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思い出いっぱい![]()
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父の残したものは、ほとんど捨ててしまった。だから、いい思い出だけを残そうと思う。


パソコンの好きだった父に買ってあげたモバイル。ドコモのエクシーレ。
これだったら、携帯につながなくてもスイッチ一つでメールが送れる。
なかなかの優れもの。お金を出したって言うと、気を遣うから、「職場の人に譲ってもらった」という
ことにしました。うそも方便かな。ものすごく喜んでくれて、10回ほど使ってくれました。
でも、それが父の限界でした。まもなく、文章を打つことすらできなくなってしまいました。

父のためだったら、どんなことでもしようと思った。健康食品の一例。実際にはもっと買い込んだ。
飲んでもらえなかったけど、なんだか、がんばった証として、母とたまに飲む。
がんばったねって言いながら。








名前は「ちろ」ちゃんです。退職後の父の生活は、ずっとちろと一緒でした。
縁側でたたずむちろ。そのそばの居間でいつもテレビを見ていた父。
「犬みたいに何にもしないんだから」って母に愚痴られていても一緒だったね。
病院には2度、外まで連れていきました。父を車椅子に乗せて、病院玄関まで連れていって・・・
ちろは、何ヶ月も会わなかった父をちゃんと覚えていて、「くうん、くうん、」と大騒ぎしました。
父がだいすきだったちろ。


これが父のパソコン。
私たち夫婦から、父へ退職祝いとして贈ったもの。
会社で永年パソコンを使いこなし、パソコンと共に過ごしていたから、寂しくないようにと考えた。
メールのやりとりは毎日続き、今までよりもぐっと父が近くなり、うれしかった数ヶ月。
お茶目な父は、いっぱい色を作ったり、顔文字なんか、作ってみたり。
持ち主がいなくなった今、このパソコンは、夫婦の元に返された。
母は、父を思い出すから、いらないって。
父が入院しだしてから、母とメールのやりとりしてたんだけど、そんなことさえ思い出したくないんだね。
二人家族になんと三台のデスクトップと一台のノートパソがある我が家。パソコン教室みたいです。



(こどものくにの写真)
子どもの頃、父はいろいろなところに連れていってくれた。
川崎に住んでいたから、箱根の彫刻の森やこどものくにに連れていってくれた。
楽しくて、楽しくて、時間を忘れて遊んだ思い出がある。
そんな私の結婚式は、母よりも大泣きをした。
誰よりも私を愛してくれていた父。孫の誕生をどれだけ待ち望んでいただろう。
お父さん、ごめんなさい。私、赤ちゃん生まれなかったよ。