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鉄砲と花・壱
コギト=エラムス/文


 「フンッ!!」

 「ぐわあああっ!!」

 ひと太刀でリーゼントの男は地面に沈んだ。

 「ふん、秘剣を使うまでもない」

 情けなく這いつくばる男たちを身ながら、素子は竹刀をしまった。

 

 帰宅途中、不良たちに絡まれている少年を見つけ、立ちまわりをした素子。

 不良たちは素子のひとまわり以上大きい巨漢ばかりであったが、素子はその体格差をものともしなかった。

 

 「あ、ありがとうございます!」

 メガネをかけた、見るからに気の弱そうな少年が素子の前に駆けよってきた。

 「ケガはないか?」

 優しそうな素子の視線。

 「はっ、はい! ありがとうございます!」

 優しそうな素子の顔が、少し険しいものとなる。

 よくよく見ると、その少年は景太郎そっくりだったからだ。

 「お前も男なら、もっとシャキッとせんか」

 素子の態度は一変し、ぴしゃりと少年に言う。

 「は、はいっ」

 素子の視線に、縮みあがる少年。

 「ふんっ」

 素子は鼻を鳴らすと、少年に背を向けて歩き出した。

 「あ...青山さん...」

 その後ろ姿を見送りながら、少年の顔は赤らんだ。

 

 . . . . .

 

 数日後、いつものように女生徒の取り巻きに囲まれて帰宅する素子。

 

 「素子さまぁ〜あ」

 そこに、黄色い声というより、黄土色のような声といった形容が似合う声をあげながら、妙に体格のよい女生徒が素子の前に駆けよってきた。

 いや、それは明らかに女装した男だった。

 ひと目でカツラとわかるセミロングの髪。

 体格のあまりはちきれんばかりの制服。

 スカートの裾がなびき、その間からちらりと覗く脚にはもっさりとスネ毛が。

 

 あまりの異様な女生徒の出現に、素子のとりまきは後ずさりする。

 「...どうしたのだ?」

 青ざめた顔の女生徒たちとは対照的に不思議そうな素子。

 「素子さまぁ、ご一緒してもいいですかぁ?」

 異様な女生徒は恥ずかしそうに肩をすくめる。

 が、身を縮めても素子を見下ろすほどの身長差がある。

 「うむ、初めてみる顔だな」

 素子はその女生徒を見上げながら言う。

 「も...素子先輩...その子...」

 「ん?」

 見かねた女生徒が「男ですよ」と言おうとした瞬間、巨漢の女生徒は素子の背後から鋭い眼光を投げつける。

 その眼光は女装と相まって不気味な迫力があった。

 「ひっ!」

 女生徒たちは小さく悲鳴をあげると、一目散に逃げだした。

 「? どうしたのだ?」

 逃げ出した女生徒たちを見て、相変わらず不思議そうな素子。

 「きっと用事でも思い出したんですわぁ、行きましょ、素子さまぁ」

 裏返ったような、不自然な声。

 「うむ」

 素子は巨大な女生徒と共に歩きだした。

 

 しばらく歩き、素子と巨漢の女生徒は人気のない公園へとさしかかった。

 先日不良たちにからまれた少年を助けた場所だ。

 

 突然、巨漢の女生徒が素子を見下ろしながら言った。

 「あっ、素子さまぁ、お顔になにかついてますぅ」

 その声に立ち止まる素子。

 「そうか?」

 細い指先で頬をなでる。

 「じっとしててくださあぃ」

 女生徒はポケットからハンカチを取り出し、素子の顔に近づける。

 「.....?」

 そのハンカチから香る匂いをかぐと、急に素子の瞳はぼんやりとしたものになる。

 「な...んだか...いい...におい...」

 そのままゆっくりと女生徒の胸に倒れこむ素子。

 「よし...」

 女生徒の醜い顔が、更に醜く歪んだ。

 

 . . . . .

 

 「ん...?」

 素子の意識が、ゆっくりと戻ってくる。

 「くさ...い」

 まず素子が回復したのは嗅覚。

 「だれ...だ?」

 次にゆっくりと視覚が戻ってくる。ガラの悪そうな男たちが、素子の顔を覗きこんでいる。

 「素子ちゃ〜ん、お目覚めかい?」

 次に聴覚に下品な男の声が飛びこんできた。

 「くっ!」

 その声に危機を感じ、愛用の竹刀を引きぬこうとする。

 ギリッ!

