このお嬢ちゃんはオレが以前 見たお嬢ちゃんとは別人だが、性格や能力は非常によく似ている。
そして違う部分も・・・ある。
お嬢ちゃんはことあるごとにいつもオレに言っていたな、世界の六割を統べると言われるハーウェイ財団の世界支配を自分が止めるのだと。
世界を変える・・・その為には生死を賭けた聖杯戦争の戦いも辞さない彼女のその気概。
強者との充実した戦いを望む自分にとって、戦いとは自分の生そのものである。
互いの戦いに対する姿勢の共通点に、ムーンセルはトオサカリンの契約の場に自分を導いたのだ。

ハーウェイ支配の阻止の是非については自分は興味がない。
お嬢ちゃんが選んだ道だ。彼女が言うなら多分正しいことだろうし、仮に間違いがあったとしても、信念を通そうとする彼女の気概を自分は気に入っている。
オレに出来ることは、マスターの剣となり戦いに勝ち聖杯への道を開いてやるだけである。
その通り道にオレの望む戦いがある。

そして、戦闘に関するお互いの相性は最高だった。
マスターも容赦はなくてもその考え方は正々堂々としたもので、オレの騎士道精神と似通っている。
方針や戦闘指揮も回りくどくなくシンプルなもので、後でどこが悪かったなどと恨み言を言ってくることは全く無い。実に潔よい。
そして、オレが少々苦戦することがあっても動揺せずに相手を情報分析し、的確にオレのサポートに回ってくれる。自分の気性のせいか時折ドジをふんだとしても、気にせずむしろ励ましのワッパをかけてくれやがる。
これ以上のいい女がどこにいるっていうんだ?
気の強い女はオレは好きだね。
普段は退屈しのぎにからかってやると、怒るしぐさも悪くねぇ。
そんなお嬢ちゃんに出来れば、生き残って聖杯をくれてやりたい。

だが、バーサーカーとの戦力差は歴然としており、こちらの体力の方が減るのが早く、頼みのマスターのその女っぷりと戦闘センスは最高なんだが、、、そんなお嬢ちゃんも唯一回復だけは苦手と来たもんだ。

だが、オレを誰だと思っている?
どんな窮地でも生き残ることに関してオレには自信がある。
心配せずに、オレに任せてくれればいい。

「ランサー! 落ち着いて!」
「おうよ、マスター。魔力を廻してくれ!」
マスターの声は動揺もなく、オレを信じている。
戦況を打開する為に普段使わぬ己の秘儀ルーンを発動させて、ぎりぎりのライン上で己の生命力を保たせる。
これで、お嬢ちゃんの回復が期待できなくても、生命力切れを心配する必要はない。

バーサーカーの致命の一撃をくらう前に、大振りのその矛を避けバーサーカーの隙をついて急所に宝具を叩き込んでいく。バーサーカーの方が威力がでかいだけで、オレの槍の威力も引けをとらない威力なのだ。積み重ねれば、致命傷になりうる。

そして、戦場で勝ち残る要素は力だけではない。
マスターの力だ。
マスターは戦況ここに至るまでに集めたパターンから柔軟に、バーサーカーの攻撃パターンを予測し「ATTACK・BREAK・GARD」この三つのコマンドを的確に相手の行動パターンに合わせて、気丈にオレの指揮を振るい戦況を有利に持っていく。
最初は打ち消されたりダメージが軽減することのあったオレの攻撃も、マスターの経験の深さゆえに、次第に相手にとって弱点となる攻撃をつけるようになっていき、オレの攻撃は有利にバーサーカーに積み重なっていく。

マスターの柔軟な情報分析と的確に相手にダメージを与えるオレの槍。
柔よく剛を制す。
単調な押しの一手の敵マスターの指揮になど、負けはしない。

厳しい戦力差でありながら、オレはバーサーカーを倒す寸前まで、追い込んでいく。





                      戻る       続く




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