「グラナス様の御加護がなくなったんじゃないデスカ?」
くちゃくちゃと下品な音をたてて肉を噛む男が言った。
「そ...そんな、ガダンさん!」
エレナはその下品な男...ガダンに向かって叫んだ。
「とにかくエールポートに乗りたければ10000G払ってくだサイ」
エレナの抗議を遮るように、ぴしゃりと言うガダン。
ガダンの口臭はまるで下水のような匂いがし、距離をとっても鼻についた。
悪いとは思いつつも、思わず顔をしかめてしまうエレナ。
「ち...! ボリやがって」
ガダンに聞こえないほど小さな声で、吐きすてるように言うリュード。
ぶくぶくとだらしなく太ったガダンという男は、そんな視線をまったく気にしないかのように
目の前にある肉を切り分け、口に運んでいた。
不意に、ガダンのイボの付いた鼻がひくひくと動く。
「それにしてもアナタ...いいニオイですネ...なんてウマそうな...」
ガダンのねっとりと絡み付くような視線に、エレナは総毛立った。
「なっ...何を!?」
怪訝そうなエレナの顔。
それを察したリュードはエレナの肩に手を回す。
「行こうぜ、エレナ」
リュードはエレナの肩をぽんぽんと叩きながら言った。
「うん...」
エレナはうつむいて、元気なく答えた。
. . . . .
「うえっ! なんだこりゃ!?」
リュードは目の前に盛られた”こんにゃくいも”を食べて叫んだ。
一行はあのあと宿屋に入り、この街の特産品であるという”こんにゃくいも”を夕食に食べていた。
「砂を食べてるみたいですねぇ」
ふたりに同行する少年、ロアンは顔をしかめながらリュードに賛同する。
だが、エレナはこんにゃくいもが盛られた皿を見つめながら、暗い顔をしている。
「なんだエレナ、そんなにマズかったか?」
リュードに声をかけられ、ハッと顔をあげるエレナ。
「いや...昨日見た夢を思い出しちゃって...」
作り笑いをするエレナ。
「夢?」
もぐもぐと口を動かしながら、リュードは聞く。
フォークを置いて、再びうつむいて口を開くエレナ。
「おっきな舌が...私の身体を舐めて.....舐められた私の身体が.....溶けちゃうの.....」
話しながらエレナの肌には、ぽつぽつと鳥肌が立っていた。
きっと、それほど恐ろしい夢だったのだろう。
「このこんやくいもを見てたら...そのおっきな舌を思い出しちゃって...」
リュードはかちゃりとフォークを置くと、空いた手で隣に座っているエレナの頬を思いっきり引っ張った。
ふにっ
エレナの柔らかい頬は、つままれてむにゅりと延びた。
「たかが夢くらいでなに辛気臭い顔してんだよ!!」
無遠慮にエレナの頬をひっぱりながら言う。
「ふーっ! はにをふるのっ! (うーっ! なにをするのっ!)」
両手をばたばたと振って暴れるエレナ。
頬を引っ張られているため、抗議の言葉も言葉にならない。
リュードが頬をつまんだ手をはなすと、ぱちんと音をたてて頬が元通りになる。
「元気だせ! 俺がついてんじゃねーか!」
うらめしそうにリュードを見ながらつままれていた頬をさするエレナだったが、ほんの少し、気持ちが楽になったようだった。
. . . . .
「う...う...ううん」
その日の夜。早めに床についたエレナは悪夢にうなされていた。
夕食の時、エレナが言っていた”大きな舌”が再びエレナの夢の中に現れたのだ。
なぜか自由のきかない身体に、ゆっくりと舌は近づいてくる。
「や...やだっ! 来ないで!!」
べろり...
