LOVER 〜Present for me〜


◇2◇


 最後の一滴まで吸い尽くしては舐め回し、飲み下す俺の姿を、シゲは虚ろな目で見下ろしている。
ついでに掌に付いた蜜も舐めて綺麗にしてやってから身体を起こすと、そっと抱きついてきた。首の後ろに両手を巻き付け、上半身をぎゅっと密着させてくる。
「………大泉のどスケベ………」
多少の抗議の意味は含まれてるようだけど……どうやらシゲもそれなりに楽しんでいたらしいのが、声の調子で解る。
どちらからともなく唇を重ね、互いに深く貪りながら求め合った。シゲもいつになく積極的に応じてくれる。
二人の息が乱れる頃、シゲがすっと身体を離した。
口から幾筋も唾液の雫を垂らしたまま、熱に浮かされたような瞳で見つめてくる。
……そういう表情がなまら色っぽ過ぎなんだよ、お前。
やーべぇ………そんな顔で見られたら、なんか俺、もう止めらんないわ。
今日くらい、いいよな。ちょっとぐらい………我が儘言っても………。
俺はすうっと息を吸い込んでから静かに吐き出し、精一杯心を落ち着けてから口を開いた。
「あのな……シゲ。俺のお願い………聞いてくれんか………」
シゲはさっきと同じ瞳で見返してくる。うわー、本気でやばいわ………今から興奮してなまらドキドキしてきた。
必死で冷静さを装って言葉を続けた。
「……あの…………その、さ………………お前のその可愛らし〜いお口で…………」
シゲの頬がぴくっと引きつる。
「ご奉仕して欲しいかなー…………なんて。」
逃げられないように片手で頭を抱きかかえるようにして、形のいい唇を指でそっとなぞっていく。
シゲはうっすら眉をひそめながらも、俺から目を離さない。
何も言えなくなっているのをいいことに、俺の指はそっと唇の奥に忍び込んでゆっくりと掻き回し、口の中を陵辱した。指先に唾液が絡み、何だか凄くいやらしい感じ。
「………なぁ…………」
耳元に息を吹きかけるように囁きかけた。
くちゅ…と唾液が絡まる。
シゲは自ら舌を突き出し、俺の指をねっとりと舐め始めていた。

 明るい色の髪が俺の目の下でさらさらと揺れる。
胡座をかいた中に顔を突っ込むようにして、四つん這いでシゲが俺のモノを舐めていた。
わざと手を使わず、あくまでも口と唇だけでいきり勃った雄に丁寧に舌を這わせ、唾液をたっぷり絡ませては舐め上げてくれる。
何て淫らで…可愛らしいんだろう。
ちゅくちゅくと湿った音をたてながら、本当に口だけでご奉仕してくれている。
時折挑発的な目つきで俺を見上げては、また一心不乱に口を使う。
淫靡で背徳的な香りが漂う、最高のご奉仕。
何度も何度も舐め回したあと、シゲはようやくその淫らな口を大きく開いて俺のモノを銜えこんだ。
舌先を使いながらゆっくり奥まで呑み込み、そのままゆるゆると顔を上下させる。
先端から零れる俺の愛液と自らの唾液がたらたらと滴り落ちて首もとにリボンにまで達し、じんわりと染みを形作っていくのも…実に麗しい光景だ。
そんな姿がもっとよく見たくて、時折前髪を掻き上げては熱に浮かされたような顔をしてご奉仕してくれる、その整った顔を眺める。
フェラチオに慣れていないシゲが、時折息を詰まらせたり咽せたりしながらも、懸命にその口で俺を愛撫してくれる姿をきっちりとこの目に焼き付けたかった。
………俺、今後暫くシゲとえっち出来なくても……この光景思い出しただけで、何度もイけそうだわ。
それっくらい、涙が出そうなほどに素晴らしい情景だった。
たまに不適な笑みを浮かべてるのも、実にシゲらしくて……更に欲望に火を付ける。
もう少し長くこの状態を保っていたいのに…身体は非常に正直で、限界が目の前に見えてきていた。あんまり長い事させるとシゲが疲れて可哀相だから、適当なところで切り上げさせようと思っていたけど……このままだと本当にあっちゅー間だわ。
 俺は左手でシゲの髪を撫でたり梳いたりしながら、右手の指を舐め始めた。たっぷり唾液を絡ませ、滴るくらいにしてから、目の前で四つん這いになっているシゲの秘部にそっと宛って唾液を塗り込めた。
まずは中指をそっと奥に忍び込ませる。
「……っ………!………」
シゲの動きがぴたりと止まり、何度も小さく震えた。
「………力、抜いて………シゲ…………」
少しばかり上から覆い被さるような態勢になってしまったので残念ながらシゲの顔は見られなくなっているが、きっと下からさぞかし艶めかしい顔して見上げてるんだろうなー…なんて思いつつ、第一関節まで埋め込んで中を解すように優しく動かしてやる。
「……ん……………んん…ッ…………………んーーーー…ッ…!…………」
俺のを銜えたままでシゲが何か言ってるけど、思いっきり無視して続ける。
少しずつ奥まで呑み込ませ、ゆっくりと慎重に粘膜を解きほぐした。
やがて人差し指も中指に加わり、二本の指を徐々にリズミカルに動かしてやる。
気が付けばシゲはかなりおとなしくなっていて、時折びくっと身体を震わせながら刺激に耐えていた。
俺の方もかなり限界。そろそろ我慢しきれんくなってきた……。
 頭を撫でていた左手に力を篭め、やや乱暴に下から腰を突き上げてシゲの口を犯す。
あっと言う間に腰から快楽の波が押し寄せてきて、一瞬全ての時が止まる。
何とも言えない開放感に包まれながら、俺は初めてシゲの口の中に吐精していた。


