き勝手なことを話せて、馬鹿を言える。
準ちゃんや美佳ちゃんの前では、決して見せることが出来ない俺を見せることが出来る。
そう、ここは俺の隠れ家のような場所かな?


20:45<kero>そういえばunaさん、パパ様をレイプする計画は上手くいったんですか?


 keroさんが、ここの主催者であるunaさんに問いかける。
そうだった。unaさん、数年ぶりにパパと会えるって喜んでたんだった。
今回こそはパパをレイプして孕んでやるって意気込んでたもんなぁ……冗談だとしても、ファザ
コンにも程があるな。


20:45<una>ママに叩かれた。しかもガチで( ̄□ ̄;)!!
20:45<gan>チャレンジしたのかよ!ww
20:45<Agi>ダメだ、この人本当に早くなんとかしないとww
20:45<anan>もちろん迫った時はツインテールにニーソ、メガネを装備したんですよね?ねね?
20:45<win>でたww ananさんの赤い彗星理論ww


 unaさんと初めてここで会った時、彼女は女子校生だって言ってた。
あれはもう6年ほど前か……ちょうど準ちゃんや美佳ちゃんと会う1年ほど前だったかな?
その頃からここに集うメンバーは変わらない。
時々新規さんが来たりもするけど、なかなか定着しないんだよな。
まぁ、ここのメンバーは頭のネジがぶっ飛んでるからな、新規さんにはキツイよな。
……俺は普通だよな?

『ツインテールにニーソ、メガネを着用した女の子の魅力は3倍になる』

 これを『赤い彗星理論』と呼ぶ事にしようと言ったのは、確かに俺だけど、
当たり前のことだよな? 
みんな賛同したし、あとはこの理論に世間がついて来れるかなんだけどな。


20:45<una>うん、したよ。ananさぬの大好きなツインテールにニーソ、メガネにスク水で迫った
けど、ママに阻まれた
20:45<win>そりゃ阻むわww
20:45<anan>スク水がいけなかったのかな?ブルマー様を装備してたらきっと上手くいったんじ
ゃないかな?
20:45<una>そ、そうだったのかort
20:45<kero>次は体操服の下にスク水を着て迫ることですね。きっと母上に撲殺されるでしょう
ww
20:45<una>撲殺らめぇ!ww せめて絞殺でww
20:46<Agi>ダメだ、この人達、本当に早くなんとかしないとww
20:46<gan>黙れ、股間が野生の王国のくせにww
20:46<Agi>(´・ω・)
20:46<anan>ww
20:46<kero>股間がサバンナww
20:46<una>え?股間がサバンナ? サバンナということはゾウがいるよね? 
股間にゾウ……Agiさぬ包茎?
20:46<Agi>ズル剥けだい!(頭を押えながら)
20:46<anan>そっちかよww
20:46<win>否定はしないんだw
20:46<una>Agiさぬの包茎おてぃんぽをむきむきしてあげて、
カラシを塗りこんであげたいおΨ(`∀´#)
20:46<Agi>だから剥けてるっての!
20:47<gan>やべぇ!羨ましい!
20:47<anan>してほしいのかよ!ww
20:47<una>HENTAIには付き合いきれませぬ
20:47<kero>アンタが一番HENTAIだぁぁぁ〜!
20:47<Agi>ダメだ、この連中、本当に早くなんとかしないとww
20:47<anan>ww


 やはりみんな変態だな!こいつらを見てると、なんか安心するというか、なんというか……
まぁ準ちゃんと美佳ちゃんを、unaさんのようにしちゃいけないということは確かだな。 

 こうして俺は、今夜もチャットで楽しい会話をし、仕事で疲れた心と身体を癒した。
早く美佳ちゃんに大学生になってもらい、ツインテールでニーソでメガネの可愛い女子大生を
紹介してもらわなきゃな!
……unaさんはみたいな子だけは勘弁だけどな。



「ぶくぶくぶくぶく……」

 湯船に浸かり、顔を半分お湯に沈めての1人反省会。今日は反省することばかり。
まず一つ目。バイト先に直人さんが来てくれたのに、緊張してあまり会話が出来なかった。
せっかく会えたのに……はぁぁぁ〜。自分がイヤになります。
次こそはもっとスムーズに話せるように頑張らなきゃ!
いきなり会えても焦らないように、話す内容を考えておこう。
うん、事前に考えておけば、きっとスムーズに話せるよね?
何を話そうかな?う〜ん……話す内容はまた考えよう。
次に二つ目。……西原さんに直人さんが好きってことを知られちゃった。
直人さんを気持ち悪いと言われて、ムキになって大きな声で叫んじゃったし……これは大反省
です。
学校で何か言われたりするのかな?……はぁぁぁ〜、気が重いよぉ。
西原さん、こういうこと大好きそうだし、色々聞かれちゃうんだろうな?
今日も姉さんに色々聞いてたし……姉さんも姉さんです!
なんで妹の恋の話を楽しそうに話しちゃうのかな?
そのおかげで、西原さんに全部知られちゃったじゃないですか!
……あれ?全部知られちゃったから、もう学校で色々と聞かれる事はないのかな?
そ、それはそれで少し寂しいような気がします……はわ!な、なにを考えているんですか!
こういう話は人様に話すようなことじゃないと思います!
……けど西原さん、協力するって張り切ってたしなぁ。

