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十二匹の犬と主人の物語 ・ 綾崎若菜1
コギト=エラムス/文


 「ご主人さまっ! ご主人さまぁ!!」

 ベンチに主の姿を見つけた若菜は、まわりの目を気にせずに抱きついた。

 

 「お...おいおい、若菜...みんな見てるだろ...」

 御主人様と呼ばれた男は照れながら言う。

 

 だが若菜は麦わら帽子が落ちるのも気にせず、もう離さないといった感じで主人を抱きしめていた。

 

 ぱさり...

 

 麦わら帽子が足元に落ち...綺麗な黒髪が風にあおられた。

 若菜は涼しげな白いワンピースを着て、いかにも育ちのよいお嬢様といった感じだった。

 が、ただひとつだけ異質だったのは、白い首筋に巻かれた真紅の首輪であった。

 

 「ちゃんと...してくれてるんだね」

 主人はそれを確認すると、やさしげな微笑で若菜を見た。

 

 「はいっ! 頂いてから...ずっとずっと身につけています!」

 主人にしがみついたまま、若菜はにっこり微笑んだ。

 

 綾崎若菜という少女を知る者は、この人が変わったようなはしゃぎ様に驚くことだろう。

 若菜は普段は物静かで芯の強い女性として通っているからだ。

 

 数年ぶりに自分を調教した主人から呼び出され...若菜はあわてて家を飛び出した。

 会えなくなってから、主人の事を考えない日は一日たりともなかった。

 最後の日に貰ったこの赤い首輪は、自分と主人をつなぐ唯一の証だとして、若菜は誰に言われても決して外すことはなかった。

 

 . . . . .

 

 抜けるような夏の青空...時折吹く涼しげな風...散歩をする人達...緑の芝生に寝そべる人達...

 そんな休日の公園に、ふたりはいた。

 

 主人はベンチに座り...若菜はその足元でひざまづいている。

 純白のワンピースが汚れるのも気にせずに。

 

 主人は少女の首輪の正面につけられたプレートを見る。

 その金のプレートにはカタカナで ”ワカナ” と彫られていた。

 「じゃあ...ワカナ...服を脱いで」

 

 「あっ...は、はいっ」

 その一言だけで、若菜の頬はほんのりと染まる。

 道行く人々を気にするように...あたりをきょろきょろと見まわす。

 

 「早く...」

 

 「は...はいっ」

 主人の一言に...若菜は覚悟を決める。

 

 ぷちん...ぷちん...

 

 その細い指で...ワンピースのボタンをひとつひとつ外しはじめた。

 まず...ほっそりした鎖骨が露わになり...

 

 ぷちん...ぷちん...

 そして...白いフリルのついたブラが露わになり...

 

 ぷちん...ぷちん...

 次に...ほっそりした儚げなヘソが見え...

 

 そして...白いエナメルのベルトを外し、今度はスカートのボタンに手をかける。

 

 震える手で...ゆっくりとボタンを外しはじめる。

 

 ぷちん...ぷちん...

 ブラとおそろいの、純白で小さなショーツが見える。

 

 ぷちん...ぷちん...ぷちん...

 そしてとうとう...白くしなやかな脚線までもが主人の眼前に晒される。

 

 この時点では...服を脱いでいることは主人にしかわからない。

 

 「さ、脱いで」

 それでは満足せず、主人は促す。

 

 「は...い...」

 消え入りそうな声で返事をする若菜。

 頬が完全に上気している。

 

 しゅるん...

 ワンピースの肩口を落とし、華奢な肩を露わにする。

 羞恥に震えるその肩...ブラの肩紐までが露わになる。

 

 しゅるる...

 布ずれの音をたてながら...ワンピースをずり下げていく若菜。

 

 道行く人が、ぎょっとした顔でそのシミひとつないきれいな背中を見ていく。

 日本人女性特有の艶かしい背筋に...別れた黒髪からちらりとのぞくうなじが色っぽい。

 思わず、立ち止まってしまう男もいる。

 

 しゅるん...しゅるん...

 背中に集中する視線を感じながら...若菜はワンピースから袖を外し...

