これはあくまでも作者の個人的な楽しみに基づくものであり、この小説の登場人物・設定
  等の著作権は、すべてクリス・カーター、1013、20世紀フォックス社に帰属します。
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フェイスレス派の私ですが・・・ちょっとコロニストが入っているかも・・・??!!


 「 二人のアイランド♪ 」 モルダーパニック編  by anne



 まさに二人の唇が触れ合わんとしたその時、どこかで大音量の目覚ましの音が聞こえた。二人の間
 にあった『いい雰囲気』も『その気』もすっかり覚めてしまうような下品な音だった。
 「・・・何処から聞こえるのかしら?」
 頭をモルダーの肩に持たせかけたままのスカリーが呟いた。
 「・・・あそこに僕達が持っていたリュックが流れ着いているよ、スカリー。」
 そう言って、未練たらたらのモルダーは、渋々立ち上がってリュックを手にとった。
 カチッ・・・
 目覚ましの音をとりあえず止める。そうしてスカリーの方を振り返ったモルダーは驚いた。そこには、
 ローブを手にしたクライチェックが立っていたからだった。

 「時間だぜ、惜しかったな、スカリー。」
 と言いながら、上半身裸のままだったスカリーの後ろにまわってローブをかけてやる。
 「・・・そう、残念だったわ、思いの他彼ったらぐずってるから・・・」
 スカリーは呆けているモルダーを見ながら、ローブのベルトを締め、と同時にため息を吐き出した。
 「でもまさに、あんたの言うとおりの展開だったじゃないか。あんたの勝ちだ、スカリー。」
 クライチェックはスカリーの頬に軽いキスをした。
 「全く・・・残念だったわ。・・・でも、嬉しい。モルダーと私、これから二人っきりになれると思うと
 ワクワクするわ。」
 やたらと馴れ馴れしい二人をじりじりと見ていたモルダーには、彼らの話がさっぱり見えない。
 「・・・説明してくれないか、スカリー。一体何の話なんだ? それに、クライチェック、お前は何しに
 来たんだ?」
 「俺か?そうだな、俺の役目はスカリーに期限の24時間が来た事を告げる役目さ。」
 クックックッと可笑しそうに笑って言った。
 「あの目覚ましだけでも充分だったのに・・・。もう少しで、私達・・・ねぇ。」
 スカリーはいつもと違って何やら艶かしく、唇を舐めてモルダーの方へ意味ありげな視線を投げか
 ける。と、モルダーの背筋に寒いものが走る。スカリーを手玉に取れたと喜んでいたが、実は自分
 が絡め取られたのか・・・?
 
 「私ね、黙っていた事があるの。」
 さっきの台詞をスカリーが繰り返した。
 「ある賭けをしていたの。・・・24時間のうちに貴方が私を"モノ"に出来るかどうかの賭けを。」
 「・・・それで、突然無人島に二人で放り出されたのか?」
 「そうよ。」
 と言って、含み笑いをするスカリーが今はとっても怖く感じる。・・・このスカリーは"僕の"スカリー
 なのか?
 「でも、貴方はあれだけ状況が揃っていたにも拘わらず、私の予想通り、最後まで"デキ"なかった
 わ。・・・そこがまた、可愛いんだけど。」
 スカリーは呆然としたままのモルダーの方へ擦り寄って、顔を一撫でし胸に手を当てて身体を添わ
 せた。モルダーには何がなんだか訳が解からないままだ。
 「だから、賭けは私の勝ちって事でいいのかしら?」
 そうスカリーが言ったかと思うと、それまでいたはずの海岸べりの風景がさっと消えて、ただの無機
 質な金属張りの殺風景な部屋が現れた。
 「この部屋は・・・?」
 「ホロデッキよ。」
 事も無げにスカリーは答える。
 (ホロデッキ?・・・スタートレックに出てきた究極のヴァーチャルリアリティを利用したやつか?・・・
 まさか。)そう、モルダーが考えていた時だった。

