何故ジャパニーズが生きているのかって?
そんな事を僕が知る訳無いじゃないか
うん、確かに君の言う通り、僕達ジャパニーズは何故かギアから目の敵にされ、この世から抹殺されようとした
其の証拠に家族を殺され、其の敵を討とうと奮闘している隻腕の女性剣士を僕は知っている
でも突然ギアはジャパニーズを全滅する事を止め、攻撃の手は緩くなった、だから僕もこうして生きている訳さ
理由?そんなの分からないよ、何でジャパニーズを全滅させようかとしたのかもね、まあ飽きたんじゃない?理由なんて大抵そんな軽い物なのさ
え?君は復讐とか考えないのかって?はっはっはっは、面白い事を聞くねえ、答えは一つ、そんなくだらない事考えた事も無い、だよ
過去に囚われても何も良い事は無い、そんな事より己のやりたい事をやった方が良いに決まってるじゃないか
まあ・・・それでも過去に拘りたいなら好きにすれば良いさ、僕は僕の道を行く、只其れだけなんだから・・・
新世紀EVANGELION
ROCK2『Triple Joker』 1
〜第3東京都市、ハイウェイ上〜
「・・・あんたねえ・・・人の話、聞いてる?」
いえ、全然聞いてませんともヒスオバサン♪・・・等と思ってるとは口にも出せないね、後が恐ろしい恐ろしい
「申し訳ありませんが聞きそびれました、此れでもか弱き人々を救うのが役目、移動時間にも気を抜けないほど忙しいんですよ?僕達は・・・本来なら国連内部でも下位組織に当たるNERVの召喚、其れも正式な召喚状も無しの呼びつけなど無視して然るべき物なんです、其れをこうして応じてるのも偏に団長たるカイ=キスク様の口添えがあったからこそ・・・其の当たりを理解して頂きたいものですね」
「そ、其の口の聞き方は何よ!!あんたのせいでこの都市は復旧に数ヶ月はかかる大ダメージを受けたっていうのに、何だってえのよ!!」
・・・本当に人の話を聞かないねえ、この女は・・・いっそ此処でギアに襲われたように偽装して抹殺しようか?其れが後々の世界の為だと心底信じるよ
「・・・何度も言うようにこの召喚は正式の物ではありません、この場で降りて帰っても此方としては何の問題も無いんですよ?本当に帰って宜しいですか?」
「あ、アンタねえ・・・一寸こっちが下手に出てれば・・・」
オイオイ・・・何時出たよ何時・・・本気で葛城とか言う精神不安定のヒス女をこの場で剣の錆にしてやろうと封空剣の握りに手を伸ばしかけたとき、助手席に座っていた金髪のオバサンが冷たい視線を葛城に向けたよ、ほほう・・・この殺気、そんじょそこ等の騎士にだって出せる物じゃないよ、中々やるじゃないか
「・・・良い加減にして頂戴ミサト・・・彼の言う通り、私達には彼を拘束する権利も無いの、やっと団長の口添えで来て貰える事になったんだからこれ以上話を難しくしないで、分かった?」
「グッ・・・そ、其れはそうだけど・・・リツコだって分かってるでしょ!!??こいつが来なかったせいでこの都市は!!」
それ以上は感極まったかブルブル震えながら彼女は無言で窓の外を指した、まあ・・・確かに酷いものだね、視界にあるのは瓦礫瓦礫瓦礫瓦礫・・・兎に角瓦礫が一杯、全く誰がやったのか・・・
「アンタよアンタ!!!何他人事みたいに言ってるのよ!!」
おや、口に出してしまってたか、どうも此れ(ミサトの事)の言い分をまともに受け取ると僕が父親からの召喚に応じなかったせいで使徒と言うギア並に厄介な巨大戦闘生物との戦闘に対する戦闘能力を大幅に欠く事になったそうだ
其れで彼らは已む無く都市の中心部でN2兵器を使用、其れによって第三東京都市ごと使徒を殲滅する事に成功したそうだが・・・見ての通り其の代償は大きかったという訳だ、しかし分からないのは何故僕が行かなかった事によって被害が此処まで大きくなったという事だ、確かに僕の戦闘能力も並じゃない方だと認めるがだからってねえ・・・其れに何か聞いても「向こうに付いてから話す」の一点張り、好い加減帰りたくなって来たなあ・・・
