- 81 :78:2007/02/07(水) 16:50:00 ID:K0OsOGRX0
- >>80
あぁ、ホントだ。
良かった。
簡単に引っかかって釣られてしまいました、反省‥。
- 82 :風と木の名無しさん:2007/02/07(水) 18:34:45 ID:u7OgjvC6O
- 釣られんなよ
- 83 :うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
- うふ〜ん
- 84 :69 69-:2007/02/07(水) 19:19:28 ID:MTudQOum0
- 受け攻めともにタイトルの年齢です。
苦手な方はスルーお願いします。
世を荒らす悪しき剣士がいた。
路傍に餓死者が転がっていた。
転がる餓死者に驚くものとていない。
荒んだ世の話。
荒んだ世にもまだ四季はあった。
いちはやく春の訪れを感じた猫柳が、他の草木に先駆けて、
ちいさな赤い花芽からふわふわの花穂(かすい)を伸ばし
山里に春の訪れを告げていた。
左善(さぜん)は逆光の中で輝く銀色の綿毛に、
老いてかつての潤いを失った指を伸ばした。
「やわらかい」
綿毛の輝きに触れ、老いた男はふっと微笑んだ。
- 85 :69 69-2:2007/02/07(水) 19:20:06 ID:MTudQOum0
- 元来ツンとしたところがあり、若い頃から
人前で感情をあらわにする事がなかった左善(さぜん)は、
無口で無表情だと云われつづけてきた。
老いたいまも丸くなることなく尖ったままだ。
だがいまは誰も見ていない。
春を告げる猫柳に微笑みかけ、左善(さぜん)は陽春に思いを馳せた。
これからもっと暖かくなっていくことだろう。
左善(さぜん)が猫柳の綿毛の如く輝く銀色の長髪を
手櫛でかきあげた刹那、後ろから声がした。
「ふわふわだろ?」
気配はまったく感じなかった。突然のことに左善(さぜん)は
身を小鹿のように跳ねさせ、あわてて顔を引き締めてふりかえった。
後ろの正面には、むかしから笑顔を絶やさず
朗らかで明るい空気を漂わせる男が立っていた。
つるりと剃った頭がのどかな光に照らされて、ややまぶしい。
「久しぶりじゃァねえか、左善(さぜん)。どうした?」
「五郎兵衛(ゴロウベエ)、お主に会いに来た」
- 86 :69 69-3:2007/02/07(水) 19:20:45 ID:MTudQOum0
- 「そりゃァ嬉しいねえ。何もねえが入りねえ」
五郎兵衛(ゴロウベエ)は、先刻垣間見た、指折り数えて
かれこれ十と七、八年ぶりの好敵手(とも)の笑みに気をよくしながら、
凛と老いた麗しい好敵手(とも)の背を押し、
猫柳の向こうの庵に招きいれた。
左善(さぜん)と五郎兵衛(ゴロウベエ)は、
同じの師に付き剣の修行を積んだ仲だ。
左善(さぜん)は、五郎兵衛(ゴロウベエ)の天衣無縫な
なぐり書きの書のような剣に超えられない壁を感じていた。
道場の試合ならともかく野っ原の実戦では
必ず斬られてしまうに違いないことに気がついてより五十年。
左善(さぜん)は、五郎兵衛(ゴロウベエ)に追いつくべく
常に必死でその背を追ってきた。
五郎兵衛(ゴロウベエ)は形(かた)にはまって自在になる、
左善(さぜん)の磨きぬかれた流麗な剣さばきに惚れていた。
五郎兵衛(ゴロウベエ)の目に映る左善(さぜん)は、
緻密で一点一画もおろそかにしない美しい剣の使い手だった。
この場合【美しい】は、剣と使い手の両方にかかる。
蝶のように舞い蜂のように刺す左善(さぜん)を、
五郎兵衛(ゴロウベエ)はいまなお深く想っている。
- 87 :69 69-4:2007/02/07(水) 19:21:18 ID:MTudQOum0
- 手を出すに出せず五十年。醸成された想いは、
湯で割っても力強さを失わない甕仕込みの焼酎さながら濃(こま)やかになっていた。
泣き虫のくせに人前ではけして涙を見せない、
甘えたいときに甘えない、そんな左善(さぜん)のツンとした面を
五郎兵衛(ゴロウベエ)はいとしく想っている。
そういうわけで五郎兵衛(ゴロウベエ)は、
庵に招きいれた左善(さぜん)から「助けてくれ」と縋られたとき、
老いて流石にかつての勢いを失いつつあった股間が高ぶった。
左善(さぜん)の弟子が気(フォース)の陰(ダーク)の
側面(サイド)に堕ちたとのこと。
世を騒がせている悪しき剣士は他でもない左善(さぜん)の弟子だった。
愛弟子を救うべく、師である左善(さぜん)を超える力を持った
若い弟子と剣を交え無様に敗れた晩のことをぽつりぽつりと語りながら、
左善(さぜん)は己ひとりではもうあやつを止められないのだと
五郎兵衛(ゴウベエ)に切々と訴えた。
- 88 :69 69-5:2007/02/07(水) 19:21:54 ID:MTudQOum0
- あやつを止めたい。世のため人のため。何よりあやつのために。
闇に浸りきる前に救ってやりたい。
本当はもっと早く五郎兵衛(ゴロウベエ)に縋りたかった。
手遅れになるまえになりふりかまわず助けを求めるべきだった。
だが、左善(さぜん)のツンとした面がそれを、
五郎兵衛(ゴロウベエ)に縋ることを拒んだ。
そうして若い弟子は、無力な老いた師を打ちのめし嘲いながら去っていった。
語りながら、老いて涙もろくなっていた左善(さぜん)は、
どうしようもなく涙にくれてしまった。
人前では無表情を通しているはずの左善(さぜん)が泣いている。
五十年以上にもなる長い付き合いで、はじめて目にした雫に
五郎兵衛(ゴロウベエ)は息をのんだ。
とても嗜虐心をそそられる眺めだった。
もっと泣かせたい。助けたい。辱めたい。抱きしめたい。
若かりし頃の肌の張りは、互いにもう今はすっかりなくなってしまった。
だが、老いて乾いた肌をたまらなく重ねたかった。
五郎兵衛(ゴロウベエ)は心ひそかに決めた。
手を貸す代わりに左善(さぜん)の尻を求めよう。
- 89 :69 69-6:2007/02/07(水) 19:24:38 ID:MTudQOum0
- 拒まれても押し倒す。むつきを変えるように股を割る。
自分もそうであるように、
二十歳のころよりぐっと弱くなっているはずの腰を労わりながらも激しく、
六十と九年誰にも荒らされることなく
ひっそりと静かな情感を漂わせてきたであろう菊座を犯そう!
「左善(さぜん)。お前が尻を差し出すなら手を貸してやる」
「お前もか……」
去り際、弟子に深く犯されたとのだと
遠い目をして告白した左善(さぜん)に、五郎兵衛(ゴロウベエ)は憤りを感じた。
左善(さぜん)が貫通されていた!
左善(さぜん)がよりにもよって自分を犯した男を闇に堕とすまいと、
らしくなく己に助けを求めに来た!
悟りきっていない五郎兵衛(ゴロウベエ)にとってそれらは
たとえようもなく、むしゃくしゃする事だった。
残り投下回数63。続く。
- 90 :風と木の名無しさん:2007/02/07(水) 19:49:11 ID:u7OgjvC6O
- もう続けなくていいよ。長すぎるしつまんない。
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