 が、素子の触覚に不自然な抵抗感が。

 「なんだ、これは!?」

 両手、両足はそれぞれ縛りあげられ、天井から吊るされている。

 「くっ、ほどけっ!!」

 自らの置かれている状況をようやく理解した素子は、渾身の力で暴れる。

 両脚は惜しげもなく開かれたまま縛られ、素子が暴れるたびにギシギシと軋んだような音をたてている。

 その様子を、男たちは下品な笑い声をたてて見ている。

 「貴様ら、こんなことしていいと思っておるのか!?」

 素子は一喝するが、自由を奪われた身体でそんな事を言っても効果はない。

 悔しそうに歯噛みをする素子を見ながら更に屈辱を煽ろうと、不良たちのリーダーらしき金髪の男が言った。

 「青山素子の公衆便女デビューにふさわしい場所だろ?」

 そこは意識を失う前に素子が通りかかった公園の公衆便所であった。

 壁は品のない落書きで埋めつくされ、便器は汚水にまみれて鼻の曲がるような匂いを放っていた。

 「ここの公園は俺たちみたいなのがたむろしてるから誰も近づかねえんだよ。だから、いくら声をあげても誰も助けにこないぜ」

 素子の性格上、助けを呼ぶことはしないとわかっていたが、一応念を押す。

 

 「さて...」

 金髪男が素子の制服の襟に手をかける。

 「さっ、触るな!!」

 素子の制止を無視し、金髪男は制服の襟を力をこめて引っ張った。

 びりりりりっ!

 素子の制服は破られたことによってはだけ、きれいな鎖骨が現れた。

 色っぽい首すじと、そこからわずかにのぞく胸元。

 

 想像以上の美しさに金髪男は触発され、雄たけびをあげながら制服につかみかかった。

 「ひひひひひひひ!」

 女の衣服を力づくで剥ぎとるというサディスティックな行為に心酔し、

 両手でびりびりと素子の制服をただのボロ布に変えていく。

 「やめろっ! やめろっ!」

 素子の制止の声と繊維が破れる音、そして男の雄たけびが便所中に響きわたる。

 この女は全裸にするよりも、身体を覆う布をわずかに残したほうが陵辱感を与えることができる。

 金髪男はそう考え、布を地面に落とさぬように引き裂いていった。

 

 身体を僅かに覆う引き裂かれた制服と、緊縛された肢体。

 あまりにも官能的な光景が、金髪男の手によって作りだされた。

 「くうううっ...」

 自分の身体をまるで見世物のように扱われ、悔しさのあまり呻く素子。

 「へぇ...お前、今どきサラシなんか巻いてんのか...」

 そう言いながら、サラシに手をかける。

 「触るなっ! 触るなああっ!!」

 素子は半狂乱になって叫んだ。

 びりっ...

 金髪男は器用に、巻かれたサラシの一番上の布だけ破いた。

 しゅるる...

 布ずれの音をたてながらサラシは緩み、その中に覆われた柔らかなものをわずかに覗かせた。

 「おおっ!」

 不良たちは金髪男の演出に歓声をあげた。

 

 ほどけかけたサラシの奥からちらちらと覗く素子のみずみずしい肌。

 そしてそれは、現代ではなかなかお目にかかれない古風ないやらしさがあった。

 

 「仕上げだ...」

 金髪男の手が、素子のスカートに伸びる。

 「やめろっ!! やめんか!!」

 素子は力の限り叫び、暴れた。

 「おいおい、そんなに暴れるとサラシが全部ほどけてオッパイが丸見えになっちゃうぞ」

 からかうように金髪男が言うと、素子の動きがピタッと止まる。

 ドキッとしたようなその表情。

 「へへっ、やっぱりお前も、”オンナノコ”なんだな」

 こんな男の一言で、一瞬でも女というものを意識してしまった素子。

 悔しさと恥ずかしさで、その顔がみるみるうちに赤くなっていく。

 「じゃあもっと、”オンナノコ”らしくしてやるとするかな」

 そんな素子の表情を楽しむように眺めながら、スカートに手をかけた。

 

 . . . . .

