鬼畜魔王ランス伝
第10話 「緑の里にて…」 守備兵として軍曹ハニー4体が指揮する合計200の魔物を残し、魔王軍はパリティオランを出発した。そのまま魔の森を目指すが、一行の行く手を塞ぐようにそびえる要塞があった。魔路埜要塞である。 「う〜ん、見るからにやっかいそうだぞ。アールコートちゃん、どう思う?」 「はい。こちら側から近づいてもかなりの損害が出そうですね。」 「あんなの上を飛び越えれば簡単じゃない。」 「できればな。全軍は無理だ。」 「ふ〜ん。で、どうするの?」 「決めた。迂回する。あんなのの相手するのは面倒だ。」 「え〜、魔王の力でふっ飛ばせば楽じゃない。」 「駄目だ、俺様が疲れる。……まあ、森までは続いていないだろうから、北に回れば大丈夫だろ。」 「おかしい……」 迂回を始めてから3時間。魔王軍は一応は整備された道を行軍している。当然ながら荒野を行くよりもペースは早い。 「何がですか?」 「この先に街がある訳でもないのに道がある。どうしてだ?」 「確か、この先に“緑の里”があると聞いてますが。」 「緑の里? 何だそれは?」 「緑化病という10代の女の子がかかる伝染病にかかった患者が送り込まれる……隔離施設ですね。緑化病は未だに治療法が見つかっていない不治の死病といわれてます。」 「そうか(10代の女の子だけ……こいつはウハウハだな)。」 キサラの説明にあらぬ妄想を膨らますランス。 「で、どうしますか? 王様。」 「おう。俺様が先に行って様子を見て来るから、お前らは後から付いて来い。到着したら石人形を伝令に出して外で待て。」 「はい。」 高速飛行魔法で先行するランス。メガラスに匹敵する飛行速度は伊達ではなく、普通に歩けば1日はかかるぐらいの距離を30分で到着した。 「ふっふっふ。良し、入るぞ。」 ランスはのしのしと緑の里に入って行った。 「あの…どちら様ですか? ここは健康な方のいらっしゃる場所では…」 「俺様は、ランスだ。君は?」 「あ…はい…キャロリと言います。」 「緑色の肌…君も病気か?」 「はい…」 「でもそのいでたちは、どう見ても看護婦さんだ。」 「あっ…ああ…これですか? 発病はしましたけど、まだ動けるので…動ける間は、苦しんでる仲間を助けたいと思って…」 キャロリは、はかなく笑った。それはどこか寂しそうで…そして、ランスの嗜虐をそそる笑みだった。 「時に…キャロリちゃん。」 「はい?」 「君は、恋人はいるかね?」 「……えっ……いえ…」 しかし、キャロリの頬は、ぽっと赤く染まった。 『むう…恋人はいなくても、好きな奴はいると見た……しかし! そんな事で、俺様が引き下がるか!!』 「そうか…それは寂しい思いをしたな。その寂しさ、この俺様が埋めてやろう!!」 「えっ…」 「がははははははははははは!!」 「きゃあああ!!」 ランスはキャロリに襲いかかった。抵抗するキャロリを、ランスは後ろから無理矢理に犯して処女を奪い、あまつさえ全身を引き裂くような激痛にさいなまれ苦痛の悲鳴を上げるキャロリに対して中出しを敢行したのだった。 「んっ…んんっ……」 痛みと…異物感から解放され、キャロリはようやっと人心地ついた。 「ああ、良かった。どうだった? キャロリちゃん。どうやら初めてだった様だが…」 「ランスさん! お願いですからっ…検査を受けて下さい! 緑化病は10代の女の子にしかかからないっていうのは迷信かもしれませんよ!」 「そうかなぁ…?」 「もう…嫌なんです…私…これ以上…この病気の為に、不幸になる人を見るのは……」 キャロリの目に涙が溜まった。 「ま…待て、泣くな。俺様は女の子に泣かれるのは…」 「だったら…!」 「……え?」 「……?」 ランスの目の前で、キャロリの緑色だった肌が、みるみる健康な肌に変わって行く。 「キャロリ…お前……鏡だ、鏡!! 