もっともゆ〜き・外伝の外伝

 「カーット!来週分、これにて撮影終了でーす」
 「おつかれー」
 「編集、どれ程かかる?」
 「大まかでよければ1時間で」
 「オーライ!任せた!」

 『幻想魔伝・最遊記』の撮影現場である。出演者
全員の顔に普段が戻る。
 「天ちゃん、顔の具合はどうだ?」
 「ああ、リトさん。…良い蹴りでしたよねぇ。昨
夜、夫婦の危機でも訪れました?」
 にこやかに談笑しているのは天蓬元帥と李塔天で
ある。役柄が敵同士のこの二人、実は天蓬元帥夫妻
の仲人を李塔天が勤めたという旧知の間柄。演技力
を見込んで天蓬が李塔天を引きずり込んだ、と言う
訳だ。
 「実は本格的な悪役の話が来ていてな…それでち
と試させて貰った。スマンな」
 「これで剃刀入りの手紙でも送られて来たら本物
ですよね〜」
 「今度奢るから!」
 「じゃ、リトさんがボトルキープしてるあの店で」

 「G2、何拗ねてんだよ」
 「…兄ちゃん、俺、あの台詞、すっげー言いたか
ったのにぃー!」
 「我慢しろ。大人の事情があるんだから」
 天界編の悟空を宥めているのはレギュラーの悟空。
兄弟での出演である。ややこしくなるのでG1、G
2と一応の呼び名はあるが、普段は兄が「サル」、
弟は「チビ」で事足りている。因みに、G1の演技
はG2の普段を真似しているのだとか。普段のG1
は歳から考えれば随分大人びている。
 「これが深夜枠なら良かったかなー?」
 「何?兄ちゃん」
 「んにゃ、一人言。帰り、肉饅喰って帰ろうな」
 「うん!…あ」
 「どうした?」
 「兄ちゃん、さんぞー達と約束、あったんじゃな
いの?」
 「今日はお前優先。お前こそ、ナタクとなんか無
いのか?」
 「帰ってからオンラインゲー対戦、する事にして
っから」
 「あ、そ」

 「お疲れッす」
 「おう、お疲れさん」
 「捲簾さん、今夜予定あります?」
 「ないッすけど」
 「八戒んチで一局、どうだ?」
 「サルの代わりッすか?」
 「あいつ、ホントにブラコンだからな」
 悟浄が微笑ましく思いつつ苦笑する。
 「レートは低くしてやるから心配するな」
 断るという選択肢を最初から無視した三蔵の台詞。
 「食事も準備してありますし」
 駄目押しの八戒の台詞。
 「…行きますよ」
 何時も圧し切られるんだよなぁ。

 「はい、お茶」
 「アリガト」
 観世音の普段の声はオクターブ高い。役柄故に仕
方ないが…それに夫も現場に居るし。
 「金蝉」
 「んー?」
 「演技、おかしくなかった?」
 「自信持ちなさいよ。僕こそ不安だらけなんだし」
 その通り!普段の彼を知る人からは「化けた」と
評判の彼である。何しろこの夫妻、10歳の歳の差の
上経歴も観世音が中堅、金蝉が駆け出しと異なって
いる。
 「この仕事終ったらさ」
 「うん」
 「旅行、しようよ」
 「ホント?」
 「観世音の行きたい所、何処でも良いから」
 「…貴方が居れば、何処でも良いんだけどな」
 「コラ!夫をからかうんじゃありません!」

 「ラフ編集、上りました!」
 「おーし!全員集合!」
              (2001.2.21)
《コメント》
誰もが一度はやるであろう楽屋オチネタ。
天界編の原作とTVの台詞の違いから思
いつきました。
各人の人格は葡萄瓜によるフィクション
です。本気にしないで下さい。

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