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 立ち上がったシリウスの表情は冷徹な支配者のそれで、リーマスは陶然と彼の彫刻のように整った美貌を見上げた。
 軽蔑を込めた灰色の冷酷な眸に映る自分の姿はあまりに矮小で、無慈悲に打ち捨てられることを心のどこかでリーマスは望んだ。しかし一方ではこの誇り高く、神の寵愛を一身に受けた美貌の少年を自分が貶めていることに歪んだ快感を覚え、どんな卑劣な手段を講じても自分に繋ぎとめておきたいと願う。いや、彼は今現在もそうしてシリウスを自分のものにしているのだ。
 ほんの少し前まで自分を掻き抱いて快楽に貌を歪めていたシリウスを思うと、すぐにもリーマスは言い知れぬ興奮を覚える。この誰より美しく、他者を圧倒する少年にそんな表情をさせたことを思い出すと、いつでもリーマスは自分を昂ぶらせることができた。そうして何度リーマスは頭の中で彼を汚したことだろう。彼に辱められることを、何度願ったことだろうか。
 その欲望は容易く消えそうにも無かった。








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