「退屈そうね?」
「分かりますか?」
「ええ・・・」
「なら此れを読んでおいて頂戴」
「何ですか?」
「NERVについての簡単な説明よ、着くまでには読み終えると思うわ」
そう言ってリツコが僕に渡して来たのは一冊のファイル、表にはNERVのロゴの入ってる結構分厚い奴だ、此れを着くまでに読めとは中々無茶を言うね、しかしまあこれ以上となりに座ってるヒステリーの権化の相手をする気はないし、大人しく読むとしましょうか
〜NERV内廊下〜
結局ファイルは移動中に読み終える量ではなく、僕は仕方なくこうやって歩きながら読んでる次第だ、どうせ大した情報は書いてないだろうけど真面目にやってますと言うスタンスだけでも確保しとかないとね
途中で此処の職員らしき人たちとすれ違ったけどまあ揃いも揃って敵意と言うか、憎しみと言うか・・・兎に角負の感情満載の視線を向けてくる、一体全体僕が何したって言うのさ本当に、こっちは命がけで任務を果たしてるだけだって言うのにね・・・まあ命がけってのは嘘だけど
「所で何処へ向かっているんですか?好い加減目的地を教えて頂きたいんですが。」
「そうね、今からネルフ総司令に会ってもらうわ、誰の事かは分かっているわね?」
「ええ…良く、ね。」
うっげえええええ…、やっぱり会うのかよアノ物体に!! 数ヶ月前に騎士団の報告書の隅っこに何の項目でかは忘れてたけど、何やらゴールドの名を持つ将軍様と同じポージングで指揮している所が写っているのを見たんだけど…何よアレ!?
黒いしグラサンだし髭だし…一瞬新しいギャングかヤクザ、マフィアの新興組織のボスの写真家と思ったよ僕は。アレで世界を救う組織のTOPだと言うんだから驚きだね、威厳が必要なのかもしれないけどアレは行き過ぎ、ただのチンピラにしか見えないよ。
なんて愚痴ってる内に着いちゃったみたいだね、リツコが面会の許可求めてるみたいだし…「断る!!」なんて聞こえて来ないかなぁ等と希望的観測をしてみたけど無駄だった様だ、なんかドア開いちゃったしね。
仕方ない、此処は腹くくってさっさと帰る算段でもしましょうか?
〜執務室〜
「司令、サードチルドレンを連行しました。」
部屋に入るなり軍人ぶったヒスオバサンがそう机に向かって口を開く、敬礼込で。しかし連行とはなんて事言うんだこの女は、まるで僕が犯罪者みたいじゃないか…全くお話ならないよ本当。
「御苦労。」
こっちはこっちで其れに反論挟まなかったし!!もう信じられないね、早い所こんなお馬鹿の巣窟脱け出さないと僕にまで馬鹿が移っちゃうよ、それは流石に避けたいしね。
「シンジ…何故召喚に応じなかった。」
開口一番其れかい、普通は御足労有り難う御座いますとか言うべきだろ、仮にも組織のbPが別組織のbQを呼びつけたんだからさ、其れも格下が格上のを。全くお話にならない位に脳味噌から礼儀とか、それに類する単語は抜け落ちたか腐り落ちるかしたんだね、もう涙出て来たよ本当に、こんなのとDNAが一部でも一致しているとは…
僕の人生最大の汚点だね、此れだけでも自殺する理由になるよ。ん?何か皆こっち見てるし、一部は睨んでさえいるし、全く怖くないけど何でだろう?………ああ!!僕の回答と言うか弁明を求めてるんだね?良いよ、模範回答を提供して差し上げようじゃないか。
「何か誤解があるようですね。聖騎士団に属する人員の派遣要求は例え国連最高機関、終戦管理局と言えども例外なく正式に召喚要請をした上で審議、受理の流れを行った上で初めて効力を持つ物です。それをあのような手紙一枚で本気で召喚しようとは国連を侮辱し、倫理道徳にも恥じる行為です、この事は既に国連事務の方へ通達済みですのでそのお積りで。」
おお、馬鹿の大将の後ろに突っ立ってた爺さんが渋い顔をしてるよ、本当は手紙が来た時点で即刻チクっておいたので最低限、苦情が行ってる筈なんだよね、愉快愉快。
