休憩時間の事だった。 「松田さん、お姉さんいるでしょう」 紅茶を運んで来た男へ竜崎は、振り返りもせずそう言った。 言われた方はふいを突かれて立ち止まる。 「え、す…すごい!なんでわかったんですか!?」 彼の洞察力はこんな所にまで及ぶのか、そう感心する松田。 しかし竜崎は事もなげに言い放った。 「調べたから知ってるだけですよ」 相変わらず振り返らない。 松田は別の意味で、止まった足を動かせなくなった。 「え…」 竜崎は気にしない。 「松田さん」 「はい、」 「怪しげな壺など買わされないよう気をつけた方が良いですよ」 漸く振り返ったかと思うと催促するように手を伸ばされた。 慌てて紅茶をソーサーごと渡した松田は、数秒遅れで竜崎の台詞の意味を理解する。 ―もしかして今のは馬鹿にされたのだろうか…―。 「ケーキも出してきてもらえますか」 やはり竜崎は気に留めない。これで心配してるんだったら松Lになるんだけど 松田には姉がいる気がしてなりません 04.09.25