DDDRAVENGER −復讐者− 5話
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AVENGER −復讐者− 5話 仇
作者名/文




胸を過る想い出…

カトレア「姉さん」

騎士「カトレア、かかってらっしゃい!」

カトレア「せあっ!」

剣を切り結ぶ…まだ剣士に成り立てのカトレアは姉を心から尊敬し、又目標としていた

ティアと出合ったのも姉の仲間のプリーストがお互いの弟子として紹介して以来の付き合いだ

更に…二人の夜の師でもあった

騎士「うふふっ…ティアって言うのね、可愛い子」

ティア「はぁんっ!」

騎士の指先がティアのクレバスをなぞり上げる

プリースト「ダメよ、その子に手を出しちゃ…」

姉さんは可愛い子を見ればまず先に手が出る生粋のレズ…それもタチだった

妹として育ったカトレア等格好の餌食ではあったのだがどうにも如何せん

二人ともタチだった為に夜の相手だけは務まらないのだ…

そしてその師弟も又正反対の意味で悩みを抱えていたのだ

プリースト「さぁ、ティア…あなたのお相手よ」

元々姉と師はそういう関係だったようだ…

自分達にはお互いと言うパートナーがいるのだが弟子と妹にはまだパートナーが居なかったゆえのお節介心からだったのだが

ティア「あ、あの…始めまして」

カトレア「あ、こりゃどうも…」

まるでお見合いの席のようなカチコチの二人…

カトレア「ね、姉さん?あの…お相手って…」

その後の言葉は続かなかった

騎士「ふふふっ…もう濡れてるのね」

プリースト「あぁっ!な、舐めちゃダメよ…まだ沐浴もしてないのに…」

プリーストの陰部を舐め上げている姉の姿…もう既に始めていた

ティア「ゴクッ」

食い入るようにジーッと二人を見つめてしまう

指で陰唇を掻き分けるように広げると奥に覗く膣口に舌を差し入れる

プリースト「はぁぁっ!」

ニュプニュプと舌を抽送させながら溢れる蜜を指先で掬い取りクリトリスを擦り上げる

騎士「ふふっ…二人とも見ておきなさい、こうやって相手を悦ばせてあげるのよ」

腿の内側を嘗め回す…序序に陰部へと近づいてくるとその部分だけ素通りして反対側の腿を舐め上げた

プリースト「やぁっ…焦らさないでよ」

騎士「ふふふっ…良いのか?お弟子さんが食い入るように見つめているんだぞ?」

羞恥に紅潮する顔にキスの雨を降らせていく…

始めてみる姉と師のあられもない姿…

人差し指をツプリと膣内に差し入れると膣壁を引っかくように優しく擦りあげた

カトレア「…んっ」

見ているほうもなんだか変な気分になってきてしまう

身を乗り出すように食い入っていた二人の指先が僅かに触れた

ティア「きゃっ?!」

カトレア「うぁっ?!」

お互いに飛び上がって姿勢を正してしまう

カトレア「ぷっ…あははは」

ティア「ぁ…クスッ」

自分達の間抜けさに笑いがこみ上げてしまった

カトレア「えっと…自己紹介もまだだったな…あたしはカトレア、宜しくな」

ティア「はい、私はティア…此方こそ宜しくお願いしますね」

まだ転職したばかりの剣士とアコライトが手を握り合った

騎士「ん〜…プラトニックねぇ」

プリースト「ふふっ可愛らしいお二人じゃありませんか」

ベットからチラチラと二人の様子を伺っていた半裸の師達が見守っていた

技も…力も心も全て教えられた…余興に性技までも教え込まれたが…





誰も口を開かない…開けなかった

その師と姉の骸を踏み越え、たどり着いた奥地…そこは

カトレア「居るんだろう!出て来い!」

辺り一面に瘴気が立ち込める…この感覚、忘れられない…間違いようも無い

「やぁ、いらっしゃい、また、遊びに来てくれたんだね」

一際瘴気が強くなる…一つの墓石の影から現れた影

カトレア「…ドッペルゲンガー」

悪魔が薄ら笑いを浮かべていた…

ドッペル「クスクスッ…今度は何をして遊ぶんだい?また追いかけっこかな?」

カトレア「行くぜ!バッシュ!」

ティア「レックスエーテルナ!!」

ドッペル「お相手するよ…クスッ、君達は楽しませてくれるかな?」

一閃!ドッペルゲンガーが真っ二つに切り裂かれた!

