いやな予感は当たるものだ



食事の後、布団を敷きにきた仲居さんをつかまえていつまでも世間話をしていた栄純だったが、2人に抱きしめられてお日様の匂いのする布団に横たえられたら、もう逃れられないと観念するしかない




閉ざされた襖の隙間から微かに入る月明かりに照らされた、御幸と降谷のどこか辛そうな表情に、困ったような笑顔を浮かべて栄純は目を閉じた












「あ・・・あぁっ、もうやだぁ・・・!」







みっつ並べて敷かれた布団の真ん中をぐちゃぐちゃに乱して、栄純は与えられる快感の波にもみくちゃにされていた






シーツに顔を埋めて肩で息をしていると腰を強く引き寄せられ、何度となく男のものを受け入れさせられてトロトロに解された窄まりに再び熱いものを感じる




「や・・・やだ・・・」





イッたばかりでガクガクと震える下半身には力がまるで入らない
強すぎる快感は苦痛にすらなるのだと、イヤイヤをするように首を振るが
その願いは聞き入れられる事無く、次の瞬間強い衝撃が栄純を襲った





「うぁ・・・あっ!!」





揺さぶられる度に涙が散ってシーツに染みを作っていく





「栄純」
殊更優しく名前を囁く御幸はそれでも容赦なく栄純を攻め立てる





「も、やだ・・・御幸せんぱ・・・」
「ヤダは聞かねーよ」





脇に手を差入れられぐいっと身体を起こされると、膝にお座りをさせられているような恰好になり、尚一層深くなった繋がりに栄純は耐え切れず声を上げて泣き出した





「・・・泣くなよ」





宥めるように耳朶を噛みながら、竦んでしまった栄純自身に指を絡めようとする御幸の手が別の手で制される





「泣かないで」





不意に温かなものが涙に濡れた頬を包んで、栄純が恐る恐る目を開けると
困った顔をした降谷が自分の顔を覗きこんでいて、目元に、額に、鼻先に優しいキスを落としていった






「降谷ぁ・・・」




助けを求めるように伸ばした手をやんわりと掴まれて、
はむ、と唇を甘噛みされる




「栄純」





差し込まれてきた舌を栄純は夢中で辿った


吸って、絡めて、時々噛み付いて
どちらのものかわからない飲み込みきれなくなった唾液が口の端から溢れてきて、シーツにいくつもの染みを作る



息苦しくなっても、それでも栄純は降谷の唇を求めた





下から容赦なく突き上げてくる御幸からは逃れられず、
何かに縋っていないと、とんでもない声をあげてしまいそうだった





「んんんっ」





その時ダイレクトな刺激を自分のものに感じ大きく目を見開くと
降谷が自分のものと栄純のものを長い指で包んで擦り合わせていた



ダラダラと涙のように零れる栄純の先走りがその動きを助けて、くちゃくちゃとイヤラシイ音を立てる





「さ、触んなよぉ・・・・」





後ろから 前から
ひっきりなしに与えられる強すぎる快感は苦痛にすら感じ、栄純がしゃくりあげる度に内の御幸のものを刺激して更にグンと成長させて自分の首を絞める事になる







「栄純・・・愛してる」
「栄純・・・好きだよ」






耳元で繰り返される愛の囁き



名前を呼ばれる度に切なさと愛しさが身体を満たして、痺れるような甘い疼きに耐えながら栄純は震える声で2人の名前を呼んだ






ぎゅっと2人に抱きしめられて、逃げられなくて
息も出来ないほど辛いのに



なのに



その温もりが何よりも愛しいと思う








「俺も・・・好き・・・大好き」








涙に濡れた頬を緩ませて微かに笑うと
甘やかな痛みが全身に広がっていく








「・・・くっ」
「あ、あぁぁ!」
「・・・・っ」







絶頂を迎えたのは、殆ど3人同時で







自分の中にその迸りを受け止めた栄純は
ビクビクと身体を痙攣させながら目の前の降谷の肩口に噛み付く




そして耳元で囁かれる「次は、僕を受け入れて」という降谷の言葉をどこか遠くに感じながら、ついに意識を手放した










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