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イゾルデの屈辱 第一幕
コギト=エラムス/文


 「んっ...?」

 ゆっくりと指し込む光、そして歓声と拍手によってさくらは目覚めた。

 眩い光に目を細めながら、あたりを確認する。

 

 いまだ、ぼんやりとくらんだ視界。

 目の前には...見なれた客席がある。

 

 眼前の緞帳がゆっくりと開いていくたび、差し込む光量が増し、

 だんだんとさくらの意識もハッキリとしてくる。

 

 客席は満員で、誰もがタキシードを着ており、裕福な客ばかりであることが伺える。

 なかには、ちらほら将校なども混じっているようだ。

 だが...その客は誰もが仮面のようなものをかぶっており、顔がわからない。

 仮面をかぶった客から一斉に拍手を送られている...なんとも異様な光景。

 などと、ひとごとのようにさくらは考えていた。

 

 先ほどから手足には妙な抵抗感があり、思うように動かない。

 顔をあげ、右手を見ると...天井から垂れ下がったロープにより、手首が拘束されていた。

 見なれた天井...ここは、帝国歌劇団の舞台の天井.....。

 吊るされたロープを目で追いながら、たどり着いた天井を見て思う。

 

 そして...今度は吊るされた手首から視線を落とし、自分の全身を眺めてみる。

 「!?」

 そこで、さくらの意識は完全に現実に戻ってきた。

 「な...何っ、これ...?」

 一糸纏わぬ自らの姿を見て、狼狽する。

 

 それだけではない。全裸のまま、天井から吊るされたロープによって両手をばんざいの形に吊るされ、

 脚もひざのところで拘束され、M字形に開脚するように吊り下げられているため、

 大股を開いた状態を観客たちに惜しげもなく晒している形にさせられていた。

 

 「や、やだっ...み、見ないでっ!!」

 両手で胸を隠し、股を閉じようともがくさくらだったが、

 拘束されているためロープをぎしぎしと軋ませるだけで何の効果もなかった。

 だがなおも暴れ続けるさくら。

 無理もない、自分でもよく見たことのない秘所をこんな大勢の人達に見られているのだ。

 

 不意にスポットライトが舞台袖に注がれたかと思うと、

 「皆様、本日はようこそおいでくださいました!」

 手にしたマイクで舞台の客に挨拶しながら、袖から一人の男が現れた。

 

 さくらも毎日のように聞いているその声は...、

 「本日、司会を務めさせていただきます、大神一郎と申します! 本日はよろしくお願いいたします!」

 観客に会釈をすると、ひときわ大きな拍手が湧き起こった。

 

 「お、大神さんっ!? い、一体これはどういうことなんですか!?」

 袖から現れた大神に向かって必死に叫ぶさくらだったが、大神はまるで聞えないふりをしているようだった。

 

 「では、本日、開通ショウを行います、我が帝国歌劇団きってのスタア、

  真宮寺さくらを御紹介したいと思います!」

 大神がさくらの方に手をかざすと、スポットライトがさくらに向かって注がれる。

 まぶしさに思わず顔をしかめるさくら。

 

 「1905年7月28日生まれの17歳!

  宮城県仙台市の出身! 身長155cm、体重44kg!」

 流暢にさくらのプロフィールを体重まで発表する大神。

 

 「い、一体どうしたんですかっ!? 大神さんっ!!」

 大神に体重を教えた覚えもないのだが、それ以上に今自分が置かれている立場が理解できず、

 この状況で唯一心を許せる大神にすがる。

 

 さくらの声は聞えているはずなのに、大神は眉ひとつ動かさず、

 「...3サイズはバスト82、ウエスト56、ヒップ81です!」

 さくらの3サイズまで客席に響き渡る大声で発表してしまう。

 

 「ごらんください! 看板役者だけがもつ端正な顔!

  形の崩れていない理想的な乳房! 贅肉ひとつなくくびれた腰!

  すらりと伸びるカモシカのような脚!」

 そしてさくらの美しい裸体を舐めまわすように見ながら、今度は肉体の寸評まで始めてしまう。

 とてもさくらの知っている大神とは思えない口ぶりに、頭の中が更に混乱してしまう。

 

 大神はひと呼吸おくと、

 「そして...ごらんくださいこの股間に咲く桜色の花びらを!

