もうどうにもとまらない 君を目の前にすると この世のすべてが君に見えたりして もうどうにもとまらない 「退屈だね、道徳」 白鶴洞の普賢真人は茶卓の上にうでーとうなだれた。目の前にいる清虚道徳真君はまがいなりにも彼女の恋人だ。彼も彼でなんとなく普賢の洞府に居座っている。 「撲克(トランプ)でもやるか?」 「…ふたりで?」 ふたりで撲克というのも寂しいものだ。できる遊戯は限られてくる。道徳は引き出しをごそごそとあさり、52枚ある撲克を取り出した。箱から取り出しぱらぱらと切っていく手並みが鮮やかで普賢は珍しそうにそれを見つめていた。 「ふたりだとできるのは…ババ抜きか、七並べ…ああ、札遇賭(ポーカー)やらないか?」 「札遇賭(ポーカー)? ボクやったことない」 普賢の言葉に道徳は手の間を往復させていた札をとめた。 「じゃあやろう、教えてやるから」 「うん」 こんな感じでふたりは撲克をはじめた。ひととおり決まりごとを教えて、練習に何度かやってみると普賢はすぐに慣れたのか札を狙う目つきがだんだん真剣になってきた。道徳に札を見せて『これどうするの?』などと聞かなくなっている。 「よっしゃ、俺は五枚札(5カード)だ」 「うふふ。ボクは王室(ロイヤル)だよ」 「んがっ!?」 初心者の幸運に道徳は驚かされっぱなしだ。普賢はつぎつぎに高い役を決めていく。 「直球閃光(ストレートフラッシュ)だ〜」 「ほげぇっ!?」 「王室直球閃光(ロイヤルストレートフラッシュ)だよ」 「おぎゃっ!?」 これまで札遇賭には自信があった道徳も普賢の幸運の前にひれ伏した。さっきから変な声ばっかり上がっている。 「ほらほら、次やろうよ」 「あ、ああ…」 道徳はぺろぺろと札を繰りながらにこにこと笑う普賢を見つめた。そしてある考えが頭に浮かんでニヒニヒと笑った。 「どうしたの、道徳?」 「なあ、普賢。この回、賭けしないか?」 賭け、ときいて普賢はきょとんとして目の前にいる恋人を見つめた。 「賭け? 何を賭けるの?」 「そうだな〜」 道徳は華麗な札捌きを見せた。机の上に置いた札を右から左、左から右へと波打たせている。 「お互いの言うことを聞く、ってのはどうだ?」 普賢は少し迷って、それからうんと頷いた。 「いいよ、のった」 「よし」 道徳は札をもう一度繰ると必要な枚数をそれぞれの前に置いた。 そして一枚ずつ山札と手札を交換していく。道徳が山札から一枚めくった時、天があるなら彼に味方したといってもいいだろう。 「いいいいいいいいやっほー!!」 「どうしたの、道徳。いい札でもきた?」 「キタキタキタァーーーー!!」 「ボクもきた。じゃあせーのでいこうね」 せーの、と二人の声が合わさった。 じゃん。 二人の札が目の前に置かれた。 道徳・王室直球閃光(ロイヤルストレートフラッシュ) 普賢・直球閃光(ストレートフラッシュ) 「よっしゃー! 俺の勝ちだー!!」 「あーあ、負けちゃったぁ…」 運命の札は道徳の手元に転がり込んだのだ。道徳は気持ち悪いくらいニヒニヒと笑い出した。 「約束だもんなー、ふ・げ・ん」 「しょうがないもんね。で、道徳は何してほしいの?」 「あ。ああ、それだそれ。ちょっと待っててくれな!」 「え、ちょっと、道徳?」 よく分からないけど嬉しそうに笑いながら洞府を出て行った道徳を見送って普賢はふうとため息をついた。 そして背筋にすうっと寒いものが走った。ぶるっと体を震わせると自分で自分を抱きしめた。 「…いやな予感がする」 いやな予感というものは時として的中するものだ。 道徳は大きな袋を抱えて戻ってきた。 「ただいまー、普賢」 「ただいまーって、まあいいけど。で、何持ってきたの? いやな予感するんだけど」 「何言ってんだよ、変なものじゃないよ」 そーりゃあ、と素敵な勢いで道徳は袋の中身を床にざらざらと広げだした。 「な、ナニコレ!?」 でるわでるわ。怪しげな器具たち。黒い皮製の紐帯、小さな突起がついた張り型、白いとろんとした液体の入った瓶、中央に大きめの玉がついた短い紐帯、その他大勢が彼女の目の前に現れた。 「ふふふー、何でも言うこと聞くって約束だもんな」 道徳は紫色の張り型を愛しそうに眺めた。 「何でもなんて言ってないよぅ〜〜」 もうどうにもとまらない。 道徳はぎゅっと普賢を抱きしめた。 