 延々といやらしい喘ぎ声をあげているテレビが鬱陶しくなり電源を切る。その途端、耳が痛くなるような静けさと、それとは対照的に淫靡な水音が部屋を支配した。
今の俺にはアダルトチャンネルなんてひとっつも必要はないんだねー、これが。俺の身体の下にいるヤツの方がよっぽど可愛い喘ぎ声を漏らしてくれるってもんで。
後ろに手を付かせて大きく両脚を開かせ、俺はシゲの中を指で犯した。潤滑用のローションを塗りつけながら、優しく掻き回してやる。
それだけじゃ物足らなくなって、胸元に唇をそっと這わせる。舌先に触れた薄赤い突起は、硬く凝って美味しそうに熟れている。
「………っ………あ……………」
苦しそうに喘ぎながら、シゲは涙目で俺を見つめてきた。
舌先で捏ね回しては時々歯を立てる。そんな事を繰り返して焦らしているから、かなり辛くなっている筈だ。
「あーあ…シゲってば………こんなに乳首硬くして…………」
ちゅっと吸い上げると、甘い悲鳴を漏らした。
「………やーらしいねー………お前。最っ高にエッチな身体して………」
指先からくちゅ…と湿った音をたてさせ、羞恥心を煽るようにわざと見下ろした。
案の定シゲは顔を紅潮させ、歯を食いしばって恥辱に耐えている。そんな姿も扇情的で……いい。
「お前の中がひくひくして俺の指、離してくれんわ………どうする?」
シゲは泣きそうな顔をぷいっと背けた。そんな意地っ張りなところも……可愛い。
「なあ……どうして欲しい?」
尚も意地悪く聞いてみたがシゲは唇をきゅっと引き締めたままだ。
あくまでも言わないつもりなら――――それでもいいさ、シゲ。
 呑み込まれた指をぐちゅぐちゅと動かしてある一点をやんわり責め立てると、案の定びくりと身体を跳ねさせた。
「…………や…………ゃあ…ッ……あ………………」
白い身体がびくびくと反応し、その中心で天を仰いで勃つモノが今にも達しそうに震えている。だけど決して簡単にイかせてなんかやらない。
「あれー…おかしいねぇ、シゲ…………嫌なのかい? 嫌ならずっとこのままのがいいのかなー……」
我ながらホントに意地悪いわ。
シゲは両の目にうっすら涙を滲ませて、必死で俺を見る。イきたくてもイけずに中途半端な刺激だけを与えられて、心底狼狽してるのがよく解る。
「……もう…………や……だ…ッ……………」
息も絶え絶えと言ったところか。そろそろ勘弁してやらんと、あとで恨まれそうだ……。
「じゃあさ、ちゃーんと言ってくれたら勘弁してやっかなー………」
再び胸の蕾に舌を這わせ、ゆっくり舐った。
「たす………たすけ……ッ………」
甘くて切ない喘ぎが混じった、極上の言葉が耳を擽る。ゾクゾクするほどいやらしい…哀願。
「助けてやるから……どうして欲しいか言ってみれって。全〜部、ちゃんと聞いてあげちゃうから………」
今度は反対側の蕾を舌先でつつきながら、胸元で囁く。
シゲは小さく身体を震わせながら、唇を僅かに動かした。
「……欲しい…………」
背筋を這い上がるような快感が、下半身からじわじわと沸き上がってくる。思わず舌なめずりをしながらその顔を見つめた。
「………ちゃんと言って、シゲ…………」
シゲは睫毛を振るわせて吐息を漏らしていたが、もう一度小さな声で訴えてくる。
「……大泉が………欲しいよ…………」
その途端に眦から涙が一筋零れ落ちていた。それをそっと舌で舐めてから、唇を重ねる。
「………良く出来ました………」
 ずるりと指を引き抜くと、シゲが小さな呻き声を漏らした。
膝裏を持ち上げ大きく脚を開かせて腰を浮かせると、奥まった場所に自分の猛った雄を宛った。俺の先端からは先走りが溢れ、ローションなんか必要ないくらいだ。
まずは慎重に先っぽだけを埋め込むが、シゲの中は待っていましたとばかりにひくひくとまとわりついてくる。
すっかり俺に慣らされてしまった身体が、もの凄く素直な反応をしてくれているようだ。
そのまま入り口をゆっくり掻き回してから、徐々に深く入り込んでいく。抽挿を繰り返すたび、シゲはえも言われぬ甘美な吐息で俺を悩殺する。
奥まですっかり埋め込んでしまい、緩やかに突き上げながら改めて上からシゲをうっとりと見つめた。
紅潮した頬に潤んだ瞳。汗で肌に張り付いたしどけない髪。赤く色づいた唇は、唾液でしっとりと濡れて光っている。きゅっと引き締まった細い身体はしっかりと筋肉もついていて、艶めかしい白い肌には水色のリボンがよく似合っていた。
どこをとっても極上だった。
「シゲ………」
目にかかりそうな前髪を掻き上げ、額に自分のおでこをくっつけてみる。
………愛しいと思う気持ちが、溢れて止まらない。
苦しいほどに愛しくて、切ないくらい全てが欲しくて……何度も強く突き上げては、繋がっていることを確認している自分がいた。
 唇を近付け、重ねる。甘い喘ぎ声を遮るように…そっと。
下半身にそっと手をやると、シゲの分身からは滴るほどの愛液が溢れていた。指先に絡めながら先端を爪先で弄くり回す。
「……んっ…………ゃ……っ…………」
小さくイヤイヤをするけど、くちゅくちゅといやらしい音を響かせて、尚も執拗に弄り続けてやる。
「や……ッ…………ダメだっ…て………」
シゲの中がきゅっと蠢いた。
緩急をつけてシゲの弱い部分を攻めながら手の中にあるモノを扱いて更に煽ると、小さな悲鳴が絶え間なくあがる。
そろそろ―――俺も限界だ。こんな可愛い善がりっぷりなんかしてくれたら、保つもんも保たなくなるって。
「…そろそろ……イくか…………シゲ…………」
シゲは閉じていた目をうっすら開けて頷いた。
腰を高く抱え上げ、結合部が露わになった状態で思う存分、抽挿を繰り返した。楔を打ち込むたびシゲの中がひくついてはまとわりつき、例えようもない快感が背筋を這い上がる。
ぐちゅぐちゅと音を響かせて、高みへと昇り詰めていく。
「……おお…い………ず…ッ……………」
俺の名を呼びながらシゲは身体を硬直させ、びくびくと白いものをその分身から腹へと吐き出し、それは幾筋もの流れとなって胸元へ滴り落ちた。
そんな光景を眺めながら、我慢しきれずに俺もシゲの中に熱いものを放っていた。