鏡を見て来い!!」 「どうしたんですか?」 「いいから、早く!!」 「えっ…きゃあ!」 ランスはキャロリを抱き上げると家の中に走って入った。 「う…嘘…どうして……」 鏡を見て、自分の肌の色が正常な色になっているのを確認し、キャロリが呟いた。 「俺様の奇跡だな。」 「そんな…ランスさん…」 「……フェリス。」 「はい、マスター。」 ほとんど即座と言ってもいいタイミングでフェリスが虚空から現れた。 「キャロリちゃんを検査してやってくれ! 緑化病かどうか。」 「はい、マスター。……」 フェリスは手をかざすと、病状検知用の魔法を起動し、全身を素早く隈なく走査した。キャロリと、ついでにランスも。一応言っておくと、フェリスは病人の死期を調べて魂の回収を容易にするために、この魔法を修得しているのだ。ちなみに、フェリスは病気を治療する魔法は修得していない。 「何で俺様も調べる?」 「こういう病気は、呪いの場合も考えられます。その場合は、解除した施術者に呪いが伝染する可能性を考えたのですが……。ふたりとも反応は陰性……健康体です。」 「そうか。で、どうして治ったか判るか?」 「いや、私に判るのは病気かどうかと現在の病状ぐらいです。そういうのは医術者か研究者じゃないと。」 「……そうか……ふむ。」 何かを思い付いたかのように、ランスは手を拳でポンと叩いた。 「フェリス。ハピネス製薬に行ってローズさんって言う研究者を連れて来い。」 「はい、マスター。」 「しばらく、やっかいになるぞキャロリちゃん。あとから俺様の部隊がくるからそいつらも野営させてくれ。」 「はい……それはいいですけど……何をする気なんですか?」 「まあ、俺様の知り合いを呼んで緑化病の治療法の研究をさせる。実例があるから早いんじゃないか。」 「そうなんですか……ありがとうございます。でも、何故そんなに親切なんですか?」 「俺様は可愛い女の子には寛大だ。」 「はあ、……そうなんですか。」 半信半疑で肯くキャロリ。そこにぐったりとした女性研究者ローズを連れて来たフェリスがテレポートして来る。 「お待たせいたしました。」 「おう、早いな。ところで、騒ぎにはしてないか?」 「はい、ちょうど独りになった所を拉致しましたので……」 「そうか。では下がれ。」 「はい、マスター。」 「え……と、フェリスさんって……」 「おう、元悪魔で俺様の部下だ。」 「…………」 そんなこんなしている間に、ローズが目を覚ました。 「……ん……ここは…ランスさん!」 ローズは、視界内に居る見覚えのある戦士に声をかける。以前に、自分の事を“俺様の女”と呼んだものの、ここ数ヶ月のあいだ音沙汰のなかった戦士に。 「元気だったか? こっちは忙しくて連絡できなくて……悪かったな。」 「いえ……いいんです。で、ここは?」 「緑の里だ。実はローズちゃんに頼みがあってな。……緑化病の治療手段を研究してもらいたい。」 「ええっ……無理です。緑化病は治療不可能な不治の病で…」 抗弁するローズの言葉を遮り、ランスが決定的な言葉を吐く。 「心配するな。ここにいるキャロリちゃんが緑化病の治療例の第一号だ。俺様が中出ししたら治った。」 「えっ……中出しって……」 顔を赤らめるローズとキャロリ。当然内心も複雑だろうが。 「おう。やってくれるな。」 「ちょっと、待って。今回の事……研究と私に会う事と……どっちが優先だったの?」 「まあ、今回の事件はきっかけでな。医学の研究と言うとお前(の躰)を思い出してな。久しぶりで会いたく(そして、やりたく)なった。」 あっさり、きっぱり、言い切る。まあ、括弧内の事までは口には出さないが…。 「……そう。判った、引き受ける。でも、検査に必要な道具はある?」 「えっと……多少はありますけど。」 キャロリに里の医療器具と薬類を見せてもらったローズはひとつ肯く。 