…様に見えた

カトレア「何っ!」

消えた…影だけを残して

ドッペル「見えなかったのかい?もう少しゆっくり歩いてあげた方が良かったかな?」

既に後ろに回りこまれていた

カトレア「クッ!」

振り向きざまに横に薙ぎ払う!

ドッペル「おっと、踏み込みが甘いんじゃないかなぁ」

遊ばれている…届かない…全ての斬激は切っ先が掠りすらしない…

せめて一太刀!このままでは死ねないのだ!

カトレア「ボーリングバッシュ!!」

渾身の一撃…それは空を切り裂いただけだ

ドッペル「君達…詰まらないね…バイバイ」

剣を構えた悪魔がただ、無造作に剣を振って見せた…否、見せた筈だった

カトレア「うわぁっ?!」

風が巻き起こったかと思った次の瞬間にはカトレアはプレートに深い剣筋を残して吹き飛ばされたのだ

ティア「は、早い!」

まさかこれ程とは…自分達は甘かったのか…

憧れていた…目標だった姉と…師と同じく転職できていい気になっていたのだろうか…

だが、

リリー「私を忘れないでよね、ユピテルサンダー!」

雷球が迫る!いつの間にか死角に回り込み放った雷が悪魔を直撃した!

ドッペル「クスッ…この程度かい?」

確かに直撃した…だが、ダメージは殆ど見られなかった

ドッペル「君も遊んでくれるのかな?」

リリー「お生憎様、鏡を見てからモノを言う事ね…私を誘いたいなら整形でもしてきなさい」

ウィザードスタッフを構えると長い黒髪が風も無いのに逆立っていく

ドッペル「へぇ〜…人間なのに大した魔力だね…おやっ?」

何かに気付いたのか…一瞬悪魔の顔に疑問が浮かぶ

ドッペル「あははははは!!君!面白いね!あっはははは!!」

突如狂ったように哂いだす…この上なく楽しそうに…面白そうに

ドッペル「こ、こいつは傑作だ!あっははははは…君、混じってるんだもん」

混じってる?…意味もわからず哂われたリリーが激昂する

リリー「何訳の判らない事言ってるのよ!サンダーストーム!」

中空から激しい轟音と目も眩む光量を放つ落雷が落ちた!

ドッペル「何だ!君!知らないんだ!あはははは!自分の事なのに君は知らないんだ!」

新しい玩具を見つけたように面白おかしく哂い転げる

リリー「私の事?…どういう意味よ!」

一体、この悪魔は何を言ってるんだろうか…何を、知っているんだろうか

ドッペル「あははははは!お、教えてあげようか…君ね」

ミルフィー「うぁああああ!!」

ツーハンドアックスを掲げたミルフィーが悪魔に物凄い勢いで切りかかる!

それを言われるわけには行かないのだ!…知られるわけには行かない…特にリリー自身にだけは!

ドッペル「おっと、急にどうしたんだい?君も知りたいだろう?君のお友達が何者なのかを…さ」

ミルフィー「し、知りたくありませんの!リリーちゃんは、リリーちゃんですの!マキシマイズパワー!ですの」

フルパワーで切りかかる!紙一重で避けた悪魔の服が風圧で切り裂かれるほどの力…

カトレア「ミルフィー?」

何かに脅迫されている様な必死の形相で…連打で縦横無尽に重い斧を振り回す!