 体液に塗れたシゲの身体を抱え上げて、部屋に付いている浴室へと向かった。浴槽に湯を張る間にシゲを膝の上に横抱きで乗せ、備え付けてあったボディソープで洗ってからシャワーで洗い流す。首にリボンを付けたまだったけど……ま、いっか。
「……気持ち……いいー…………」
とろんとした顔をして、シゲは子供のように抱きついてきた。
「なーに甘えてんのよ……」
口ではそうやって言うけど、本当は内心死ぬほど嬉しかったりして。
背中にお湯を当てながら、俺も抱き締めて唇を重ねる。積極的に応えてくれるシゲの表情がますますしどけなくて、つい荒々しく貪るうちにシャワーなんてそっちのけでまた肌を弄ぐりだしてしまう。
シャワーも止め、浴槽に張っていたお湯も止めた。
温かな湯気が充満してきた浴室で、またもやシゲが欲しくて仕方がなくなってる。
首筋や耳に口付けを繰り返し、胸元に顔を埋めた。綺麗な筋肉の付き方をした胸に、薄赤い突起が固く凝り始めている。
口に含み舌を這わせ、艶めかしい吐息をあげさせるたび、下半身が痺れるような甘い疼きに襲われた。
またもや俺の可愛い息子は下からその存在を大きく誇示している。
指を奥まった部分に差し入れると、中からはついさっき俺が注ぎ込んだ液体が糸を引いて滴り落ちた。
くちゅっ…と音をさせて忍び込ませ、丹念に掻き回すと、ますます淫らな水音が浴室に響き渡ってゾクゾクする。
「……お前…………まだする…気か……?」
「お前の肌が綺麗すぎっから……洗ってたら我慢出来んくなった。」
そう言ったら少し困ったように笑っていたが、決して嫌そうじゃないみたいだ。その証拠にますますしっかりしがみついて、俺の肌に唇を押し当ててきたり可愛い喘ぎ声を漏らしたりしてる。
 「力抜いて……」
横抱きだった身体を半回転させ、後ろから抱え込むようにして膝の上へ乗せると、両膝を抱え上げた。少し腰を浮かせたところに半ば強引にねじ込んだが、慣れたソコはくちゅりと音をたてて先端を呑み込んでくれた。
「あ…………っ…………」
びくんと背筋を反らせたシゲの髪が俺の顔にさらりとかかる。ほんのり明るいさらさらの髪からはシャンプーの香りがふわりと漂った。
先端を入れたり出したりして様子を見ながら、少しずつ奥まで呑み込ませていくたび、艶めかしい喘ぎ声がシゲの口から漏れてくる。
「……気持ち……いい……?」
耳元にそっと息を吹きかけるように囁くと、小さく震える。
「なまら……いい…………」
蕩けた表情のシゲが呟いた。
「……もっと欲しいよ……大泉…ぃ……」
……なんてまあ可愛い事言ってくれっかなー…今ので更に俺の息子は暴発寸前だべや。
耐え切れんくなって奥までぐいっと穿つと、シゲがびくりと震えた。
 すっかり収めてから改めて息を大きく吐き、シゲを抱え直した。真正面にはきちんと曇り止めをされた大きな鏡があり、両脚を抱えられて俺の猛った雄を呑み込んでるシゲの姿が綺麗に映し出されている。
思わず舌なめずりしながらその光景を見つめていたその時、快楽のあまり目を閉じていたシゲがうっすらと目を開けた。
鏡越しに視線が絡み合う。
「……なまらいい格好だと思わん?………」
シゲは何も言わずただ恥辱に唇を噛んだ。恥ずかしくて泣きそうと言ったところだ。
「すーげぇ可愛い……シゲ。」
ゆるゆると上下させ、俺のものが中に呑み込まれたり出されたり…そんな情景をわざと見せつける。
段々激しくなる動きに比例して、シゲの唇から淫靡な喘ぎ声が漏れていた。いくら閉じようとしたところでその口は耐えきれずに開いて、端から幾筋もの唾液を滴らせてしまう。
