景気と経済政策(小野善康 著)(amazon)ブックオフで105円だったのを救出。1998年の本だけど、データだけアップデートしてやれば今書いたとか言ってもいいんじゃないのか。Money in the Utility モデル使って議論しているようなのを除けば、言っていることは悪くない感じ。金融政策は大して分量ないけど(金融で1章、財政と構造改革で3章)。
山形さんの批判の要点は、公共投資と言っても具体的に何をするのかわからないということだろう。確かに大したことは書いてない。で、わからないなら減税しておけよという。 そりゃ、案と順番が必要なのは言うまでもない。案は適当でいいならそこらじゅうで聞けば出てくるっしょ(そのために審議会とか懇談会とかいうのがあるのだろう)。実現できるまでの計画を作るのは官僚の仕事でいいと思う。費用便益分析とかやれば(理屈上は)順番は決められるはずだよね。山形さんは小野さんにどこまで求めているのだろう。私はどちらにしても(多分、案と順番の両方なんだろう)一人でやるような仕事量じゃないと思う。その意味で、具体案が書いてないからダメだろってのは少々かわいそうな気もする。誰に聞いても適当な案しか出ないと思う。じゃ、必要なことは誰がどうやってやる? 案はすぐに出せるとは限らないので、日頃からストックしておくことが必要だ。これも官僚に整理してもらっておくのが都合がいい。ただ、構造改革とか言って仕事減らせと言われ続けている役所が現在その機能を果たせているのかは心配だが。誰か分析している人はいないかな? 費用便益分析は誰がやればいいんだろう?役所で直接やるのはまずいだろう。予算獲得のために分析がゆがむ可能性があるので。もちろん、経済学者や民間エコノミストがやることになる。ネタに困ってる人がやればいい話。ただ、役所から直接依頼しても上記の問題は回避できない。都合のいい結果出してくれる人に頼むインセンティブがある。間に第三者機関を挟むほうがいいだろう。何にしても、すぐに用意できる話じゃない。時間が経つと分析結果も変わる可能性がある(分析者によっても変わるだろう)。不況になってから言う話じゃないわな。こういう仕事はいつでも必要だ。金額を削るだけの構造改革なんてくそ食らえだ。 |