「ねぇ、せめて首輪だけは解いてよ」 「だーめ。一度やってみたかったんだよな」 普賢の白い肌に黒い紐帯がつけられている。両方の手首と足首をそれぞれ結びつけ、ついでに太ももとふくらはぎも膝に近いところで縛り付けた。 首には銀の金具がついた紐帯をつけられ、そこから伸びる鎖で寝台から離れらない。黒い皮製の胴衣は胸元と腰を覆わず、そのまま晒してある。 「いいなぁ…かわいい…」 もふーんと鼻息荒い道徳は自分の仕事に満足げだ。 「さて。お楽しみはこれからだ!」 そういうと道徳は自分の着衣を脱ぎ捨て、いそいそと普賢に近づいた。 「ちょ、ちょっと道徳、待ってって! ときに落ち着いて!!」 「落ち着けないよなぁ…たまりません」 目の前の恋人はすでに変態と化しており、普賢はあのとき賭けを承諾してしまった自分を激しく責めた。 「いっただっきまーす」 道徳は寝台の上に普賢の前に来るとまず柔らかい唇を奪った。ちゅっちゅと軽い口づけがだんだんと激しくなり、彼の舌が普賢の口内を蹂躙した。 「あふっ…んっ、んっ」 互いの舌が絡み合い、唾液がとろりとこぼれだす。銀のしずくが普賢の豊かな乳房に落ちた。 普賢が身をよじれば、じゃらっと鎖の音がする。 道徳は口づけを繰り返しながら片手で普賢の乳房を弄った。ぽよぽよと十分な質量を持つそれを揉みし抱き、そのまま唇を滑らせて先端の乳首をちゅうっと吸い上げた。 「はんっ!! 道徳ぅっ…」 普賢は抱きつこうとして、腕が自由にならないのに気がついた。道徳は普賢の乳房を寄せて中央に寄り添う乳首を嘗め回した。 「やんっ、いやあっ!!」 紅潮する頬と肌にうっすらと汗が滲み始めた。こころなしか股間もすこし湿っぽい気がする。 「はあっ、はあっ…」 「かわいいなぁ、まだ胸しか触ってないのに」 「こんな格好させられてたら、いやでもこうなると思うけど…」 同意の上なんだからと少し諦め気味の普賢の頬に道徳は軽く口づけた。 「本当は、賭けなんかでするつもりじゃなかったんだけど…こうでもしないとやらせてくれないと思ってさ」 「いいよ。賭けに負けたのはボクなんだし、ほんとうにたまーにだったら付き合ってあげるよ」 「…ありがとう、普賢」 道徳は小さく微笑むと、普賢の足の間に顔を埋めた。ぷつっと張り詰めている秘蕾にふれると普賢の体がぴくんと跳ねた。 「やんっ」 その下の花びらはもうぐしょぐしょに濡れていて真っ赤な内壁が僅かに見えそうだった。 「なあ、普賢」 「なに…道徳…」 うるんと潤む瞳で、普賢は足の間にいる道徳を見つめた。 「これ…使ってみてもいいか?」 そういって取り出したのはさっき見ていた紫色の張り型だ。男根の形を模したその途中に小さな突起がついている。 「いいけど…痛くない?」 「大丈夫。このちっこいのはここを気持ちよくするためのものだから」 そういって道徳は再び普賢の秘芯に触れた。 「んんっ!…い、痛くないなら…いいよ」 「じゃあ、挿入るから」 「うん…」 少し不安げに息を詰める普賢を気遣いながら、道徳は普賢の秘裂を指でそっと広げ、張り型の先端をゆっくりと差し入れた。 「はんっ…ふっ…くあっ…」 ずにゅ、と肉と愛液を擦る音がして、普賢の胎内に張り型が挿入された。道徳の言うとおり、小さな突起は普賢の秘芯に触れている。 「あんっ、ああっ、ど、道徳ぅ…」 異物を押し返そうとする女性の本能が張り型を押し出そうときゅっと締まる。少しだけ戻ってきた張り型を道徳は指でそっと押し返した。 「うんっ!! くふっ…ううっ…」 「痛くない?」 「んっ…だいじょぶっ…」 普賢の瞳から涙がひとつ零れ落ちた。道徳は張り型の下についている平らな突起を押した。とたん、普賢の膣内でそれがぶるぶるっと細かく振動し始めた。 「きゃっ…きゃああああんっ!!」 最奥と秘蕾を同時に刺激された普賢の体がびくびくと震えだした。がくがくとあごを上げ、はあはあと息も荒い。口角から飲みきれなかった唾液がこぼれている。 「普賢…」 「あふっ、あふうっ…きゃうんっ、はあんっ…」 道徳は普賢の後ろに回り、細い背中を支えた。そして瓶を手に取ると口で木の栓を抜き、中身を手の中に取り出した。それを普賢の後穴に塗りこんだ。 「やっ…道徳、なにをっ…きゃんっ!」 ぬるぬるとした感触が尻のあたりに広がる。