鏡の中で上下するシゲの身体の中心では、再びシゲの分身が天を仰いでゆらゆらと揺れていた。今度は直接弄られたわけじゃないのに、まるで見えない何かに愛撫されているかのようにどんどん充血しては膨らみを増し、その存在を主張している。
「……シゲちゃんは身体の方がずーっと素直だぁねー………」
鏡に向かって語りかける。とろりと蕩けた表情をしたままシゲは、この期に及んでまだ憎まれ口を叩いてきた。
「………っく……ッ………この…変…態………ッ…………」
よく言うわ。変態で欲張りなのは俺だけじゃないっちゅーの。
「じゃーいいわ。変態は変態らしくたっっっっっぷりと、楽しませて頂きますよー………」
微妙なさじ加減でシゲの弱いところを丁寧に攻め立てては、絶頂を迎えそうになるたびに動きを止めた。
焦らして焦らして焦らしまくる。
俺はずっと長いこと気持ちが良くてもの凄く良い感じだけど、直接的に中を刺激されてるシゲはかなり辛いようで……動きを止める毎に、絶望的な顔で鏡の中の俺を見つめてきた。
見ればシゲの息子は今や最高潮の昂ぶりだ。透明な蜜を滴らせ、艶やかに濡れている。
「大泉…っ………お願い……大泉ぃ…………」
焦れてとうとうその口で自らおねだりするシゲ。
俺にとって、こんなにも可愛くて愛しいものはこの世に二つと無い。
 返事をしないでいると、シゲは屈辱一杯の表情で自分の手を下半身に持っていこうとしていた。
「だーめだって………そんな事、させたげない。」
その手をやんわり遮った。シゲはますます絶望的な表情で呆然としている。
「……これは俺だけでイってくれんと………」
あまり意地悪するのも可哀相だけど、このままイかせるのも癪なので……慌てて首のリボンを解いた。
「……ちょっ…………おま………………え?…………何…っ……………」
とことん困惑するシゲには構わず、鏡越しにするするとリボンを巻き付ける。達しそうになっているシゲの分身に。
あまりきつく締め付けてはやっぱり可哀相なので、ギリギリ自力で達せないくらいになるよう、屹立しているモノの根本をリボンで巻いて結んでやった。
「あらー、お似合い!」
「やッ………馬鹿お前!…………ふざけんな…ッ……………」
少しばかり取り乱したシゲを再び抱え直し、鏡越しに視姦しながら抽挿を繰り返した。
ゆっくりと深く、素早く浅く、緩急をつけながらあらゆる場所を狙って楔を穿ち続ける。
「………は………ぁ……っ…あ……………ゃ…あっ……………」
虚ろな表情で、シゲもまた鏡越しに自分のしどけない姿を見つめていた。もう抗えもせず、ただ襲いかかる快楽に嬲られては喘ぎ声を漏らす。
限界ギリギリなのか、両の目からは涙の雫が時折こぼれ落ちていた。
「……もう…………外して…っ……………お願いだから……………」
赤く光る唇からは精も根も尽きたような哀願の声が漏れ、ひくひくと震える分身からは更に蜜が溢れて止めどなく滴り落ちていく。
「………ごめんごめん……ちょっと苛めすぎた。」
片手でリボンを引っ張り、止めていた枷を緩めながらシゲの一番弱い部分を丁寧に突き上げた。
「…あッ………っ…………ああ………ッ………………」
ビクビクと痙攣しながら鏡の中に白い吹雪が舞い散る。白い肌のあちこちに花のように降り注ぎ、しずくとなってゆっくり滴り落ちた。
俺のモノを銜え込んだシゲの中が一際きつく収縮してまとわりつき、俺もその刺激で中に全てを吐き出す。
目の前が真っ白になり、もの凄いうねりに呑み込まれるような…強烈な快楽だった。


