青い瞳がゆらり、涙を端に浮べたまま、俺を見上げたから、つい―・・
Perfect Timing
柔らかなアメリアの手が、差し伸べられる。
そっと持ち上げられて、先端が小さな口元に運ばれた。
伏せられた黒い睫毛が、ふるっと震える。
両手で支えたものをふっくらとした唇に近づけたまでは良いが、
アメリアは次の動作に迷っているらしかった。
促すように腰を動かしてやると、彼女が顔をあげる。
『んっ・・・ゼ、ゼルガディスさん〜・・』
眉を下げて助けを求めても、具体的な指示は出してやらない。
アメリアの唇から、濡れた舌が控えめに顔を出す。
あんまり少ししか出さないから、キスするような具合で舌が先端に届いた。
ピクッ、と小さな舌の方が痙攣する。
おそらく、自らの緊張を解く為に吐かれたのだろう彼女の吐息。
『ふっ・・ん』
熱い呼気が直に先を包んで、じんと痺れたのは言ってやらない。
アメリアの舌先は、先端の丸みから道筋を確かめるように、裏側へと滑り落ちていく。
液体が擦れる音がして、唾液が絡まった先端がアメリアの頬を汚した。
伝い落ちる雫に気がついたアメリアは、慌てて顔を上向けて開いた唇で掬う。
彼女の黒髪に指先を潜り込ませて、足の間の彼女を引き寄せる。
『んぐぅ・・はっ』
一気に奥まで入り込んで、根元近くまで満たされた感覚に思わず仰向いた。
歯を立てないように大きく開けたアメリアの唇から、先端が抜き差しされる。
根元を支えた白い両手に雫が伝うにつれ、アメリアの動きは早まった。
伝って溢れる雫を、伸ばした舌で舐め取ってゴクンと喉を鳴らす。
黒髪に埋めた指と、床についた足先に力が入る。
『っ!くっ・・・』
身体の中心から暴れだす奔流に、俺は彼女の口内に―・・・
パクリ シャリシャリ
「どした?ゼルガディス。」
なにやら考え込んで微動だにしない旅仲間の覆面顔を、
ガウリィは首を傾げて覗き込んだ。
凝視するように向かい側に向けられていたゼルガディスの目線が、
ぎぎぎとぎこちなく剥がれて、ガウリィの顔と合う。
彼はただ一言、お日様も眩しいワゴンショップのパラソルの下、こう言っただけだった。
「いや、タイミングが悪かっただけだ。」
「・・・たいみんぐ?」
「リナさん、いくら名物だからってそんなに食べたらお腹壊しますよー。」
「アンタこそ、手に垂れてるわよ。」
水色のアイスキャンデーを咥えて、ゼルガディスの言葉を復唱するガウリィ。
その隣り、ちょうどゼルガディスの向かい側では、
オレンジ色の溶けかけたアイスキャンデーをアメリアが舐めていた。
「タイミングが、悪かっただけだ。」
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