股の花

 男の前に立たされた裕美は、震える両手で股間を隠していた。
(もうもとの綺麗な身体には戻れない……!)
 さして興奮もしていないのに、大きく実った乳肉の頂きから対称になって外側斜上に突き出たピンク色の乳首も異性に見られるのはとても恥ずかしい。なだらかな、絶妙な曲面を描いたウエストのくびれを見られるのもいやでしょうがない。張りのある逆ハート型の尻たぶも、奥まで手入れした縦割れの臍穴も、こんな男の目の前に晒されていると思うだけで、おぞましさと恥ずかしさに頭がくらくらしそうだ。
 しかし身体のどんな部位以上に、裕美は股間の部分だけはどうしても彼の目の前であらわにしたくなかった。
 そこまでその部分を恥ずかしい部位に仕立て上げたのは、他でもない、目の前に立っている男だ。顔見知りではない。数日前、夜の電車に乗っていた時に唐突に、しかも堂々と身体に触れてきた痴漢である。
 何もかも手際が良すぎた。ドア付近に立っていた裕美はそのまま壁際に押さえ付けられ、口にハンカチを詰め込まれて声を封じられてしまった。そしてさっそうとスーツに手が潜り込み、まるでマッサージでもするかのように、しかしどこか甘い誘惑をするかのように、巧みにまさぐられる。なんとか裕美は抵抗しようとしたが、男の強引なペースから脱することは出来なかった。敏感な乳首を探り当てられ、さらにショーツの中に息を潜めていた肉裂を執拗にこねくり回され、タイトスカートの中にでっとりと生暖かい精液をぶちまけられてしまった。唐突で、しかも今まで味わったこともない恥辱に、裕美はショックのあまり全く何もできなかった。そんな彼女を、男は容易く自分の家に連れ込んでしまった。
 もちろんそれからの数日を無事に過ごせたわけではない。それこそ起きている間は延々と、調教にも似た性戯と愛撫、有無を言わさぬセックスに明け暮れる日々であった。
 かくして、それまで男を知らなかった裕美の身体は、数日で淫欲に従順な肉体に仕立て上げられた。今の裕美は乳首を弾けば背筋をぴんとわずかに反らして跳ね上げたような声をあげ、下腹部を微妙なタッチでさすってやれば、白い乳房を弾ませてかすれたような甘い喘ぎの息を弱々しく漏らす。
 今両手で隠している部分を彼の前に自分から晒してしまえば、この卑猥な身体が完成してしまうかもしれない。そうなれば自分は、今後ずっと出口の見えない淫獄の奥底を彷徨う痴女さながら、この男の前で恥態を振る舞う生活を送ることになってしまうだろう。
 それだけはいやだった。
「今さら減るもんでもないだろ? 夕べにしたってソコで美味しそうにオレのチンポ頬張ってたじゃないか。折角デコレーションしてやったのに、隠してたら意味ないじゃん」
 正直、男は醜男であった。異様に迫り出したイボのある腹をはだけたパンツ一丁の姿で椅子に座っている。
「……見せろ」
 すごむように男が言った。だが裕美はセミロングの髪を振り乱して首を横に振る。きゅっと目をつむり、唇の片端を強く噛んでいる。
 男は舌打ちすると、椅子から立ち上がって彼女の腕に手を掛けた。
「見せろって、ほらぁ!」
 右手、左手、力づくで払いのけられ、さらに両手首をしっかり掴まれて、再び隠せないようにされた。裕美は反射的に腰を引いて内股になったが、無駄であった。
 陰毛はほとんど反りあげられていた。くすんだ赤色の肉襞を少しはみ出させた、見てるだけで匂いたちそうな淫裂の上端あたり、ちょうどクリトリスの上のあたりに、たった少しだけ生えているのみ。
 その陰毛の茂みも、アブノーマルに手入れを施されていた。
 根元からすっかりブリーチで色を抜かれ、さらにヘアカラーでショッキングピンクに染めあげられている。その上に強力な整髪剤で、かっちりと小さくまとめられていた。