無理やり足を開いている状態なので局部を一切隠せない。 道徳の指は普賢の菊座を少しずつ犯し始めた。 「道徳っ、そこはっ…くあっ!?」 「大丈夫、痛くしないようにしっかり慣らすから」 「そんなっ…いやっ…」 ぐちゅぐちゅと淫猥な音が響く。それが自分のものだと思いたくなかった。でも与えられる刺激に体は正直で、普賢の菊座は道徳の指を滑らかに飲み込むまでに緩まった。指も3本に増えている。 道徳はさらに粘性の高い液体を普賢の後穴に塗りつけ、さらに高ぶって嵩も増した自身にも塗りつけた。 「普賢…行くよ…」 「道徳っ…」 耳元で囁いてくれる道徳に、普賢は口づけを求めた。道徳はそれにごく自然に応じてくれた。 ぬるるっと肉棒が滑って普賢の菊門にずぶりと刺さった。 衝撃に普賢が大きく目を見開く。 「あ…あああああんっ!!」 「くっ…いい。すごいいいよ、普賢」 「あふっ…うわんっ…ひゃっ…抜いてっ…あんっ!」 秘蕾と膣と後穴を同時に刺激されて、普賢はもう何も考えられなかった。 ただ自分を愛してくれている道徳に抱きつけないことが惜しいと思った。 「あんっ、はあんっ」 体を揺さぶられるままに声を上げ、きゅうっと張り型と道徳を締め付ける。張り型は一定の調子で、道徳は緩急をつけて普賢を貫いた。 「はっ…も、もうだめぇっ、いっちゃうっ…!!」 「俺もっ…普賢、気持ちよすぎっ…」 普賢の背中をびりびりっと電気のようなものが走った。 「はっ…あっあああああん!!!」 「くっ…!!」 普賢は弓なりに体をそらせ、道徳の精液が直腸内に放出させるのを感じた。 張り型はまだぶいぶいと唸っている。 道徳は息の荒い普賢から自身を引き抜いた。とたん、彼女の後穴から道徳の精液がどっとあふれ出した。 それから普賢の膣でなおも彼女を攻め立てる張り方を止め、引き抜いた。 「普賢…」 普賢は気を失ってぐったりしていた。 ゆっくりと横たえ、戒めを解いてやると、彼女の白い肌に真っ赤な痕になって残っていた。 「普賢…ごめん」 道徳はそっと部屋を離れた。 ひや、と冷たい感触で普賢は目を覚ました。 「ん…あれ? 道徳?」 「ああ、目が覚めた? ごめんな普賢。無茶しちゃって…」 道徳は水差しから大き目の器に水を注ぐと柔らかな布を浸し、きゅとしぼった。その布を普賢の体に触れさせる。 足の間はもう清められたのか、粘着きは無くなっていて気持ちいい。 「ううん…大丈夫だから、心配しないで。ああでも」 「でも?」 「毎日やったら死んじゃうから、ときどき…ね?」 「…ああ」 ふわりと笑ってくれた普賢の額にそっと布をあてて拭いてやる。 普賢は気落ちよさそうに目を閉じた。 「普賢、お風呂に入らないか?」 あれから数日、道徳は白鶴洞で普賢の変わりに家事に勤しんでいる。といっても掃除と洗濯くらいしかできないけれど。昨日は敷布と布団を干してくれたし、今日はお風呂を掃除して沸かしてくれた。 理由はわかっているけれどそこはあえて聞いてみたい。 「どうしたの? 最近随分優しいね?」 「いやー、その…この前のこと、怒ってないかと思って」 道徳の言葉に普賢はいたずらっぽく微笑んだ。 「怒ってないよ。あれは賭けだったんだもん。正々堂々とした…ね? それにそのあと道徳はちゃんとボクの面倒見てくれたし。あんまり言うと今度は怒るよ?」 「…わかった。もう言わない。でも家事はさせてくれよなー」 「うん、いいよ。…お風呂、一緒に入らない?」 道徳はびっくりして妙な声を上げた。 「いやならいいよ」 「い、いやじゃない、一緒に入る」 「えっちはなしだよ?」 「わかってます!」 道徳は普賢を抱き上げて浴室にまっしぐら。 普賢はそんな毎日を楽しんでいる。 だって愛しちゃったんだもん もう、どうにもとまらないし、とまれない 「道徳っ」 にゃん、と声でも出しそうに普賢は道徳にきゅっと抱きついた。 「…大好きだよ」 「…俺もだよ」 白鶴洞の、ある日。 ≪終≫ ≪萌えつきた…≫ えーっと。サイト開設1ヶ月記念のリクエストで、楠本要様ご所望の『徳普ハードエロ』。フォー!! すみません、できませんでした○| ̄|_ ひれ伏して謝ります。もっと修行してきます。 団鬼六せんせに弟子入りしたほうがいいのかしww かにゃめ様、とりあえずナナメになっておきます、そして吊ってきます、ぶらーん… |