その1 ポケモンの世界へ!

 

 

「はい、秋沙。お誕生日プレゼント。」
そう言って手渡されたゲームソフトを、部屋に持ち込んで嬉しそうに出す。
それは、大人気ゲーム『ポケットモンスター』。

「うーん。最初のポケモンは何がいいかなぁ?」
すると、突然窓側に雷が落ちた。

ガラガラッビッシャアァン!!

「きゃっ!」
不思議な事に、ゲーム機が感電し、バチィッと電気が放たれた。
プシュ〜・・・と音がするゲーム機をおそるおそる覗いてみた。

スイッチが、入っている。

「な、何で?まだ入れてないのに・・・って何ッ!?」
ゲーム機の画面が光出し、秋沙を吸い込んだ。

 

 

 

「・・・・・・ん・・・うぅ・・・。」
むくりと起き上がると、そこは草原の中。
「え?え??」
驚いて辺りを見回していると、近くに町があった。
「・・・行ってみるしかないよね・・・。」

 

見た事の無い町だった。
しかし、秋沙は家の建っている位置に、見覚えがあった。
「マサラタウン・・・?」
そう、ここはポケモンの世界。
「もしかして・・・ここは・・・ポケモンがいる世界なの?」
「あそこはオーキド博士の研究所・・・。」
行こうとすると、後ろの所から音が聞こえた。

急いで戻ると、目の前に黒い生き物が飛び降りた。
「うわぁっ!?」
びっくりしてみると、この生き物は・・・
「ブラッキー・・・?」
ブラッキーだ。模様が青色をしているが、確かにそれはポケモンの、ブラッキー。
そのブラッキーは、赤い眼でじっとこちらを見ていた。
「え・・・じゃあやっぱりここは・・・。」
「よーし!捕獲じゃ!!」
「・・・本物のオーキド博士だ・・・!」
がしっとブラッキーが捕まる・・・と思ったら、ひょいとブラッキーは秋沙の後ろに隠れた。
「ああっ!そこの君、そのポケモンを捕まえてくれんかね!?」
「え?ブラッキーをですか?」
「そうじゃ!」
くるりと後ろを振り向き、ブラッキーと向かい合わせになった。
「おいで。」
秋沙は、優しく話しかけ手を出した。
「野生のポケモンがそれくらいで来るハズ・・・ん?」
ブラッキーは大人しく腕に収まった。
その様子を見て、オーキドは呆気を取られた。
「・・・君、名前は何と言うのかね?」
「あ、スイマセン。秋沙と言います。」
「そうか!いやあ、手伝ってもらって悪かったのう。」
「いいえ。それより訊いていいですか?」
「何かね?」
「あなたは・・・オーキド博士ですか?」
「いかにも。ワシはポケモンを研究しているオーキド博士じゃ。」
「それでは・・・ここは・・・、何処ですか・・・?」

 

ざぁっと、風が吹いた。

 

 

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