■□■ ラブラブあいしてる □■□
シリウスはいつもリーマスより早く起きる。先にシャワーを浴びて、朝食の用意に取り掛かる。それはリーマスの炊事能力に多大な不信感を抱いているからでもあり、単に彼の仕切り屋の性格がそうさせるのでもある。
朝食の下準備が済むと、シリウスは紅茶をいれる。温めのミルクティーをマグカップにいれ、二階の寝室でまだ休んでいるリーマスの元へ向かうのだ。故にリーマスの朝は、一杯のミルクティーから始まる。
それがいつもの風景。けれど惰性ではない。
たとえばある夏の暑い朝、寝苦しさにいささか疲労感の残る睡眠から目覚めたとき、リーマスは自然と表情が和らぐのを自覚した。いつもはミルクティーのはいったマグカップが乗っているナイトテーブルに、レモンスカッシュが乗っていたからだ。そんなときリーマスは思う。
ああ、あいされてるな、と。
〔おしまい〕
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