えろりぃな 少女は怪しい踊りを地面に足つくことなく披露していた。
汗ばむ純白のチュチュ、大きく開かれた白いストッキングに薄く包まれた肢体は引き締まった中にもまだ子供のあどけなさを残す。体が動く度に舞い上がる髪、小さな口から弾む息もどこか色っぽさを感じさせる。
実のところ彼女は「普通の」バレリーナではない。むしろその方面では素人だといってもよい。そして彼女は好きで踊っているわけではない。目の前のソファに座る、フードを目深に被った、おとぎ話に出てくるような魔法使いのような格好をした男のために無理矢理踊らされているのだ。
その踊りのできない少女を手取り足取りエスコートしているのが、この世のものでない、粘液をぬめらせた触手のみで構成されているような化け物であった。文字どおり、踊り子の手と足に触手を巻き付けて、むりやり彼女の四肢を動かしているのだ。彼女の両腕は背中に組まされて、両足はゆっくりとその股を開き始めていた。
「いやああぁ、止めてぇ……」
息絶え絶えの少女は、体中の力を振り絞ったような声でか細く叫ぶ。その体の肌には鳥肌がさざめき、羞恥のあまりに赤みもさしはじめる。
彼女は懸命に、触手が自分の股間を開こうとさせまいと小さいながらも柔肉のつまった太ももに力を入れるのだが、見かけによらず非常に強い触手の力の前に、ついに屈服したばかりであった。
彼女の履いている白いストッキングは、脚こそ包み込んでいるが、肝心なところを何一つ覆わずにウェストのところでゴムでしがみついていた。さらに彼女はパンツを履いていなかった。
男の視界に、この少女の汚れなくみずみずしいピンク色をした下の唇と健気にきゅっとしまった菊門がさらされる。どちらも、ときどきヒクヒクと痙攣して、人の目にさらされているのを恥ずかしがっている。
「……見ないで……、私の恥ずかしいところ見ないで……」
涙目で訴える少女。
しかし男がそれを耳にしたかどうかは分からない。多分黙殺しているのかもしれない。
実際男の言葉は、あまりに一方的であった。
「おぉおぉ、私の見込んだ通りだ。君はきっと優秀な踊子になれるに違いない。動物の牝本来の歓びを体中にみなぎらせた淫靡な踊り子――私のイマジネーションを、君は次から次にその肢体で叶えてくれるだろう」
「何言ってるのか、わからない」
「心配しなくてもいずれ分かるさ。総て体をなされるがままにするといい」
すると、少女のウェストに一本の触手が巻き付く。その粘液は、チュチュの生地にしみ込み、彼女の肌に至る。オクラの中身のようにぬめぬめとして、しかも非常に冷たい液体。彼女は震え上がり、振り解こうともがく。しかし、きつくしまるその触手を、彼女はどうすることもできなかった。
そして彼女は無理なストレッチを強要される。
開かれた両足はM字に曲げられる。そのまま、両太ももが彼女の両脇にくるように、胴と脚に巻き付いた触手が動き始めたのだ。
「痛い! 痛い! あああああああ!」
彼女は決して体は柔らかくない。むしろ硬い方である。生まれてこの方とったことのない姿勢にされることの苦痛ははかり知れない。
だが、その苦痛にも関わらず、彼女の脚は、文字どおりの完全なM字になった。下の唇は悲鳴を上げるように大きく開き、息をする度に、彼女の大きな胸が上下に揺れるのがよく分かるようになった。
そう、彼女の胸も覆われていない。彼女の着ているチュチュは、腰についているレースのフリルがある以外はほとんどコルセットみたいな外見になっている。トップレスのチュチュなのだ。その上、臍のところもダイヤにくり抜かれてあらわになっている。
「いい! その姿こそまさに私が所有せんとする踊り子の姿。マゾの『M』を脚でかたどってその秘部をあらわにするその姿。実にすばらしい!」
「……、……いたいよぉ……」
顔を上げたりして苦痛に耐えようとする少女。だが、耐えようと努力する意思と無関係に、彼女の下の唇はヒクヒクと痙攣する。
それが結果的に彼女をさらに辱めることとなる。
「顔は苦痛に悶えていても、君の下の唇は喜びにうち震えているじゃあないか」
「喜んでないよぉ! 痛いんだよぉ!」
脚をすぼめて股間を隠そうとするが、どうやっても触手の束縛から逃れられない。しかしそれでも彼女は脚を動かそうとする。
その努力も、男の手であっけなく止められる。
「……ひ、ぁあ!」
男のごつい指が、彼女のピンク色の陰唇を弾き、第一関節まで中に沈ませてから、膣の浅瀬をかき出すように動かしたのだ。
「君が上の口でいやがっても、下の口は本当に正直なものだよ。ほら……こんなに濡れてるじゃないか」
