『キーンコーンカンコーン……キーンコーンカーンコーン』

 連休前の最後の授業の終了を告げるチャイムが鳴った。
先生が『羽目を外さないように』と軽い注意をうながして教室を出て行ったあと、
クラスの皆はそれぞれのグループで集まり、連休をどう過ごすかを、輪になってワイワイと楽し
そうに話してる。
去年までなら俺もその輪の中にいただろうけど、今年は違う!……んだよなぁ。

「お〜い、俊彦。お前、連休中遊びに来れそうか?」
「一回くらいはお前等と遊びたいけどなぁ……多分無理だな」

 小学校からの悪友の誘いに、がっくりと肩を落としながら首を振る。
あいつ、普段は勝気で嫉妬深いんだよな。……んっへっへっへ、でもかわいいんだよなぁ。

「んだよ、なにニヤケてんだよ!ハイハイ、お前たちはラブラブでいいですなぁ〜」
「ニヤケちゃ悪いかよ!」
「悪かないけど、気味悪いわな。ま、せっかくの連休だ、恋人同士でラブラブイチャイチャすれ
ばいいさ!
この裏切り者!薄情者!新垣の尻にひかれちまえ!というか、俺を尻にひいてくれって言って
てくれないか?
もちろん物理的にだけどな」
「尻は無理だが、自転車でならひいてくれると思うぞ?」
「ひでぇ!それでも友人かよ!……いや、ある意味ありかな?」
「ないない、親愛なる黒田くんよ、人としての道を踏み外さないようにしてくれよ?」
「うるせぇ!てめぇのような裏切り者は、階段を踏み外して足を挫いてしまえ!」
「ははは、階段には気をつけるようにしておくよ。じゃ、いい連休をな」

 友人の意味の分からない軽い嫌味を背に受けつつ、教室を出る。
そして早足で廊下を歩き、2つとなりの教室へと向かう。
最近付き合うようになった俺の彼女、新垣真奈美を迎えに行くためだ。
真奈美、普段は気が強くて勝気なんだよなぁ。
そんな真奈美の我儘に小学校から振り回されてきた俺は、いつしかその我儘姫を好きになっ
ていた。
で、勇気を振り絞り、真奈美の告白したのが先月の話。
絶対にバカにされ振られると思っていたんだけど、結果は……

「ちょっと!迎えに来るのが遅いわよ!カワイイ彼女をいつまで待たせるつもり?」

 真奈美の待つ教室へと足を進める俺の前に、一人の女性が立ちはだかる。
活発な彼女に似合う、ショートカットの輝くような黒髪。
俺を睨みつけながら口を尖らせてはいるが、その表情も彼女の持つ美貌を損ないはしない。
むしろ彼女の強気な性格を表しているようで、好感が持てる。
そう、この気の強そうな女性こそ、俺、成瀬俊彦が勇気を振り絞り告白をした女性、新垣真奈
美だ。

「ゴメンゴメン、黒田にちょっと捕まっててさ」
「はん!あんなヘンタイバカなんか無視すればいいのに……」

 ぶつくさと文句を言いながら俺の腕に手を回し、ギュッと強く抱きついてきた。
ま、見れば分かると思うけど、告白の結果はこの通り。
今では学校中に知れ渡るほどの、ラブラブカップルってことになっている。
でもなぁ……はぁぁぁ〜。俺は普通のラブラブがいいんだよなぁ。……まさか真奈美があんなヤ
ツだったとは。
付き合ってから知った、真奈美の真実。
……真奈美の事が大好きな俺は、その真実を受け止め、真奈美のために努力をする事にし
た。 



「今日から連休を利用して、おじ様とおば様は旅行に行っているのよね?」

 周囲からの羨望のまなざしを受けつつ、真奈美の胸のふくらみを腕に感じながらの帰り道。
明日からの連休を待ちわびていたかのように、輝くような笑顔の真奈美が俺に話しかけてき
た。

「んん?そういやそうだったな。かわいい息子を置いてけぼりにして温泉めぐりだなんて酷い親
だよな?」
「あら、そうかしら?そのおかげで連休中はこのアタシとずっと一緒に二人きりで過ごせるの
よ?
おじ様たちに感謝したほうがいいんじゃないの?」
「え?ずっと一緒にいるつもりなのか?マジで?」
「……なぁにぃ?そのリアクション?まさかアンタ、このアタシと一緒にいたくない訳?」

 俺の不用意な驚きの言葉に、頬を膨らませながら抗議のために俺の頬をギュッと抓ってく
る。
……やべぇ!マジかわいい!ギュッと抱きしめてぇ!真奈美、メチャクチャかわいい!