「当座は充分ね。多少足りないものもあるけど。」 「わかった、それは調達させる。で、どんなものが要るんだ?」 それから一晩が過ぎた。久しぶりの再会で張りきったランスがローズを気絶するまで可愛がったり、ようやく到着したランスの部隊が魔物だらけなのでひと騒ぎ起こったり、キャロリに事の顛末を聞いた緑化病の娘が5人ほどランスの天幕に夜這いしてきて、その場で完治したり……などの事件は起きたが、おおむね平和な一夜であった。特に、キャロリ以外の娘も完治したとの知らせは、不治の病だと思って絶望の淵で生きてきた緑の里の少女達に明るい希望をもたらしていた。ランスが、緑化病の治療方法を確立するためにしばし滞在すると聞いて、里の少女たちは大いに喜んだ。ランスとしても、緑化病にかかったせいか、思い切り出しても壊れる娘がいなかったのでホクホクである。 昼下がり、朝から10人を治療してもまだ枯れないランスは、木陰での昼食後、その食事を持って来てくれた緑化病の女の子を治療する事にした。素早く全裸にすると、ゆっくりと愛撫をして躰をほぐす。適度な準備が出来たとランスが判断した所で……まあ、実際にはランスが愛撫に飽きた所で……ハイパー兵器を後ろから突き刺した。女の子は、座っているランスの膝の上に乗ったまま、あまりの痛さに盛大な悲鳴を上げる。もっとも、朝から同じような悲鳴を大なり小なり聞かされている里の少女たちは、もはや気にも止めない。ちなみに、ローズとキャロリは家の一軒で治療法の検証作業中である。 だが、その悲鳴を聞き付け、鬼気迫る表情で駆け付ける影があった。 「あの声は……間に合ってくれ!」 その男は警備の魔物……ヤンキーを一瞬で撲殺、さらに走って声がする方向へ向かう。押し殺した悲鳴と啜り泣き、下品な笑い声が聞こえる方へと。 『俺の知らないうちにモンスターの群れが……そんな馬鹿な。』 その男……カイトが現場に駆け付けていた時には、当然ランスは真っ最中である。それを見て瞬時に怒りが込み上げたカイトは、ランスの背後から剛拳をランスに見舞った。手加減無しの攻撃、しかも連打である。もし、カイトが多少なりとも冷静なら女の子ごと撲殺してしまう危険を考えて、もう少し手控えるほどの攻撃である。だが、背後からの奇襲にも関らず、敵は急所に打ち込んだ拳の打点をことごとく外し、致命傷を免れていた。 その男……ランスは、小柄な躰を貫いているハイパー兵器と片腕で女の子を抱え、カイトに正対した。 「貴様ら……貴様ら人間は、そんなに弱者を虐げるのが好きか! ここに捨てただけではまだ足りないとでもぬかすか!」 じりじりと間合いを詰めながら体内の気を練り上げ、必殺の一撃を狙うカイト。だが、ランスは腰の動きを止めない。 「俺様はちょっと、取り込み中だ。用があるなら少し待て。」 「貴様っ! 残影乱舞!!」 カイトの必殺技……三体分身しての乱舞技……が放たれる。だが、ランスは女の子を抱えたままで、猛スピードで3方から放たれる拳撃と蹴撃の全てを回避する。 「なにっ! 馬鹿な!」 「ふーっごっそさん。」 急激な回避動作が刺激になったのだろうか、すっきりした顔でランスが呟く。ちなみに女の子はランスの腕の中で気絶している。ランス自身にはカイトの剛拳が何発かかすった跡があるが、女の子には1発も当たっていない。 「ほう。全部かわすつもりだったんだがな。褒めてやる。だが、この娘に当たったらどうする気だ?」 その一言でカイトの頭が冷えた。そして、その娘……カイトも顔馴染みの娘……の顔を覗き込んだ時、カイトはあることに気付いた。 「なに! まさか!」 そう、その娘の肌は緑から健康な普通の色へと変化しているのだ。 「そうだ。俺様はこの娘を治療していたんだ。勿論、了解も取ってある。それを何だ。いきなり殴りつけるとは。」 ランスは怒ってカイトを睨みつけるが、その視線と目を合わせる前にカイトは土下座をして頭を地に付けた。 