 

 しゅるっ...

 

 ワンピースを胸にたぐり寄せるようにすると...若菜のしなやかな身体を覆うものは下着だけとなる。

 

 「うおっ!?」

 こんなまっ昼間に現れた下着姿の美少女に、驚きをかくせない通行人たち。

 

 若菜は羞恥に震えながらも...ワンピースをきちんとたたんでベンチの横に置く。

 

 「下着も忘れずにね」

 念を押す主。

 

 「は...はい...」

 震える声で返事をする若菜。

 

 ふたたび主人の前にひざまづくと、背中に手を回し...ブラのホックを外した。

 

 ぷちん...

 量感のある乳房がぽよんと跳ねるように飛び出す。

 

 「ん.....」

 流石にこれを外すのは恥ずかしいのか、肩紐のずれたブラを抱きしめるようにして

 主人に許しを乞うような視線で見つめる。

 

 しゅるんっ

 

 「あ...!」

 主人は返事のかわりに、手を伸ばすとブラを引っ張った。

 

 辛うじて胸を覆い隠していたブラは持ち主の胸を離れた。

 

 そんな...という顔でそのブラを目で追う若菜。

 

 「さ...下も脱いで」

 主人は事もなげに言いながら、ブラをたたんだワンピースの上にはらりと落とす。

 

 「は...はいぃ...」

 主の命令の前には...若菜の返事はYESしかないのだ。

 

 ひざまずいたまま...ショーツを結ぶヒモに手をかける。

 主人の前では...主人より頭を高くしてはいけないというルールがあるので、

 若菜はひざまづいたままでも脱げるヒモで結ぶタイプのショーツを身に付けていた。

 

 「おい...アダルトビデオの撮影かなんかか?」

 若菜の背後では...明らかに男のものとわかる荒い鼻息が聞えていた。

 

 しゅるん...しゅるん...

 両端のきちんとした蝶結びが解かれると...ゆっくりと下腹部を覆う布が落ちはじめる。

 両手で豊かな胸を覆い隠しながら...往生際悪くその布も押さえようとする。

 

 「これ...ワカナ!」

 だが、主人の一喝により若菜はびくんと肩をすくめ...布を押さえようとした手を離してしまう。

 

 はらり...

 

 少女のしなやかな肢体を覆う最後の布が...ゆっくりと地面に落ちた。

 

 顔はわからないが...その背中だけでも男たちは十分に熱狂していた。

 ちらりと見えるほんのり羞恥に染まったうなじ...

 腰まで伸びたたゆやかな黒髪は太陽の光を受けてキラキラと輝き...

 なだからな肩のライン、魅惑的なほっそりとした背骨と背筋のライン、

 ぜい肉ひとつ感じられないキュッと引き締まった腰...

 

 そしてついに、最後の布一枚が地面に落ち...

 白桃のようなみずみずしい臀部が...衆人たちの視線に晒される。

 

 「おおっ!」

 背後から、男たちの歓声が。

 

 「ん.....!」

 きゅっ、と胸を抱きしめるようにして、身体を縮こませる若菜。

 

 僅かに震える白いうなじ。

 それは...雨に打たれて縮こまって震える子犬のようにも見えた。

 

 「.....」

 主人は無言で...カバンから鎖を取り出すと...震える犬の首筋にフックの部分をひっかけた。

 

 かちゃり...

 

 冷たい金属製のフックの感触に...顔をあげる若菜。

 

 「さ...ワカナ...”ご挨拶” してごらん」

 首輪にかけられたフック...そのフックのかかった鎖を手綱のように握る主人...

 そして...愛玩動物を見るような視線。

 

 「あ.....」

 その視線に...過去の主人との記憶が鮮明に甦る。

 

 長い睫毛をたたえた瞼をうっすらと閉じる。

 その仕草は...たまらなく艶かしいものだった。

 

 「ん.....」

 若菜は首筋まで真っ赤にしながらも...胸を覆っていた手を下ろし...

