目の前の少年は、他のマスター達とはいずれとも異なる王者の風格を漂わせていた。
生前、圧政との戦いに明け暮れていたロビンフッドはその少年を見た瞬間に 半ば本能的にその少年に弓を向けていた。

「ずいぶんと無粋なことをする。マスターの顔が見てみたいものだな。」
次の瞬間、その少年の目の前に純白の鎧に身 を包んだサーヴァントが立ちふさがる。
「ガウェイン、僕の心配は大丈夫です。マスターを表に晒さずに独断で行動する、聞こえはいいですが、そのようなマス ターは程度が知れたものでしょう。気にする必要はありません。」
「おおせの通りです」
「なんだとっ!(怒)」ロビンフッドは自分が弓を向けたはずの少年か ら、まるでそれを意識もしていないような態度と、自らのマスターを馬鹿にする発言に、思わず怒りの声を上げていた。マスターとは気が合っている…訳ではな かったはずなのにだ。

心苛立つ中、後からそのマスターの制止の声が響いた。
「アーチャー、、、止めるんだ。彼はハーウェイの御曹司 レオ様だ。私の祖国と も協力関係にある。手を出してはならん! 」
「御曹司・・・? けっ! 」
苛立ちは収まらない。御曹司というならば、支配者側の人間だ。マスターの命令に は従わなければならないので、霊体化をすることで一旦その場を離れることにする。

離れる途中で後ろから、マスターと支配者の少年の声が聞こえてくる。

「ダ ン卿、彼はダン卿のサーヴァントでしたか? これは失礼しました。」
「いえ、仰るとおりです。私のアーチャーが…とんだご無礼を致したことお詫び申し上げ ます。」
「大丈夫ですよ。何も起こりませんでしたから……。それにしても、意外でしたね。このムーンセルの聖杯機能はマスターとの共通するもの、相通ずる 部分に応じたサーヴァントが召還されるはずです。彼が…ダン卿のサーヴァントだったとは……」
「ははっ、そうかもしれません。元軍人の私に軍隊を敵にまわ し戦い抜いた英雄が来るとは私も予想していませんでした。………、しかし、意外と相通ずるところはあるのかもしれません。いかなる仕事であろうと祖国を守 る為に汚れた仕事を厭わなかった私と、どれだけ強大な敵であってもいかなる手段も問わずに戦い抜いた彼とは似ている…と思うことがふとありますが。」
「失 礼致しました。ダン卿、あなたがこの聖杯戦争で有意義に戦えることを祈ります。」
「ありがとうございます。レオ様。」

耳にする言葉は、腹立ちをかえってひ どくするばかりだ。

ロビンフッドは、マスターを尻目にその場を離れることにした。

共通点

ダン卿と緑茶の共通点。レオ&ガウェイン組と遭遇。