「や...!」
エレナの叫びも空しく、その大きな舌はエレナの頬をべろりとひと舐めした。
その瞬間、悪寒が全身に走る。
だが、その悪寒は今までの夢の悪寒とは違っていた。
あまりにもリアルすぎるのだ。
「うっ.....」
今までとは比較にならない気持ち悪さに、目覚めるエレナ。
「.....?」
ぼんやりとする意識の中だったが、今いる場所が宿屋のベッドの上ではないことに気づいた。
だんだんと、視界がはっきりとしてくる。
「きゃあっ!!」
目の前に広がる光景に、思わず悲鳴をあげてしまう。
そこは自分が就寝したベッドの上ではなく、ただっ広い洞窟の中だった。
しかも、夢に見たのと同じ”舌”が眼前にあったのだ。
「な...なに...?」
現状が全くつかめないエレナ。
その舌がゆっくりと引っ込むと、その先には異形の怪物の姿があった。
クモのように這いつくばり、顔らしき大きな肉の塊には大きな目がひとつついており、
その下にはおぞましい感触の舌が伸びてきた口があった。
口はそのひとつだけではなく、いくつもある脚の関節の部分に、小さな口がついていた。
合計で三つの口からよだれをぼとぼととこぼしながら、その大きな目でぎょろりとエレナを見つめる異形の怪物。
「なっ...なんなの?」
絡み付くような視線に震えあがるエレナ。
「ヒョヒョヒョ.....お目覚めになりましたカナ...?」
独特のねっとりとした視線、ふてぶてしい声。
「そ...! その声は!? ガダンさん!?」
姿形は明らかにガダンとは違うものだったが、エレナにはすぐわかった。
いくらエレナでも、ガダンのこの姿に危機感を感じないわけはない。
すぐに後ずさりをして逃げようとするエレナ。
だが、
「か...身体の力が...!!」
夢と同じように、思うように身体の力が入らず、立ちあがるどころか後ずさりさえもままならなかった。
「!?」
戸惑うエレナの眼前で、さらにおぞましい出来事がおきた。
左右にある二つの口から、無数の触手のようなものがうねり、
粘液にまみれたその身体をお互いにこすりあわせるようにしながらぬるぬると出てきたのだ
左の口からは緑色の触手、右の口からは赤色の触手が。
そのいずれもガダンの口臭と同じような匂いのする唾液を床に垂らしながら、エレナに近づいていく。
「た、助けて.....グラナス様...」
自らの信じる神に祈りながら、自由のきかない身体をなんとか動かそうとするエレナ。
少しづつではあるが身体は後退しているものの、とても逃げているとは言い難いほどの移動距離だった。
「ヒョヒョヒョ...あれだけ薬の入ったこんにゃくいもを食べて、よく動けますネ...」
数ミリづつだが後ずさりするエレナを見て、少し感心した口調のガダン。
「こんにゃく...いも...?」
「アナタが夕食で食べたこんにゃくいもの中に...クスリを入れさせていただきまシタ」
「な...なんてことを!」
自由のきかない身体ではあるものの精神はまだくじけていない。
エレナはキッとガダンをねめつけた。
エレナが後ずさりするより少し速いスピードで、触手たちは近づいていく。
「ですが.....いたぶる獲物はイキがいいほうがイイ...」
薬が効きすぎて完全に動けない女をいたぶるよりも、多少抵抗する女をいたぶるほうがやり甲斐がある。
ほんのわずかだが抵抗の余地を残しておけば、その弱々しく抵抗する様を見て楽しむことができる。
ガダンは目にくやし涙を浮かべながら逃げようとする少女の必死の行動を、まるで料理の前菜を味わうかのように楽しんで見ていた。
前菜がよければ、その後にくるメインディッシュの期待も当然高まる。
「や...やあっ...来ないで...っ!」
触手との距離が近くなっていく度、強気のエレナの顔がだんだんと恐怖の色に染まっていく。
くやし涙が、だんだんとおびえた涙にかわる。
エレナの足のつま先に触れるくらいまで触手が近づいたかと思うと、
左の口から出てきた緑色の触手の一本がエレナの鼻先まで近づいた。
「ひっ!!」
びくっと肩を振るわせ小さく悲鳴をあげるエレナ。
「コッチの舌の唾液は...イロんなコトがデキるんですヨ...」
その直後、緑の触手から垂れた液体がエレナの服の肩口に一滴落ちた。
じゅっ...
まるで酸で肉を焦がすような音がしたかと思うと、垂れた唾液を受けた箇所が溶けて、ぽっかりと穴があいた。
空いた穴からは、エレナの白い素肌がのぞいている。
「ひ...っ!」
エレナの顔がさっと青くなる。
「ダイジョウブですよ...今は服を溶かす唾液になってマスから...ヒョヒョヒョ...」
どちらにしても、エレナにとっては地獄のような行為だった。
「サア...ドンドンいきますヨ...」
青くなっていくエレナの顔すら前菜にするように、緑色の触手がうねった。
「マズは...ココ」
ぽたり...
唾液が、腹のあたりに垂れた。
じゅっ...
腹部を覆う布が溶け、ぽっかりと空いた穴からは小さなヘソが露わになる。
「や、やだっ!」
腹をおさえこむようにして、その穴を隠す。
さっきまで青かった顔が、だんだんと赤みをとり戻してくる。
「ツギは...ココ」
ぽたり...
唾液が、胸のあたりに垂れた。
じゅっ...
胸のあたりを覆う布が溶け、胸の谷間が露になる。
まだわずかに膨らむだけの、未成熟なその胸。白いレースのついたブラは少女らしい清潔さがあった。
「きゃあっ!」
あわてて両手でその穴を隠す。
顔の赤みはだんだんと強くなり、頬は桜色に染まっている。
「ソシテ...ココ」
ぽたり...
唾液が、ズボンの裾に垂れる。
じゅっ...
裾が溶けだし、空いた穴からは白くてきれいな太ももが露になる。
「や...やだあっ!」
ぽたっ...ぽたっ...ぽたっ...