 

 素子の制服は男たちの目を楽しませるように身体を覆う僅かな布を残して引き裂かれ、

 スカートには大きな切れこみが入り、その隙間からきれいな脚を覗かせていた。

 緩んだサラシはかろうじて乳首だけを覆い隠し、かえってそれが男たちの興奮を煽った。

 

 「卑怯者!! 自由を奪って辱めようなどとは、男として恥ずかしくないのか!?」

 悔しさのあまり、わずかに目に涙を浮かべる素子。

 「へへっ、自由を奪った女を好きにするってのはな、男のロマンなんだよ」

 金髪男は嫌らしく舌なめずりをしながら言った。

 「不埒者!! 成敗してくれる!!」

 いつもの癖で竹刀を構えようとするが、自由のきかない身体ではそれもままならない。

 ぎしっ、と天井を軋ませるだけであった。

 

 「お前が探してるのはコレか?」

 金髪の男が素子の愛用の竹刀を取り出す。

 「汚い手で触るな!! 返せ!!」

 愛用の竹刀を見て更に暴れ出す素子。

 金髪男は竹刀の先を素子の頬に当てた。

 「く...っ!」

 素子の柔らかい頬は、その力を受けてふにっと窪んだ。

 「この前はさんざんこれで突いてくれたからな、今日はお返しに俺たちがたっぷり突いてやるぜ」

 そう言いながらぐりぐりと竹刀を押しつける。

 「や...やめろ..っ!」

 顔を背けて逃れようとするが、金髪男は執拗に竹刀の先で素子の顔をぐりぐりと嬲る。

 「うっ、ぐっ、やめろ...やめろ...」

 顔を突き嬲られながらも、まだ抵抗の意思を見せる素子。

 

 「ふん、これならどうかな?」

 金髪男は鼻息を荒くしながら、引き裂かれたスカートの端に竹刀をあてがい、めくりあげた。

 そこには、すでに下着を剥ぎとられ、何者も侵入させたことのない女性自身がひっそりと咲いていた。

 「おおおおおっ!」

 素子を取り囲む男たちのボルテージが一気に上がる。

 申し訳程度にうっすらと生えた恥毛。小さな花びらのような陰唇。

 男勝りの素子であったが、隠すべき箇所はどんな女性よりも魅力的だった。

 

 そしてぴったりと閉じた素子の花弁は、まだ穢れを知らないことを男達に伝えている。

 「お前はまだ処女か...ならお前の一番好きなものでソイツを奪ってやるよ」

 金髪男はそう言うと、まだ開かれたことのない花弁に竹刀の先を突きつけた。

 「なっ...何を!?」

 さすがの素子の顔も、この時ばかりは青くなった。

 「コイツでブチ抜いてやるぜ...」

 金髪男は素子の恐怖を煽るように、竹刀の先で柔らかな花弁をふにふにと嬲った。

 未知への痛みに対する恐怖が、素子の恐怖心を加速させた。

 「やめろっ! やめろっ!!」

 真っ青になって暴れる素子の表情を十分に楽しむと、

 「うりゃっ!」

 ぶすっ!

 まるで刃物が突き刺さるような音をたてて、竹刀は素子の皮膜を引き裂き、埋没した。

 埋没した瞬間、勢いのあまり押し出された破瓜の血が床や壁に飛び散り、血痕を残す。

 突き立てられた瞬間、素子は驚いたように大きく目と口をかっと開き、苦痛の声を漏らした。

 「ぐっ!! あ...っ!!」

 あまりの痛み。歯をくいしばってこらえる素子。

 「ただの棒っきれに処女を奪われた感想はどうだ? オイ」

 苦痛の表情を浮かべる素子に顔を近づけ、さも愉快そうに言う。

 「そ...それは...ぼ、棒っきれなどでは...ない!!」

 女の中枢を突かれたまま、必死にそれだけ言う。

 そう、素子にとって、それは確かに棒っきれなどではない。

 苦しい修行、そして剣の腕が上達した喜び、それらの苦楽を全て共にしている相棒であり、

 素子にとっての”剣”なのだ。

 「へっ、まだそんな口きくだけの元気がありやがるのか!!」

 だが、そんなことは男にとってはどうでもよかった。

 中枢を突いた竹刀を押し付けるようにぐりぐりと動かす。

 「うっ! ぐううううっ!」

 身体の内側から起こるような痛みに、身悶える。

 ぐりぐりと竹刀がえぐるたびに血が竹刀をつたい、床にぽたぽたと血痕を残す。

 「くうううっ!」

 