 つま先立ちになりながら両足を大きく広げる。

 

 「おおおおおおっ!」

 ぴたりと閉じていた両足が広がり...背後の男たちは少女の花園を想像し、また歓声をあげる。

 

 若菜はうつむいたまま、主人に花園がよく見えるように大股を開いて...

 ヒジをまげ、軽く握った手を鎖骨のあたりにぴったりとくっつける。

 

 何度も生唾を飲み込みながら少女の次の行動を見守る男たち。

 

 不意に白磁のような背中が揺らいだかと思うと...若菜はその白い背中から地面にころん、と寝転がった。

 一級の芸術品のようなそれが土で汚れるのもいとわずに...。

 

 「!?!?!?」

 寝転がった若菜を見て男たちは仰天した。

 

 若菜は空を仰ぎながら、小さく丸めた手を肩につけ、膝を曲げたままの脚はその間にあるものを惜しげもなく晒すように大きく開いている。

 そう、これはまさに犬が飼い主や力の強い犬に対して行う「服従のポーズ」である。

 

 若菜は羞恥で耳まで真っ赤にし、犬のようにはぁはぁと荒い息をしている。

 そして飼い主に向って無防備な腹と性器を晒すその姿は...雌犬そのものであった。

 

 深窓の令嬢といってもおかしくない上品で優雅なたたずまいの美少女が...

 こんな人の往来のある公園で、一糸纏わぬ姿で、服従のポーズをとっている...。

 

 「す...すげえ...」

 まるで白昼夢のような光景に...男たちは目を疑いながらも股間を熱くした。

 

 若菜は最初は男たちの絡みつくような視線が気になって、恥ずかしそうに視線を泳がせていたが、

 主人の咳払いにハッとなり「ご挨拶」の続きを行う。

 

 この状況ではまるで性器にも見えるピンク色の唇がゆっくりと動く。

 「わっ...若菜...は、ご主人様の...ペット...ですっ...

  どうか...どうか...ご主人様のご慈悲で...この雌犬めを可愛がってください...」

 そしてつっかかりながらも、以前主人から教えこまれた ”ご挨拶” を一言一句違えずに述べた。

 言い終わり...潤んだ瞳で主人の次の言葉を待つ若菜。

 その瞳は...まるで従順な仔犬のようであった。

 

 「よしよし...よく出来たね」

 主人は鎖を持ったまま立ち上がり...その服従する犬を見下ろした。

 

 「ご挨拶」により、若菜は更に主人との日々を回想し...自分の立場を思い出したのか、

 すがりつくような瞳で主人をじっと見つめている。

 .....それは、主人も当然気づいていた。

 

 ようやく雌犬に相応しい瞳になったことを確認した主人は...

 土足のまま若菜のしなやかな腹部を無遠慮に踏みつけた。

 

 ぎゅっ

 

 「はぅ! ん...」

 肺が押され、苦しそうな息を吐き出す若菜。

 そんな様子も気にとめず、主人はなおも足跡を残すかのように、若菜のやわらかな腹部を踏み続ける。

 踏み込まれるたびに、ぜい肉ひとつないものの柔らかそうな腹部がぐん、ぐん、とへこむ。

 

 まさにそれは畜生の扱いであった。

 屈服させた者は、その服従する者の腹を足で踏みつける。畜生の世界でのルール。

 

 ぎゅっ... ぎゅっ... ぎゅっ...

 

 「はく! ん...、はぁ! ん...、ふぁ! ん...」

 だがそんな畜生同然の扱いにも、満足そうな吐息を漏らしながら...

 我が身を踏みつける主人をうっとりとした表情で見つめている。

 

 「はふぅ! あ...、ひぁ! は...、あはぁ! ん...」

 征服される喜び、屈服させられる喜び、服従させられる喜び...。

 

 少女のしなやかな身体が踏みつけられるたびに喜びにうち震え、雌犬の本能へと目覚めていった...。

 

 

 


解説

 なるらと様のリクエスト「主人公が調教済みの女の子達を訪ねてまわる」です。

 

 このシリーズは一応、桃色戦車様のリクエストをこなしたキャラクターを

 ターゲットにしていきたいと思っています。

 とはいえ話には繋がりは全くありません。

 


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