DDDRAVENGER −復讐者− 6話
←前へ | 戻る | 続→

AVENGER −復讐者− 6話 敗北の代償
作者名/文



リリー「フロストダイバー!」

限界まで威力を弱めた凍結魔法で傷口を凍結させた

リリー「これで暫く持つ筈…行くわよ」

か細い息…赤黒く染まったセイントローブを羽織らせると立ち上がった

ミルフィー「急ぎますの!」

ティアを背負って走り出すミルフィー

カトレア「大丈夫か?ミルフィー」

最も小柄なミルフィーではいくら小柄なティアとはいえ人一人背負うのは…辛い

ミルフィー「カートよりも軽いですの…」

確かにカートよりは軽い…しかし、背負う物はこの上なく重かった

ミルフィー「死なせませんの!」

森を抜け、オーク族の住まう部落に突き進む…

リリー「来るわよ…右よ!」

カトレア「バッシュ!」

右前方の茂みから飛び掛るオークを一太刀で切り捨て走った

リリー「ソウルストライク!」

木陰で待ち伏せていたオークレディに向う古代精霊が魔物を吹き飛ばす

カトレア「この程度なら…」

しかし…甘かった

地上では最も強力な魔物の闊歩するエリアを抜けるのは容易な事ではない

リリー「待ち伏せされてる…多いわ」

肌で感じる気配…恐らくオークダンジョンの時と似たような光景だろう

しかし…此処で立ち止まるわけには行かない

カトレア「あたしが囮になる!そいつを頼むぜ!」

ミルフィー「そ、そんなのダメですの!」

オークダンジョンとは相手が違う…此処にいるのは間違いなく高レベルの魔物ばかりだ…

カトレア「こんな所で…死にはしない!先に行け!」

駆け出したカトレア…アイスクレイモアを構えなおすと魔物達に向い走り出す

リリー「まったく熱っ苦しいんだから…しょうがないわね…付き合ってあげるわよ」

ミルフィー「リリーちゃんまで…」

リリー「あの馬鹿女ほっておけないでしょ…ふふっ」

カトレアが居ないと喧嘩も張り合いが無い…ウィザードスタッフに魔力を込めながら追った

ミルフィー「い、行きますの!」

少女は走った…仲間を置いて…仲間を救う為に…



リリー「ちょっと、カトレア…あんた唯闇雲に切りかかるつもりじゃないわよね?」

カトレア「リリー?!何で…先に行けっていっただろ!」

リリー「その様子じゃ…図星ね、まったくだから馬鹿女なのよ」

やっぱりコイツは喧嘩を売りに来たんだ…心底そう思う

カトレア「じゃぁ…どうしろってんだ!」

リリー「聞きなさい、こうするのよ」

カトレアに耳打ちする…

カトレア「なっにぃ?!…こ、この女…」

コイツはきっと人の皮を被った悪魔だ…鬼のような提案に流石に騎士道精神が崩れ落ちそうになる

リリー「勝てばいいのよ♪」

カトレア「クッ…酷ぇ…」

なりふり構っていられない…仕方なくその提案に乗った



カトレアは走った…多くの敵を引き連れて…

時折飛んでくる矢を打ち払い走る…茂みの中…殆ど見通しが効かない中を

リリー「来たわね…行くわよ!」

目の前に広がる氷の壁…アイスウォールが何重にも張り巡らされていく

カトレア「はぁっ!」

すれ違いざまリリーを横抱きに抱えるとそのまま池に飛び込んだ

氷の壁を割り砕いて追いすがる魔物…だが

オーク「ハァ…ハァ…ウガ?」

氷の壁を砕いた…筈が吹き上がる血…

可笑しな話だ…これは氷に移った自分の影ではないのか?