「や、違うって!ちょっと驚いただけだって!お前と一緒なのが嫌な訳ないだろ?」
「ホントにぃ?ウソじゃないでしょうねぇ?」
「や、ホントだって!俺、お前と過ごすこの休みを楽しみに待ってたんだから!」

 俺の必死の言葉に頬を赤く染め、ギュッと強く腕に抱きついてきた真奈美。
こいつ、天然でこういう態度とるから可愛いんだよなぁ……はぁぁ、ずっとこうだといいんだけど
なぁ。
 
「……アタシもね、ずっと楽しみに待ってたの。俊彦と一緒に、24時間ずっと一緒に過ごせるこ
とを。
俊彦も楽しみに待っててくれたんだよね?……うれしいなぁ」
「ま、真奈美……俺も楽しみに待ってたよ。この連休、せっかく二人きりで過ごせるんだ。
二人でゆっくりと恋人らしく、過ごそうな?」

 頬を赤く染めながら、俺と過ごせるのがうれしいとつぶやく真奈美の肩を抱き寄せ、俺も真奈
美に聞こえるくらいの小声で呟く。
そうだよな、邪魔するもののいない、せっかくの二人きりでの連休なんだ。
たまにはのんびりと、普通の恋人同士の時間を過ごすのも悪くないよな?

「……はぁ?何言ってるワケ?恋人らしく?ゆっくりと過ごす?アンタ、まだ分かってないの?」
「……え?あれ?俺、何かおかしなこと言ったか?」

 俺の囁きに、何故か怒りに満ちた表情で俺を睨み付ける真奈美。

「アンタ、何度言えば分かるわけ?……ま、いいわ。俊彦!今から連休中に必要なもの、買い
物に行くわよ!」

 俺の腕を引っ張りながら歩く真奈美。やっぱり真奈美は普通に過ごすつもりはないのか。
はぁぁ〜……真奈美、何でお前はそうなんだよ?普通の恋人で満足しようよ?
俺のため息を無視してズンズンと歩き進む真奈美。
そして、真奈美が連休中に必要なものを買いに来た店は……駅前の小さなペットショップだっ
た。 



「いらっしゃいませ。本日は何をお探しでしょうか?」

 駅前に昔からある小さなペットショップ。おじいさんとおばあさんが経営している古びたお店
だ。
おじいさん達の人柄のせいもあって、常連客がついていて、小さなお店の割には結構繁盛して
いるみたいだ。
ま、俺はペットなんか飼ったことないから、初めて来たんだけどな。
真奈美、もしかして俺の家にペットを連れてくるつもりなのかな?

「すみませ〜ん、犬のエサを入れる器ってどこに置いてますか?」

 ニコニコとおじいさんに話しかける真奈美。
なるほど、連休中は俺の家に犬を連れてくるつもりか。……あれ?真奈美の家って犬飼ってた
っけ?

「あと大型犬に使えるような首輪もくださ〜い。あ、エサはアタシが作るので大丈夫です」

 ニコニコと笑顔を見せながら、おじいさんに品物を探してきてもらう真奈美。
真奈美の家って犬を飼いだしたのか?大型犬かぁ……散歩とか大変そうだな。

「ペットシートはどうしようかなぁ?念のために買っておこうかな?あ、あと犬のおもちゃもくださ
〜い。
あの子、大きいくせに甘えたがりな雌犬なので、遊んであげなきゃ拗ねちゃうかもしれないから
ね。
ね、俊彦?連休中はたっぷりと遊んであげてね?」

 傍から見れば輝くような笑顔。でもその目は妖しく潤んでおり、真奈美が何を考えているのか
が俺には分かった。
……マジかよ、真奈美。お前、連休中ずっと俺にそんなことさせるつもりなのか?
って言うか、ペットシートはさすがに駄目だろ?