ねっとりとした透明な粘液が男の指にまとわりついていた。男はその粘液で濡れた指を、少女の口の中にむりやり入れる。指は口の中をびちびちと動き回り、さらにいやがる彼女の舌をまるでその感触を楽しむようにねちっこくいたぶりまわす。
引き抜かれた時には彼女の唾液で糸を引いていた。
「君の舌も淫靡な踊りを見せてくれるな」
「もうやめて……私をこれ以上いたぶ……うああうぅ!」
突然少女は悲鳴を上げて体をよじらせる。
「ああいやぁ、ねじこまないでぇえ!」
彼女の臍に、太い触手の先がめり込んで、細かい皺の一つ一つを辿るように蠢き回っている。少女は四肢を捕まえられているにも関わらず、臍をいじくる触手から逃れようと背中をよじらせる。
決して体内に通じることのない腹の穴。しかし弄られればむずがゆく、そしてやるせない。彼女の気を揺さぶるには充分な責めであった。
「耐えるのか? 我慢するのか? ……ためらうことはない。気持ちが良いのであれば、体を動かしてそれを私にみせるんだ」
「ああやめてぇ、やめてよぉお、んあ、うううんっっ!」
陰唇は太くてごつごつとした男の指に弄ばれ、臍の穴は透明な粘液でぬらぬらとした触手でほじくられる。
少女の上の口も、体の内で暴れ始めた衝動にやがて言葉を奪われ、うわずる嬌声と唾液にとって代わりはじめる。
「んあぁあ、あうぁ、ぁあ!」
眉間に皺を寄せた少女の顔から抵抗の表情がうすれ、徐々に恍惚の弛緩が支配し始めていた。頬が痙攣し、小鼻がヒクつき始める。
だが顔以上に彼女の危う気な意思を表していたのは体だった。くびれたウエストは臍を襲う感覚に必死にたえるべく動き回り、腹も健気にひくひくと出たり引っ込んだりを激しくくり返す。さらに腰も男の指の愛撫から逃れようと必至に引っ込もうと、背を弓なりに反らせて尻を突き出す姿勢になる。
股間で濡れそぼっていた液体が糸を引いて滴り始めた。それは、彼女の手足を掴む触手の表面の粘液に交わり消えていく。
「んんんんんんんんっ!」
もう限界であった。もう腹筋の力も入らなくなり、陰唇が男のしつこい愛撫に痙攣すら始める。
このまま屈して、気持ちよくなってしまおう――少女は全身の緊張を解こうとした。
だが、まるでそれを察したように、男が彼女の硬くなった乳首をつねった。
「いぎっ!」
背筋をピンと反らせた少女に、男は彼女の耳もとで囁く。
「フィナーレだ。君は今、快楽の天空を飛ぶ鳥になった。今からその翼を広げて、旋回しながらより高く飛んでいくんだ。……さあ、行くんだ! 君の心の中に吹く心地よい風に乗って、な」
男の難解な言葉も、少女の耳にはほとんど入らない。それより、折角自分から逃避できるチャンスを奪われたことがひどく苦痛であった。
「あああぅ、もう、もおいいいいいぃ!」
と、その時だ。
少女の下の口を突然何ものかが塞ぎ、さらにその中を貫き、子宮口に激突した。
「――っ!」
声にならない叫び声を上げる少女。まるでその衝撃を口から逃そうとするように、上を向いて口を大きく開ける。
そのまま彼女の体が、子宮口の激突につられるようにそのまま上に持ち上がる。
唐突のことに少女も訳が分からなかった。
だが気がついた時には、男が自分からみて下のところにいて、ほくそ笑みながら股間をじっと見ている。
しかしだからといって、彼女への快楽の責めは終わらなかった。
「あ、はあああああああぁっ!」
男の指に代わって下の口を奪った太い触手が、まるで尺取り虫のように膣の中を激しく屈折し、収縮する。
その上、臍をいたぶる触手もさっき以上に蠢き回る。
「あがぁぁあああああああ、うああぁあ!」
もう嬌声しか出ぬ口から、限界まで開き切った陰唇の奥から、ねっとりとした液体がこぼれ出る。目がたるみ、昂りの熱い涙すら彼女の目尻からだらしなく流れ始める。
彼女は我を失いかかっていた。倒れかかった意思が、完全に快楽の渦に没するのも時間の問題であった。
その意思はさらに揺さぶられる。
「い……はひぃ、うああ、あうぅう、んんんん!」
触手に足首を持ち上げられ、大股を開いた状態で。
少女は高く持ち上げられながら、膣に刺さる触手を軸にしてゆっくりを回り始めたのだ。その姿は郊外の飲食店の回転看板すら思わせる。
だが、彼女にとってその回転は、内臓までも抉られるような強い圧迫感を与えた。濡れそぼった膣の中を触手がかき混ぜ、壁をねじり、陰唇を擦る。
「あがぁ、ぐるじ……、うぁあ……」
苦痛ではなかった。いまわの時が近い彼女にとって、それはマゾヒスティックな快楽以外何ものでもない。
《その翼を広げて、旋回しながらより高く飛んでいくんだ》
