禁じられた台本
♪ツン、ツクツクツクツクツン〜ン
ツン、ツクツクツクツクツン〜
ヒャ〜リ〜ラ〜ラ〜ラ〜
〜リ〜ラ〜ラ〜〜♪
(以下繰り返し)
皆様、新世紀最初の朝、如何お過ごしで御座いましょうか。
司会の「玉置浩二」です(物真似をした途端、クリームパイ
10個ぶつけられる)
…もとい、玉置ピロシキです。「笑う門には福来る」と古来
から申します様に、元旦の朝から何もかも笑い飛ばす事こそ健
康の秘訣で御座います。
さあ、大いにこれから笑って頂きましょう。トップバッター
は、十五年振りの復活を見事果たして活動を再開致しました。
「アリス&テレス」のご両人です!
(場内割れんばかりの拍手!拍手!拍手!)
「毎度!アリスですー」
「…どうも、テレスです」
「君なァ、十五年振りや言うのにテンション低いなー」
「一寸冬眠していたんだ」
「あの古本屋でかいな」
「そうなんだ。あの店主の薀蓄がいい子守唄代わりになって
ついうとうとと…って、違うだろ」(べし!)
「いきなり右頬にパンチ喰らわすか?相変わらずやな!」
「確か君の本も随分見かけたなー。まあ、まだ文庫本が定価
の半額だっただけましだったが」
「まさか思うけど、君、俺が遣ったサイン入り単行本を其処
に売って無いやろな?」
「京極堂にか?そんな残酷な真似はしないさ」
「残酷…って、どゆ事?」
「聞かない方が幸せだけど…言っていいの?(ニヤ〜リ)」
「…いや、言わんでいい」
「所で話を変えまして。ねぇ、火村夫人?」
「ハイ何ざんしょ…って、待て!コラ?」
「何か間違った事言ったっけ?」
「誰が誰の嫁はんやて?」
「周知の事実じゃ無いか。ねぇ、皆さん?」
(客席の大半の女性陣が一斉に頷く)
「君かて亭主持ちや無いか!しかも瘤付きで」
「聞いて驚け!舅も居るぞ!」
「誰がそんな自慢をせえと言うた!見てみい?振袖姿のお嬢
さんが目ぇ爛々と輝かせてるやないか!」…
「この台本を演じろ、と?」
テレスこと桜井京介30歳は怒りに震えていた。無論、アリスこ
と有栖川有栖(推理作家)30歳も同じくである。
台本を書いた当人「達」…今日極道こと栗山深春と神代宗は事態
を予想して遁走し、代理人として蒼が披露した訳である。アリス&
テレス復活第1弾(予定)の台本として。
「蒼、悪いけど返しといて、コレ」
何とか怒りを納めてアリスが引き攣り笑顔で言う。
「これやったら、頼み込んで火村に書いて貰うわ」
「賛成だな」
京介も溜息混じりに応じる。
「蒼にあげるよ。遣りたければ」
「ぼくも要らない」
その後の原稿の行方は、誰も知らない…。
《コメント》
…新年からこんなんかい!な葡萄瓜です。
関西人な自分だからこの二人の台本程度書ける
だろう…実に無謀な試みでした^^;
この台本はあくまでもフィクションです。本気に
しないで下さい。あーあ。