「…とっとっと…」
「八戒…よく飽きずに急ブレーキを踏むな…」
「落ち着きなって、旦那」
「そーだよ、八戒だけの所為じゃねーよ!今日
はジープが左ハンドルだから…」
其処まで言って、しまったと口を押さえても…
遅すぎますよ、悟空。
ほら御覧なさい。二人とも固まっちゃったじゃ
ありませんか。
まあ、責任の一端は僕にもありますしね。ジー
プが寝不足になってるのは、結局皆のバランスを
取る為なんですし。
まあ、こう言う旅ですし、お互い嫌いじゃない
から…夜はそう言う事になりがちなんです。まあ、
僕と悟浄は元々そう言う部分もありましたから、
案外苦にはならないんですが、悟空と三蔵は…不
慣れなんですよね。
こう言う問題って、結構ほっとくと辛いんです
よ。でもまさかあの二人の間に僕達が割り込んで
…なんて事はしたくないですからね。
で、此処でジープに登場して貰ったんです。ジ
ープには…僕も昼間お世話になってますからね。
悟浄とで満足できない、と言う訳じゃないです
けど、僕だって男ですし、ね。悟浄が遣ってくれ
ない事をジープに遣って貰う訳です。
昼日中から不謹慎だと思います?僕だって思い
ますけど…この問題までは妖力制御もカバーして
くれてないんですよね。
だから大抵ジープは右ハンドルになってくれて
るんです。どうも僕、左向きみたいなんで…あは
は。
其のジープが左ハンドルになってる時…滅多に
無いですけど、其れはもう一寸其の相手は疲れた
って合図。
…随分激しかったようですものね。だってジー
プが栄養ドリンクを強請るなんて…余程…ですよ
ね。綺麗に洗ってはあげたけど…前も後ろも随分
濡れてましたし。
悟浄もおろおろしてましたもん。僕達の間にも
ジープに混ざって貰った事があったけど、此処ま
では流石に…。
『あの二人の方が、俺達より凄くないか?』
ええ、そう思いますよ。
「三蔵」
「…次の宿で、ジープに鳥の1羽でも付けて遣
れば好い、な?」
判って戴ければ好いんですよ。
さあ、ジープ、もう一頑張りですよ。
今夜はゆっくり休んで…又明日から宜しく頼み
ますね♪
(2001.3.30)