「謝って済む問題じゃにゃーでよ」 「何言うとんの!謝ったし、お金だって、払ったし、こんな、こんな………」 こんな、と三重は視線を下に落とす。ベッドの上、服も剥がされほとんど裸も同然だった。愛知は愛知で怒ってるとかいいつつも楽しそうな表情で本当に憎たらしい。 「ま、これくらいえーだぎゃ。減らにゃーでよ」 「はお!減るわそれは!愛知のあほ!あかん、あかん、お伊勢さんのそばはあかへん、こ、こなやらしいこと……んっ、ん………」 いつもの愛しむようなそれとは違う、荒々しい口付け。荒々しいがそこには愛情があった。しかし納得いくはずがない。三重の頬が仄かに朱を帯び始め、瞳が潤んでゆく。愛知は、機を見計らって舌を差し入れた。どくんどくんと三重の鼓動が高鳴る。ようやく二人の唇が離れた。 「三重、伊勢さんはこんなとこ見とらんがね」 「嘘、嘘やそんな……や……」 三重の脳はまるで熱病に侵されたように判断力を失っていた。砂糖菓子や赤福のように甘い、とても甘い。 乱雑な動作で愛知は、手早く彼女の衣服を脱がせる。自分は上着だけ脱ぎネクタイを緩めるだけだった。露になった三重の肌に視線を落とす。 少し動きを止めて三重の表情を窺う。熟れた果実のように羞恥で赤く染まったその顔を見て満足そうに笑い、三重の秘所に指をゆっくり差し込み僅かに動かした。びくんと三重の腰が短く痙攣するように跳ねた。 三重は唇を噛みながら耐えている。愛知が中指と人差し指で、器用に三重の秘所を開いた。ぱっくりと開いた三重の秘所はほころび始めた花のようだった。そこの割れ目はその蕾を開き、しとどに潤った薄紅色を覗かせていた。 「あぁあっ、愛知、愛知っ!き、つっ!あっ! くうっ、あ、あっ、んんっ!」 「ん?ここか?」 小刻みに震えながら訴える三重に言葉を返しながら、愛知は愛撫を続けた。 「まっ、やめ!はや…やんっ、あぅ!も……ゆっく、あっ、こわ、壊れちゃうからっ!」 激しさを増す愛知に三重がペースを落とすよう懇願するが、代わりに返ってきたのは胸への愛撫だった。絶え間なく乳房を、白いうなじ、鎖骨に口づけ、赤く腫れた陰核を指で転がした。 「んんっ! あっ!ほんま、も!や、やめぇぇ!やめぇ愛知!」 三重の意識が混濁していく。背徳的な快感が脳髄から背筋に遡る。その繰り返しが延々と続く。 愛知の呼吸は少し乱れはじめ、顔からもまた余裕が失われつつあったがまだポーカーフェイスを保っていた。 「うっ……も、大嫌い、大嫌い、愛知なんて、大嫌い!」 「知ってる」 「………っ、」 その優しい笑顔がずっこい。ずっこいよ。三重は泣くまい、愛知の戯れごときに流されまいとぐっと堪える。 荒い息遣いだけが室内に満ちた。 |