何処其処で同じ現象が起こる

リリーもまた反対方向から敵の群れを引き連れて茂みの中を逃げ鏡のような氷の壁を張り巡らせたのだ

業と穴をあけて…

リリー「やってるやってる…オーッホッホッホ」

カトレア「ひ、ひでぇ…」

コイツだけは敵に回さない方が良い…心底思う…

知らず知らずに同士討ちを始めたオーク族の群れ…ハイオークに切り裂かれたオークアーチャー…そのハイーオークに飛んでくる矢

リリー「逃げるわよ…」

カトレア「あぁ…とりあえず助かった…のか?」

ティア達は無事だろうか…ミルフィーは間に合ったのか

出口に向け走り出したカトレアとリリー…だが

それは出口も差し迫った時だった

リリー「嘘…でしょ」

カトレア「なっ?!」

其処に居たのは廻りよりも一回り大きなオーク…そう、あれは…

リリー「オークヒーロー…」

気配は感じられなかった…瞬間移動してきたのだ

オークヒーロー「オォォォォ!!」

雄たけびと共に剣を突き出し突進してきた

リリー「クッ…コールドボルト!」

中空から無数の氷の矢が突き立つ

それは全て薙ぎ払った剣圧に押し返される

カトレア「畜生!ボーリングバッシュ!」

振り下ろされる剣…振り上げた剣が交錯した

ビキッと嫌な音が響くと

カトレア「何っ?!」

連戦に次ぐ連戦…新調したばかりとはいえ悪魔との戦いで既に限界が来ていたのだ

アイスクレイモアが…砕けた

リリー「カトレア!これでどう!ストームガス…きゃっ!」

リリーの腕に突き立つ矢尻、精神集中が途切れた…

何時しか自分達はオークアーチャーに取り囲まれていたのだ



ミルフィー「ハァ…ハァ…」

走った…最早敵の姿も見えていない…体中傷だらけ、満身創痍のまま走った

襲い掛かる敵に目もくれずに走り続けた…矢が突き刺さろうと斧で切り付けられようと走った

最早オークたちの縄張りを抜け町までは後僅か…しかし止まらない…止まるわけには行かないのだ

ミルフィー「頑張る…ですの」

背負った少女から急速に失われていく体温…間に合わない…否、間に合わせる!

ゲフェンまで後数キロだ…先生のところに行けばなんとかなる…きっと何とかしてくれる!



