女性のための風俗から男性向けの風俗ギャルまで自分の体を使って実体験してみるこれは女性の側からの男性社会に対するアンチテーゼこれまで男たちが漠然と考えていた女性観が覆されるときがやってきたのだ
翌日、事務所からポケベルが入った。電話してみると「瑞希ちゃん、さっそくご指名が入ったから、事務所まで来てよ」ご指名って…だって、まだ講習さえ受けてないのに。どうやって、鞭打たれたらいいのだろう。アナルバイブって、痛いんじゃないだろうか、ローソクは熱いのかな…。不安な気持ちほを抱えたまま六本木の事務所に向かった。「大丈夫!習うより、馴れろや!M女はご主人様のいうとおりしてればええから!」相変わらず、山本さんはニコニコと笑うだけだ。「建設会社のぷ超さんで、ええ人やから心配いらんで。ホテルでお待ちかねやから、さっそく行ってや」は?ホテルって…。
「“アルファイン”って、SM専用ラブホテルがあるんやけど、そこに出張してほしいんや。そこの502号室で、中田(仮名)さんという人が待ってるから」SM専門ラブホテル?受け付けのおばさんが、女王様みたいな格好してるのかしら…(-_-;)。「タクシー拾ったら運ちゃんに“ロシア大使館裏まで”って、いうたらそこに連れて行ってくれるよ」は、はぁ…。「プレイに必要なものは、ここに入ってるから」縄、ロウソク、ピンクローター、アナルバイブ、注射器…などなどが入ったボストンバックを渡される。
「記念すべき初仕事やで!張りきって苛められておいで!」万歳三唱され、事務所を出た。マンションの前でタクシーを拾い、言われた通り、「ロシア大使館裏まで」と運転手に告げる。一瞬、運転手の顔色が変わった。“ロシア大使館裏”というと、アルファインのことで、カップルの場合は“そういう趣味の人たち”で、私のように女一人でお荷物を抱えていると、“そのテのお仕事に向かう人”だと思われるらしい。
アルファインの外観は、ちょっとしたシティホテルのようだった。それでも一歩中に入ると、異様な雰囲気が漂う。フロントには、“ごく普通の”おばちゃんがボーッと一人で座っていた。部屋は20以上はあっただろうか。それぞれ「木馬の部屋」とか「奴隷市場」なんていう名前がつけられていた。エレベーターに乗ると、中年の男女のカップルと一緒になった。すかさず男の胸についてあった某有名銀行のバッヂを見つける。「銀行の偉いさんって、こういうところでストレス発散してるんだ」と妙に感心した。女のほうはやや小太りだが色白で色っぽかった。それにしても、どっちがMでどっちがSなんだろう…。おじさんが、おばさんに浣腸したりするのかな?いや、おばさんのほうが派手なボンデージファッションで鞭ブンブンいわせながら、おじさんにオシッコを飲ませたりするんだろうか…。