本当は、あたしもみんなと一緒に遊びたかった。お父さんとお母さんのいるお家に帰りたかった。
・・・でも、あたしはもう知っているの。もう・・・そこに帰る日は・・・来ないんだって。
そこにあたしの居場所は・・・・・・。

暗い病院の中は嫌。誰もここには来てくれない。誰もあたしのことをみてくれない。
だから、もう・・・いいの。あたしはあたしだけのお友達（アリス）を見つけたんだから。

気がついたら、あたしはここにいた。
ベッドの上でじっとしていることしかできなかったあたし。
でも、今は自由に動ける。
鏡の前でひとりぼっちで立っていたけれど、今まで呼んでも・・・誰も来なかったから、、、あたしは鏡をじっと見つめていたの。
だって、目の前の鏡が、昔、見たご本の中の世界のように見えたから・・・あたしは、そっと手を当ててみた。
そうしたら、鏡に映ったあたし（アリス）が笑ったの。「お友達になって・・・、あたし（アリス）だけのあたし。」

この夢はあたしだけの夢・・・、「鏡の国のアリス」。

お姉ちゃんが不思議そうな目で、あたしを見ている。あたしはお姉ちゃんと遊ぼうと言っただけだよ？
どうしてそんな目で見るの？お姉ちゃんはあたしと同じでしょ？
あたしのお友達（アリス）がそう教えてくれたよ？
お姉ちゃんはあたしのお友達になってくれないの？

あたしと遊んでくれない、お姉ちゃん。
どうしてそんな目で見るの？あたしには、わからないよ？
だから、もういいんだ・・・。
あたしはあたし（アリス）さえ側にいてくれれば・・・。

でも、どうしてかな？
お姉ちゃんが気になってしまうのは・・・。
アリスが側にいてくれても、何だか寂しくて・・・だから、また誘ってしまうの。
さぁ、お姉ちゃん、今日は何をして遊ぶ？







＊ありすは病院で闘病中にSE.RA.PHにやってきました。きちんと、人の愛情や友達の作り方を知らないままやってきました。自分の気持ちを一方的にしか伝えられないありす。
でも、もしかしたら、主人公ならありすの本当のお友達になってくれていたのかもしれません。