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8月27日
コギト=エラムス/文


 「ちょっと! ボクくん、どういうつもりなのっ!?」

 私は小声でボクくんに言った。

 

 ボクくんのすることにはいつも用心してたのに、また罠にはまってしまった。

 

 私の身体は朝顔の蔓[つる]でぐるぐる巻きにされていた。それも、全裸のまま。

 素肌に巻きつく蔓がチクチクと痛い。

 しかも場所は家の中ではなく、家の外にある花壇。

 

 「イヤなら蔓をちぎって逃げればいいじゃない」

 私がそれを出来ないことを知っていて、ボクくんはあっさりと言う。

 

 たしかに力をこめて蔓をちぎれば簡単に自由になれるけど、

 この朝顔は私の妹である詩[しらべ]が夏休みから丹念に育ててきたものだ。

 それをちぎったりしたら、詩はどんな顔をするか.....。

 

 「でも...裸で蔓にからまれる萌ねえちゃんの姿って、なんだかエッチだね」

 ボクくんはしゃがんで、私の身体を舐めまわすように見る。

 

 両手を頭の上で縛りあげられ、両足を大きく開くようにして縛られている。

 手を下ろしても、両足を閉じても蔓がちぎれるような形の縛り方。

 いくら蔓でいくらか身体が覆い隠されているとはいえ、人前でこんな恥ずかしいポーズをとらされるなんて...。

 

 「は...早くほどいて。誰かに見つかっちゃうじゃない!」

 いくら目立たない場所にあるとはいえ、ここは家の敷地内。

 妹の詩は外に遊びに行ってるし、お父さんは工房の中だけど、お母さんは家の中にいる。

 いつ家族に見つかっても不思議じゃない。

 私が大声をあげられないのもそんな理由があるのだが、ボクくんは飄々としている。

 

 「朝顔に混じってハイビスカスの花が咲いてるよ...」

 私の大きく開かれた股の間を見て言った。

 

 「や、やだっ!」

 私は思わず両足を閉じてしまいそうになり、危うく踏みとどまる。

 がさがさと朝顔がゆれる。

 

 「でも...やっぱり萌ねえちゃんは変態なんだね...蔓で縛られて感じるなんて」

 恥ずかしくて目をそらす私の顔を覗きこみながら、ボクくんは言った。

 

 「なっ、わ、私は感じてなんか...」

 もちろん私は感じてなんかいないけど、ムキになって抗議する。

 

 「でもほら、萌ねえちゃんのハイビスカス、蜜を出してるよ」

 

 「えっ?」

 私は驚いて股間を見る。

 .....ほんとだ。

 私のあそこが湿って、キラキラ光っている。

 

 「蔓のチクチクする感じと、ボクに見られて感じちゃったんだよね」

 ボクくんの言葉に、身体が急に熱くなるのを感じた。

 

 その途端、蔓のチクチクとした刺激が、なんだか...くすぐったいような感じになってくる。

 

 「うんっ...」

 全身を被うチクチクとした感触が急にくすぐったく感じられ、思わず声をあげてしまう。

 

 とろ...

 私の太ももを、あふれた愛液がつうっと伝った。

 

 う...うそ...私、気持ちよくなんかないのに...

 こんな蔓に自由を奪われて、それをボクくんに見られて...

 気持ちよくなんかないのに...。

 

 必死に自分を取り戻そうとしているのに、身体は言うことを聞いてくれない。

 「ううん...うっ」

 まるで、チクチクした刺激を楽しみ、求めるかのように身体をくねらせ、体温をどんどん上げていく。

 自分の身体が自分のものじゃないみたいになってる。

 

 ボクくんは私の自由を奪っている蔓の端の方を手にすると、その先で私の胸のあたりをくすぐりはじめた。

 「気持ちいいでしょ...ほらっ」

 蔓の先で、乳首のあたりをこちょこちょとくすぐる。

 

 「あんっ!」

 敏感になった私の身体は、それだけで反応してしまう。

 なんとか身体をよじらせて胸をくすぐる蔓の先から逃げようとするけど、蔓のことが気にかかってままならない。

 

 「草で...こんなに感じるんだ」

 ボクくんは蔓の先をかさかさと動かして、執拗に私を責める。

 く...草で...草で、私、感じてるの?