リリー「触らないでよ!汚らわしい!」

武器を破壊され魔法を使う暇さえ与えられず…少女達は遂に捕われた

カトレア「クソッ…こんな所で…」

オーク達の集落に連れ攫われた二人…手足を縛られ逃げ出すことも適わない

リリー「や、やだっ?!キャアッ?!」

オークの手がミンクのコートを剥ぎ取るとシャツを引き裂いた

カトレア「この豚野郎!リリーに触るんじゃねぇ!」

自らもオークに鎧を剥ぎ取られながらもリリーの方を向くとあの高慢ちきな女が…震えていた

リリー「やだっ?!やだ!やだぁ!!!」

衣服を切り裂かれたリリーに迫る魔物の醜悪なペニス

ツンと据えたような匂いが鼻につく…獣の匂いだ…

カトレア「離せ!離せぇ!!リリー!!」

仲間が襲われていた…なのに自分にはどうする事も出来ない無力感…

リリー「ヒギッ?!」

リリーの目が大きく見開く…まだ異性を知らない陰部に埋め込まれていく醜悪な一物

カトレア「クソッ!…えっ?」

血が…流れていた…魔物に蹂躙される仲間の足の間から…

カトレア「まさか…」

リリーは…初めてだったのか

リリー「いぎっ?!ぅぁあああ!!」

端麗な顔が痛みに歪む…狭すぎる処女孔が裂けそうなほど広がっていく

まさかバージンだったとは思わなかった…あれだけ綺麗な顔立ちをしていれば言い寄る男も数多かった筈だ

リリー「嫌ぁ!嫌よぉ!!」

抽送される太すぎるペニス…血が滑って潤滑油になり更に速度が上がっていく

途端それはわが身にも起こった

カトレア「クッ…ペッ!」

圧し掛かった豚の顔に唾を吐きかけた

オーク「ハァ…ハァ…ハァ」

意にも介さず迫ってくる魔物の醜悪な一物…

リリー「嫌ぁ!…た、助けて…グズッ」

泪が溢れていた…二人が始めて出あったときの再現のように…

カトレア「クソッ!リリーを離しやがれぇ!!」

身を捩ってリリーに圧し掛かる豚に噛み付く…だがそれは呆気なく跳ね除けられた

他のオークがカトレアの尻に掴みかかるとロクに濡れてもいない膣口に押し入るペニス

オーク「ハァ…ハァ…ハァ」

それは唐突だった…リリーの上で腰を突き上げていたオークの動きが止まった

最奥まで埋め込まれた処女孔に向けて迸る白濁した樹液が子宮向けて放たれる

リリー「う…ぁ…ぃ、嫌ぁあああ!!」

出された…こんな豚の精子を受け入れてしまった自分の躯

カトレア自身にも押し入ってきたペニスの先から放たれるザーメンを体の奥に感じていた

カトレア「畜生…畜生!!」

この上は自分の身などどうなってもいい…だが、目の前で仲間を死なせるのは…二度とゴメンだ

出し終えたオークがリリーの躯を打ち捨てるように離れた…だがここに居るオークは一匹や二匹じゃない

リリー「い…や、もぅ嫌ぁああ!」

新たに圧し掛かる筋肉豚

リリーの華奢な体を持ち上げながらズブズブと埋め込まれるペニス

先に出された精液と今尚止まらない血が豚のペニスをピンク色に染め上げていく

激しい抽送に突き上げられるリリーの後ろから更に迫ったオークが尻の穴にペニスを押し当てた

リリー「かっ…はっ…裂け…る、裂けちゃ…う」

ギチギチと限界まで広がる肛門…直腸と膣内の両側を圧迫するペニス

足が震えた…見開かれた目からは止め処なく泪が溢れる

何度も繰り返される抽送、前後の孔を交互に出入りを繰り返すペニスが更に膨れ上がっていく

オーク「ハァ…ハァ…ハァ」

最奥まで埋め込まれたペニスから再び迸るザーメン…ほぼ、同時に前と…そして直腸内に放たれた精液がゴボリッと溢れかえる

リリー「もう…嫌ぁぁ…グズッ…ヒック」

普段の勝気な顔はすっかり也を潜め、ただ目の前の蹂躙に怯えて身を振るわせる少女

カトレア「クソッ!リリー!リリー!!」

余りに小さく見えた…誰よりも高飛車で威張り腐ってあたり構わず喧嘩を売ってくる少女が…泣いていた

蹂躙されるリリーとカトレア…もう、リリーには殆ど意識など無いだろう

弛緩した躯からはありとあらゆる孔から白濁した獣の精液がドロドロと溢れ毀れている

自らの体を蹂躙されつつも未だ殺気を込めた瞳を失わないカトレア…だが、助け等こないかもしれない…絶望に捕われそうな己の心を叱咤して瞳に力を込めた

リリー「…ぅ…ぁ」

目から力が失われる…散々な初体験をすませたばかりの少女に埋め込まれていくペニス…

何度も…何度も繰り返し吐き出される精液が少女の膣口から溢れ水溜りのように広がっていく

カトレア「リ、リー…く…そぉ…」

先ほどから膣壁を擦り揚げられ嫌が応にも感じてしまう躯が恨めしい

リリーの上で腰を突き上げていたオークの指が…偶然にもネックレスに掛かり…鎖が千切れた

カトレアの目の前に転がり落ちた首飾り…その装飾は…これならこの縄くらい切れるかもしれない

注意は逸れていた…自分の躯しか見えていない豚どもに隠し持つと首飾りの先端に付いた突起で縄を切り始めた

…だが

オーク「ウガッ?」

リリーの上に圧し掛かっていた豚の…首が目に見えぬ刃で切り裂かれると血も出すことなく転がり落ちた

カトレアの真後ろから漂うのは…あの悪魔と退治したときとまったく同じ瘴気

カトレア「な、何?」

瘴気の出所を辿って行くと…それは確かにリリーの躯から立ち込めていた

魔物に散々弄られ、力の失われた瞳には乾いた泪の後…その瞳が紅く光り出した

次の瞬間、自分に圧し掛かっていた豚の躯が木っ端微塵に弾けた

オーク達が各々の武器をとり辺りを囲む…次の瞬間、漸く縄が切れた!

カトレア「うわっ!」

頭の上を魔力の奔流が駆け抜けた、間一髪避けたカトレアの後ろで弾け飛ぶオーク達

しかし、何故こんな物がリリーの躯から噴出すのか

−アレは…アレを持つ者は悪魔だけのはずだ−

次々に弾け、切り裂かれ焼き尽くされていくオーク達…やがて大御所が…オークヒーローが現れた

カトレア「嘘…だろ」

目の前で起きる惨劇が信じられない…まったく歯が立たなかったオークヒーローの剣が凍りつくと砕け散る

尚も襲い掛かるオークヒーローの首がカトレアの目の前に転がってきた…切り口は凍結していた

だから血が出ないのだ…絶対零度にさえ近い氷の刃がリリーの躯を守るように旋回しているのだ

転がってきたオークヒーローの生首から兜を奪い取った

そのカトレアに向き直るリリー…明らかに正気じゃない!

