「シャドウ」
―――ああ、嫌な予感がする。
いつもと何ら変わりのない彼女の微笑。
けれど酷く嬉しそうな。
「さあ、パーティ−のはじまりだ」
―――甘美な期待が入り混じった。
剣を交し、思いのたけをぶつけ、謝罪して、そうして二人は抱き合っていた。
もう離されたくない。
離れたくない。
そんな想いからシャドウの方はきつくきつく。
けれどエレンの方は、そうは思っていなかった。
寧ろ―――
「けどな、シャドウ」
その声にシャドウは違和感を感じた。
「いくら寂しかったとはいえ、関係のないエンフィールドの住民を巻き込んだのはどうかと思うけどな」
そっと、彼女を放す。
その顔はいつもと変わらない微笑でもってシャドウを見つめている。
―――怒っているわけではない。
「実はさ、ずっと考えてたんだ」
―――単調的というわけでもない。
「こんな事をしでかしたおまえを捕まえたら、どうしてやろうかって」
―――寧ろこれは。
「調教か、拷問か、それともダブルでいくか……それが今、やっと決まった」
―――気に入った玩具を見つけたような、嬉々とした声。
「シャドウ」
「さあ、パーティ−のはじまりだ」
荒い、息遣いが響く。
「―――……ぐっ…ぁっ…!」
熱を帯びた男の荒い息遣いが。
「エっ…レンッ……!」
「痛いか? だろうなぁ。後ろ掘られて、ちんぽはサボテンなんだから」
「ぁっ……!」
エレンの言う通り後孔にはバイブを突っ込まれ、陰茎には何かが刺さっていた。
シャドウは壁にもたれ、足を開いた状態で腰を降ろしている。
はじめは後孔に指を突っ込まれ、簡単に立たされ、射精して、それを何度も繰り返された。
やっているうちにエレンの方がノってきてしまい、今度はバイブを入れられ、何かを刺され、現在に至っている。
「けど怖くはないだろ? 目隠ししてやってんだから」
エレンの手がシャドウの眼帯に触れた。
シャドウがしていた両目を覆う眼帯は変装用に着けても視界を閉ざさない魔法をかけていた。
今はエレンがその効力を消す魔法で無効化してしまったので着けると何も見えなくなってしまうただの眼帯に過ぎない。
けれど、何も見えない今の方が逆に恐ろしかった。
今何をしているのか、次は何をするのか、その判断が出来ないから。
「すげぇな。何本刺さってんのか数えてやるよ」
「っ……!」
一本、二本と陰茎に刺さっている何かの本数を数えていく。
陰茎に触れているエレンの、エレンシアの手。
「12本。1ダースも刺さってたか。サボテンみたいなわけだ」
楽しそうに笑うエレンシアの声。
「あ…はっ……!」
「にしても、後ろにバイブ突っ込まれて、ちんぽに針刺されてんのに感じるなんてなあ?」
「……っ!」
ああ、確かにそうだ。
尻の穴にはバイブを突っ込まれ、陰茎には12本も何か刺されて。
けれどそれだけではない。
それ以上にシャドウを昂ぶらせているのは―――
「バイブの入ったアナルも丸見えだぜ? いやらしく動いてる。気持ちいい?」
彼女の、エレンシアの興奮した声。
「エレン、もうもう……ッ」
「まだまだ。今から一本ずつ針を抜いてやるから」
そう言って、エレンはシャドウの耳元に口を寄せて。
「最後の一本まで出したら……許さないからな?」
「……っ!」
氷のように冷たいその声にぞくり、と背筋が震えた。
「ああ、でもその前に」
ずるり、と眼帯を外された。
そこでシャドウは初めて陰茎に何を刺されていたかを知った。
視界に入った光景にびくりと震える。
それはエレンが言った通り、まさしくサボテンのようになった己の―――。
「一本―――」
「―――ッ!!」
針を抜くと同時にその箇所からぴしゅっ、と血が勢いよく吹き出た。
――と同時に、全身に痺れのように走ったイってしまいそうになるほどの、快楽。
続けて二本・三本とゆっくり抜いていく。
その度に甘い快楽が痺れのように走り、イってしまいそうになって。
五・六本目を同時に抜かれた時は本当にヤバかった。
「七本――。充血してるから血がよくとぶことv」
「なっ…んで……!」
「ん? ああ、針の数だけ小さく射精してるようなものだからな。気持ちいいだろう? でも……もう」
エレンが陰茎に残っている全ての針を掴んで
「…イキな!」
一気に引き抜いた。
箇所からぷつぷつと紅い血の玉が浮き出す。
そして大量の紅い血が噴出すと同時に、シャドウはドクッドクッ、と大量の白い精を放ち達した。
エレンの耳元で熱を帯びたシャドウの荒い息遣い。
「ん、よくできましたv」
チュ、とエレンはその額に口付け、後孔のバイブに手をやる。
ずるり 、と引き抜くと、ひくつく後孔から溶けたゼリーがまるで女の愛液の様にどろりと流れ伝った。
「あー、楽しかった。久しぶりだったし、燃えたぜv」
「…………」
「ん? どうした? そんなにビビったか?」
本当に久しぶりだった。
エンフィールドに来てからエンフィールドの繁華街と化しているさくら通りで旅人や娼婦なんかと一夜限り共にした事はあったが、調教することはなかった。
シャドウは無言のまま、俯いている。
「おーい」
(やりすぎたか……?)
実はエレンがシャドウに調教を施すのはこれが初めてだった。
何も知らない初心者に己の陰茎を針の山にされ、血を噴出すのを見るのはトラウマものだろう。
流石に心配になり、シャドウの顔を覗き込んだ。
「シャド……」
途端、唇を重ねられた。
舌先で歯列をなぞり、唇を食む様に啄む。
歯列を割る様に口内に下を滑りこませられる。
「ん ッ…ぅ…ふ、ぅ……」
介抱された時には互いを唾液の糸が繋いでいた。
「何、盛ってんだよ。いっぱい出しただろ?」
「あんなので、満足するか……!」
シャドウに押し倒され、再び口付けられた。
先程同様の、荒々しい口付け。
介抱された時には、シャドウに見下ろされていた。
「愛してる……」
シャドウの、必死そうな目線。
「愛してる、愛してるんだエレン! 愛してる!!」
「ああ、わかってる。けど――」
そっと、シャドウの剥き出しのままだった陰茎に触れてみる。
「――っ」
途端シャドウの顔が歪み、体が跳ねた。
12本も刺したのだ。
それに何度もイかせてやった。
しばらくの間は無理だろう。
「これじゃあ出来ないだろう? 帰ったら嫌ってほど抱かれてやるから。それまで我慢しろよ。な?」
「――エレン……!!」
ぎゅっ、ときつく抱きしめられた。
(あー…服が汚れるなぁ……。まあ、いいか)
しょうがないので頭を撫でてやった。
こうしていられるのも後僅か。
この後は皆の元へ戻って、翌日には再審議が待っているのなのだから。
END
亮祐:管理人です。悠久の初エロ小説完成しました。
まさか初っ端からこんな濃いものになるとは思わなかった。
翔;嘘付け。狙ってただろ。
亮祐:そうともいう。タイトルはせっかんする、罰を与えるという意味です。調教というか、SMなんて書くの初めてなので中身はないようなものかもしれません。いないとは思いますが興味本位で真似しないように。本当に興味があるのなら
専門家の方に頼みましょう。ではこの辺で。
BGM:『2200』/「Nerve」