「使徒の撃破は現在、国連の最優先事項だ。」
「確か其方は秘密組織の筈、現に情報は一切と言って良いほど入って来ませんし国連の最優先事項は現在でもギアの殲滅ですよ?使徒等と言う敵の存在は此方では確認していませんが。其れに其れほど重要な事柄なら尚更、何故正式な手続きを組んで召喚しなかったのです?」
「使徒の出現時期、場所、いずれも不明だ。事前の召喚は事実上不可能だ。」
「此れだけ大掛かりな迎撃都市を造っておいて時期も場所も分からないとはとんだお笑い種ですね。本気で仰ってますか?…兎に角、現段階で僕が貴方の召喚に応じる理由も留まる必要性もありません。此れで失礼させて頂きます。如何してもと仰る場合は今度こそ正式な手続きをふんで下さい。」
もう好い加減馬鹿らしい茶番に付き合ってらん無いよ、こっちも折れる気が無ければ相手も引く気はない、まあどっちにしろ正式召喚も無い訳だし、長居する義理も無い訳だからして…って言うだけ言って振り返ったら仁王立ちしたヒスオバサンがこっち睨んでるよ、凄い邪魔なんだけどな〜。
「申し訳ありませんが退いて頂けませんか?これ以上貴方達と関わる理由もありませんので帰りたいのですが?」
丁寧に言ってやったのに行き成り襟首掴んで喚き始めたよ、やれやれ頭がアレなら手足も此れだ、躾が全くと言って良いほどなってないねえ。
「アンタ好い加減にしなさいよ!!子供の駄々に付き合ってる暇は無いの!!権利だの手続きだの!!そんな事如何でも良いからアンタはこっちの言うこと聞いてチルドレンやって!!」
まあその後にも耳障りな雑音ですらない物を叫びたかったんだろうけど、此方としても付き合ってやる義理は無いし気分でもない、即座に封空剣の柄を握り、柄頭でヒスオバサンの肘のツボを押し、手を離させる。
更にオマケで鳩尾を、一応残ってる最後の良心って奴で手加減した柄頭で一撃してやる。手加減といっても鍛えた者の一撃、悶えて腹押さえてゲロまみれになりながら床を這いずってるよ、ウンとても笑えて少し気分が良くなったかな?一寸酸っぱい臭いがアレだけど。
そんな這いずり回るオバサンをニッコリ笑いながら一言お馬鹿の大将に投げかけて上げる事にする。
「まあ正当防衛という事で、一応階級から言って僕の方がこの人より上なんですよね。この件も上官侮辱罪として連絡して置きます…失礼。」
「シンジ、如何あっても拒む積りか。」
ふむ、悶える部下は如何でも良いか大将殿。リツコに手を貸して貰いながら此方に一応、本人は殺気でも籠めてる積りの視線を向けながら退場して行く最後まで喧しいだけのヒスオバサンに軽く目礼をして視線を髭面に向ける。好い加減しつこいね本当に、しつこいのは顔だけにしろって大声で叫びたいよ、ウン。
「拒否する以前の問題です、正式な召喚状が無い限り僕は此処に派遣される意思はありません。」
其れだけ言って僕は去ろうとしたけど次にこの髭面が放った言葉に、真に遺憾ながら足を止めざるを得なくなった。
「では『BREMEN』とお前の関係を然るべき筋に報告する事になるが…構わないか?」
うわぁ、なんて嫌な笑みを浮かべやがるんだこの物体、僕も吐きたいよ本当に。とは言えその組織の名前が出て来たとなると、僕としては真に不本意ながら立ち止まり、相手の話を聞かねばなるまい。全くもってアレだ、厄日?
「…お話を聞きましょう。」
相手の表情からして、僕は凄まじく苦々しい表情を浮かべてるんだろうね本当に。ああ…この部屋から出て行くのは大分先になりそうだよ。
取り合えず此処まで。使徒も出て来ないし何だか会話ばっかり、まあ次の次くらいからきっと戦闘に入るかと、あくまで多分。
何か設定について質問があればメールか掲示板で、答えられる限り答えます。
読んだ後は是非感想を!! 貴方の一言が作者を育て、また奮起させます