  明らかに男の手が一切入っていないことがわかります!」

 さくらの最も隠しておきたい部分を、指さしながら叫ぶ大神。

 

 「ひっ!」

 指さされた瞬間、観客の視線が注がれているのを身体で感じ、小さく悲鳴をあげるさくら。

 

 「ご覧になれますでしょうか? では左手の方もご覧ください!」

 大神が手をかざした方向は、舞台からむかって右手の壁面だった。

 そこには大型のスクリーンのような形でキネマトロンが壁にかけられており、

 そのキネマトロンには...震える桜色の花びらがアップで画面全体に映しだされていた。

 

 同じくそのキネマトロンを見ていたさくらの顔色が、蒼白になる。

 「い...いやあああああああっ!! 見ないで!! 見ないでえええっ!!」

 半狂乱になって暴れだすさくら。

 肩をよじらせ、足をばたつかせるのにあわせ、大型キネマトロン上の花びらも同じように揺れる。

 だが、画面からは外れない。

 

 パニックになって気づかなかったが、いつのまにかもう一人の男が舞台袖から現れ、

 さくらの背後に回りこんでいた。

 

 その暴れる身体が、筋肉質の腕によって押さえつけられる。

 「!?」

 ごつごつとした筋肉の感触に、息を呑むさくら。

 

 顔をあげると、さくらのひとまわり以上も大きな筋骨隆々とした男が、

 フンドシ一枚の姿で背後からさくらを押さえつけていた。

 

 「な、何!? いやーあああああっ!?」

 いくら北辰一刀流の免許皆伝の腕前を持つさくらとはいえ、

 刀もなく身体を拘束されたままでは普通の女性と何ら変わりはしない。

 その細い身体を丸太のような腕で押さえつけられ、自分の意思では微動すらさせることもかなわなくなる。

 

 一瞬、キネマトロンの画面にさくらの顔がアップで映し出される。

 その瞳には泣き出さんばかりに潤んでおり、羞恥のあまり何度も何度もいやいやをしている。

 

 もはや悲鳴をあげることしかできなくさせられたさくらを確認すると、

 「ではご覧ください! 真宮寺さくらの処女膜です!」

 さっそうと大神はマイクに向かって叫んだ。

 

 それを合図に大男がさくらの股間の割れ目のあたりを節くれだった指で掴むようにする。

 僅かに若草の生え揃う割れ目がその力を受けてふにゃりとへこむ。

 

 自分でもよく触ったことのない箇所に、むくつけき男の指があてがわれる。

 虫酸が走るような嫌悪感に、ぞくんと背筋を反らすさくら。

 

 そのあてがわれた指に、更に力が入る。

 割れ目の肉を押し広げられる感覚が、すぐに伝わる。

 

 「だ、だめえええええええっ!!」

 腹の底からしぼりだすような声で、絶叫するさくら。

 必死に暴れてはいるのだが、万力のような力で押さえつけられいるため、ただ絶叫しているようにしか見えない。

 

 股間の肉が左右に大きく押し広げられたかと思うと、

 見るからに軟らかそうな薄桃色の秘肉が、ぴったりと閉じられていた秘肉が、

 押し広げられてはっきりと観客たちの眼前に晒される。

 

 「ご覧になれますでしょうか? 我が帝国歌劇団のスタア、

  真宮寺さくらの正真正銘の処女膜です!」

 キネマトロン上に大きく写し出された秘穴を覆うような白い薄皮を指さす大神。

 

 ふるふると震えるみずみずしい果実のような秘肉。

 ピンクパールのようなクリトリス。

 そして、その形を僅かに歪めながら、張られた膜をたたえる秘穴...。

 

 「おおおおっ」

 と観客から歓声があがる。

 確かにさくらほどの美少女の処女膜を見た者ならば、無理からぬ反応である。

 

 「見ないでぇぇぇえええ! 見ないでぇぇええええ!!」

 観客の反応も耳に入らず、ただただ顔を真っ赤にして絶叫するさくら。

 触れられてはいないとはいえ、大勢の観客に大事なところを視姦されている感覚はわかるのだ。

 

 「なお、この処女膜アップのブロマイドが売店にて発売されますので、

  お帰りの際に是非お求めください!」

 その羞恥を更に煽ることを大神が伝える。

 乙女の大事な部分を無理矢理開かされたうえ、その写真を売りつけようというのだ。

 

 「いやあはぁぁぁ...大神さあんっ! 大神さああぁん...」

 泣き崩れるような声になるさくら。

 だが枯れていく声でいくらすがっても、まるで聞えていないように無視する大神。

 

 「では前置きの方はこのくらいにして、真宮寺さくらの開通ショウへ参りたいと思います!」

 なおも司会者口調でマイクに向かう大神。

 開通ショーと聞いて観客が一斉に拍手を送る。

 

 「いやぁ...いやはぁぁぁあ...」

 力なくうめくさくらの元に、大神が近寄ってきた。

 

 「さくらくん、帝国華激団の運営費の捻出のためだ、せいぜいイイ声で鳴いてくれよ」

 マイクに入らないほどの小声で、さくらに耳打ちをする大神。

 

 「お...大神さんっ...許して...許してくださいっ...」

 顔をあげ、瞳の端に大粒の涙をためながら懇願するさくら。

 さくらは今まで大神に助けを求めていたが、それが哀願に変わっていた。

 

 だがそんなさくらの必死の願いにも、表情ひとつ変えない大神。

 顔をあげ、観客の方に向き直り、

 「では、帝国歌劇団のスタア、真宮寺さくらの処女喪失の瞬間です!!