 明けて四月三日、日曜日の深夜。
疲れてぐっすりと眠るシゲを抱えたまま、俺はまた一つ歳をとった。
こいつと知り合ってから……随分と経つ。勿論大半の時間は仲の良い同僚であり、友人だったけど。
ここ何年かは……大切な大切な恋人として、常に片時も離れないでいるんだよな。
そんな関係が不思議でもあり、嬉しくもあり。何とも感慨深いものがあるなー……なんて、徒然に思いながらそっと目を閉じる。
いつもと違う布団の中で、抱き枕みたいにシゲを抱きかかえたまま、とろとろと眠った。
それはまるで夢うつつの世界。
時々ふっと目を覚ましては腕の中のシゲを確認して、また眠りにつく。そんな事を何度も繰り返す。
黒々とした長い睫毛が時折微かに震えたり、艶めかしい赤みを帯びた唇がうっすらと開かれていたりするのを眺めては、前髪に触れてみたり気付かれないくらいにそっと唇を重ねたり。
目が覚めてはそんな事をして一人で安心し、また夢の世界に戻る。
くすぐったいくらいに幸せな時間。
夢の中でだって、俺はシゲを離さずしっかりと抱いていた………。



 「そんで、どうだったの? 温泉。やっぱ楽しんじゃった?」
音尾が意味ありげな顔をして顔を覗き込んでから、グラスにビールを注いでくれた。
ここは音尾と安田主任の新居だ。でもって俺らはジンギスカンを囲んで一杯やってる最中。只今バリバリに新婚さんの二人に招待されて、のこのことシゲと二人でやって来たんですなー。
「いやー、あのね音尾………最っ高だから!」
注がれたビールをくいっとやりながら、俺はほくそ笑んだ。
「古いけどいい旅館だったよ、メシもなまら美味かったし。格式あるだけあって、庭の景色とか凄かったもん。」
シゲがトン…キュッってな勢いでビールを煽ってから笑顔で言う。
っちゅーか、お前ピッチ早すぎ……。
「部屋付きの露天風呂、どうだった?」
安田主任がその目に怪しげな光を灯らせて静かに聞いてくる。
「いやー、予約が遅かったから露天付きの部屋は空いてなかったんですけどね……その分、内風呂で充分すぎるほど、やりまくったんで……」
言いかけた途端、隣で新たなビールを飲んでいたシゲがマーライオンのようにビールを吹いていた。
いやー、そりゃあもう見事な水芸で………。
その後、死ぬほど咽せまくり、俺と音尾で必死に背中をさすったりテーブルの上を拭いたりと大騒ぎだったんだけど、ひとしきり咳が治まったシゲから華麗なエルボーを喰らって、今度は俺が咽せる始末。
「大泉ぃッ! お前は相変わらず言っていいことと悪いことの区別がつかないのかよ!!」
泣きそうな顔して真っ赤になって怒るシゲを宥めていると、音尾が幸せそうなツラしてのほほんと宣った。
「まあまあシゲもムキになんなってー。今更何聞いたって驚きゃしねえって。第一温泉だと羽目外しすぎるのは俺らだってよ〜っく解ってるし。ね、安田さんっ
「な〜、音尾
流石に一瞬ぎょっとしたね。だって職場じゃ一応やり手の主任がですよ……音尾の前ではでれっとした表情で、それこそ天にも昇りそうな感じなんだもんねー……。
隣のシゲも同じだったみたいで、本当に呆気にとられた顔してぽかんと口を開けてた。
「主任……変わりましたね〜………」
思わず本音が口を突いて出た。
「ま、ね。俺もようやく自分の居場所って言うか、欲しいものが見つかったって言うか………まぁぶっちゃけ、俺には音尾が居ればそれで全てが丸く収まるっていうか。」
主任は幸せそうに笑いながら、本当に嬉しそうに隣りに座る音尾を見つめた。音尾も照れた表情で主任を見つめている。
――――あ〜あ、ご馳走様〜………。