 「そう、スカリー君、君の勝ちだ。」
 その声は部屋の中で反響してこだまのように響いた。モルダーが上を見やるとそこには、大きなガ
 ラス窓があり、見覚えのある面々が並んでいたのだった!
 「恐れ入りますわ。」
 スカリーは上を見上げてから、敬礼を送っている。
 (・・・スカリー、君はこんな連中と取引を・・・???)
 「あの状況ででも、手をだせんとは情けない・・・。」
 そう言ったのはCSMだ。無表情のままいつものごとく、タバコの煙を吐いている。
 「全くだ、彼は本当に"男"なのか?」
 悔しそうなストラグホールドの顔。恐らく"デキ"る方に賭けていたに違いない。
 「まあまあ、楽しい見世物だったじゃないか。世界を牛耳る事が出来てこの歳まで生きていると、
 そうそう楽しい事にも出会わんからな。」
 なだめているのは、死んだと思っていたWMMか?
 「ダナ、残念だったわね。・・・私は飛び入りで楽しませてもらったけど。」
 マリタがキスを投げかけた。ニヤリと笑ってそれに答えてからクライチェックは言った。
 「お前、いろんな幻を見ただろう? あの中で、俺とマリタだけは本物だったのさ。」
 「貴方ったら、皆にモニターされている事を承知で良くやったわね。私はしない自信があったから
 こそ、この賭けに乗ったのよ。」
 (それってスカリー、僕を馬鹿にしてないか・・・?)確かにモルダーは踏んだりけったりだ。
 何度もそういう状況に陥りながら、結局手を出せなかったのだから。 
 「厚顔無恥が専売特許でね。」
 とクライチェックはしゃぁしゃぁと答えて、歩き出した。
 「さて、お望みのものに案内するよ、こっちだ。」
 「あぁ、モルダー、これで本当に二人っきりになれるわ。私、嬉しい。」
 スカリーはモルダーの腕にぶら下がるようにして抱きついていた。モルダーはここに来て始めて、
 胸の中にあった疑問をスカリーに問う事が出来た。
 「・・・君は何を賭けたんだい?」
 「解からないの? いつまでたっても貴方が私を抱いてくれないから、二人っきりになれる所を望
 んだの。・・・素敵でしょ?」
 「素敵でしょって・・・。そりゃ君と二人ならとは思うけど・・・。」
 (なんだか変だぞ。何処までが夢で何処までが現実なんだ。)とは思うものの、このままスカリー
 と二人っきりになれるという魅力のある話にはとても興味を引かれる。
 「ほら、これに乗れよ。」
 「・・・ターボリフトか?」
 そう言って、モルダーは唸った。まさかここは本当はエンタープライズじゃないのか?
 「お前、何を考えているか当ててやろうか?・・・誓って言うがここは23世紀でも、エンタープライ
 ズでもないぞ。ここはな、コロニストのUFOの中だ。」
 「・・・!」
 絶句。
 「第14番デッキへ行ってくれ。」
 クライチェックはそう言うと、
 「ショウチシマシタ。」
 コンピューターの合成された声が聞こえた。 
 すうぅぅぅ・・・
 静かに下へ下がり始めた。と思っていると今度は横方向へ移動している。・・・本当に、ここはかのエ
 ンタープライズじゃないのか? 僕が小さい頃見ていたあのドラマは、実はコロニストの技術をモデ
 ルに作られたものだったのか?
 そう考えているうちに軽い機械音が途切れ、シャッという軽い音がして、扉が開いた。
 ターボリフトを降りるとそこもまた昔TVで見た記憶のある、小型シャトルの格納庫のようだった。
 「そら、スカリー。あれが君のシャトルだ。航路は既に設定済み。君らはただ、乗り込めばいい。
 定期的にメンテに行ってやるから、安心しな。」
 「ありがとう、クライチェック。マリタと上手くやってね。」
 「ああ、あんたもな。」
 そう言ってモルダーの目の前で抱擁を交わす二人。
 (この二人は・・・???)
 まだ自分の置かれた状況を把握しきってないモルダーは「安心しろ」と言われて「はい、そうです
 か」という訳にはいかない。
 「ちょ、ちょぉぉぉっと待ってくれ!」
 「なんだよ、お前。未練がましいな。」
 頭の混乱しきっているモルダーにクライチェックは冷たく言った。
 「未練って・・・確かにスカリーと最後まで出来なかったのは未練だけれど・・・いや、そんな事じゃな
 いんだ。」
 「ねぇ、モルダー、行きましょうよ。」
 腕にしがみついたままのスカリーはモルダーを見上げて瞼をぱちぱちさせていた。街に立っている
 娼婦のようじゃないか・・・!
 「・・・このシャトルが君への・・・?」
 「そう、賞金よ。」
 「君は変だと思ってないのか?」
 「何を?」
 「・・・この全てだよ!」
 「何が変なの、モルダー。貴方の方がよっぽど変よ。私がビキニを着て、おまけにブラを取っちゃ
 ったっていうのに、ちっとも抱こうとしくれないんだもの、その方がよっぽど変よ。」
 (そういう問題か?)
 ねぇ・・・と言ってシャトルへと誘うスカリーにモルダーは待つように言ってから、クライチェックを
 柱の影へと引きずっていった。
 「・・・本当にこれは現実なのか?」
 「なんだよ、夢とうつつの違いもわからないのかよ。一発殴ってやってもいいんだぜ?」
 「・・・貴様ら、スカリーに何をした?」
 「何にもしてないさ。あれが彼女の素顔だよ。そのまま受け入れてやりな、この色男。」
 モルダーの顔が歪んだ。
 「・・・・・・さっき、航路は設定済みだといったな。」
 「あぁ。」
 「行き先は何処なんだ。」
 「それは俺にもわからん。行き先の惑星はコロニストが選択していたし、第一、地球の技術じゃな
 いから、俺にはさっぱりだ。でも羨ましいぜ、一国一城の主だ。男のロマンだろ? 惑星を一つ貰
 えるんだからな。」
 (そんなもの誰も望んでないんだ〜〜〜〜!!!)
 モルダーは心の中で叫んだ。
 「そら、スカリーがお待ちかねだ。」
 モルダーはスカリーのほうへと押しやられた。
 このまま乗ってしまっていいのか・・・という疑問はあるが、スカリーと二人っきりになれるというの
 には興味がある。

