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イゾルデの屈辱 第ニ幕
コギト=エラムス/文


 「ご覧ください! 真宮寺さくらの芝居ではない本当の泣き顔です!

  普段の舞台では絶対に見られない貴重な表情です!

  まさに犯された後の屈辱にむせぶ表情!! これも姦通の醍醐味です!!」

 観客の興奮とさくらの屈辱感を煽るように、大神はマイクに向かって叫んだ。

 

 場内右手の壁面に掲げられた大型キネマトロンには、

 顔を伏せ、大粒の涙をぽろぽろとこぼし、嗚咽するさくらがアップで映し出されていた。

 

 いくらさくらが観客に顔を見られまいと伏せてみても、カメラによってその顔は何倍にも拡大されて観客の目の前に晒された。

 さくらには自らの羞恥や屈辱を隠すことすら許されていなかった。

 観客の好奇の目のままに、恥ずかしい部分を暴かれ、泣き顔ですらありのままに見られてしまう。

 

 だが...それだけでは終わらなかった。

 

 泣き顔を映していた大型キネマトロンの映像が、ネガフィルムのような白黒の反転映像にかわった。

 それは、人間の体内までを撮影したX線の映像であった。

 

 そのX線映像は...人間の腰のあたりを正面から捉えたものだった。

 ふっくらとした丸みを帯びながらも、贅肉のないそのひきしまった腰のライン...、

 それは観客の誰もがすぐに、帝国歌劇団のスタア、真宮寺さくらのものだとわかった。

 

 そしてその下腹部には...大股を開き、男の極太ペニスを突き刺された秘部があった。

 それもX線による透過した画像で、男のコブラのような形のペニスが、

 狭い膣肉を押し広げ、膣孔の半分くらいまで埋没している様子を映し出していた。

 

 観客からおおっと歓声が上がる。

 

 「いかがでしょうか? これが、X線ハメ撮りです!!」

 大神が説明する。

 

 それはX線を利用し、女が犯されている様を透過映像で映し出すものだった。

 俗に言う「ハメ撮り」と似ているが、その屈辱感は比較にならない。

 なにせ普段はどうやっても見ることのできない膣内、子宮という女の中枢までもを見られてしまうのだ。

 

 その体内までもを見られてしまったさくらは、顔をそらしたまま嗚咽している。

 「うっ...くっ...ううっ」

 止めどなくあふれる涙。

 純潔を見世物のようにして奪われたショック、そして今、それに追い討ちをかけるように

 自分の体内に視線が集中している...。

 どうして、どうして自分がこんな目にあわなければいけないのか.....。

 

 本人の意思を無視して埋没するペニスは、誰も汚されたことのない女陰を踏み荒らし、

 我が物顔で武者震いをしている。

 

 「では...奥の奥まで入れてもらいましょう!」

 大神のその一言に...そのペニスに、力が入る。

 ぐぐっ、と閉じた膣壁を押し広げ、更に奥に入りこもうと動きだす。

 くっついた肉がペニスが奥に押し込まれるたびに、広げられていく。

 ミリミリと肉の剥がれる音が聞こえてきそうな瞬間。

 

 「うっ...く! 痛っ! 痛いいっ!」

 悲鳴をあげながらその肉を割り裂く痛みから逃れようともがくが、

 それを見越した大男はさくらの身体をしっかりと押さえつけ、特に下半身をしっかりと固定していた。

 下半身が動くと大型キネマトロンに映し出された映像が乱れるためだ。

 さくらは顔を振り、肩をよじらせて痛みから逃れようとするが、ペニスが埋没している下半身が動かなければそれも意味はない。

 ただ、観客たちの目を楽しませるためにもがき苦しんでいるだけのようなものであった。

 

 そしてペニスも...観客たちを焦らすようにゆっくり、ゆっくり、女の肉を貪りながら中枢目指して進んでいく。

 

 「いやあ! 痛いっ! いやああああっ!」

 苦痛と屈辱に身体をよじらせ、泣きむせぶさくら。

 

 くぷくぷと桜色の肉穴に埋没していくペニス。

 

 猛り狂った肉棒に征服され、開拓されていく膣内...。

 

 観客たちはこの異常なショウに熱狂した。

 舞台の上と大型キネマトロンを忙しく交互に見ている。

 

 大男が軽くひと突きするたびに、ペニスが狭い膣内を突き上げ、めりっと肉壁を掘り進む。

 

 力を入れればひと突きで最深部にまで達することは可能なのだが、

 観客を楽しませるために、わざとこうやっていたぶるようにして犯していく。

 

 ぐぷ...っ

 

 やがて...ペニスは子宮の入り口をこつん、と突いた。

 それは大男とさくらだけではなく、この会場にいる全員に伝わった。

 大型のキネマトロンには、いまだどの男の精液をも受け入れたことのない

 真新しい子宮と、その入り口に突きつけられたペニスが映し出されていた。

 

 「ついに奥まで到達しました!」

 颯爽と言う大神。

 

 湧き起こる歓声。

 

 「とうとう我が帝国歌劇団のスタア、真宮寺さくらが男のペニスによって征服されました!

