サモンナイト3“剣製の魔術師”第三十


しかし・・・、あの場面で私を庇うなんて無茶ですよ?」

「けど、アティさんが危なかったんだ、咄嗟の判断ですけど間違っていないと思うんですけど・・・。」

「もし・・・、その所為でシロウさん、貴方が死んでしまったら・・・如何するんです?」

「俺は、・・・・あの時アティさんを庇わなかったら、一生自分を許せなかった・・・。」

「私は・・・、もしあの時に、シロウさんが死んでしまったら、一生後悔していました・・・。
それに私はもう二度と誰も死んで欲しくないですし、傷つくを見たくないです・・・・傷つくならいっその事・・・・私自身が・・・・・。」

・・・・・・・・・歪んでいる・・・・・・・・・

・・・・・・・・・俺も・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・アティさんも・・・・・・・・

・・・・・・・・・何処か・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・

・・




俺が意識を取り戻してから、4日ほどたった。

実際、俺はかなりの出血で、体中の血が足らず、リペアセンターで入院をしていた。

その間、ソノラちゃんに泣かれ、ベルちゃん、リゼちゃんにも泣かれ、ファリエルさんも一人できた時は、やっぱり泣かれ・・・、止めはアティさんに先ほどの会話の後、涙を出された・・・・。

・・・・きつい・・・・・

まるで空っぽの俺の心に、水が注入されたかのようだった。

正直アティさんが泣かれたのは辛かった。

その上、困ってしまった・・・。

俺が死んだら、皆が悲しんでしまう?

・・・如何すればいいんだ?

この入院中、考える時間があればこの事を考えてばかりだった。

・・・結論は出なかったけど・・・・。

他の護人達や、カイルさんやスカーレル、ヤードさんたちは

「あの場面ではしょうがない。」

と言ってくれたから、正直ホッとした。

しかし、あれ以降(アティさんが泣いた事件)アティさんの顔色が悪いように感じる。

本人曰く

「チャンと休みを取りながら動いていますから、大丈夫です。」

なんだそうだが・・・。

退院したついでに、ここは一つ・・・、何かご馳走を作るか?

・・・・よし、お菓子を作ろう!!

こうして俺は退院した後、まず代えの服(前の戦闘で俺の服はボロボロ・・・)を買うついでにメイメイさんに聞いてみようと、メイメイさんの店へ向った。


「なるほど、先生のためにお菓子を作りたいから、材料が欲しいのね?」

あいも変わらず酔っ払っているメイメイさんに事情を話す。

「・・・ええ、せめて砂糖とミルクがあれば良いんですが・・・ありますか?」

「ええ、あるわよ♪、それに小麦粉、ラム酒、・・・その他もろもろ一式全部あるわ♪」

・・・・・・なんで全部揃ってるんだ?

・・・考えないようにしよう。

「で・・・、御代なんですが?」

「ああ、お金の代わりに一寸やってもらいたい事があるのよ。
その事でウンって言ったら上げるわ。」

・・・何だ?

「えーと、むちゃでなければ受けます、取り敢えず言ってみてください、メイメイさん。」

その俺の言葉にニヤリとするメイメイさん。

「じゃあ、チャンと時間ができたらで良いから、剣を一本打ってもらいましょうね、にゃはははは♪」

・・・・・は?

俺が・・・剣を・・・・打つ!?

「・・・・本気ですか?
素人ですよ・・・・俺。」

「ええ、分かってるわ、でも貴方なら打つことができる・・・そう”創る”ことができる貴方なら・・・・。」

俺自身知らない心に、話しかけるように言うメイメイさん。

俺はその時、全てを見られているかの錯覚を覚えた。

・・・まあ俺自身、剣を打つ事は前々から興味あったし、このリィンバウムに来る前も、元気なかったイリヤの為に、イリヤの為だけの”斧剣”を創ってあげたっけ・・・。

「どんな剣になるか分かりませんけど、それで良いんなら、良いですよ。」

「じゃあ契約成立ね♪
毎度あり!!にゃははははは♪」

俺は代えの服(前と同じで青尽くめの服だった)とお菓子の材料を持って海賊船に戻った。

(続く)




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