 その形は、ちょうど梅か桜の花。硬い陰毛はピンクに染め抜かれてなお、その異妙な艶やかさを残して、部屋の光に輝いている。
「やらしいマンコの上にさらに活き活き花咲かしてよぉ。すっかりインラン娘だよなぁ、あ?」
「や、いやっ!」
「ほら、夕べみたいにクッチクッチ濡らしてみろよ。何なら手伝ってやるよ」
 裕美の手を離した男の手指の先が、あたかも柔らかいコンニャクに入れた切れ目に潜り込むかのように、肉裂の中に埋まる。そこからもぞもぞと震えるように動かしながら、膣の入り口目指して奥へ進む。
「……んうううっ」
 裕美は眉間に皺を寄せてぎゅっと目をつむり、身体の中にじわじわ侵入してくるこそばゆい異物感をこらえようとする。だが彼女の白い裸体は気持ちに反して、指の動きに操られるかのようにクナクナとよじれる。
 膣の口に辿り着いた指が、今度はくすぐるように細やかで控えめな、まるで貧乏揺すりのようなピストン運動をし始めた。
 すると裕美は、それにたまりかねたように激しく腰をふるふると左右に動かし始めた。
「やっ、あああっ! いやあっ!」
 目に涙を溜めて叫び、掴まれていない片方の手をいじくられる股間に持っていく。だが男の手に触れるや、指の動きは唐突に速くなり、しかもさらに奥にずぶずぶと侵入してきた。
「ああああっ、いやあああっはあああぁっ!」
 膣肉に、処女を突き破られた時の記憶がフラッシュバックする。膣の粘膜を抉る大きく突っ張った亀頭のエラの感触と男の肉銛の抽送の激しさが、その時のロストヴァージンの痛み以上に深々と刻み込まれていたのだ。
 男の指は肉棒よりもはるかに細い。だが裕美の肉筒は、その指の動きですら敏感に反応した。心臓の鼓動以上の激しさで膣壁はビクビクと痙攣し、肉唇はきゅうううっ、と固く指を締め付ける。
 我慢しきれなさそうにひくんひくんとうごめく肉襞の奥から、むんとした濃厚な淫臭を漂わせた、ほんのり白く濁る粘っこい汁がこぼれ出てくる。それは男の激しい指の動きにあわせてまたたく間に秘唇全体をぐちゅぐちゅに濡らしていく。
「さっきからイヤイヤいってる割には、あっという間にぬらしてるじゃないか。なんだこのいやらしい匂いはよぉ」
 ぷぴゅりっ。
 腹側の膣壁に強く食い込ませながら、男はゆっくり指を抜く。愛液は一方で床に飛び散り、一方ではねっとりと名残惜しげに糸を引く。
 膨らみかけたクリトリスをなぞり上げて、
「ひっん!」
 そのまま愛液の後を引きながら股の花、臍の穴、胸の谷間と上に向かってなぞりあげ、裕美の口に含ませた。
「うむうううっ!」
「ほれ、うまいだろ。お前がアソコからこぼしたおツユだもんなぁ?」
 口の奥まで侵入しようとする男の指を、なんとか裕美は首を振りたくって吐き出した。
 だがそれで男のいたぶりから逃げられたわけではない。
 即座に後ろを取られると、両脇から回された男の手に両乳房をとられてしまった。
 柔かい乳肉に指を食い込ませ、握りしめてくる。手のひらでその感触を堪能するかのように、指の一本一本でたぐり寄せるように揉みしだく。裕美の両乳は無抵抗にも、彼の手指の動きにただ翻弄され、その形をゆがめられていく。
「思い出すよなぁ。お前と初めて逢った時をよぉ」
 濡れそぼった裕美の股に、男の無骨な脚が通される。
「夜中の電車でいい女がいると思って早速手をつけてみたら、身体もなかなかの感じ具合だったもんなぁ」
 と、男は裕美の脚の間に通した太ももの部分で巧みに彼女の秘唇をこすり上げ始めた。
「ちょ、だめ、やめてっ!」