 二人のバカップルオーラに当てられて生ぬる〜い笑顔を浮かべていた俺に気付いたのか、音尾が慌てて話題を振ってきた。
「ところでさぁ…最近ずっと二人が手首にしてるのって、もしかして色違いのお揃?」
「おお、いいところに気が付いたねー音尾くん! 実はこれは……」
「シゲからのプレゼントかい?」
………どうして先にそれを言っちゃいますか? 音尾くん…………。
「あれ、やっぱ解っちゃう? ……お揃いに見えないと思ったんだけどなー。」
シゲが少し不満げにこぼしていた。
「……それはほら、君たちがそういう仲だって俺らは知ってるから解っちゃうだけかもしれないよ、佐藤くん。」
主任がシゲのグラスにビールを注ぎながら言った。
注がれた琥珀色の液体を更に呷ったシゲは、ほんのり顔を赤くしながら何かを呟く。
「何? シゲ。今、なんつったの?」
食べ頃に焼けた肉を箸で摘んでいた音尾が、鍋から目を上げてシゲを見た。
シゲは少しばかり酔いがまわっているようだ。そりやーそうだ、さっきから凄いピッチで飲んでるしなー。
「……………」
「シゲ?」
全員が何気なくシゲを見た途端、いきなりでかい声で笑い出した。やべぇ、シゲ…末期だ。
想像以上にこいつ酔っぱらってるよ……。
「シゲ、お前もうビール禁止! 飲むな!」
慌てて持っていたグラスを取り上げようとしたが、飲みかけのそれをヤツは更にくいっと呷って中身を空にしてから、きっと主任を見据えた。だけどその目は酔いがまわってとろんとしている。
「佐藤君……何? 大丈夫?」
「あのですねー主任! 俺はですねー……実はプレゼントだったんです!!」
全員が「はい?」って感じで、きょとんとする中、シゲは尚も言葉を続ける。
「こいつがですねー、俺にリボンなんかかけやがりましてですねー……俺は大泉にとってのプレゼントみたいになっちゃいましてですねー……いや、まあそれは全っ然! 俺としても嫌じゃないんですけどねー………」
「…シゲ! お前いいからもう黙ってれ。」
シゲの口を手で塞ごうとした途端、更にでかい声で喋りだした。
「酷ぇんですよー、主任。大泉ってば俺のアレにまでリボンで結ぶような変態なんですよー! 信じられます? 主任は音尾にそんな事しませんよねー!?」
これには流石に顔から火が出た。
目の前の二人は本当にもう、ニヤニヤ…ニヤニヤ笑っている。いやー…なんだよもう……恥辱プレイみたいでないの、これ。
「……いや、その………えーとまあ、ちょっとばかりエキサイトし過ぎちゃって……楽しんじゃいましたぁ……」
頭をぼりぼり掻きながら俯いて、皿の中にあった野菜を箸でつつき倒した。
言うだけ言ったシゲは、幸せそうに俺にもたれかかって既に半分寝ている状態だよ、オイ。
後でどんな素晴らしいお仕置きしてくれようか、このド阿呆は。
「………幸せそうで、いいじゃない。二人とも。」
意味ありげな笑みを浮かべて、主任が静かにビールを飲んでいた。
「ですよね〜、安田さん でも俺らも今、最っ高〜に幸せですよね!」
音尾は本当に無邪気な笑顔で幸せそうだった。