 

 「くんっ! ん! か、感じてなんか...ないっ!」

 だけど私は身体を震わせながら、必死になって否定した。

 私の気持ちとは裏腹に、草が乳首を嬲るたびに屈しがたいくすぐったさが私を包む。

 

 不意に、ボクくんの手がぴたりと止まる。

 「...おっと、詩がこっちにやってくるから、あんまり動いちゃだめだよ」

 遠くを見ながらボクくんが言う。

 

 その一言に、くすぐったさが一気に吹き飛ぶ。

 「えっ、う、嘘っ!?」

 私はあわてて蔓の中に隠れるように身体を引っ込めた。

 

 しばらくして、私のすぐ側を妹の詩がスコップとバケツを持って通りかかる。

 「(...神様...)」

 私は初詣以外は神様に祈ることなんてしなかったが、この時ばかりは違った。

 必死になって、詩が私に気づかないことを祈った。

 

 詩はボクくんを気にもとめずに通り過ぎようとする。

 

 だけど、

 「ねえ、何してるの?」

 ボ...ボクくんっ!?

 どうして声をかけるのっ!?

 びっくりして心臓が飛び出しそうになる。

 

 立ち止まった詩は、きっとボクくんをにらむ。

 「あんたこそ何してんのよ、あたしはそんなにヒマじゃないの!」

 ぴしゃりと言う詩。その視線が花壇の方に向けられたら、きっと詩は私の存在に気づいてしまう。

 蔓で身体をしばられている、全裸の私を。

 それを想像するだけで、顔から火が出そうになる。

 

 「(お...お願い...詩、はやく向こうへ行って...)」

 私は心の中で必死にそれだけを祈った。

 

 ボクくんはやれやれといった感じで肩をすくめた。

 そのままボクくんをねめつけながらすたすたと歩いていく詩。

 

 「ほらね、意外と気づかれないもんでしょ」

 詩の背中を見送りながら、ボクくんは言った。

 

 「ね、ボクくん、もうやめましょ、こんな事...」

 私は泣きそうな声で言う。こんな思い、もうしたくない。

 

 だけど、ボクくんは聞き入れる様子もない。

 「ほーらね、やっぱり萌ねえちゃんは見られて感じるんだ」

 ボクくんは私の股間をじっと見つめながら言う。

 

 私はおそるおそる顔を下げて、自分の股間を見る。

 「萌ねえちゃんのここ...おもらししたみたいになってるよ」

 

 私のあそこはボクくんの言うとおり、まるでおもらししたみたいに愛液でべとべとになっていた。

 垂れた愛液は、太ももまでびっしょり濡らしている。

 

 それでも私のあそこは、とくん、とくんと震えながら、どんどん愛液を垂れ流している。

 

 ど、どうして?

 あんなに、あんなにイヤだったのに...ぞくぞくするくらい、気持ちいい...。

 

 ボクくんは無言で、私の股の間を通っていた1本の蔓を、ぐいっと引っ張った。

 「ひうんっ!」

 まるで陸にあげられた魚みたいに身体が跳ねてしまう。

 

 「やっぱり...萌ねえちゃんはボクの思った通り、変態なんだね...」

 ボクくんは感情のこもっていない口調で言いながら、手にした蔓を容赦なく引っ張る。

 

 「いやあっ! あんっ! ああっ! ち、違う! 違うもんっ!!」

 私はぐいぐいと喰い込んでくる蔓から逃れようと、つま先を立てて背伸びをするけど、それにも限界がある。

 

 ボクくんは一本の蔓を操り、私の股間をこすり、その上にある小粒までを器用に刺激してくる。

 小粒に蔓が触れると、意識が一瞬遠くなるくらい気持ちいい。

 

 刺激されるたびに、とくん、とくんとあそこが震え、どんどん愛液を吐き出していく。

 

 「だ、だめぇ!」

 私は思わず叫んでしまう。

 心は否定していても、身体は喜びに震えているのがわかる。

 もっとして、と身体が求めているのがわかる。

 

 「もう、イクんでしょ? ほら、もうイキそうなんでしょ?」

 ボクくんの手によって蔓が引かれるたびに、鳥肌が立つような快感が全身を駆けぬける。

 