ドッペル「そうか!君は知っているんだね!あっはははは!だ、だからそんなに必死なんだ!」

悪魔の目が爛々と輝く、こんなに面白い見世物は無いとばかりに

疑心がホンの一瞬だけ浮かぶ…しかし

ティア「あ、悪魔の言うことに耳を貸したりしません!…私は…私は私の仲間を信じます!」

カトレアに回復魔法を掛けながら怯え竦む足を奮い立たせた!

何を言われるのかは判らない…ただ、聞かない方が良い様な気がするのだ

カトレア「そいつは顔も見たくねぇ性悪女だけどな…手前より100倍はマシだ!ツーハンドクイッケン!!」

ドッペル「そうだね、こんなに面白いことあっさりばらしちゃったら詰らないもんね、クスクス」

不安はあった…リリーに一体どんな秘密があるのか…だが、今は目の前の悪魔を倒すのが先決!

リリー「皆……行くわよ!ドッペルゲンガー!!」

詠唱動作に入るリリー、矢継ぎ早に防御魔法と支援魔法を繰り出すティア…そしてカトレアとミルフィーが左右から切りかかる!

ドッペル「君!気に入ったよ!ちょっとだけ本気を出してあげるけど、死なないでね!」

悪魔の持つ剣が光る!

カトレア「何!」

全員が薙ぎ倒された…剣圧…剣の起こした風だけで吹き飛ばされたのだ

…届かない…

ミルフィー「無理…ですの」

これは…勝てない…次元が違う

カトレア「此処まで来て…クッ」

痛む躯を引き摺り起こす

ティア「仇を…先生の仇を…」

這い蹲りながらも立ち上がろうと四肢に力を込める

リリー「逃げるわよ、皆」

今の自分達では絶対に勝てない…このまま戦えば間違いなく全滅だ

否、果たして逃げられるのか…転送可能領域はずっと後ろなのだ

ドッペル「帰っちゃうなんて詰まらないじゃないか」

しかも悪魔には帰す気などなさそうだ…速さで絶対的に負けている

カトレア「冗談じゃない!また、逃げるだけなんてのは…ゴメンだ」

ティア「私達は残ります…お二人は逃げて下さい!」

必死に立ち上がった二人が悪魔に対峙した

リリー「あんたら馬鹿?」

相変わらず口の悪い女

リリー「私はあんた等の仇討ちなんてゴメンよ、此処であんた等に死なれちゃ夢見悪いじゃない…それとも何、あんた等も不死になって彷徨いたい?」

残される物の気持ち…誰よりも二人は一番知っている

ミルフィー「悪魔さん!覚えておくですの!」

まるで悪者の捨て台詞を吐くミルフィー

しかし、逃げ切れるとは思えない

リリー「先に行って!後から追うわ」

カトレア「何?お、お前が言い出したんだろうが!」

ティア「そ、そんな!リリーさんを置いてなんていけません!」

ミルフィー「判りましたの!二人ともいくですの!」

留まるリリーを尚も連れて行こうとする二人の腕を掴むと一目散に逃げ出すミルフィー

カトレア「離せ!ミルフィー…あいつを見捨てるのか!」

ミルフィー「大丈夫ですの!」

誰よりもリリーの事はよく知っているミルフィーには判っていたのだ



ドッペル「おやおや、あなたが残ってくれるなんて…楽しみだなぁ」

対峙したまま悪魔が嬉しそうに哂った

ドッペル「ボクに勝てたら教えてあげるよ…本当のことをね!」

悪魔が迫る!瞬間移動のような動き…目には見えない速さで剣がリリーの胸元に突き刺さった!

ピキッと音を立ててリリーの躯が…割れた

ドッペル「何っ?!」

刺し貫いた物は…アイスウォールに写っていた影に過ぎなかった

「お・ば・か・さ・ん」

と地にしっかりメッセージだけが書き残されていた

悪魔を平気で手玉に取る魔性の女リリーだった


リリー「さっさといくわよ」

ティア「リリーさん?!どうして?」

ミルフィー「だから、大丈夫ですの」

カトレア「また…逃げるのか…あたしは」

敵わなかった…歯も立たない

走っていく一行の後ろで氷の砕ける音がした

リリー「ばれたわ!急いで!」

ミルフィー「く、来るですの!」

薄ら笑いが消え、謀られた怒りの形相…だが転送可能領域は目と鼻の先だ!