 ニコニコと笑顔の真奈美を見ておじいさん達は、犬を飼い始めて嬉しいんだろうな位に思って
いるんだろうな。
……まさかこの買った商品をあんなことに使うとは思いもしていないはずだ。

「さ、これで連休中に必要なものは揃ったわね。早くお家に帰ろ?」

 嬉しそうに商品の入った紙袋を持ちながら、俺の腕にギュッと抱きつく真奈美。
俺はその俺に向けられている輝くような笑顔と、腕に感じる柔らかな胸の感触に心を奪われな
がら家路へと急ぐ。
真奈美……俺はお前が好きだ。大好きなんだ!
だから俺は……お前が望むこと、精一杯がんばるよ。……なんでヘンな事望んじゃうわけ?
真奈美の隠された顔のことを思い、ちょっと憂鬱になりながらもたどり着いた我が家。
俺以外の家族が旅行に行っているために誰もいない家の扉を開け、ワザとらしく声を上げる。

「ただいま〜……って言っても、誰もいないか。ははは、親父達、旅行に行ってるんだもんな」

 はははと笑いながら、後ろについてきているはずの真奈美に視線を向ける。
……あれ?視界に真奈美がいないぞ?
不思議に思い、視線を下へと下げてみる。……いた。何故か土下座してやがる。

「ご主人様……学校での、ペットショップでの数々のご無礼、お許しください」

 フルフルと肩を震わせ、俺に許しを請う真奈美。
土下座をしたまま俺の靴に唇を近づけ、服従の証なのか、汚れた靴にキスをした。
一心不乱に、靴へキスの雨を降らしている真奈美を見て悪友が以前に言った言葉を思い出
す。

『ああいう気の強い子に限って、二人きりになると甘えてきたりするんだぜ。所謂ツンデレって
ヤツだな』

 ……親愛なる悪友の黒田よ。お前が言っていたツンデレってのと、真奈美は似て非なるもの
だったよ。
真奈美はなぁ、俺たちの浅い想像のはるか上を行っていたよ。 


 俺の恋人新垣真奈美は、普段は気の強い、ちょっと我儘な女の子だ。
でも俺と二人きりになると……俺の従順な?奴隷となる。
そう、俺の最愛の人は、普段はツンツンで、二人きりになるとドレイになる。……つまりは『つん
どれ』なんだ。



 真奈美がこういうやつだと知ったのは、付き合いだしてしばらくたった頃だ。
付き合いだしてしばらくたち、俺の部屋で二人きりになったとき、俺は我慢できずに真奈美を奪
おうとした。
だって仕方ないだろ?俺、思春期真っ盛りだし、いい香りがしてる好きな女の子が俺の隣にい
るんだぜ?
しかも親はいないし、狭い部屋に二人きり。これは暴走してもおかしくないよな?
俺は我慢できずに真奈美を押し倒し、無理やり犯そうとしたんだ。
すると真奈美のヤツ、泣きながら抵抗したんだよ。『やめて、こんなのイヤ!』ってな。
俺は真奈美が流した涙を見た瞬間、自分の犯しそうになった過ちに気づき、慌てて真奈美から
飛び離れたんだ。
真奈美、飛び離れた俺をジッと睨んでいたんだ。……涙をこぼしながら。
俺、真奈美の涙を見て、ものすごく後悔した。俺はなんて馬鹿なことをしてしまったんだって。
俺と真奈美の間に、しばらくの間無言の時間が過ぎた。
俺、なんて謝ればいいのか分からなかった。どう謝れば許してもらえるんだと必死に考えてい
たんだ。
そんな俺に、涙を零したままの真奈美が口を開いたんだ。
最初は罵倒され、別れるって言われるかと思った。でも真奈美が発した言葉は、想像すらでき
なかった言葉だったんだ。

『……なに途中で止めてんのよ!泣き叫ぶ女を無理やり犯さないでどうすんのよ!』

 ……意味わかんないだろ?真奈美、犯されかけたことに怒ってるんじゃなく、途中で止めたこ
とに怒ったんだぜ?
俺、何を言っているのか意味が分からずポカンと口を開け、呆然としちゃったもん。
そんな俺に畳み掛けるように言葉を吐いた真奈美。

『アンタねぇ、分かってるの?女なんて犯してナンボでしょうが!アンタがやりたくなったらやれ
ばいいのよ!
アタシの気持ちなんて関係ないの、アンタがしたい時にするの!いい、アンタにとってアタシは
性欲を満たす道具なの。
道具なんて使い捨てにしちゃえばいいじゃないの!』

 興奮した真奈美はまくし立てる様に一気に言葉を叩きつけてきた。
……俺、耳を疑ったぜ?だって自分のことを性欲を満たす道具とか言っているんだぜ?
俺、真奈美の言葉に唖然として、口をあけたままポカンとしてたんだ。
しばらくしたら真奈美、興奮して自分が言ったとんでもないことに気づき、顔を真っ青にしながら
俺に謝ってきた。