 「も、もうっ...たっ、立ってらんないっ...!」

 切羽詰まった声で、私は叫ぶ。

 気持ちよすぎて、ひざがカクカクと笑う。だけど、ボクくんは許してくれない。

 

 「イクんでしょ、ほら、イクっていいな」

 意地悪い囁きに、私の全身に広がる快感が、ぞくぞくと波打つ。

 

 「い、いやあ! 許して! 許してええっ!」

 私は恥も外聞も無く泣き叫んだ。

 

 「イケっ! イケっ! ほらっ、イケっ!!」

 私の小粒が蔓でぴん! と弾かれた。

 

 私の頭は快感に支配されて真っ白になり、遂に何も考えられなくなってしまう。

 「イクっ、イクうっ! イッちゃううううっ!」

 私は足が引きつるほどに背伸びをし、背中が引きつるくらい背筋を伸ばして、絶頂を迎えた。

 

 その瞬間、あそこの穴が広がって、すごい量の愛液がぶしゅぶしゅと音をたててこぼれた。

 愛液は朝顔の花や葉っぱやにもぽたぽたふりかかる。

 

 私はぜいぜいと肩で息をしながら、なんとか崩れ落ちないように必死に踏みとどまった。

 

 ついに...私はボクくんの手が触れることもなく、朝顔の蔓だけでイカされてしまった。

 朝顔の葉に、私の愛液が朝露みたいな雫になって乗ってる。

 私は...ボクくんの言う通り、本当に変態なのかもしれない...。

 

 「ねぇ...お願い...もういいでしょ? これ...ほどいて」

 私は弱々しい声でボクくんにすがった。

 

 だけどボクくんはまだ、私を許すつもりはないようだった。

 「そろそろ水やりの時間だよ...萌ねえちゃん」

 腕時計を見ながら、私に言う。

 その顔は、無邪気な子供そのものだった。

 

 私の股間のすぐ前でしゃがみこむボクくん。

 「ほら、萌ねえちゃんのココから水を出して」

 そう言ってボクくんが蔓の先で突ついたのは、私のおしっこの出る穴だった。

 

 「ば、ばかあっ!! なに考えてんのっ!?」

 私は顔を真っ赤にして怒鳴った。

 

 だけど、ボクくんには効かない。

 「出したくなければ出さなくてもいいよ、そのかわり、ほどいてあげないからね」

 しゃがんだまま顔を上げて、意地悪く言うボクくん。

 

 そ...そんな。人前でおしっこなんてできるわけないじゃない!!

 

 「人前でおしっこなんてできるわけないじゃない!!」

 私は思ったことをそのまま叫んだ。

 

 ボクくんの無邪気だった顔が、冷たい顔に変わる。

 

 冷たい顔でゆっくり立ちあがると、私の耳元に顔を近づけた。

 「うそばっかり。.....したいんでしょ? おしっこ」

 耳元で囁かれ、一瞬どきんと心臓が高鳴った。

 

 え...、どうして?

 

 その瞬間から、今までまったくなかった尿意が、まるでボクくんの言葉に導かれるように湧いてきた。

 私の戸惑った表情を見て悟ったのか、ボクくんの顔はなんだか嬉しそうだった。

 

 「し...したくなんかないわよ」

 私はその感情を否定するように強がった。

 だけど、ボクくんには通用しない。

 

 再びボクくんの口が開く。

 やめて、これ以上言わないで。

 ボクくんの言った通りに自分の身体が変化していく。私はボクくんの次の言葉を聞くのが怖かった。

 

 「嘘。だってほら、萌ねえちゃんのおしっこの穴...ひくひくしてるよ」

 ボクくんの言葉に、まるで魔法にでもかかったように私のあそこがひくひく疼きだした。

 

 「言わないでっ! 言わないでぇ!」

 私は目をつぶってボクくんの言葉を耳に入れないようにぶんぶんと首を左右に激しく振った。

 

 「ほら...ほら...今にも出そうにひくひくって動いてるよ」

 ボクくんの言葉に反応して、どんどん尿意が高まってくる。

 

 こそっ...

