サモンナイト3“剣製の魔術師”第一話
「「キャアア!!!」」
「ベルフラウ!!、アリーゼ!!」
アティは抜剣状態で敵を相手している。
この抜剣覚醒状態は圧倒的な戦闘能力をアティに与えているが、なにせはぐれ召還獣の数が多い、彼女一人なら簡単に切り抜けられるのだが、ベルフラウ、アリーゼをかばいながらの戦闘である。
しかも今の彼女には、得意の召還術に使えるサモンナイト石が無い。
彼女達は徐々に押されている。
アティが焦り、集中を乱した時、背後からはぐれ召還獣が少女2人に襲い掛かってきた。
(だめ、このままじゃ助からない。)
アティの心に絶望がよぎる。
(お願い・・・・、お願い!!、誰か助けて!!)
その願いは、アティ自身虚しい願いなのは解っていたが、願わずにはいられない願い、当然奇跡などは期待していなかったが。
奇跡は起こった!!
”おう!!、今助ける!!”
突如頭に響く、少年の声。
その声と共に、ベルフラウ達とはぐれ召還獣の間に光と共に現れる赤毛の少年。
俺は視界が落ち着くと、素早く周りの状況を確認した。
後ろには金色の髪とピンクの髪のイリヤ位の少女、正面には・・・・?、なんかテレビゲームで出てくるようなスライムもどき、少し離れている場所には銀色の髪の女性が一人、その手には・・・・?
ナンダアノケンハ?
反射的に解析しようとするが、何処かで拒否してしまう不思議なケン。
アレハケンナノカ?
この際、今は無視しよう・・・。
大体の状況を把握したので行動することにする。
多分俺が呼ばれたのは、この後ろにいる少女を助けるためだろう。
ならば、まず正面のスライムモドキを何とかするしかない!!
「投影、開始。」(トレース オン)
俺は、自分の世界に在る幾多の剣の中で、最も使いやすい夫婦剣”干将・莫耶”を投影する。
本当はアルトリアと同じく”約束されし勝利の剣”(エクスカリバー)を使いこなしたかったが、あれを投影するには魔力消費が激しいので、色々試した結果、アーチャーのこの夫婦剣が最もしっくりといったので使っている。
後で遠坂から聞いたのだが、アーチャーは未来の俺なんだそうだが・・・・。
”干将・莫耶”を両手に持ち、襲い掛かってくるスライムモドキの横面を剣の平で思い切り叩く!!。
「ビギャアアァァァ!!」
吹っ飛ぶスライムモドキ。
ソレを見た他のスライムモドキは、一斉に怯む。
・・・ふむ、脅せば何とかなるかも。
丁度反対側では、銀色の髪の女性が、勝利を抑えつつあるようだ(彼女も緑色のケンの腹でひっぱだいていたようだ。)
「・・・・・・・・。」
じりじりとスライムモドキにプレッシャーを与えながら前進すると。
「ピギャピギャ・・・・。」
戦意が無くなったのか、逃げ出すスライムモドキ達。
「ふう・・・。」
何とかなったので、取りあえず”干将・莫耶”を消し。3人の所に戻ることにする。
「貴方は何者ですの!?」
金色の髪の少女が、ピンクの髪の少女を庇いながら言ってくる。
何処か遠坂に似てるなあ。
「・・・・・・。」
ピンクの髪の少女は恐々と此方を見ている。
・・・・そんなに怖がらなくても(泣)
そして最後の女性は、その手にある緑色のケンを俺と同じように消すと、・・・・あれ?
突然、銀色の髪が俺と同じような、赤い髪の女性になった・・・。
「ベルフラウとアリーゼを助けていただいて、ありがとうございます。私の名はアティと言います。」
丁寧な人だなあ。
「いえ、此方こそ。俺の名前は衛宮士郎です。」
「シロウさんですか。変わった名前ですね、シルターンの人ですか?。」
何ですかソレは?
・・・・っと言うよりココは何処?
「取りあえず・・・。」
アティさんが言い出そうとするとき。
「「キュルル〜〜。」」
お腹が鳴りました・・・・。
しかも俺とアティさん・・・・。
そう言えば、朝ごはんもまだだったもんなぁ・・・。
「・・・・取りあえず、朝ご飯にしましょうか?」
そうですね。
(続く)
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