『ヘンな事を言ってゴメンね。ちょっと興奮しちゃって、ワケのわからないことを口走っちゃった』
って。

 俺、顔を青くして、動揺してる真奈美にさっき言ったことはなんだったんだ、性欲の道具って
何なんだって問いただしたんだ。
しばらくの間、また無言の時間が過ぎたんだけど、真奈美、泣きながら俺に話してくれた。
自分の性癖がヘンなこと。ずっと隠してきたけど、襲われそうになってつい表に出してしまった
こと。
俺のことが好きでたまらないから、ヘンなアタシだけど見捨てないでほしいと泣きながら謝って
きた。
……俺、この時は深く考えもせずにラッキーって思っちゃったんだよ。
だってさ、真奈美のような美人でスタイル抜群な女の子が俺のことが大好きで、しかも性奴隷
になるって言ってるんだぜ?
エロいことし放題なんだぜ?セックスしまくりでもオッケーなんだぜ?
俺、真奈美を抱きしめ、囁いてやったんだ。

『お前がどんな女であろうと、俺はお前が好きなんだ』ってな。

 俺の言葉に感動した真奈美は泣きじゃくり、その日に俺たちは初めて結ばれた。
真奈美の初めては俺が奪い、俺の初めては真奈美に捧げた。
あの時はこれから毎日でも真奈美とセックスできるんだって、嬉しかったよなぁ。
それが今や……俺の目の前で土下座をして、靴にキスしてるんだもんな。
真奈美、もう少しソフトな奴隷になろうよ?ちょっとハード過ぎないかな?



「真奈美、俺全然怒ってないから、靴にキスはしなくていいよ」

 お許しください、お許しくださいとつぶやきながら、一心不乱に靴にキスをする真奈美に声を
かける。
真奈美は俺の声が聞こえないのか、まだキスをし続け、謝り続けている。

「真奈美、もういいって。俺、全然怒ってなんかないからさ。ほら、顔を上げなよ?」

 キスを止めようとしない真奈美を立ち上がらせるために俺はしゃがみ込み、真奈美の顔を上
げさせる。
顔を上げた真奈美は、まるで仁王様のような形相で俺を睨み付けてきた。……え?なんで?

「……ちょっと、アンタ何考えてるわけ?なに優しくしてんのよ!
いい加減理解しなさいよね!もう一度言うわよ。……アンタにとってアタシは物なの」

 怒り心頭の真奈美はさっきまで一心不乱にキスをしていた俺の靴を無理やり脱がせ、俺に突
きつけた。

「いい、アンタにとってのアタシは、この汚れた靴と同価値じゃなきゃいけないの。
靴なんて、デザインが古くなったり、気に入らなくなったら履かなくなるでしょ?
履き潰したら新しい靴と交換するでしょ?アンタとアタシはそういう関係じゃなきゃいけないの。
アンタがアタシの持ち主なんだから、飽きたら捨てる。気に入らないのなら捨てる。それが当た
り前なの。
だからアタシはアンタに飽きられないように、気に入り続けてもらうために一生懸命奉仕する
の。
……もう一度言うわよ。アタシは物なの、アンタの所有物。
飽きられたり、気に入らなくなったら捨てられる、哀れな存在なの。いい、分かった?」

 真奈美のあまりの勢いに、思わず頷いてしまう。
真奈美……も少しソフトな関係って出来ないのかな?
お前が俺の靴と同価値?普通ありえないぜ?そんな考え。
でも真奈美は本気なんだよなぁ。俺に粗末に扱われることにより感じてしまうんだよ。
きっと靴にキスをしてる時、濡れてたはずだ。
……真奈美、普通の恋愛もいいと思うよ?

「よし、じゃ、さっきの続きから始めるわよ。
分かってるわよね?アタシは物なんだから、キスされるのがイヤなら顔を踏みつけるなりすれ
ばいいのよ。
いい?イヤなら顔を踏みつけて止めさせてもいいんだからね?」

 念を押すかのように顔を踏みつけてもいいという真奈美。
これは……踏みつけろってことだよな?真奈美の綺麗な顔を踏みつけなきゃいけないの?
真奈美……恋愛っていうのはさ、お互いを愛しみ合うってことだと思うんだよね。

「ご主人様ぁ、生意気な口を利き、申し訳ありませんでしたぁ……あぁ、ご主人様ぁ」

 再び俺の足元に土下座した真奈美は、靴を脱がされたため、一日履いて少し臭っているであ
ろう靴下にキスをしだした。
俺はため息を吐きながらも真奈美の望みどおりに顔を踏みつける。