 こんな二人見てたら……俺らも早く一緒に住みたいなーって本気で思ってしまう。やっぱりそろそろ本格的に考えるとすっかな……。
近いうちにプロポーズしてみようと、秘かに誓う。
こうなったらとことん付き合って貰おうじゃーないの、それこそ死が二人を分かつまでって感じでさ。
心は最初の時となんも変わりなく、延々シゲにときめきっぱなしです、俺。

このときめきは絶対に失いませんよー………ええ、そりゃあもう! ときめきの神様に誓ってね……。



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ギリギリ、間に合いました〜(汗)
ユミカ様からのキリリク30000+43LOVERの合わせ技でお送りいたしました。
折しも4王子のお誕生日間近でしたので、お誕生日ネタも絡めました。
で、間に合わなくなりそうで焦った。。。と(笑)
ユミカ様からのリクエストは

・宿泊代は全部王子持ち。
・体で払わせるつもりだったことに気付き、逆らえない姫サマ。
・アダルトペイチャンネルで血縁だろうと思われるほどシゲに似ている女優発見。

・「同じことしようか…。」とにじり寄る王子。
・着ているものを自分で脱ぐ。
・お風呂でのご奉仕
・1人H
・言葉責め

で、御座いました。ですがッ!!
ご奉仕がお風呂でなく布団の上になってしまいました。
いや、流れ的に風呂場ではちょっと。。。(汗)
そんなわけでユミカ様、申し訳御座いませんでした(最上級の土下座)


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