じゅっ...じゅっ...じゅっ...
「や、やあっ! や、やめてっ!」
次々とズボンに降りかかる唾液をかわそうと身をよじらせるエレナ。
だが自由のきかない身体と、無数にふりかかる唾液とでは結果は歴然だった。
あっという間にズボンは溶かされ、そのまぶしい脚と、その股間を覆う下着を晒してしまうことになる。
完全に顔は上気し、耳までが赤く染まっている。
触手から垂れる唾液は狙いすましたようにエレナの衣服に垂れる。
ガダンはよりエレナの羞恥を煽るように、
ブラのカップの先端だけ溶かして乳首だけが見えるようにしたり、
ショーツの片方の紐だけ溶かして、めくれようとするショーツを真っ赤な顔で押さえるエレナの姿を見て楽しんでいた。
「ヒョヒョヒョ...イイ格好になりましたネェ...」
数分後にはエレナの白を基調とした服は、わずかに身体を覆うだけのボロ布と化していた。
「ホントにいいニオイですネ...」
身体を被う布がなくなったせいか、ガダンはより強いエレナの臭気を感じとっていた。
それはガダンにとっては、身体もとろけるほどの甘美な香りだった。
いよいよ我慢できなくなったガダンは、真ん中の口から大きな舌を出し、エレナに近づけていく。
「ひ...や...やだ...グラナス様ああっ!」
身体を隠すだけで精一杯で、とても逃げる余裕のないエレナは叫ぶことしか出来なかった。
べろり...
身体を被いつくすほどの大きな舌がエレナをべろりと舐める。
ざらついた舌のつぶつぶと、そのつぶつぶに絡み付く唾液がエレナの身体の上を通過する。
ひと舐めされるだけで、エレナの身体は唾液まみれになってしまう。
しなやかな脚、ひきしまった腰、まだ未成熟で小ぶりな胸、首すじ、端正な顔...。
エレナの身体にガダンの舌が通りすぎたことを示すように、唾液の筋が残っている。
まるでエレナの全身を味わいつくすように。
「うう...」
あまりの気持ち悪さに言葉も出ないエレナ。
「ムホホ...なんたる美味...」
目の前の怪物は、大きな舌でべろりと舌なめずりをする。
想像以上のエレナの味に、目がらんらんと輝いている。
唾液で糸を引きながら、鋭利な歯がびっしりと並ぶ口が開き、再び忌まわしい舌がのぞいた。
「いただく前にタップリなめさせてもらいますかネェ...」
だらしなくよだれを垂らしながら、またゆっくりと、エレナに近づいていく舌。
エレナの恐怖を煽るように、ゆっくりと。
舐められた時のおぞましい感覚が、エレナの脳裏にはっきりと浮かぶ。
「い.....いやああああああっ!!」
. . . . .
「ヒョヒョヒョ......そろそろ頂くとしますかネェ...」
目の前で小さく縮こまり、肩ではぁはぁと息をするエレナを見ながら、ガダンは言った。
エレナを被っていた僅かな布も、舐められたせいですべてはぎ取られ、一糸纏わぬ姿になっており、
それだけならまだしも、何度も舐められたおかげでエレナの身体はねばつく唾液にまみれていた。
あご、腕、脚、髪の毛などから唾液が垂れ糸を引いていた。
あまりの粘質に、垂れ下がりはするものの垂れ落ちようとしない。
「うっ...うっ...グ...グラナス様...」
ぐすぐすと泣きべそをかきながら、必死に信じる神に祈るエレナ。
舐められている間、唯一正気を保てたのは神に祈っていたおかげだ。
その顔も、涙か唾液かわからないほど液にまみれていた。
あごから垂れた唾液が、ふるふると首を振るのにあわせてぶらんぶらんと揺れる。
だが、エレナの悪夢はまだまだ終わらない。
エレナの細い手首に、しゅるんと触手が巻きつく。
「あっ!?」
手首に巻きつかれ、そのまま引っ張られる。
幾本もの触手がしゅるしゅると両手首、足首に巻きつくと、その姿からは想像もつかないほどの力でひっぱられる。
「あ...やああああっ!!」
両手首、両足首をそれぞれ別の方向に引っ張られ、大の字のポーズにさせられるエレナ。
隠すべき秘所が一気に晒される。
「ホォ...美味しソウですネェ...」
ガダンの三つの目は瞬きも惜しむように、エレナの秘所をじっくりと見つめていた。
???マン様のリクエストの「触手にHなことをされるエレナ」だったんですが、
あんまり触手出てきてません。舌ばっかりです。
しかもあんまり嫌らしくありません。
この後触手にいたぶられる描写はもう既にあがっているので、近いうちに公開したいと思います。
次回は触手でいろんなことをして任務完了して、るーぐ様と太郎様のリクエストに繋がりますのでご期待ください。