「あ、あひぃ!ごしゅ、ごしゅじ、ごめ、おゆるしをぉ〜」

 頬を優しくぐりぐりと踏みにじると、真奈美は体を震わせながらも俺に許しを請いだした。
これは誰がどう見ても喜んでいるとしか見えないだろうな。
……真奈美、顔を踏まれて喜ぶって、ちょっとおかしくないかな?……いや、かなりおかしい
か。



「ご主人様、すぐに夕食の準備をいたしますので、しばらくお待ちくださいませ」

 真奈美は俺に頭を下げ椅子に座るように促し、制服姿のままピンクのエプロンを身につけ
た。
そして、冷蔵庫からお袋が用意をしていた食材を取り出し格闘を始めた。

『トントントン…』

 真奈美が食材を刻む包丁の音が、リビングまで心地よく響く。
あぁ、いいなぁ。好きな人が俺のために料理を作ってくれている、こういうのって男の夢だよ
な?
……俺の目の前に置かれている首輪と犬用のエサ入れさえなければ、だけどな。
はぁぁ〜、これって明らかに俺に使えという無言のアピールだよな?
首輪でつながれて、楽しいのか?ご飯をエサ入れで食べさせられて美味しいのか?
なぁ真奈美……たまには普通の恋人のように『ア〜ンして?』とか、食べさせあいっこしてみな
いか?
ため息を吐きながら、短めのスカートを揺らし、パタパタと忙しそうに料理に励む真奈美の後姿
を見る。……おっきした。
後姿を見るだけで欲情してしまう自分にちょっと幻滅。

「ご主人様、お待たせいたしました。今日のご夕食は焼き飯でございます」

 下半身の猛りを沈めようと深呼吸しているうちに、料理が出来上がったみたいだ。
真奈美が俺のために作った晩飯は、大皿に盛られた山盛りの焼き飯。どうみても、3.4人前は
あるな。
で、小さなお皿が二つと、焼き飯をよそうためのレンゲが置かれている。
う〜ん、ここまでは普通なんだ。問題は、さっきから机の上にある、首輪と犬のエサ入れなんだ
よなぁ。
はぁ〜っと、小さくため息を吐き、チラッと真奈美を見てみる。
何かを期待しているような輝く目で俺を見つめている。……なんでそんな希望にあふれるような
瞳でヘンなことを期待するんだよぉ〜。
俺は渋々一度小皿に焼き飯を盛り付けた後、床にエサ入れを置く。

「さ、ご飯の時間だ。おなかいっぱい食べような」

 焼き飯を盛り付けた小皿を机の上に置き、真奈美の細く白い芸術的な首に、大型犬用の首
輪を嵌める。
首輪をつけた瞬間、『……ん、くふぅ』と、悩ましげな声を上げる真奈美。
その色っぽい声にちょっとやる気が出てきてしまう俺。
し、仕方ないよな?俺、思春期だし、出来ることなら24時間ずっとSEXしたい年頃だし!
……こんなこと真奈美の前で言ってしまったら、マジで24時間させられそうでちょっと怖いな。

「さ、おなかいっぱい食べてもいいからな」

 俺は軽く首輪のロープを引っ張り、真奈美をえさ入れの前に連れて行こうとした。その瞬間…


「ちょっとストップ。アンタ、何考えてるわけ?ぜんっぜんなってない!ダメダメじゃないの!」

 怒り心頭な真奈美に大声で怒鳴られた。……え?あれ?なんで怒られるの?俺、何か間違
ってたの? 
あ、もしかして普通にご飯食べたかったのか?ははは、なんだよ、そうならそうと早く言ってくれ
よな。

「アンタねぇ、家畜に服なんて着させてどうするわけ?農家の人が牛に服を着させてるの?
家畜の癖に服を着るなんて生意気だ、さっさと脱げってなんで言わないわけ?」

 ……そうきましたか。あなたは家畜でございますか。

「い、いや、そんなこと急に言われてもさ、急には対応できないと言うか……」
「……さっさと脱げとか、言・え・な・い・わ・け?」
「さ、さっさと服を脱ぎなさ〜い」

 あまりの真奈美の迫力に、声を裏返して命令をする。
地球史上初じゃないかな?
ご主人様を恫喝する奴隷っていうのは?
俺の裏返った声での命令に、頬を赤く染め、スルスルと制服を脱ぎだす真奈美。……やばい、
おっきした。
 


「ご、ご主人様、これで、よ、よろしいでしょうか」
 
 はぁはぁと息荒く、胸と下半身を両手で隠し、俺を見つめる真奈美。
……よろしいもなにも、最高じゃないか!おっきした!こりゃおっきが収まらないぞ!