 ボクくんが追い討ちをかけるように、私のおしっこの穴を蔓の先でこちょこちょとくすぐりはじめた。

 「だ、だめ...だめっ」

 蔓が触れ、私の尿意は限界近くまで一気に昇りつめる。

 

 「お、お願いボクくん、それだけは、それだけは許して」

 尿意を必死にこらえながら、ボクくんに最後のお願いをする。

 人前でおしっこなんて...したくない!

 

 「だーめっ、ほら、出しちゃいな、ほらっ」

 蔓の先でこちょこちょとおしっこの穴を小刻みにくすぐる

 

 「やだっ...やだあ...いやあ...許して...許してぇ...」

 尿意なんて自分の意思だと思っていたのに、ボクくんの言葉の前ではまるで自由にならない。

 私は泣きべそをかきながら、いやいやをする。

 今の私に出来ることはボクくんに許しを請うことだけだった。

 

 「ほらっ、ほら、出るよ、出るよ...」

 ボクくんは私の懇願など全く聞き入れない。

 

 必死に堪えているはずなのに、どんどん尿意が昇りつめてくる。

 ついに、

 ちょろっ...ちょろろっ...

 力がふっと抜ける感覚があったかと思うと、私の意思を無視しておしっこがこぼれ落ちた。

 

 「や! あ! だめっ! だめえっ! 見ないで! 見ないでぇ!」

 私は家族に気づかれるのもいとわずに叫んだ。

 

 じょぼじょぼと恥ずかしい音をたてて、私の排泄したものが地面に染みこんでいく。

 止めたくても、止まらない。

 

 「ははっ、股をこんなに開いておしっこするなんて...萌ねえちゃんって行儀が悪いんだね」

 排泄姿を、人に見られるなんて...。

 もう、死んでしまいたい。

 「くううううっ...」

 私は恥ずかしさのあまりうめいて、目を閉じた。

 

 「わぁ...すごいいっぱい出てるよ。萌ねえちゃんのおしっこ」

 私が目を反らそうとしているのに、ボクくんの言葉ですぐに現実に引き戻される。

 

 「うっ...くうっ、ひくっ...うっ」

 私はあまりの恥ずかしさにしゃくりあげ、全身を痙攣させた。なんだかとても息苦しい。

 「くう...ひくっ...ううっ」

 

 「おっと」

 全身の力が抜け、ずるずると崩れ落ちようとする私の身体を、ボクくんが支えてくれた。

 「かわいかったよ...萌ねえちゃん」

 

 私はボクくんの小さな胸に抱かれ、ひくっ、ひくっとしゃくりあげ続けていた。

 

 . . . . .

 

 真夜中になり家族が寝静まった後も、私はひとりで部屋で受験勉強をしていた。

 

 その合間にふと、手を止める。

 顔を上げて窓を見ると、朝顔の花壇が見えた。

 

 きゅん...

 

 暗闇に佇む朝顔を見て、私の胸は高鳴った。

 昼間の、ボクくんとの行為を思い出してしまった。

 あの時はイヤでイヤでしょうがなかったのに.....思い出すだけで、胸がドキドキしてくる。

 私は朝顔を眺めながら、無意識のうちにスカートの中に手を入れていた。

 

 「ボクくん.....」

 下着の上から、指でなぞる。

 昼間、ボクくんが操る蔓がなぞった場所を、思い出すように。

 

 「ん...あっ」

 気持ちよくて、思わず机に突っ伏してしまう。

 

 「ボクくん...ボクくんっ...」

 妹の詩が寝ている側でボクくんの名前を呼びながら、私は生まれて2度目の自慰をした。

 

 ...はじめての、同級生を想っての自慰よりも、それはずっと気持ちよく、

 ひとり椅子をきしませて、絶頂に達した。

 

 

 


解説

 「8月26日」の続きです。

 この「植物の蔓でぐるぐる巻きにして自由に奪う」は本当は植物が好きな女の子に対しての責めにしようかと思ってたんですが、

 植物好きな女の子キャラクターで書きたいのがいなかったんで今回使いました。

 本当はもっと描写を濃密にしたいんですが、性知識のない萌ねえちゃんの視点なのでそれもできないのが残念です。

 

 なお、ゲームに登場する空野家の構造では2階の萌ねえちゃんの部屋から朝顔の花壇を見ることはできません。

 

 次は純愛小説掲載の予定。

 


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