その時がくるのは一瞬のことだったのだろうが、私にはとても長く感じられた。





抱きしめていた両腕の中で・・・・・・・・・令呪が輝くとともに、マスターもまた光となった。
閃光が・・・・・・一瞬・・・・・・聖杯の青その全てを、塗り替えた。







その美しさに私は我を忘れた・・・・・・再び手を見つめると、そこに残されたのは虚ろな空間だけだった。
残された私は現実世界に在るマスターの無事を祈る。

私と契約した少女が消えた今、アーチャーの特殊能力たる単独行動によりしばらくはまだここに存在できるが・・・、それも長くは続きそうにない。
マスターとともにそのサーヴァントも運命をともにする。
私の意識もまたじきに消滅するだろう。
現実世界でマスターがSE.RA.PHで過ごしたこの時間を覚えていないように、マスターとともにあった私も記憶を失う。
彼女の笑顔も忘れてしまうことが残念でならなかった。

そして、
マスターがあの時何を願ったのか・・・・・・




・・・その意味を、マスターとともにあった分身たる私が知ることは・・・・・・ついになかった。

















だが・・・・・・、















それから還ってきた記録とともに、
誰にも触れられることのないムーンセルがマスターの願いを込めた未来を描き出していることを、
後に、、、座に在る私が、知ることになる。









The End


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