「ぶくぶくぶく……ぷはぁ!はぁはぁはぁはぁ、し、死んじゃうかと思いました」

 いけないいけない、反省しすぎました。危うく溺れちゃうところです。
ふぅぅ〜……どうせ溺れるなら、直人さんとの恋愛で……はうぅ!
な、なにを考えてるんですか!そ、そんな、直人さんと溺れるなんて!
……反省です。これは姉さんと西原さんに影響されすぎです。猛省しなきゃいけません!
息を整えてから、もう一度湯船に沈む。反省会、第2ラウンドの開始です。

「ぶくぶくぶくぶく……」

 ……でも、恋愛に溺れるって、どんな感じなのかな?
姉さんは、安田さんとそういうことあったのかな?西原さんはどうなのかな?
直人さんは……どうなのかな?そういうこと、あったのかな?
もしかしたら私達が知らないだけで、実は好きな人がいて、
今もその素敵な女性との恋愛に溺れて……

「ぶくぶくぶくぶく……ぷはぁ!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!お、溺れるところでした!」

 いけないいけない、考えすぎはダメです!
いつも姉さんに叱られてる通りです。私は物事をネガティブに考えすぎなのかな?
そうです。きっと直人さんは女性に人気がなくて、モテないんです。
だから恋愛なんて出来なくて、寂しい一人身なんです!
きっと女性とお付き合いしたこともないんです!
私が彼女になってあげなきゃ、女性と縁のない、寂しい暮らしをすることになるんです!
……とても失礼なことを考えてる気がするけど、気のせいかな?

 湯船の中での1人反省会。姉さんに、早く出てきなさいと叱られるまで、反省会を続けちゃっ
た。
はぁぁ〜、また湯船を独占してしまいました。これは反省しなければいけません、また1人反省
会です。



「こっひなったさ〜ん!愛しの直人さんの写真、見せてよ!」
「小日向さんの好きな人、素敵な大人の男性なんですって?そうかそうか、小日向さんは年上
が好みだったのか」
「それがさぁ、アタシが準さんから仕入れた情報によると、メチャクチャいい人なのよね!
あ、準さんってのは、小日向さんのお姉さんね。美容師してて、小日向さんに似て超美人なの
よね!」
「あ、あのぉ〜、西原さん……何故私は皆さんに囲まれているのでしょうか?」

 朝、いつものように登校したら、クラスのみんなに囲まれた。
その中心にいる人物は、西原さん。……はぁぁぁ〜、皆さんに喋っちゃったんですね。

「だってさ、美人で、大人しくて、男子に人気もある小日向さんの初スキャンダルだよ?
こんなに面白いこと、皆に教えなきゃダメでしょ?」
「そうそう!小日向さんがその男とくっついてくれたら、ライバルも減るってもんだしね」
「あっはははは!確かに言えてる〜!だってさ、クラスの男子、小日向さんに好きな男がいる
のを知って、凹んでるしね」
 
 へ、凹んでいると言われても……なんだか申し訳ないような気がします。

「昨日は驚いちゃったね!だってさ、バイト先でいきなり大声で叫んじゃうんだもん」
「はわわわわ〜!それは言っちゃダメです!西原さん、それは秘密です!」
「小日向さん……秘密っていうのはね、バラすためにあるのよねえ〜」

 とてもイジワルな顔で微笑む西原さん。秘密は守る為にあると思います!

「そ、そんなの初耳です!」
「小日向さん、何を叫んだの?わたし達親友じゃないの、教えてよ?」

 し、親友って!……直人さん、この2日間で、親友がたくさん出来ました。
これはまるで親友の大安売りのようです。

「昨日アタシね、怒鳴られちゃったのよ。『直人さんは優しくて、素敵な人なんです!』ってね」
「あうあうあうあうあうあう〜」
「へぇ〜!大人しい小日向さんがそんなこと怒鳴っちゃったの?
うっわぁ〜、ラブラブじゃないの!」
「あうぅぅぅ〜」
「あっははははは!恥ずかしがってる小日向さん、可愛い!抱きしめちゃいたい!」
「あ、それは大丈夫よ。準さんから抱きしめていいって許可貰ってるから、思う存分抱きしめち
ゃいましょ!」

 イジワルな笑顔の西原さんの言葉で、昨日の悪夢を思い出す。
イ、イヤです!柔らかくて気持ちいいけど、窒息はイヤです!
逃げ出そうとする私を捕まえて、その胸にギュッと抱きしめるクラスの皆さん。

「やっりぃ〜!いっただきま〜す!」
「はぐぅ〜!」
「うっわぁ〜!小日向さん、結構胸あるんだ?足も綺麗でスベスベだし……耳たぶ噛んじゃお」

 何故か胸や足を触るクラスの皆さん。
や、んん!も、揉んじゃダメです!触っちゃダメです!噛んじゃだめですう〜!

「ひゃっぐ!」
「あっはははは!照れてる小日向さん、可愛い!」
「や、やめてください〜!」

 ……姉さん、西原さんにいつでも私を抱きしめていいなんて許可を、何故出したんですか?
おかげで私は……朝から揉みくちゃにされちゃいました。
でも……こういうことは初めてですけど、なんだか凄く楽しかったです。
クラスのみんなも私の恋を応援するって言ってくれたし……でもみんな、楽しんでいるだけのよ
うな気がします。
いつかは、みんなにじゃなくて、直人さんにも抱きしめてもらえたらいいな。
……とりあえず、この首につけられたキスマークは、どうすればいいのかな?



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