 素子の膣内からずるりと引きぬかれた竹刀、その先には純潔の証である血がついている。

 「へっへっへっへ...」

 金髪男は竹刀の先に舌を這わせ、その血を舐めとる。

 

 まるで単なる物のように、純潔の証を奪われてしまった素子。

 悔しさのあまり身体を震わせ、歯をくいしばってあふれそうになる涙を必死にこらえる。

 

 素子に十分な屈辱を与えたことを確認した金髪男は、次の段階へと移った。

 「俺たちも鬼じゃねえからな、苦しめるのはこのくらいにしといてやるか」

 その言った金髪男の手には注射器が握られていた。

 「この後は天国にイカせてやるぜ」

 注射器の先から液体がぴゅっと飛び出す。

 「やっ...やめろ! 薬など...」

 その言葉を途中で遮る。

 「安心しな、中毒性はねえよ。ただ、イキっぱなしで気が狂うかもしれねえけどな」

 抵抗をする素子だが、縛られている為、いとも簡単に腕に注射器を突きたてられてしまう。

 ぷすっ...

 「あっ...」

 一瞬、困ったような表情になる。

 ちゅうううう...

 「くううっ...」

 注射器の液体がゆっくりと注入されていく様を見ながら、小さく呻く。

 「これで...よし」

 注射器が引きぬかれた。

 

 . . . . .

 

 「うっ...くうっ...」

 無残に純潔を散らされ、血が凝固したままこびりついた素子の花弁からは、

 しっとりとした透明の液が溢れはじめていた。

 素子のほんのりと上気した顔からも、その変化が伺える。

 

 今まで感じたことのない感覚が、素子の身体から湧き起こっていた。

 それは、締めつける縄の痛みすらもとろけるような快感に変え、花弁にじんじんとしたむず痒さを伝えている。

 

 いまだかつて感じたことのない感覚に、戸惑いを隠せない。

 いつもは凛とした表情の素子が、真っ赤な顔をして恥ずかしそうなうめき声をあげている。

 それだけで男たちの股間は天を突くように大きくなった。

 

 「どうだ? 感じてんだろ」

 もう良い頃だと思った金髪男は、素子の脚をすべすべとなでながら言った。

 「うっ...感じてなど...いない」

 嫌悪感あふれる男のなで上げすらも、素子の身体は甘美な愛撫として受け止めた。

 「そうかそうか」

 金髪男はその素子の表情だけで、十分準備が整ったことを確信した。

 懐からデジタルカメラを取りだし、素子に向かって構える。

 「素子ちゃんの公衆便女デビューの記念撮影だ、誰か、後ろから抱え上げてハメてやれ」

 吊り下げられている素子の背後にいる、モヒカン刈りの男に声をかける。

 「なっ...何をっ!? あっ!」

 不意に、素子の身体の両膝がモヒカン男によって抱えあげられる。

 すでに立派になった男性自身を露出させ、いまにも震える花弁に襲いかかろうとしていた。

 「よ〜し、一発目のハメ撮りだ。ずっぽり奥までハメてやれよ」

 金髪男がカメラを構える。

 モヒカン男の肉柱がゆっくりと花弁に触れ、くちゅりと音をたてた。

 花弁にふれた肉柱からあふれた蜜がつたい、肉柱の裏筋をとおって床に垂れ落ちた。

 

 「いやっ! ああっ!」

 堂々とした素子の姿はそこにはなく、今まさに男自身に貫かれんとする女がいるだけだった。

 

 

 


解説

 「アクセス解析」を見ていたら「ラブひな」小説が妙にカウントを稼いでおり、

 とりあえずピクシー様の青山素子ネタのリクエストがありましたのでそれを書きました。

 

 本当は痛いままでずっと行こうかと思ったんですが、また不評かもしれないと思って途中で感じさせるようにしました。

 なんだか「刺客2」とかぶりそうですな。

 

 やっぱり気の強い剣道少女は緊縛しかないと思うんですが、どうですか?

 

 ちなみにこの小説のタイトルは「つつとはな」と読みます。

 


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