  太く、そして固いペニスによって、男のモノとなってしまったのです!」

 観客は全て男である。

 大神はその男たちを喜ばせるような台詞を観客に投げる。

 

 湧き起こった歓声が、更に大きくなる。

 

 デモンストレーションとして、大男は中腰になっていたのを、腰を浮かして立ち上がった。

 「あうっ! い...やあっ!」

 ペニスはさくらの奥まで突き刺さっている。

 そのため男が腰を浮かせると、ペニスの力でぐぐぐっ、とさくらの身体が突き上げるように持ち上げられた。

 

 ペニスの力のみによって支えられ、宙に浮くさくらの身体。

 まるでペニスによって串ざしにされているようなその状況。

 

 「子宮挿入です!」

 その様子を見て、大神は叫んだ。

 

 たしかに、今にも子宮の入り口を押し広げて入らんばかりに、亀頭が子宮の入り口をぐいぐいと押していた。

 

 「もしここの状態で射精をすれば...ほとんどの子種がこの子宮内に注がれることになります!」

 その一言が、さくらの恐怖を一気に煽った。

 

 「いやあああああああああーっ!!」

 パニックになって暴れるさくら。

 大男の腕の筋肉が盛り上がり、それ以上の力でがっしりと押さえつける。

 

 「やめてっ! やめてっ! おねがいっ! いやあーっ!!」

 そして身体を固定したまま、泣き叫ぶさくらに向かってストロークを開始する。

 

 「女は恐怖を感じると、よく締まります!」

 それは大神の設定したシナリオの通りだったのだ。

 

 泣き叫ぶさくらの膣は、その意思とは裏腹にペニスを歓迎するように収縮していた。

 

 膣壁の収縮、狭い中を出入りするペニス、送出のたびにあふれる破瓜の血、さくらの泣き叫ぶ悲鳴。

 観客の興奮はピークに達していた。

 誰もが乗り出さんばかりのその様子を見ている。

 

 やがて、その蹂躙していたペニスがひくひくと震えだす。

 

 その動きで射精が近いことを察し、

 「皆様! しかとご覧ください!

  我が帝国歌劇団のスタア、真宮寺さくらの受精の瞬間です!!」

 マイクに向かって叫ぶ大神。

 

 その直後、場内が水を打ったように静まりかえる。

 

 陰のうがきゅん、きゅんと収縮し、精のうから精液が吐き出される。

 次の瞬間、ものすごい勢いで白い物体が尿道を駆けあがっていく。

 

 ..........どぴゅっ!

 

 そんな音が聞こえてきそうな瞬間だった。

 子宮の入り口に突きつけられた鈴口から、噴水のような勢いで精液が垂直発射され、

 子宮の奥に べちょり! と勢いよく当たる。

 

 それは陰のうが収縮する度に起り、

 どぴゅっ! どぴゅっ! べちょっ! べちょっ!

 と子宮の奥をノックするように続いた。

 

 見事なまでの射精の瞬間だった。

 

 「いやぁあああああああーっ!!」

 子宮に浴びせられる精液の感触に総毛立ち、絶叫するさくら。

 

 だがその絶叫をあざ笑うかのように射精は続く。

 

 「あああああああーっ!! やあーっ!!」

 上半身をがくんがくんと暴れさせ、絶叫するさくら。

 

 野太い砲身がぎゅんと震えるたびに精液という弾丸が発射され、女の一番大切な器官を欲望の汚液で満たしていく。

 

 「いやああっ! いやああっ! いやああっ! いやああっ!」

 首をぶんぶんと振って絶叫するさくら。

 

 亀頭が子宮の入り口に栓をするように塞いでいるため、

 注がれた精液は膣へと垂れ落ちることができず、どんどん子宮内に溜まっていく。

 

 「やだっ! やだっ! やだっ! やだっ! やぁあああーっ!!」

 だがさくらの叫びも空しく、大男の射精は畜生のように長時間続いた。

 

 子宮内があふれんばかりになみなみと注がれた子種...。

 「いっぱいです! 男の精液によって子宮の中が...真宮寺さくらのお腹がいっぱいになっています!」

 その様子を実況する大神。

 

 想像を絶する屈辱に、

 「やだっ...やだっ...やだぁ...やだよぉ...」

 とうとう子供のようにいやいやをしながら泣きじゃくりはじめるさくら。

 

 「このまま卵子と結合し、新たなる命を育むのでしょうか!?