  後にも先にも一度しか見ることのできない貴重な瞬間です!!

  皆様、乙女の純潔が散らされる様をお見逃しないようお願いいたします!!」

 さくらの純潔を奪うという行為を、まるでショーを盛り上げるかのような口調で言う大神。

 

 大神の言葉を合図にスポットライトを除く全ての照明が落ち、観客席が真っ暗となり、

 舞台にいるさくらをスポットライトでより強調する形となる。

 

 「大神さん...大神さん...大神さん...大神さああん...」

 スポットライトの部分以外は暗闇となった舞台。

 さくらはそれでも大神がいると思われる闇に向かって名前を呼びつづける。

 まるで、迷子の子犬が親を探してくんくんと鳴くように。

 

 キネマトロンには、押し広げられた秘穴がアップで映し出されている。

 その下のあたりから...赤黒いペニスがひょっこりと顔をのぞかせる。

 大男のペニスである。

 それは性器というよりも凶器といった方が相応しいほど大きく長大であった。

 そして力強い勃起で、まるで別の生き物のようにピクピクとカマ首を震わせていた。

 

 その禍々しい凶器が、桜色の美しい花びらに当てがわれる。

 

 「ひ.....!!」

 その瞬間、びくんと弾かれたように身体を震わせるさくら。

 

 「そ、そんな大きいの...入りま...むぅぅ!」

 何か言おうとしたさくらの口がふさがれる。

 

 そして...次の瞬間、凶器は花びらを引き裂いた。

 

 ぷちぷちぷちぷちぷち...

 

 肉を引き裂くような音が、静まりかえった観客席に響き渡る。

 大神が横から高感度のマイクを近づけ、破瓜の音を拾っていたのだ。

 

 ぷちぷちぷちぷちぷち...

 

 大男のペニスが埋没するたび大きく広がった秘穴から、くっついた肉を剥がすような音が響く。

 

 「んふぅーっ!! ふぅぅぅーっ!!」

 身体を引き裂かれるような痛みに、身体をよじらせくぐもった悲鳴をあげるさくら。

 

 さくらの口を塞いだのは、悲鳴によって処女膜が破り去られる音が聞えなくなるのを防ぐためだった。

 観客たちもその音を聴きのがすまいと、一切の音をたてずに耳をすましていた。

 あふれた涙をぽろぽろとこぼしながら、顔をぶんぶんと振るさくら。

 

 ぷちぷちぷちぷちぷち...

 

 全く濡れていない膣内へ、ゆっくり、ゆっくりとペニスは埋没していく。

 秘穴はもう限界まで広がり、あふれた破瓜の血がペニスを伝って床へぽたぽたとこぼれ落ちる。

 それは、穴に挿しこむというより、肉をナイフでえぐるといった行為に近かった。

 

 ぷち...っ...

 

 やがて剥がすような音も聴こえなくなり、完全に処女膜が奪いされられたことを伝える。

 

 その瞬間、消えていた照明が一気に明るくなり、さくらの口をふさいでいた手も外れた。

 

 「ひ...ひいいっ!」

 それがさくらの第一声だった。

 痛みのあまり、裏返った声の悲鳴。

 

 「ついに姦通です!!」

 それが大神の第一声だった。

 

 その一声にあわせ、観客たちははじけたように歓声をあげ、大きな拍手を送った。

 

 「痛そうです! 一切濡れていないところにこの大きなモノが入っています!

  ご覧くださいこの苦痛に歪む表情!」

 大神は観客の反応に調子に乗ってマイクに向かって叫ぶ。

 

 眉間にしわを寄せ、涙をぽろぽろとこぼすさくらの顔がアップで映し出された。

 

 ずっと...ずっと、初めては、大好きな、生涯の伴侶となる男の人と...、

 さくらは、当たり前のように思っていた。

 だが...その少女の想いを打ち砕くように、純潔は奪い去られた。

 しかも...大勢の観客の前で、まるで見世物のように。

 

 少女は...もう死んでしまいたいほどの屈辱そして恥辱に打ちひしがれていた。

 いくら気丈な性格とはいえ...それは少女にとってはあまりにも過酷なものだった。

 

 だが、その恥辱もほんの序章に過ぎなかったのだ。

 

 

 


解説

 当ホームページ初の『サクラ大戦』ネタにして、神原様のリクエスト「ハードな陵辱」です。

 一度書いてみたかったんですよ、真宮寺さくらネタ。

 内容的には「医用蛭2」に近いですね。

 

 なお、時期は『サクラ大戦』という扱いにしているので17歳ということになっています(『サクラ大戦2』では19歳)。

 またいずれ続きを書きます。

 


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