「お、おう、それでいいんだ。今後は気をつけるようにな」
「は、はい、ご主人様、かしこまりました。こ、今後は、家の中では、ぁ、くふぅ……つ、常に裸
で、ん、過ごし、ますぅ」

 太ももをもじもじとすり合わせ、自分が発する言葉に感じてしまっちゃってる真奈美。
……え?今後は家の中では裸?そ、それはちょっとどうなんだろ?俺的には嬉しいような、世
間的にはまずいような。

「ご主人様ぁ、エサを……このみすぼらしい家畜にもエサを恵んでくださいぃ〜」

 えさ入れの前に跪き、潤んだ瞳で俺を見つめる真奈美。
……たまんねぇ!この潤んだ眼差しがたまんないんだよぉぉぉぉ〜〜!
興奮した俺は、さっき小皿に取り分けておいた焼き飯をえさ入れに盛りなおす。
さっさと飯食って、一緒にお風呂でイチャイチャくちゅくちゅだぁ〜!

「……こ・れ・は・な・に?何で普通に盛っちゃってるわけ?」

 真奈美の色っぽ過ぎる視線に興奮した俺は焼き飯を一気に口の中にかきいれようとしたん
だけど……
地獄の底から聞こえてきたような、真奈美の怒り心頭の声に背筋がゾクリと震えた。

「え?い、いや、何って言われてもさ、せっかく買ってきたんだし、使わなきゃもったいないかな
ぁ?なんて思っちゃったりして……」
「ふざけないでよ!」

『ドン!』

 力いっぱいテーブルを叩きつける真奈美。真っ裸のまま俺をにらみつけ、えさ入れを指差
す。

「このアタシに、こんな状態でエサを食べさせるつもりなワケ?アンタ、ご主人様としての自覚、
あるの?」
「い、いや、その、なんだ……ゴ、ゴメン、俺の考えが足りなかった」

 床にエサ入れを置いたまま食べさせようとしたのがダメだったのか?それとも晩飯は普通に
食いたかったのかな?

「アンタねぇ、何のためにエサ入れを買ってきたと思ってるの?エサを入れてどうするのよ!」
「え?エサ入れだろ?エサを入れるんじゃないのか?」
「普通にしてどうすんのよ!えさ入れに入れると見せかけて、床にぶちまける!これがアタリマ
エでしょうが!」
「え?ええ?床にぶちまけるの?だって床、汚れてるよ?」
「アンタねぇ、アタシは奴隷であり家畜なのよ?家畜のご飯のためにエサ入れが汚れるほうが
問題なのよ。
家畜は床にぶちまけられた残飯を食べる、これがアタリマエなの!残飯じゃないのがちょっと
アレだけど、それは我慢するわ」
「いや、我慢とかそういう話じゃないような気がするんだけど……」
「いいからぶちまけなさい!」
「は、はひ!」

 真奈美の恐ろしいまでの恫喝に負けて、えさ入れに盛った焼き飯を床にぶちまける。
それを見た真奈美は満足げに頷き、そして俺に背を向けた。



「さ、早く縛ってよ」
「え?縛って?なにを?」
「はぁ?アンタ、まさかアタシに両手でエサを食べさせるつもりなワケ?」
「え?ええ?」
「家畜っていうのはね、床にぶちまけられたエサを、床に這いつくばって床を舐める様にして食
べるものなのよ。
アンタはアタシが手でエサを食べないように両手を縛る義務があるの。アンタはアタシのご主
人様なんだからね」
「は、はい、分かりました。で、では縛らせていただきます」

 後ろに回されている真奈美の手を、何故か用意されていたロープで縛る。
いつの間にこんな物用意してたんだ?真奈美、用意周到にもほどがあるだろ?