ミルフィー「食らえ!ですの!」

急に方向転換したミルフィーが走っていた勢いのままカートを投げつけた

だが、当然のように悪魔はそれを交わし…

掛けた時、カートが石に引っかかりひっくり返った!

ドッペル「なっ?!」

ぶちまけられた中身…数の多さに交わし切れずに売り物の武器が突き刺さり収集品のベトベトした液体が張り付く…最後に空から降ってきた金槌が悪魔の脳天を強かに打ちつけた

カトレア「す、凄げぇ」

ミルフィー「ラッキーですの♪」

ティア「見えたわ!ワープポータル!」

自分達が送り返された場所…忘れもしない場所に向けて転送の扉を開く

リリー「先に行くわ!」

カトレア「急げ!」

リリーが、カトレアが飛び込む

一瞬送れてミルフィーが

ミルフィー「戦略的撤退ですの♪」

続けてティアが飛び込む時

ドッペル「死ね」

悪魔が剣を振りかざす

一瞬…遅かった

背中に広がる熱い感覚…自らが吹き上げる鮮血に目の前が赤く染まる

出口は目の前…その光に向けて手を伸ばす

ティア「ぅ…ぁ」

ドッペル「止めだ」

振り上げた剣…その剣が心の臓を貫く瞬間

ミルフィー「ティアちゃん!」

光の中から伸びた手がティアの手を掴むと光の中に引き摺り込んだ

ガチンッと剣の切っ先は地に突き刺さっただけだった



次元の狭間が捩れる…普段とは明らかに違う感覚

カトレア「うっ…此処は…」

見渡す限りの密林…どう見ても町ではない

リリー「転送…事故?」

何故?…その疑問は続けて現れた二人を見て判った

ミルフィー「ティアちゃん!しっかりするですの!」

ミルフィーに抱きかかえられたティア…その背からとめどなく流れ落ちる鮮血

転送魔法は…術者は最後まで残らなければならない…術者こそが最も危険の大きい魔法だ

カトレア「ティア!」

リリー「ティア?!」

追いつかれてしまったのか…最後の最後で…

ミルフィー「大変ですの!!カ、カートが無いですの!!」

カトレア「カートなんかどうでもいいだろ!それよりティアを」

リリー「なんですって?!カートが…」

そういえば…カートは先ほど悪魔に投げつけてしまった

ミルフィー「どうでも良くないですの!…だって…あの中にイグドラシルの葉を入れてありましたの…」

通常の傷ならばポーションでも直せる…しかし此処まで瀕死の重傷では治せるのはプリーストのリザレクションかイグドラシルの葉でなくては…

カトレア「治せない…のか」

ミルフィーが白いポーションをポーチから取り出してティアの口に注いでも飲む力も無いのか…白い薬液は口の脇から伝い落ちていく

ミルフィー「お願いですの!飲んで…飲んでくださいですのぉ〜!」

カトレア「町は?!町は遠いのか?!」

見渡す限りの密林…

リリー「この森…見覚えがあるわゲフェン平野の南ね…道は二つよ」

大きく迂回してプロンテラに向うか…若しくは…

リリー「時間が無いわ、危険でも行くしかないわね」

オーク西の村を通ってゲフェンに向うしかなかった




続くでしょう

ハーデス「転送事故…懐かしいな…β時代はしょっちゅうだったぜ」

カナ「今時そうそう無いでしょうが、大体ぶっちゃけ死に戻r(ry」

マナ「まぁ人がそう簡単にポンポンと生き返るわけg(ry」

ハーデス「その台詞は全てのRPGに向けて言ってくれ」


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