サモンナイト3“剣製の魔術師”第三十三話
そう思っていると、アルディラさんが「「緑の賢帝」(シャトルス)を抜け」と言った様に聞こえたぞ。
アティさんは首を横に振っている。
ホ・・・、どうやらアティさんも「緑の賢帝」(シャトルス)は怪しいと思ってくれているらしい。
”・・・抜くのだ・・・、お前には・・・その資格がある・・・。”
「が!?」
「シロウさん!?」
俺の心象世界、中央の池にある”青い剣”が反応している!?
”全てを・・・、継承せよ・・・!”
この声は・・・、俺に言っている言葉じゃない・・・、まさかアティさんに!?
そう俺が思った瞬間。
「うぁ、あああぁぁぁ!?」
アティさんから緑色の光が発せられ、勝手に”抜剣覚醒”状態になった!?
苦しむアティさん、それを目にしても無表情のアルディラさん。
「いけない・・・、ダメエエェェェ!!」
その様子に飛び出していくファリエルさん。
俺も飛び出そうとするが・・・、力が入らない・・・。
”剣が「果てしなき青」が共鳴している・・・、しっかりするんだシロウ君!!”
心象世界から、あの赤毛の青年の声が聞こえてくる。
く・・・そ・・・!!
俺は必死になって魔術回路を開き、この共鳴を抑えようとする。
「I
am the bone of my
sword!!」(体は 剣で できている!!)
ガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキンガキン!!
俺の体にある27の撃鉄が下ろされろ!!
な・・・何とか動けるようになったか・・・!!
相している間に、ファリエルさんは抜剣覚醒状態のアティさんに紫の”光”をあて、元の姿にする事に成功した。
「・・・・・・。」
そして、アティさんを庇うように、アルディラさんと対峙する。
「ファル、ゼン、さん・・・。」
息も絶え絶えのアティさん。
「大丈夫か!?アティさん!!」
俺も駆け出しアティさんのそばに行き、尋ねる。
「!?シロウさん!?」
・・・どうやら、大丈夫のようだ。
俺はアティさんを確認した後、ファルゼン化しているファリエルさんと、眉をひそめながら冷然と立っているアルディラさんを見る。
「ドウイウ、ツモリダ!あるでぃら?
ナゼ、ソイツヲココニ、ツレテキタ!!」
「見ての通りよ、彼女の剣の力で、遺跡を復活させようとしただけ・・・。」
「ワカッテイルノカ!?
イッポ、マチガエレバ・・・アラタナ、ガイテキヲ、マネクノダゾ!?」
「全部、承知した上で、やっているとしたら?」
俺は、ファリエルさんの言葉と、アルディラさんの言葉の欧州を聴きながらおかしく感じた。
・・・何か、アルディラさん様子が変だ。
目が若干虚ろだし・・・。
「・・・・!」
剣を抜くファリエルさん。
「ファルゼンさん!?」
慌てるアティさん。
不味いな・・・、ファリエルさん、一寸頭に血が上っているようだ。
俺は心象世界から”蒼炎・紅風”を何時でも投影できるように準備をする。
「分かりやすい反応ね、そういうのって・・・好きよ!!」
「あ、あの・・・、二人とも冗談は止めにしましょう?」
止めるアティさん。
そのアティさんの制止の声を無視して、切りかかるファルゼンさん。
「スプリクト・オン!!」
そう言いつつ、杖を振りかざすアルディラさん。
「止めて下さい!!お願いですから!!」
力が入らないのか、しゃがんだ状態で叫ぶアティさん。
「投影、開始!!」(トレース、オン!!)
ギイイイイイイィィィィィン!!!
俺は咄嗟に”蒼炎”でファリエルさんの剣を止め、”紅風”でアルディラさんの杖をはね飛ばした!!
「「!?」」
く・・・、ファリエルさんの剣を片手で止めようとしたが・・・、重い!!
だが、ファリエルさんも、打ち合った瞬間力を抜いてくれたので、何とか止める事ができたか。
そう思った瞬間。
「喚起の門」の外側から変な音が聞こえてくる。
なんだ!?
(続く)
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