リリー「………」

リリーから放たれる冷気の刃…触れれば只ではすまない

カトレア「クッ!!リリー!あたしが判らないのか?!」

今のは明らかにリリーに向けられていた

確か日柄年中喧嘩ばかりしていた

だからこそ判る…今のは手加減していない…殺気の篭った刃だ

カトレア「な…何だと…」

カトレアの見上げた頭上に現れた炎の矢、ファイアーボルト

魔術師の初歩の初歩の魔法だがこんなファイアーボルトは聞いたことが無い

それはメテオストームの隕石程の大きさなのだから

降り注ぐ隕石のような矢が地を抉りクレーターが出来上がる

カトレア「うわぁっ?!」

何とか避けた物の吹き飛ばされたカトレアの手に光る首飾り

カトレア「コ、コイツか?…」

そういえばリリーは何時もコイツを身に着けていた…是が原因なのだろうか…

しかし、今のリリー相手には近づくことさえ容易ではない

痛む躯を引き摺りながら足りない頭で考えた…考え抜いた結果!

カトレア「特攻!!」

やっぱり馬鹿だった…

迫る火球…炸裂する爆風…そして

カトレア「くらえっ!」

剣は折れている…そもそも仲間相手に剣を振るわけにもいかない

伸ばした手から突き出される首飾り…触れる前に弾かれた

カトレア「うわぁあぁっ?!」

結界が張られている…何者も受け付けない

だが、そのリリーに向けて放たれる一本の矢

残党のオークアーチャーが放った矢がリリーに迫る

カトレア「危ねえ!」

躯が自然に動いた…其処に敵意も意思すらもない無意識の行動

引き寄せたリリーの手が首飾りに触れた途端崩れ落ちた

カトレア「はぁ…はぁ…な、なんだってんだ…これ」

暴走…そうとしか思えないリリーの行動

今のは…本当にリリーだったのだろうか?



ミルフィーは倒れていた…師の家の玄関先で

魔術師「これで大丈夫でしょう」

ベットに横たえられたティアに蘇生術を施し傷の手当てを終えた魔術師が漸く一息ついた

ミルフィー「あ、ありがとう…ですの」

遂に此処まで走りぬいた少女…だがほぼ死に掛けていたティアの蘇生に時間を取りすぎた…もう遅いかもしれない…

ミルフィー「そ、それじゃ…いってきますの」

躯も起こせないまま引き摺るように這い蹲って戻ろうとするミルフィーを流石に慌てて押し留める

魔術師「待ちなさい、そんな躯で何処に行くと言うのですか?」

ミルフィー「リリーちゃんとカトレアちゃん…助けなきゃ…です…の」

魔術師「…判りました…私が向いましょう…」

聞けばオーク西の村で二人を逃がす為に踏みとどまっているらしい

あそこはリリーにとっては苦手な場所の筈…氷結魔法の苦手なリリーにとっては…

カトレア「その必要はなさそうだ…ぜ」

玄関に現れた衣服をボロボロに切り裂かれた人影…

ミルフィー「カ、カトレアちゃん?!」

カトレア「ははっ…なんとか…そっちも間に合ったみたい…だな」

リリーを背負って此処まで逃げてきたのか…遂に膝を付いた騎士が床に倒れこんだ




続くんでしょうね


ハーデス「はいはい、突っ込みなんて聞かない聞こえん聞きません!」

カナ「むちゃくちゃだぁ〜…そもそもオークヒーローはドッペル様よりLv上でしょうが」

マナ「大体オークヒーローなんてボス厨さん達が出たと同時に倒してますよ」

ハーデス「そんなこと言うのはこの口か?この口か?」

マナ「痛い痛い」

カナ「やれやれ、競り負けたボス厨の一人の癖に(ボソッ」

ハーデス「ぐはぁっ!」


掲示板に感想を書く

戻る