「すまぬ、許してくれ。事情も知らず殴りつけた事、いかに詫びても詫びきれん。」 土下座をしているカイトを足で軽く突つくが微動だにしない。 「ふん、まあいい。お前がカイトか?」 「そうだが……何故、俺の名を?」 「キャロリちゃんから聞いた。お前、中々使えそうだから、俺様の部下になれ。」 「わかった。貴方にならば、従おう。で、貴方は何者か?」 「その問いが後とは面白いな、お前。では、教えてやろう。俺様はランス……魔王ランス様だ。」 ここまで騒ぐと、さすがに様子を見に出て来る人間がいる。その中にキャロリとローズの姿もあった。 「カイトさん、来てたんですか?」 「ああ。しばらく、やっかいになる。」 キャロリの頬が赤くなっている。普段なら、それを見逃すランスではないが、治療行為続きで満足しているので、いつもの数千倍は寛容であった。 「ところで、キャロリ。お前も緑化病が治ったのか?」 「はい。カイトさん。」 「という事は、あの治療を……?」 「……カイトさんのエッチ……」 既にキャロリの全身は真っ赤の茹蛸状態である。それを見たカイトはしまったという顔をする。ランスは既に立ち去ってローズの方に行っていた為、この気まずい状況に助け舟を期待する事はできなかった。……まあ、立ち去ってなくても男のフォローをするような性格ではないが。 「よう、準備はできたか?」 「ええ、何とか。今晩かけて色々と用意して……明日には始められると思う。」 「わかった。何か手伝う事はあるか?」 「う〜ん、事例が事例だから、緑化病とSEXの関わりについて調べるしかないわね。幸い緑化病の病原体は判別がされているから……サンプルの採取を頼みたいんだけど。」 「がははははははは。良し、判った。ただ、入れないと満足度がいまいちだから、第二ラウンドは入れるぞ。」 「わかったわ。でも、こういう資料は数があった方がいいから……そっちの人にも頼めないかしら。」 「サンプルの採取をか? 分った、まかせろ。」 ランスはサンプル採取用の瓶を取るとカイトの元へ向かった。 「好きです! カイトさん! 連れて行って下さい。」 「駄目だ。魔人の世界にお前のような心優しい娘を連れて行く事はできない。」 「でも…でも……もしかして、カイトさん。他の男に抱かれた女なんて嫌なんですか?」 この世が終わったような顔で呟くキャロリ、その青い顔からは生気が失せている。 「違う。だが、俺ではお前を幸せにでき…」 カイトが訥々と言い聞かせようとする、その台詞に被せてランスが呼ぶ声がする。 「おい、カイト。」 「はっ、ランス様。」 「お前に任務をやろう。お前のハイパー兵器から出た白い液体を、この瓶に採取しろ。なお、これは緑化病治療の資料になるから、そのつもりでな、がははは。」 その言葉は既にカイトにとっては殺し文句である。それに逆らう事はカイトには不可能だった。例え、どうやればいいのか途方に暮れる命令でも。 『ぬう、困った。どうすればいいか見当もつかん。』 眉根を寄せ、カイトは500年にも渡る生涯でも屈指のピンチを迎える事となったのである。さらに、彼の立場が揺らぐ言葉が続く。 「おっと、そうそう。俺様は近々人間界に攻め込む。そこで、ここの娘たちには人間界に戻るか、俺様たちと来るかを選ばせるつもりだ。別に、どっちにしても危険なんだから、連れて行ってもかまわないんじゃないか?」 「う……それは……」 「別に、お前がキャロリちゃんを嫌いなら話は別だが。」 ランスのその台詞に泣きそうになるキャロリ。そんなキャロリを見て動揺したのか、遂に決定的な一言を言ってしまうカイト。 「わかった。キャロリは俺が守る……それでいいか、ランス様。」 「ああ、任せた。」 『くっくっくっくっ。くそ真面目な奴をからかうのは楽しいぜ。