「今さらいやがるのかよ。でもまぁ、あん時のことを再現してるみたいでいいや、へへ」
 男は自分の身体を一層密着させ、ゆっくりと体重を裕美の上半身にかけていく。そうすることで、裕美の淫裂がさらに男の太ももに擦りあげられる。さらに、つんと立った乳首を両手で摘まみ上げて前に引っ張った。
「ひっ、痛っ! 痛いっ!」
 裕美の背筋が弓なりに反り上がる。それにあわせて彼女の腰が突き上がるような形になる。
 そこに、男の太ももがさらに彼女の肉裂やクリトリスをこすり、揺さぶる。
 愛液でヌルヌルになっていた肉襞は、ぷちぶちゅっとねちっこい音を立てて、ただなすがままに太ももの上でこねくりまわされる。
「やはっ、あああっ、だめっ!」
(そんな……私……)
 裕美がどれだけ我慢していても、熱く火照り始めた肉壷の奥からどんどん愛液が溢れ帰ってくる。じんじんと、痺れにも似たむずがゆさが彼女の腰にじわじわとくすぶる。
 それが、男との交合の記憶と重なっていく。
(ああ、駄目! もう、我慢できないぃっ!)
「あああああっ……!」
 尻たぶにえくぼを作って、裕美は自分から腰を前後に揺さぶり始めた。男の太ももに濡れそぼる肉襞をすりつけて、ぐに、ぐにと背筋をわずかに弾ませながら動かす。
「はははは、自分で腰動かしてら! そんなに気持ちいいのか? だったらほれ、もっと動かしてみ?」
 男はさらに彼女の腰の動きを促すかのように、左右の乳首を交互に引っ張る。
 イヤイヤでもするかのように身体をゆさぶりながらも、裕美はさらに腰をくねらせる。
「んあああぁ、ああっんっ」
(……気持ち、いい……)
 口に溢れてくる唾液をなんとかこぼれまいと顔を上げながら、しかし裕美は脳をじわじわと押し上げてくるような快感に舌を震わせる。
(もう、いいの。もうこのまま……このままでいいっ!)
 男が脚を動かさなくなった後も、裕美は自分でさらに腰を揺すって秘唇を擦り上げていく。それこそ一振りごとに強く押し付けるものだから、男がバランスを崩してふらつく程であった。
「よおしよし、じゃあお前がやりやすいように椅子に座るから、今度は俺の方を向いてやってもらおうかなぁ?」
(ああ、もう逆らえない。アソコがうずうずしてたまらない……)
 ――ひょっとしたら、男に痴漢された時にもう運命が決まってしまったのかもしれない。これから私は、クリトリスに綺麗な花を咲かせて発情する性のペットとしてこの男に飼育されるのかしら?
 抵抗もせず言われるがままに、裕美は屈服する自分を感じながら、再び座った男の片脚にまたがる。今度は自分からややガニ股になって。
 幾分か股を開いたおかげで、股の花が男の目の前によく見えるようになる。愛液に濡れた包皮から顔を出しかけているクリトリスもあいまって、その光景は咲き始めの梅か桜を思わせた。
 濡れ濡れの肉襞は、男の脚のわずかな起伏すら快感に変えていく。生えている太い毛も、肉襞に絡めばどこか痛くこそばゆい、マゾヒスティックな性感となる。
「はああ、ああっん、あぁ……」
 彼女の口からだらしなく涎が垂れ、首筋を伝った。
 だがそんなことはおかまいなし。涎を拭おうともせずに裕美は両手をそれぞれ自分の両脚に置いて、ひたすら腰を前後に揺する。
 彼女の半開きの口に、男の唇が重なった。
 だが口の中に入ってくる彼の舌を、裕美は拒もうとしなかった。むしろ彼女は、そのいやらしくぬめった唾液にまみれた自分の舌を絡めていった。
 ――もうこれからも、私はこの人になされるがまま……
 そう考えただけで、裕美はアクメに達しそうになる。

戻る

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!