徐々に薄れ始めた意識の中で、少女は男の言葉を思いだす。そこで彼女は彼の言ったことをようやく把握したのだ。
(ああ、いい……。もう鳥になってどこか飛んでいきたいよぉお……)
激しく体をよじりつつも、いつしか彼女は腰を動かし始めた。
合間合間に声ならぬ声をあげながら、彼女はこう叫んだ。
「……あ……、飛ぶよぉぉ……、とんじゃうあああああっ!」
それを最後に、彼女の意識はオルガズムの中に埋没し、後はただ快楽に体をまかせて、背筋を弓なりにビクンと痙攣させるに任せた。
子宮に流れ込む粘っこく生暖かい液体の感触、男の歓声と拍手……。
(――きっと悪い夢なんだ。起きればきっと爽やかな朝が……)
少女は、男のあぐらの上で目を覚ました。
男は少女の寝覚めの顔を見ながら、優しく頭を撫でている。
彼女は体を起こそうとしたが、どういうわけが、自分の体がしっくりこないような、妙な感覚に陥っていた。胎内にいたっては、激しく蠢いていた触手の感触がまだ鮮明に残っていた。
未だに手足を拘束され、あの気色悪い触手に自分の膣内を蹂躙されているような気分であった。
――夢ではなかったのだ。
「素晴らしい踊りだったよ」
男は少女の上体を抱え上げると、額に軽くキスをする。さらに鼻頭と両頬にキスをする。
それから、熱っぽく彼女の唇にキスをした。
「……あ」
少女は膝で一歩引いて、キスされた唇を両手で隠す。突然見知らぬ異性に自分の唇を奪われたことに、奇妙な驚きを感じたのだ。
だが男は一方的だった。少女に感傷をかみしめさせる時間も与えない。
「僕の見込んでいた通りだった。君はいい踊り子になれる素質がある」
「……ひゃ、あんっ」
少女を引き寄せて、男は両乳房をわしづかみにした。
肩を揺すっていやいやする少女。
男は片方の手を離すと、それを彼女の股間にやる。
太い指が少女の股間の割れ目に沈む。
「ひゃあぁ!」
腰を引き、尻を突き上げる少女。だが、男の指は彼女の陰唇から離れることなく、ねちっこく辿ってみせる。
「あんっ」
鼻にかかった嬌声を上げながら、しかし少女は男の思惑通りに体を動かしていた。
片乳房をもみしだかれて胴を動かして、掴まれていない方の乳房を揺さぶる。そして、下の唇を指で弄ばれて腰を動かし、その尻を挑発的にぷるぷるっと振るう。
「ほら、僕の愛撫で君はこんなに素直に踊ってる。……素敵だ……」
男は本当に感無量といったようすで少女を見やる。
さらに彼女に耳打ちをするには、
「君のおかげで、僕も熱くなってきたよ。ねえ、僕の昂りに身を寄せて踊ってみてはくれないか?」
またも男の謎の言葉。だが、彼の言う「昂り」の示すものはすぐに少女の目の前にあらわれた。
太く長く、まっすぐ上にそそり立つ陰茎。血管が浮き立ち、わずかにビクンビクンと脈打っている。
それが、彼女の頬に押し当てられた。
「君に再びエスコート役をつけよう。さあ、この昂りを君の口の中で優しく含んで、その舌で撫で回してくれ」
また唐突に、彼女の体の中に向けて突き入ってくるものがあった。
触手であった。だがそれは陰唇ではなく、少女の菊門を押し分けて、直腸の壁を強く突き上げたのだ。
触手は太かったが、その表面の粘液のせいか、不思議と菊門の痛みはなかった。だがその代わりに、直腸を突き上げる激痛が少女に襲い掛かる。
「がぁあ! ……うぁ……」
多分触手が動き回れば、そのまま少女は気絶していただろう。
だが触手は、時々痙攣するかのようにピクピク動く以外は、ほとんど動くことなく直腸の中におさまっていた。
とはいえそれだけでも、少女にとってはくるしく、くすぐったかった。
「あ……んっ……」
触手の侵入をこらえる少女の口に、男は自分の一物を押し込んだ。
「さあ、歓喜の踊りを僕の間近に見せてくれ!」
「う、ぐむぅう!」
口に男のモノを入れられた……。排泄物でもあり、あるいは生殖器でもあるその赤黒い肉の棒を押し込まれ、少女は喉を詰まらせる。
だが、一度男の前で快楽の渦に溺れてしまった少女の心が一線を超えてしまうのはあまりに早かった。
「ふぅん……む……ぬむっ……」
少女は口の中の男の亀頭を、その舌でちろちろと撫で回す。
触手に菊門を貫かれた尻も、彼女は動かそうとする。そのたび腸を刺激されるが、彼女はそれに反応して背を反らせる。
(……いっそ気持ちよくなりたい……ずっと気持ちよくなれるなら、もうこの人のおもちゃになっていい……)
「む……ぬぷ……う……」
口角からよだれを漏らしながら、触手に貫かれた尻を時々動かしながら男の肉棒をしゃぶる、
恥ずかしいチュチュを着た少女。
媚びるように首をかしげて、上目遣いで男の顔を見た。