 ・・・自らの欲望を優先させていいのか、モルダー。
 いや、これは夢なんだ。だから、欲望優先でいいのさ。 
 ・・・本当に? 現実だったら、どうするんだ?

 自問自答を繰り返していたモルダーにスカリーは耳元で囁く。
 「ねぇ、素敵なシャトルでしょ。」
 「・・・・・・」
 「こっちへ来て頂戴。」
 スカリーに引っ張られた先の部屋へ入ってモルダーは驚いた。そこには、ピンクで統一されたイン
 テリアがおいてあり、ど真ん中にはキングサイズのベッド、それも天蓋つきだ。
 「ベッドも最高。」
 そう言って唖然としたままのモルダーはスカリーにベッドへと押し倒された。
 鏡張りの天蓋だ。でも、本当にこれでいいのか?・・・何をしているんだ、僕は・・・。
 ぼんやりしている間にスカリーはローブのベルトに手をかけていた。それを抑えてモルダーは言う。
 「スカリー、ここを出よう。」
 きょとんとしたスカリー。
 「何故?」
 「だって、おかしいよ。」
 「どうして? 私、貴方が欲しいの、・・・ダメ? 何かおかしな事言った?」
 「僕だって、君が欲しい・・・いや、そんなこと言ってる場合じゃないだろう?・・・何処に行くかも判
 らないんだよ?」
 「場所なんて何処でもいいの。貴方がいればいいの。」
 そう言ってキスをしようとモルダーに乗りかかる。
 「だって・・・ほら、食料だっているしさ、・・・」
 何とか踏みとどまる為に必死で会話を続けようとするモルダーに、にやぁと笑いを浮かべてスカリ
 ーは答えた。
 「あら、そんな事心配していたの?大丈夫よ、ほらレプリケイターもあるし。」 
 「・・・食料の合成機の事か?」
 「そうよ、食料だけでなく、生きていくのに必要なものはほとんど合成出来るわ。貴方小さい時、
 TVで見たでしょ?青いT−シャツ着て尖った耳つけて遊んでいたはずよ。」
 (何で、そんな事知ってるんだ、スカリー。)
 「・・・じゃ、転送装置もあるんだな?それで帰ろう。」
 「このシャトルには付いてないし、もしあったとしても、私たちには使えないのよ、モルダー。・・・
 でもさっきからどうして、帰ろうってばっかり言うの? そんなに私が嫌なの?」 
 「そうじゃないよ、スカリー。だって・・・何かが変だ・・・」
 「私ね、ようやく夢が叶うんだもん。帰らないわよ。」
 「???」
 「レプリケイターでは合成出来ないものって何の事だかわかる?」
 「???」
 「生命よ。ね、ワクワクしない?」
 「???」
 「だから・・・貴方の赤ちゃん沢山産んであげる。ね、モルダー、愛してるわ。」
 「君は・・・???」
 「グレイ達に身体は直してもらったの。大丈夫よ、だから、愛して頂戴。」
 「だって・・・!!!」
 「私を愛してないの?」
 「だから・・・違うんだって。君の事は愛してるよ、でも・・・。」
 「じゃぁ、抱いて。」
 「スカリー・・・」
 「ダナって呼んで。」
 「あ、あの・・・。」
 「私達二人っきりで創めるのよ、なんて素敵なのかしら?どう?アダムとイヴになった気分。今か
 ら行くところは『エデン』って名付けましょう。」
 「・・・・・・!!!」
 
 助けてくれ〜〜〜!!!!


 一方、シャトルを見送った面々の会話。

 「さて、第2弾の賭けを始めるとするか。」
 「モルダーとスカリーは子供を作る事が出来るのか、『エデン』は発展するか、だな?」
 「さあ、はってくれ。・・・私は『作れない』方に200万ドル。」
 「私は『作れる』方に300。」
 「俺は・・・」


 おわり。



 ああ・・・。
 壊れています、完全に。
 すみません、私の愛するスカちゃんを壊してしまいました。
 
 言い訳はしません。
 こんなもの書くようにそそぬかしたひよ様に感謝・・・?

 ご意見、お叱りなど、ありましたら掲示板もしくは下記アドレスまで。

 ccd32241@nyc.odn.ne.jp



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