「うん、しっかり縛られて、これで何をされても抵抗できなくなったわね。
もう一度言うけどね、アンタはアタシのご主人様なの。アタシはアンタの物なの。
アタシに飽きたら捨てればいいし、壊れるくらいに攻めてきてもかまわないわ。だってアタシは
物なんだから。
だから、ね?えっちもしたくなった時にすればいいの、アタシの都合なんて関係ないの。
学校の廊下でも教室でも、保健室でも、理科室でも。職員室でもかまわないわ。
アンタがしたいところでご奉仕するのがアタシの勤め。それがアタシという物が存在する理由な
の。
いい?したくなったらすればいいんだからね?」
「お、おう、分かった。今後は遠慮なくするように心がけます」
「うん、分かったのなら、いいわ。さ、ご飯冷めちゃわないうちの食べましょ?」

 ニコリと微笑んで、床に這い蹲り、床を舐めるようにしてぶちまけられた焼き飯を食べ始めた
真奈美。
真奈美……したくなったらすればいいって、嬉しいお言葉だけど、やけに学校の中に限定して
ないか?
はぁぁぁ〜、つまりは学校でもSEXしたいってことなんだろうなぁ。
……それはそれでアリだな。っていうか、俺も誰もいない教室とかでしてみたかったし。願った
り叶ったりだよな?
制服姿の真奈美と、息を殺してのSEXかぁ……おっきした!想像しただけでメチャクチャおっき
した!!
豊かな想像力のせいで痛いほどにおっきした下半身を押さえつつ、真奈美に視線を移してみ
た。
一心不乱に床にぶちまけられた焼き飯を食べている。……こんな姿を見たら、萎えちゃいそ…
…って、こ、これはぁぁぁ〜〜!
豊かな想像力のせいで、今、目の前で行われている一般人には想像もつかないような真奈美
の姿を見過ごすところだった!
俺の命令で素っ裸になり(命令するように恫喝されちゃったんだけど)、
両手の自由が利かないように、後ろ手で縛られた(これまた恫喝されて縛っちゃったんだ)まま、
床にぶちまけられた(これも恫喝された結果だ……俺、ホントにご主人様なのか?)焼き飯に、
何も身に着けていない、キュッと引き締まっていて、それでいて柔らかいお尻を高く上げつつ、
床に顔を擦り付けるようにして、焼き飯を口に運んでいる。
つまりは、だ……真奈美の一番大事な入り口が、お尻を高く上げていることによって丸見え
で、
しかも濡れて光っているのまで確認できるってことだ!
で、さっき真奈美は『したくなったらすればいいんだからね』と、言っていた。
で、今の俺は豊かな想像力と、目の前の美味しそうなお尻を見て、したくなってるどころじゃな
い状態になってる訳で……いただきます。



「真奈美……いくぞ」
「え?ご主人様?や、そんな、お食事中に、そんな破廉恥な……はぅ、ん、あああ〜!」

 想像力豊かな思春期の俺は、真奈美の揺れる小振りなさわり心地最高のお尻に我慢でき
ず、
ズボンと下着を一気に脱ぎ捨て、いきり立った下半身を狭い真奈美の入り口へとねじ込んだ。
ねじ込んだ瞬間、まるで待ちわびていたかのような、歓喜のあえぎ声を上げた真奈美。
口では嫌がっているかのような言葉を吐いているが、体は正直だ。っていうか、俺にお尻をぶ
つけてくるように、激しく俺を求めてくる。

「あ、あ、ああ〜!こ、こんな!こんなぁ〜!しばら、縛られたまま、おか、犯されるなんて……
あ、んん!い、いやぁぁ〜!」
「はぁはぁ、真奈美、すっげぇ濡れてる……入れたばかりだっていうのに、もう床まで垂れてる
よ」

『パンパンパンパン!』

 床に顔を押し付けながら、その綺麗な顔を焼き飯にまみれにしながらも、
喘ぎ、そして、下半身からは愛液をポタポタと垂れ流し続け、床を汚す真奈美。
愛液を垂れ流し続けているアソコは、普段の彼女の性格のように、何回貫いても俺が入ってく
るのを拒むかのようなきつい締め付け。
そして真奈美の奥まで貫くと、今度は引き抜かれるのを拒否するかのように、まるで強く抱きつ
いてくるかのような動きをみせる。
真奈美の中は、まるで普段は強気だけど、二人きりになると俺の奴隷になる彼女自身のよう
だ。

「あ、ひぃ!だ、だってご主人様、が、ふぁぁ〜!アタシを、あん!んんん〜!
もと、求めてくれて……やぁ、ダメぇ〜!もう、そんな激しく……イク、イクぅ〜!」
「はぁはぁはぁ、すっげぇ締め付けだ……俺も、もう持たない!」

 まるで真奈美の体全身で抱きしめられるような快楽に我慢できるはずもなく、早くも限界に達
する俺。
そんな俺に真奈美は必死の訴えをしてきた。

「な、中は!中にだけは出さないでください!今日は、危険日、中はだめぇ〜!」
「中はダメなんだな?中はダメなんだな?おし、分かった、そろそろいくぞ!あ〜、もうだめだ、
もうイク、出すぞ!」
「ダメ!中はダメェ〜!赤ちゃんが、赤ちゃんが出来ちゃ……あ、ああああ〜!」
「ぐぅ!で、でるぅ〜!」