  その場合は是非元気な赤ちゃんを産んでもらいたいものです!」

 だが容赦なくさくらの恥辱を煽っていく大神。

 

 しかし、さくらはもう泣きつかれたように、ぐったりとなっていた。

 もう反応のないさくらに、少し不満そうな表情の大神。

 

 「うくっ...ううっ...あうぅっ...」

 自分の腹部に...どろりとした液体が存在しているのがわかる。

 腹部に広がるあたたかい精液の温度を感じ、身をよじらせる。

 「あうっ...ふあっ...くうぅっ」

 だが、今の彼女にできるのはただただ身をよじらせ、泣きむせぶことだけであった。

 

 

 .....そしてそれからも悪夢は続いた。

 大男のペニスは射精しても一向に衰える様子はなく、

 そのまま2回目に突入した。

 激しいストロークで膣内を責めたて、膣壁をこすりあげられる様を、子宮の入り口を小突かれる様を、

 「X線ハメ撮り」で克明に晒した。

 突かれるたびに、子宮に溜まった精液がちゃぷちゃぷと波うった。

 意識が無くなろうとしても、一段と激しい強突きによって力づくでたたき起こされた。

 何度も絶叫し、何度も泣き叫び、何度も大神に助けを求め、許しを請い、すがった。

 

 だが...さくらの涙も、悲鳴も、必死の懇願も、ここではショウの演出の一環として扱われていた。

 

 観客たちは口元を歪めながら、少女がもがき苦しむ様を、まさにショウを見るように楽しんでいた。

 

 . . . . .

 

 「では...これにて ”真宮寺さくらの開通ショウ” を終了させていただきます!

  長らくのお付き合い、本当にありがとうございました!」

 観客に会釈をしながら、カーテンコールを告げる大神。

 

 どっと観客から拍手が湧き起こる。

 

 やっと...やっと...やっと終わった...。

 まさに悪夢のようなショウの終焉を感じ、身体の力が抜けていくさくら。

 

 全身の力が抜け、だんだんと闇に落ちて行く意識。

 今は...もう、何も考えずにこの闇に身を任せよう...と思っていた矢先、

 帰り支度をする観客に向かって、大神が叫んだ。

 

 「では続きまして、本日真宮寺さくらの処女喪失を記念して、

  エントランスにて、握手会ならぬ ”穴突き会” を行いたいと思います!」

 その一言に、闇に落ちかけていたさくらの意識が引き戻される。

 

 「!?」

 ハッと顔を上げるさくら。

 

 その「穴突き会」がなにをする会なのかはわからなかったが、

 本能的にそれが自分にとって良くないことだとすぐに察する。

 

 やっと、やっと地獄のような苦しみが終わったというのに...再び絶望の淵に立たされる。

 

 「いっ...いやぁ...大神さんっ...」

 観客に向かって説明をする大神に、懇願するさくら。

 

 「ですので、お帰りをお急ぎでない方は入り口にてお待ちください!

  我が帝国歌劇団のスタアと交わるまたとないチャンスです!」

 だが視線も向けずにマイクに向かって説明を続ける大神。

 

 だがさくらがすがれるのは大神しかいない。

 「いやっ...いやぁ...許して...許してください...」

 また涙をあふれさせながら、何度も何度も許しを請う。

 

 「むぐっ...んっ...」

 不意にその口に大男の節くれだった指が挿入されて、塞がれた。

 

 「んっ...? んんっ! .....んんんーっ!?」

 その指が喉の奥まで入り込み、目を白黒させながら苦しそうにもがくさくら。

 

 「んくっ...ん...こくっ」

 喉の奥に何かを押し込まれ、思わず飲み込んでしまう。

 

 飲み込んだのを確認すると、大男の指が口から抜かれる。

 

 「けふっ...けほっ...こほっ...な...何?」

 苦しそうに咳き込むさくら。

 

 観客に説明を終えた大神が、咳き込むさくらに向き直る。

 「媚薬だよ...」

 そしてさくらの問いに答える。

 

 「び...びやく?」

 

 「そう...穴突き会は悲鳴をあげる女よりも、よがる女の方がウケがいいんだ...

  だから今度はさくら君に嫌というほど気持ちよくなってもらうよ」

 

 やっと終わると思っていた陵辱のショウ、だが大神は終わらせるつもりはなかった。

 

 「そ...そんなっ...大神さんっ...」

 その顔からどんどん血の気がひいていく。

 

 だが...身体の芯は裏腹に、女としての喜びを求めて疼きはじめていた。

 早くも薬の効果が現れてきているのだ。

 

 「...媚薬を飲んで禁断の交わりをする...まるでイゾルデのようじゃないか」

 その顔はいつもさくらの知っている大神の笑顔だった。

 

 「お...大神さんっ...」

 それがかえって、さくらを戦慄させた。

 

 イゾルデとは...「トリスタンとイゾルデ」というワグナーによる楽曲に登場する、アイルランドの王女のことである。

 だが、同じ禁断の交わりでも...イゾルデには愛があった。

 

 今のさくらに、愛などなかった。あるのは、屈辱のみであった。

 

 

 


解説

 「イゾルデの屈辱 第一幕」の続きです。

 

 しかし静止画ではなく動画のX線撮影...身体に悪そうですね。

 


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