キャロリちゃんは惜しいが……まあ、やれたんだし、良しとするか。』 顔を上げたキャロリは、まだ涙の残る顔を赤く染め、ランスに深々と一礼した。 次の日の朝、ローズはランスを呼び止め、研究成果の報告を行った。 「ランスさん。緑化病の抗体……治療手段が確認できました。」 「ずいぶんと早いな。で、何だ?」 「男性の精子です。」 「……つまり、男に抱かれて中出しされると治る、と。」 「はい、そうです。今まで緑化病の娘を抱こうという人がいなかったせいで、こんな簡単な事で治るって気付かなかったようですね。」 「ふっ、これで怖い怖いといわれていた不治の病……緑化病もこれで根絶だな。」 「はい。お役に立てて良かったです。」 「ところで、ローズ。」 「はい。」 「俺様は魔王になったので、今後は、おいそれと人間界に来られない。だから、今聞いとく。俺様と来るか?」 「……ランスさんはどうしたいんですか?」 「連れてきたい。だが、お前の意見を聞かせろ。」 「えっ……」 「無理強いは好きじゃない。それに片道切符だしな。」 かつて、ハーレムに入れたエレノア・ランに自殺未遂をされたのが堪えたようで、ランスも多少は人の言う事にも耳を貸す姿勢を身に着けたようである。 「私は…………お願いします。」 答えにならない答え。でも、それが答え。自分が好きになった人が、自分をどうしたいのか。それこそが、自分の選んだ答えなのだから。 結局、キャロリはカイトの使徒となり、ローズはランスの血を媒介としてシィルの使徒になったのだった。 ……この2日間で、めぼしい娘には全員手をつけたので、何も自分で全部“治療”する必要はない。何せ、キャロリに聞いた話では、里には緑化病の患者が重体の娘を含めて300人も居るというのだ。一人でやっていたんでは効率が悪い。2日で40人近くの相手をするといったハイペースを維持するのは、魔王の体力をもってしても容易い事とはいえない。そこで、ランスは部下……カイトに治療を手伝わせる事にした。 「では、俺に“治療”を手伝え……と……」 「おう。聞けば、お前は緑化病の娘の手助けをしたりしてたそうじゃないか。じゃあ、彼女らの病気を治すのにも協力できるな?」 「う……」 カイトは経歴からも性格的にも、こういう男女間の行為は得意な方ではない……はっきり言えば苦手だった。ついでに言えば、そういう経験も…ない。困る事だが、この命令を拒絶する事もカイトには不可能だった。彼女ら……緑化病の娘たちの治療に貢献できるのは、むしろ喜ばしい事だし、命令を下した主君に対しては感謝すらしている。 『ぬ……困った。否という事もできんが、どうすればいいのか…俺にはわからん。第一、俺みたいな奴が相手だと、あの娘らが壊れないか?』 ランスはそんなカイトを見てニヤニヤ楽しんでいる。 『う〜ん、やっぱりクソ真面目な奴が困っている図は笑えて面白い。しかも、今回の俺様は感謝されこそすれ、非難される確率は0%だ。がははは。』 悪趣味な“遊び”だが、無害なイタズラとも言える。 「がはははははは、じゃあ任せたぞ。俺様も“治療”に行って来る。」 言い捨てて、カイトの天幕を出るランス。そのランスが最後に見たカイトの顔は、全滅必至の敗軍の殿を務める将軍より悲壮感に満ちていた。 ……結局、胃を痛めるまで悩んだカイトはキャロリに相談を持ちかけ、更なる精神的打撃を受けたのち、半日遅れで“治療”任務に従事する事になる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ カイトは個人的に好きな方の魔人なんですよ。だから参加してもらいましたが、彼が本心から部下になるには緑化病イベントが欠かせないのではと思い、こういう形になりました。 |
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