『ドピュ!ドピュドピュ!……ビュピュ!ビュ!』

 間一髪のところで真奈美から抜き出し、汗ばんだ白い背中を飛び散った精液で汚す。
あぁ〜、気もちよかったぁ〜。最高だった!
やっぱり真奈美とは、体の相性もバッチリなんじゃないか?真奈美も『イクぅ〜』ってかわいい
声を出してたしな!
それにしても危険日だったとはな。危うく我慢できずに中で出しちまうところだった……ぜぇえ
え?

「……アンタ、いつになったら分かる訳?い・つ・に・なっ・た・ら・分・か・る・の!」

『グチャ!』

「おうっふぅ!」

 怒り心頭な、まるで仁王様かのような顔の真奈美に、思いっきり急所を蹴り上げられる俺。
お、俺、何か悪いことした?したとしても急所蹴りは酷くない?



「中はダメと言われて、外に出す馬鹿がどこにいるのよ!そんなもの無理やり中出しして、孕ま
せるのが常識でしょうがぁ!」

 い、いや、そんな常識知りませんけど?

「無理やり孕まされて生まれた子供を泣く泣く育てていくのがいいんでしょうが!」

 い、いやいや、子供は大事に育てようよ?

「アンタはホンットにご主人様としての自覚がなさすぎ!いい加減奴隷の身にもなってよね!」

 いや、奴隷の身にもなれって言われても……え?泣く泣く育てるの?
 
「なぁ真奈美、子供生まれたら泣く泣く育てるつもりだったのか?」
「あったり前でしょ?この年で子持ちよ?一生後悔して育てるに決まってるでしょうが!」
「俺との子供でもか?」
「……え?俊彦との子供?な、何言ってるのよ!こ、子供だなんて、アタシ達にはまだ早いわ
よ!」
「でもさっき、孕ませるのが常識とか言ってなかったっけ?」
「や、それはその……ア、アンタの子供は欲しいと言うか、絶対に生みたいけど、その、もう少
し2人での時間もすごしたいと言うか……」

 顔を真っ赤に染め、体をモジモジとしながら俺との視線を合わせようとしない真奈美。
ははは、こいつ、照れてやがんの。でもそうかぁ、真奈美、俺の子供生みたいとか考えてるの
か。
う〜ん、俺だって将来的には真奈美に子供を生んで欲しい!……でもなぁ、今の姿を見ていた
ら、そういう気が起きなくなっちゃうかも?
そう思い、真奈美に視線を向けてみる。
両手を後ろ手で縛られて、首輪をつけられたまま顔には床にぶちまけられた焼き飯がくっつい
ている。
そんな普通の生活をしていたら決してありえない姿で、顔を真っ赤に染めながらブツブツと何
かを呟いている。

『俊彦の子供は生みたいけど、まだアタシ達には早いと言うか、おじ様たちにも許可をもらわな
きゃというか……』

 ……ははは、可愛いこと言ってくれてるじゃねぇか。うん、やっぱ俺、真奈美のことが好きだ
わ。大好きだ!

「真奈美、子供のことは将来考えるとして、まずはお前を犯して汚れたこれをどうにかしてくれ
よ」

 真っ赤な顔でオロオロとしている真奈美に、蹴られて萎んでしまった相棒を指差す。

「あ……も、申し訳ありませんでした。真っ先にお掃除するべきところを取り乱してしまい……で
は、失礼します。あ、ん」

 さっきまでの慌てぶりはどこへやら?今は俺の命令で相棒を咥え、一心不乱にしゃぶり続け
ている。
俺はそんな真奈美の頭を優しく撫でてあげ、気持ちいいよと褒めてあげる。
俺の言葉が嬉しかったのか、真奈美はしゃぶる速度をさらに上げた。
 
 
 普段は気が強く、男勝りな性格の俺の最愛の彼女、新垣真奈美。
でも彼女は俺と二人きりになると、俺専属の奴隷となる。
普段はツンツンしてて、二人きりになると奴隷になる。つまり、彼女は『つんどれ』なんだ。

 つんどれな彼女との連休をどう過ごせばいいのか頭を悩ませながらも、とりあえずは真奈美
の喉の奥に、本日2度目の射精をすることにした。




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